2008年10月31日金曜日

バッキアーナス・ブラジレイラス


昨日、わたしにとって「世界一美しい歌曲」
( la plus belle oeuvre de chant au monde )は? 
と書きました。
で、つらつらつらつら考えました。
そして、後悔し始めました!

やっぱり、たとえ自分ひとりで決めていいと言っても、
「世界一」となると簡単じゃありませんね。
それでも、今日思い出せる中で選んだのは、
この曲、ヴィラ・ロボスの『ブラジル風バッハ』第5番です。
調べてみたら、you tube にいくつもありました。
(わたしが馴染んでいる人の歌はなかったけれど。)
でもこれで、十分に「美し」さは伝わると思います。
歌は3部構成です。
よろしければ、聞いてみてください。


う~ん、やっぱり素晴らしい曲ですね。
「美しい」です…… 
 
               ◇

そういえば今日はハロウィンでした。
昼休み、ドアを開けたままにして研究室にいると、
フランス映画ゼミの男子学生が2人、
Trick or treat ! と叫びながら入ってきました。
手にはレポートを持って。

仕方ないので、
愛用(?)の柿の種&ピーナッツの小袋を渡すと、
おお、まさかほんとにもらえるとは! 
しかもミョーにジャパニーズ! 
と叫びながら帰ってゆきました。
可愛いですねえ。 

2008年10月30日木曜日

Remember me...


『優雅なハリネズミ』の主役の一人、アパルトマンの管理人ルネが、「世界一美しい歌曲」というのが、パーセルの「ディドの死」です。

これは、『ディドとエネアス』という短いオペラのアリアです。この作品は、ヴェルギリウスの『アエーネアス(=エネアス)』をもとに作られたもので、カルタゴの女王ディドと、トロイアの王子エネアスの悲しい恋の物語です。

イタリア遠征の途上、エネアスはカルタゴに寄港。女王ディドと恋に落ち、結婚します。が、ディドに悪意を抱く魔女たちにだまされ、エネアスは再びイタリアに向かうはめに。2人は別れ、絶望したエネアスは自ら死んでゆきます。


というわけで、「ディドの死」は、2人が別れた後の場面です。歌詞はこうです。

Thy(=your) hand, Belinda(召使の名前), darkness shades me,
On thy bosom let me rest.
More I would, but Death invades me,
Death is now a welcome guest.


When I am laid in earth      わたしが土に横たえられるとき
May my wrongs create      どうかわたしの罪が
No trouble in thy breast.     あなたの心を苦しめませんように。
Remember me, remember me, 憶えていて、わたしを、
But ah ! forget my fate.      けれど、ああ! 
                     わたしの(不幸な)運命は忘れてください。

白黒ですけど、これはどうでしょう。美しきアルト、ジャネット・ベイカーです。(アルト、好きです。)


これは知らない人です。1箇所画像が乱れますけど、声はいいし、聞き取りやすいです。
                                         http://jp.youtube.com/watch?v=HRbFrOP8rgs&feature=related
                                              ……どちらも、切ないですねえ……

さて、あなたにとって「世界一美しい歌曲」はなんでしょう? わたしは…… じゃあそれは、明日までに考えましょう。(みなさんもね!)

@吉野家


今日は授業はなかったのですが、夕方6時から会議があって、それだけ行ってきました。

この会議はいつもわりと長いので、当然オナカがすきます。で今日は、大学近くの吉野家に寄りました。

5月にここで紹介した歌、

牛丼の並と玉子を注文し出てきたからには食わねばなるまい

を思い出さないではなかったのですが、今日は「牛すき鍋定食」(530円・画像)です。実はわたし、これけっこう好きです。

吉野家といっても、駅前ではなく、太い街道沿いの店。広い駐車場にはクルマは1台もありません。5時過ぎなので、あたりはもう真っ暗。

お客さんは、中学生くらいの男の子がひとりだけ。これから塾でも行くんでしょうか。静かに牛丼を食べています。

店員さんは、高校生のバイトらしい、色白の女の子がひとり、そして店長と思われる小柄な中年男性。そして店に流れる音楽は…… ジェニファー・ロペス。(けっこう好きです!)

