2013年1月6日日曜日

Le Chat

開発中のデファンスを舞台にしているようなので、
ピエール・グラニエ=ドゥフェール監督の『猫』、見てみました。
(彼の作品としては、やっぱり『離愁』が思い出されます。
これは名作でした。)

この1970年制作の作品は、ジャン・ギャバンとシモーヌ・シニョレという、
往年の2大スターが共演。
今では愛も消え果てたかに見える老夫婦を演じています。
シムノン原作の物語はごくごく単純。
夫が拾ってきて可愛がっている猫を、
嫉妬した妻が拳銃で撃ち殺す、ただそれだけです。

そして(わたしにとっての)注目のデファンスの描写ですが、
これがなんと、先日見た『欲望のあいまいな対象』で描かれた雰囲気と、
まさに瓜二つ。
しかも同じクールブヴォワであるばかりでなく、
コンチータが住んでいたルイ・ブラン通りが接続している、
ヴィクトル・ユーゴー広場も登場します。
ほんとに近い。不思議なくらい近い。

http://www.youtube.com/watch?v=mqbc5wp6iJw

1分55秒あたりに、夫婦が住む古い家が現れます。
そして背景には、デファンスのビルが見えているのです。
(本編には、もっともっとはっきり映る場面もあります。)

残ってしまうものって、あるんですね。