2018年8月30日木曜日

Orpheline

Drancy Avenir
で、フランスにおけるユダヤ人迫害を描いた
Arnaud des Pallières 監督の一番新しい作品、

Orpheline  (2016)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=j9SS6VYsPI8

これは、この映画についての前情報がないと分かりにくいかもですが、
それを知っていれば、
引き込まれるような内容でした。
で、その「前情報」とは、
この映画は一人の女性の前半生を描いているのだが、
それは、年代の違う4人の女優によって演じ分けられる、
ということです。
そしてその4人の中には、

アデル・エネル(27歳)
アデル・エグザルホプロス(20歳)

の二人が含まれ、
残る二人は、13歳と、6歳の子役です。
4人は、視覚的には、必ずしも似てませんが、
物語の文脈で見ていれば、同一人物と考えるのに、
不都合はありませんでした。

タイトルの『孤児』から想像できる通り、
ヒロインは、暴力的で破滅型の両親の元に生まれ、
早くから家出を繰り返し、
その後は肉体を使って世の中を渡り、
最後は犯罪にまで関わってしまいます。
(で、妊娠もします。それは希望です。)

ただ、映画の構成はなかなかおもしろくて、
形としては、「現在(アデル・エネル)」で始まり、
そこから順番に、若くなってゆきます。
つまり、見ていると、
ルーツを求めていくような感じ。
でも、ときどき「現在」が差しはさまれるので、
単純ではないんですが。

二人のアデルは、よかったです。
厳密な意味での「必然性」みたいなものは、
この構成では出ようがないので、
それは期待できませんが、
見ていておもしろかったです。
これなら、日本で公開しても、
そこそこいけると思うんですが……?