でもすぐに、お客さんがやってきました。インパルスの堤下に似た若いサラリーマン(牛丼大盛り)、仕事が終わった感じのジャンパーのおじさん(牛丼、トン汁、ポテトサラダ)、ジャージ姿のおじいさん(牛丼並)。わたし以外みんな牛丼です!

これは書いたことがあるかもしれませんが、実はわたし、料理がそこそこできます。料理本は、何冊も使ったし、ネットで調べた料理を作ることもあります。

料理本は、わたしの経験から言うと、完全に書いてある通りに作っても、おいしくない本もあります。でもまあこれは(相対的には)当然で、たとえば親子丼1つにしても、本によって作り方はけっこう違います。肉じゃがも、餃子も、チリソースも。

で、わたしの1押しの料理本は、『ぜひ覚えたいおかず』(NHK出版)です。この本のレシピ、かなり色々やってみましたが、ホントにハズレがありません! 書いてある通りにやれば、おいしいんです。しかも1500円。カラー写真満載。安い!

(『フラ語シリーズ』の値段を決めるとき、実は個人的に意識しました。『ぜひ覚えたいおかず』より、高い値段を付けていいのか……? まあ、だれも比較しないでしょうけれど。)

堤下に似たサラリーマンは、忙しいのか、わたしが半分も食べていないのに、もう席を立ちました。そして中学生も、リュックを背負って出て行きました。

外は真っ暗。そしてわたしも、会議に向かいました。

2008年10月28日火曜日

『神々の山嶺』賛


『神々の山嶺(いただき)』は、夢枕獏作、谷口ジロー画の、なんというか、山岳マンガです。

全5巻で、しかもそれぞれの巻がそこそこ厚いので、読み応えがあります。1巻1000円なので、全巻揃えると安くはないです。が、ここには大事なもの、つまり感動があります。

舞台のほとんどはネパール、つまりエヴェレストのふもとです。そしてたまに、東京も出てきます。でも…… 

わたしは「東京派」なのですが、そんなわたしが見ても、エヴェレストの風景に比べると、どうも東京がせせこましく感じられます。冷たく厳しい山の様子は、もう「気高い」と言ってもいいくらいで、わたしは生まれて初めて、エヴェレストのような高い山に登ってみたいと思いました。(300%無理ですけど。)こんな想いが生まれるには、谷口ジローの絵が、どうしても必要だったと思います。

それにしてもこの作品は、表紙から受けた印象と、ずいぶん違っていました。こんなに緻密に、丁寧に積み上げてあるとは思っていなかったからです。

主人公は山岳カメラマン・深町。そしてもう一人、今は誰も行方を知らない伝説の登山家、羽生丈二。二人がカトマンドゥですれちがってしまったことが、この物語を引き寄せるのです。

重要な小物は、1924年製のカメラ、コダック・スペシャル。「そこに山があるから」で知られるマロニーが、エヴェレスト山頂付近で消息を絶ったとき、彼が持っていたはずのカメラです。

(マロニーの言葉に対して、羽生丈二はこう言います、「ここに俺がいるから」と。)

なんだかうまく紹介できなくてすみません。とにかく、印象に残るセリフも多いし、もちろんそういう絵も多いです。そして特に5巻には、清冽で激しいものが流れています。

素晴らしい作品だと思います。これがフランスで、manga として(Le sommet des dieux)評価が高いのも、嬉しいことです。さあ次は同じ谷口の、「『坊っちゃん』の時代」に突入します!

2008年10月27日月曜日

『優雅なハリネズミ』賛


気が向いたので、もう1つ。<ミュリエル・バルベリ&谷口ジロー>の対談、いよいよ来週の水曜日に迫ってきました。ところでバルベリさんの『優雅なハリネズミ』、これ、感動しました!

