北朝鮮のことが話題になることの多い昨今、
学生たちに勧められる、
韓国のことを理解するのに役立つような映画を探していて、
以前から気になっていたこの映画を見てみました。
『国際市場で逢いましょう』
https://www.youtube.com/watch?v=VxAJyEY16lY
(YouTube で、300円で全編見られます。)
この映画は、
演出等の面では、<優>とは言いづらいところがあります。
un peu trop dramatisé(ちょっと過剰演出)なんです。
でも、そこに嫌味はないし、
その演出の根底には事実があるわけです。
で、
トータルで考えて、
(特に学生には)ぜひ見て欲しい映画だと思いました。
物語は、1950年12月の、
いわゆる「興南(フンナム)撤退」で幕を開けます。
朝鮮戦争のただ中、
今は北朝鮮領にある興南に、
北から中国軍が南下してきます。
アメリカは撤退を開始し、
取り残された住民は、
なんとか一緒に連れて行ってくれと米軍に頼むのです。
米軍は、彼らを救うことを決断します。
しかし……
その後は、
(実はこういう事実があることを、
わたしは恥ずかしながら知らなかったのですが)
若い韓国人のドイツ炭鉱への移民があり、
ヴェトナム戦争があり……
そうした物語を、
ある一家の運命を通して描いてゆくわけです。
韓国の近代史を大まかに、
そして民衆視点で辿り直すには、
とても適切な映画だと思いました。
明日、明後日の授業で、
学生に勧めたいと思います。