2008年10月13日月曜日

フランス語教育学会


Il y a longtemps !(久しぶり!) でもないか。

みなさんはどんな連休だったでしょう。こちらは予定通り、土日は京都の学会に参加してまいりました。(もしもプログラムに興味がおありでしたら、http://wwwsoc.nii.ac.jp/sjdf/Taikai/2008aki_programme.pdf  

です。)

色々参考になる話もありましたが、なんといっても一番印象に残るのは、この学会の情熱というか、熱気というか、そういう雰囲気です。

一般に、大学でフランス語を教えていらっしゃる先生たちの専門は、文学、言語学が大半で、あとは経済とか、歴史とか、なんです。(わたしもまた、一応文学が専門ということになります。)ただそうした中、言語教育学、という分野を専門にしている先生方も、わずかにいらっしゃいます。

言語教育学。読んで字のごとく。言語を教えてるときの方法について、さまざまな角度から研究し、より効果的で、体系的な方法を追求していこうとするわけです。話は、ごく細かな、たとえばこの項目の教え方はどうするか、から始まり、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の理念とは、まで広がってゆきます。

彼ら、言語教育学を専門にする先生たちからすると、例えば文学を専門にしている先生たちの「フランス語」の授業は、方法に対する自覚が低いと感じられる場合もあるようです。わたしの周りには、授業に心を砕いてらっしゃる文学専門の先生もたくさんいますが、まあ全員そうかどうかは分かりません。ただ少なくとも、言語教育学の先生たちの意識が高いのは事実だし、大学生にとっては、ありがたい授業になっているだろうなあ、と思います。

会場で、今は北海道大学にいる先生と、10年ぶりくらいに会いました。彼女は、バリバリの言語教育学者です。その昔、彼女との雑談に出てきた、先生のための授業心得第1番、それは、

教室のドアを開けてから教卓に着くまでの間、教員は必ず微笑んでいること。

そうなんです、教育学は、こんなところからスタートしているんです! だから、授業の組み立てや、緩急や、小テストまで、本来はかなり緻密に計算されているものなんでしょう。もちろん、相手(=学生)のあることですから、それをその場で調節しながら。

わたしが参考書などを書くときも、こうした授業での経験を常にフィードバックさせるようには心がけています。ヒントを出したり、横に逸れたり、先回りしたり、意外性を狙ったり…… そう、一応考えてはいるんです、あんなものでも!

               ◇

というわけで、せっかく京都まで行ったのに、なんだか教室にいる時間が長くて、京都らしいことはほとんどしませんでした。唯一、京都の娘・シゲピョンに教わった、創業540年(銀閣寺が500年)という蕎麦屋、尾張屋に寄ってきました。混んでいるのに、あんまり急いでなくて、席もゆったりしてて、好感の持てるお店でした。

それから一つラッキーだったのは、とまったところが西武系だったので、ライオンズ優勝記念メニューというお安いディナーを出していたことです。(え? 小さい? たしかに……)

それにしても、原広司デザインの京都駅、もう10年になるんですね。今回は夜通ったのですが、あんなに暗くしているとは知りませんでした。東京には、あんな暗い駅はないでしょう。(暗い、って、比喩じゃないですよ。ほんとに暗いんです、夜みたいに!)ついつい、あのエレベーターを乗り継いで、11階まで上っていっちゃいました。おかげで、帰りの新幹線がギリになりました!

この京都駅、好きです。だけどやっぱり、安藤忠雄デザインの京都駅も、見たかったなあ……