これ実は、350ページ以上あり、部分的にかなり抽象的な論議もあったりするのですが、はっきり言って、そこは斜め読みでも大丈夫。とにかく途中でやめないで最後までいけば、イイ場面がたくさん出てきます。陳腐で申し訳ないですが、心が暖かくなるのです。

主な登場人物は3人。まず、本当は教養ある女性なのですが、それをひた隠して生きる家政婦のルネ。でもなぜ隠すのか? 隠し続けることがほんとにいいことなのか……?

2人目はパロマ。この12歳半の天才少女は、今度の誕生日に自殺することにしています。だって、生きてたって、どうせ「金魚鉢」に入るだけだから! と彼女はいいます。彼女にはお金持ちのブルジュア両親と、「最悪の」姉がいます。

3人目が、日本人のオズさん。2人がいる高級アパルトマンに越してきます。そして……

正直言って、このまま難しくなったらまいるなあ、と思う箇所もあるんです。が、信じてください、読み続ければ、イイ場面が待っています。そして、それ以上です……

(あんまり言いたくないのですが…… 抽象的な話の部分は、やや訳が荒い箇所があるようです。原文を見たほうが分かりやすいのですが、原書は高いし……。だからちょっと分かりにくくても、ご自分を責めないように!)

では来週の水曜日、日仏学院で会いしましょう!

そんな恋愛映画


株価が下がってますね。画像を追加

株は、か~なり前、ちょっとやったことがあります。(今はやってません。)というわけで、カラ売り規制が入るのが遅いなあ、とか、もうアナウンス効果期待だけじゃだめじゃないかなあ、なんて、素人なりに思っていたのでした。

株が乱高下すると、必ず「経済評論家」が新聞などで「今後の見通し」を語ります。でもこれ、なかなか当たりません。もうずいぶん前ですが、「新春株価予想」みたいなアンケートに、ある評論家は「10万円」と答えてました。もちろん、東証平均が、です。今日7200円くらいなことを考えると、何の話? と思っちゃいますね。

『ロミュアルドとジュリエット』(画像)というフランス映画があります。なかなかいい映画で、「フランス映画ゼミ」でも見ました。ただこの映画、ある程度株のことが分からないと、ストーリーが見えません。

まずは「インサイダー取引」。これは単純ですね? で大事なのが、TOBです。これは、株の公開買い付けのことですね。映画を見る前に、いつも学生に説明するのですが、学生たちは、お金の流れも、株式そのものもリアルじゃないので、ちょっと時間がかかります。

この『ロミュアルドとジュリエット』では、乳製品会社が舞台になります。そして仕掛けられた食中毒事件が、株価の変動にかかわり、社長交代へと発展する、そんな恋愛映画(!)です。

そうそう、数年前にはドラマ「ハゲタカ」がNHKで放送されました。評判がよかったらしく、何度も再放送してますね。わたしも見ました。面白かったです。(「ハゲタカ」とは、外資系の乗っ取り屋のことです。)

というわけで(?)今日は一日、ロンサール(詩人です)の薔薇の詩ってなんだっけ、とか、そういえばリルケにも薔薇の長い詩があったはず、とか、そんなことを調べているうちに過ぎてしまいました。そしてこれからは、manga タイムです。今は「『坊っちゃん』の時代」を読んでいます。そういえば、同じ谷口ジローの『神々の山嶺(いただき)』、感動しました! 明日は、そのことを書きますね。

2008年10月24日金曜日

スライド・ショー


1時間目の授業は、朝8:50からなのですが、今日だけは8:30から始めました。というのも、『ニキータ』を見せたからです。そしてこの映画は117分なので、早く始めないと終わらないんです! でもまあ一応無事終了しました。

そして夜、今度は明大前の和泉校舎へ。ここに来るのは、この前図書館に来たとき以来2回目。今回は、トヨダヒトシさんのスライド・ショー。楽しみ!

