2018年8月26日日曜日

視線 2

もう1つの展示は、これ。

https://www.youtube.com/watch?v=GYM0inEAivE

ここには、
有名画家の絵は(ゴーギャン以外)含まれていませんが、
要は、遠い土地を描いた作品が集められています。


1930年頃の絵で、Charles Fouqueray の「サイゴンの港」。
仏領インドシナ、の時代ですね。



1910-20頃。André Surédaの「トレムセン(アルジェリアの村)の祭り」。



1949年、Roger Reboussin の「火の踊り」。



1931年、Alcide Liotard の「洗面中のマダガスカル女性」。
こうした絵は、現地のフランス人たちにウケタと説明されています。



1936年、Antoine de Lyée  de Belleau の「kât を食べる人」。
kât とは、強力な麻薬作用のある木だそうです。
よく見ると、左手にその枝を持っています。
場所は、ソマリア、エチオピアなど、東アフリカと推定されています。



1936年頃、Fernand Lantoine の Duco Sangharé, Peule。

http://www.leparisien.fr/culture-loisirs/exposition-c-etait-le-temps-des-colonies-11-02-2018-7552506.php


なんと言いましょうか……
というか、簡単なことですね、
要は、植民地主義であり、
植民地主義的な視線です。
上の記事によれば、
こうした「植民地絵画」の展覧会は、
これが初めてだとか。
それもまたびっくりですが、
まあ、そうかもしれません。
フランスに限らず、
スペインもデンマークもイギリスもドイツも、
自らの植民地主義について、
「反省」の言葉を述べたことはまだありません。
(村山談話は画期的でした。)

会場内で絵を見ている人たちからは、けれども、
反省的な雰囲気は感じませんでした。
こうした作品が、今でも、
エキゾチズムとして消費されてしまう可能性があるのは、
否定できないでしょうね。