コロナ後で頭も体もイマイチなときに、
これなら見られるかなという感じで見た映画です。
『RRR』(2022)
180分ある映画なので、
これはもう、わたしなどには、
家で見る方がありがたいです。
監督・脚本は、S.S.ラージャマウリ。
かれは、『バーフバリ』2作の監督・脚本も担当していました。
まあ、雰囲気は、叙事詩的と言っていいんでしょうか、似てますが、
物語の構図は大きく違います。
今作は、1920年代、
つまりインドがイギリスの植民地だった時代が舞台で、
そのイギリスの支配を脱し、
インドがインドとして独立するまでを描いています。
分かりやすく、
植民者イギリス=無慈悲な悪、であり、
見ていると、
インドのアイデンティティーは、
イギリス支配からの脱却に原点があるんだろうなと感じます。
そういう意味では、
かなり国家主義的な映画です。
もちろん達者な監督ですから、
表面のお話は、なかなか奇想天外でおもしろいです。
ただ、主人公である二人の男性は、
「腐女子」が食いつきそうなコンビです。
ホモソーシャルと、ホモセクシャルの中間くらい?
ただしこの映画、
インドが舞台だけに、
ちゃんと理解しているかどうかあやしい場面もあります。
主人公の一人が、
ムスリムに化けて、街で働くシークエンスでは、
最初、その「化けて」いるということがわかりにくかったし。
ヒンドゥー、イスラム、仏教、シーク教……
それぞれのアイコンが散りばめられているんだと思うんですが、
全部を把握した自信はゼンゼンありません。
(冒頭近く、主人公の一人に追われる男性は、
シーク教徒なのだと思います。
舞台となった場所で、かつてシーク教徒が殺され、
反イギリスの大きな騒乱が起こっているからです。)