トヨダさんは、「起きていることは、一瞬一瞬すぎてゆくわけだから、プリントして定着させるのは違和感かあるんです」と言うのです。で、作品をスライドで見せることにしたんだそうです。

「スライドは、そこにあるのだけれど、手を伸ばしても触れない。そこが、いい。」

たしかに。で、彼の2作品(それぞれ約90分)を見たのですが……

1枚約5秒で90分。見終わると、なんだか旅から帰ってきた時のような、心地よい疲れが残ります。トヨダさん自身、「映像日記」のようなもの、と言ってらした通り、そこにはゆるやかな物語がいくつか、絡むように寄り添うように映し出されます。見ているわたしたちは、彼の視線の動き、時には凝視する集中力と交感しながら、ある時間を追体験するようです。時間と空間の旅、というと平凡ですが、やはりそういえると思います。

4年間世界を放浪して出家した住職、その山深い禅寺、7年間世界を放浪して、今は警備員の松葉さん、彼のもう1つの顔はキックボクサー(ランキング8位)、ホームレスの人たちの営む養鶏場、そしてトヨダさんの世田谷の実家、ご両親、その朝食、家の前のサクラ、あるいはニューヨーク、9.11、窓辺の子猫、曲がりくねる河……

夜の東京は輝く海のよう。吹き上がる火の粉は祈りのよう。光を孕む湖面は記憶の容れ物……

というわけで、スライド・ショー初体験のわたしには、あっというまの3時間でした!

               ◇

雑誌「ふらんす」11月号に、レナさんの書いた「ふだん着のフランス語」が出てます。読んでみてください!

2008年10月23日木曜日

出会い


昨日のンディアイさんの帰り道のことです。

新宿駅で、ちょうど来ていた電車に乗り、鞄を網棚に載せてふと見ると、なんとほんとに目の前に、ンディアイさんの『みんな友だち』を読んでいる男性が。しかもそのコットンのマフラーは、さっき会場で見かけた気がします。で、ちょっと会の話がしたくなって声をかけてみると……

やはり彼も、会場からの帰り道でした。で話を聞くと、仏文専攻の大学院生で、7月まではリヨンで日本語を教えていたんだそうです。(こんな人なのに、なぜか「まいにちフランス語」を聞いてくれていました。「あの女性講師、オモロイですね~」。)

というわけで話は弾み、フランスでのマンガ人気の話、谷口ジローやメビウス(漫画家)のこと、小津安二郎のこと、彼の専門のクロソウスキーのこと、彼が日本語を教えるときに使っていた『みんなの日本語』(PSじゃないですよ。)のこと、など、色々話せて、楽しかったです。もちろん、彼が話しやすい人だったってことも大きいです。

そうそう、言い忘れてましたが、この前の土曜の朝日新聞の夕刊に、バルベリさんのことが大きく出ていました。「フランス語への愛、日本への恋」というタイトルで。まだ捨ててなかったら、どうぞご確認くださいませ。

で明日は、明治大学の和泉校舎(明大前)で、トヨダヒトシさんのスライドショーです。(詳しくは「3連発」の日を見てください。)わたしも授業は午前だけなので、ぜひ行こうと思ってます!

2008年10月22日水曜日

「特にありません」~マリ・ンディアイ


行ってきました、日仏学院の「マリ・ンディアイ」。とっても魅力的な人でした!

開始は19h.の予定だったので、少し前に到着して、とりあえず日仏の中にある本屋で立ち読み。するとふと隣りに人影がさし、あら、ンディアイさん本人です! チャンス! とりあえず持っていた本にサインしてもらいました。(ミーハーですけどなにか?)

