2017年8月23日水曜日

アフリカからレバノンへ

早くも明日は、東京に戻る日。
というわけで今日は、
外すことのできないexposition、
ケ・ブランリの L'Afrique des routes に行ってきました。
ヴィデオによる紹介があります。

https://www.youtube.com/watch?v=yuJJK-rpGmc

そう、アフリカは、
その内部でさまざまな人間や文化の交流があったばかりでなく、
アフリカの外の世界とも、
さまざまに交流してきました。
この展覧会は、さまざまなレベル、
つまり、技術の伝達、商業、宗教、植民地主義、などのレベルでの「交流」を、
物や作品を通して見せる、という試みです。
とても面白かったです。


これは、紀元前7世紀頃、カルタゴで作られたもの。
 ダチョウの卵に、よく見ると、
いろいろ描かれています。
よく残ってました。



これはハイチのアーティスト、
Myrlande Constant の、2005年の作品で、
1m × 1.5m くらいあるでしょうか。。
中央にいるのは「死者の精」で、
それは彼の帽子と、
彼が着ている夜会服からわかるようです。
これは実は旗なんですが、
寺院の入り口などに置かれるようです。


これは2008年の
「メデューズ号」という作品。
わかりにくいですが、これは三次元の作品です。
カメラが傾いているのではなく、
船が傾いています。
これはもちろん、あのジェリコーの「メデューズ号の筏」と同じ、
1816年の遭難を題材としているわけですが、
こちらでは、船が遭難したのは、
奴隷港があったゴレ島近くだとみなされ、
となるとこの船は、
今運んでいるフランス軍の移動だけではなく、
かつての奴隷貿易の移動という文脈も重なってきます。
なるほど、いいですね。

そしてケ・ブランリからの帰り道、
レピュブリックで乗り換えるとき、
強烈なパーカッションのリズムに惹きつけられました。


なかなかその場を離れることができず、
20分ほど見てしまいました。
その間、音楽に乗って踊り出す黒人女性たち、
ほら踊ってごらん、
と子供をベビーカーから下ろすヘジャブ姿の母親、
子供とその母親が踊るのを撮影する白人観光客、
などが、入れ替わり通り過ぎて行きました。

そしてアパルトに戻る途中、
小さな土産物屋で店主と話すと、
彼はレバノン出身の50歳で、
(つまり内戦時代は子供で)
学生時代にパリに留学してきて、
そのままフランスに居ついたそうです。
でもベイルートには毎年帰るよ、
両親もいるしね。
レバノンは、幾つもの宗教が共存する素晴らしい国。
でも、いかんせん小さいからね。
今ではすっかりフランスに慣れたよ……

パリには、レバノン料理店は、
とても多いですね。

というわけで、
明日の夜にはパリを離れます!