で彼女、話す時じっとこちらの眼を見ます。うなづいたりはしません。でも、自分が話し終えたとき、とてもいい感じで微笑むのです。「惚れてまうやろ~!(wエンジン)」とまでは言わないけれど、とてもチャーミングでした。

で、肝心の話のほうはと言うと…… これは全部は書けないので、思い切って箇条書きにしましょう。

・川端の『雪国』は大好き。それを読んだときは、小説の中で1番(!)好きだった。
・谷崎の『細雪』も何度も読んだ。
・年に1度は必ず読み返す小説、それはフォークナーの『8月の光』。
・いわゆる「クレオール」の問題は、わたしとは関係ない。(グリッサンは尊敬してるけど。)ただ、「フランスの黒人」という問題は、わたしの問題の一つ。
・これは批判じゃないけど、フランスの小説は「知的」。
・「ヌーヴォー・ロマンがフランスの小説をダメにした」みたいな言い方は、まちがってると思う。
・ノーベル賞のル・クレジオ。『調書』は大好き。でもそれ以降のものは、ちょっとピンと来ない。
・プルーストは好き。réalité pragmatique (なんでもない現実)、たとえば眠ること、思い出すこと、田舎の家……みたいなことから、美を引き出すから。
・『源氏物語』大好き。あんな昔に、あそこまで繊細でありえたことが。
・悲しい終わりの話は嫌い、と娘が言うので、子供向けの小説は、ハッピー・エンドにしている。

とまあ、さすが「書くより読むほうが好き」というンディアイさんだけあります! たしかに彼女の短編「少年たち」の終わりなどは、言われてみれば川端的だと思います。つまり、「言わないでおく」感じの書き方です。そうそう、「あなたの作品全体を貫くメッセージは?」という質問に対して、彼女はこう答えました。

「特にありません」
                                               これは気取ってるのでも、謎めかせようというのでもありません。「わたしはわたしの分かるものを書きます、感じ取ってくれるのは読者です」ということのようです。いやあ、国語の試験問題の、「下線部について、筆者は何が言いたいのか」的な次元とは違いますね。

というわけで、なかなか充実した2時間でした!(しかも無料で……)

2008年10月20日月曜日

甘酢タイプ?


知り合いの女性(30歳)の一人に、何を思ったか、急にwebデザインに興味を持ち始めた人がいます。あわよくば、それで少しは稼げたらいいな、家でできるし! ということのようです。まあ確かに、オオ! というデザインも中にはありますね。

彼女の1番のごヒイキは、かの中村勇吾です。忘れもしない今年のエイプリル・フールに、NHKの「プロフェッショナル」に登場していました。

彼の作った数ある作品の中で、これは面白いなあ、と思うのは、amaztype です。


遊び方は簡単。searchword と書かれたところに、なんでも好きな言葉を入れます。例えば、「麻里」 とか、「LENA」とか。そしてあとは start search をクリックするだけです。とりあえず、トライしてみてください、ここで待ってますから。


……ね、面白いでしょ? もちろん最初の画面の MEDIA で music を選ぶと、CD が材料として使われるんですね。アマゾン+タイプ。面白いこと思いつくたし、それを実現しちゃうところがすごいですね。(かの女性は、これをある瞬間キャプチャーして、壁紙にしたりするそうです。)

                 ◇

レイズ、強かったですね。恐れ知らずの若い選手たちが、躍動していました。明々後日からのワールド・シリーズも、目が離せません!(わたしだけ?)

2008年10月19日日曜日

点描


日曜日。今日はほとんど家の中で過ごしましたが、午後3時ごろ、いつのもパン屋におやつを買いに行きました。

動物園帰りの親子連れなどで、小さい店はいっぱい。でも、お目当ての林檎のデニッシュはまだありました。帰ってコーヒー淹れて食べよう!

で店の外に出ると、モノレールと駐車場の向こう、長く伸びる駅のホームを警護するように立つ3本の桜の樹が、まばらに紅葉しているのに気づきました。よく見てみると……

これがほんとうに、うまい具合に「まばら」です。ちょうど点描画のように、紅い葉が点々と葉群れ全体に広がっています。春に、満開の花をつけていた時の姿と重ね合わせると、フシギな気がします。

点描と言えば、まずGeorges Seurat ジョルジュ・スーラを思い出しますが、わたしは岡鹿之助の絵(画像)も好きです。岡の絵は、部屋に飾るのもいいですね。(こんな言い方、画家は喜ばないかもしれませんが。)

みなさん、フランシス・ベーコンという画家、ご存知でしょうか? 岡の絵が端整で静謐なら、ベーコンの絵は歪んで苦しげです。なんだか物凄くゆがんでるなあ、と思うと、タイトルが「自画像」だったりします。若い頃は、ガツンときました。で、こんなベーコンの絵を、トイレに飾っている人がいました。

それはバルベリさんの『優雅なハリネズミ』に出てくる、あるブルジュア家庭です。こういう絵を飾れる神経って…… と読者が思えば、小説技法上の「小物の扱い」として、成功していると言えるのでしょう。

さて今週は、先日書いた3連発が控えています。あしたは、レイズvsレッドソックスの決戦もあるし。また忙しい週になりそうです。みなさん、はりきってまいりましょうね!

2008年10月18日土曜日

Vous êtes du soir ?


まあまあのお天気だった土曜日、いかがお過ごしでしたでしょうか?

土曜日曜は、朝はゆっくりしたいですよね。でもゆっくりしすぎると、あっという間に昼になり、ぼやぼやしてるともう夕方…… というのを避けるためには、やっぱり土日もそこそこの時間には起きないとですね。

ちなみに「ぼくは夜型なんです」は、Je suis du soir. と簡単に言えます。この du は de+le です。でここでの de は、「~に属している」という意味だと考えればいいと思います。(ドラマなんかで、「どなた?」「警察のものです」と言う時も、同じ意味の de を使って、Je suis de la police. (警察に属している。)と言っているようです。)

さて、上の画像、これなんでしょう? そう、目覚まし時計です。フランスの「女子向け」の雑誌のHPで見つけました。(仕事をしていただけなのに、PCがこのページを開いていたんです、勝手に!)商品説明はこんな感じ。

Personnellement, si je ne me lève pas dans les 24 secondes qui suivent le moment où j'éteins mon réveil, c'est foutu, je me rendors. Et je crois que je ne suis pas la seule (si ton seuil est à 38 secondes, je t'inclue dans le groupe quand même).

自分のことでなんだけど、目覚ましを止めてから24秒以内に起きなかったら、ハイおしまい、2度寝に突入しちゃいます。でもこれって、わたしだけじゃないでしょ。(言っとくけど、24秒が38秒になったからって、アタシはちがうなんて言わせませんからね。)

で、この目覚ましは、お分かりですね、パズルをきちんと嵌めないと、鳴り止みません! う~ん、これなら起きる、かな。説明の締めくくりはこうです。

Heureusement que ça reste simple, parce que si c'était un Rumik's cube, le réveil finirait vite explosé contre le mur.

でもまだラッキーだったのは、このパズルが簡単なこと。だってもしこれがルービック・キューブだったら、あっという間に目覚ましは、壁に激突してコナゴナになるのがオチです!

同感です。Et vous ?

2008年10月17日金曜日

照屋勇賢


21世紀も早8年目を迎えました。まあそれ自体にはたいして意味はないかもしれませんが、たしかに区切りはいいですね。

今日のランチは、仕出し弁当(680円)を、総合文化教室の仲間の先生たちと食べました。話題は『ゲド戦記』と、「惑星文学」と「赤ちゃんならまだしも高校生になった娘の写真を年賀状で送るってどうよ」などについて、でした。(むろん最後の話題には、みなしかめっ面で応じました!)

で、さらに話題は例の「共同研究」の話に。そのなかで、「21世紀に入って登場した新世代」のことが問題になり、じゃあ例えば、と言ったところで、写真が専門の倉石先生が、「照屋勇賢知ってる?」と言い出しました。

さて、この照屋の代表作の1つが、今日の画像です。これ、なんだと思いますか?

実はこれ、マックの紙袋、それを部分的に切り絵のように切り抜いて、樹にしてしまったものです。袋を、覗き込んでるんですね。いやあ、これはすごい!

もっと作品が見たいでしょ? それならこちら。


しかも、沖縄出身の彼は、ただキレイなものを作っているわけじゃなく、そこにはさまざまなメッセージも込められています。たとえば、一見沖縄の伝統的な柄に見える着物も、よく見るとそこにはヘリコプターが飛んでいたり、兵士らしき人がいたりするんです。

メッセージを、なんというか、ゴリゴリ押し付けてくるのはうざいけれど、こんな風にさりげなく、「しなやかに」(倉石さん)、作品化できるのは、いいですね。

でみんなで、PCで一通り照屋の作品を見たところで、倉石さんが立ち上がりました。

「じゃあ、ちょっとお先に」
「どっかいくんですか?」
「そう、ニューヨークに、ちょっと」

あら、購買部でも行くのかと思ったら! じゃ、Bon voyage !

2008年10月16日木曜日

Now on sale !


というわけで、先日予告いたしました『ハートにビビッとフランス語』、めでたく発売の日を迎えることができました。大きな本屋さんには並んでいると思います。CDと赤シートがもれなく付いています。よろしければ、活用してくださいませ。

CDというのは、ご存知の通り、素材としては100円程度ですね。ただこういう風に本に付けるとなると、もちろんスタジオ使用、編集、効果音作成、CDデザイン、それに声の出演者のギャラなどもあり、定価で言うと200~300円程高くなるのがフツーです。

ただ今回は、(というか割といつもそうなのですが、)やっぱりなるべくたくさんの人に使って頂きたいので、定価はなるべく安くするようにお願いしました。(レナさんも同じ意見でした。)本体も256ページ(ということは16折りですね。これ、16台という数え方です。)あるので、やや厚いです。でもね、編集長とA子さんが、ちょっと軽い紙を探してきてくれたので、重くはないと思います。もちろん、シャープペンでも書き込みやすい紙です。

また紙の色は真っ白ではなく、少~し黄色が勝ったものにしました。まぶしくないように。

ただページ数の都合で、普段のテキストの見開きのイラストが入れられませんでした。でもなんとか生かしたかったので、思い切って表紙の背景にもってきました。タイトルのフォントなどは、デザイナーさんのオリジナルです。

なんだか、色々書いちゃいましたが、これは宣伝のためじゃなく、こういう話が好きだからなんです。その点では明らかに古い人間で、モノとしての本が好きです。だから当然、本ができる過程も好きです。

ちなみにさっきレナさんからメールがきました。いつも通り元気そうでした。みなさんによろしく! とのことでした。(たしかに伝えましたよ!)

フウルス


今日はいい天気でしたね。久しぶりに洗車もし、すっきりして学校に行きました。

といっても今日は授業はないので、やらなきゃいけないことを粛々と進める予定、だったんですが……

研究室に着くと、なぜか眼に飛び込んできた『辻征夫詩集成』。いつも置いてあるのに、なぜか今日に限って呼んでいるような気がします。しょうがない、ちょっとだけ読んじゃいましょう。(もちろん、逃避ですね!)

でもやっぱり辻征夫はおもしろい。詩を読んでいて、声に出して笑うことがあるっていう詩人は、多くありません。(まあ、泣くほうが多いですね。)だって、春の海に「ヒネモス」が泳いでいたり、カラスの七つの子たちは、どうやら山の「フウルス」というところにいたりするんです!(フウルス? 古巣!)

それから、明治大学の講堂で行われた自作の朗読会のことを書いた詩では、前座として登場したダンサーが全員裸だった! という話が語られます。そしていつの間にか会場も全員全裸になり、自分だけが服を着ていて変だった、というんです!

そんなことあるんでしょうか!? と思ってよく見たら、小さな「*」が付いています。で注を見ると、「この会に関わったすべての人間が、この事実を否認している」(!)

おもしろいです。辻征夫、好きです!

                ◇

このごろ夜は、風呂で manga を読んでいます。そう、谷口ジローさんの manga です。今日は『神々の山嶺(いただき)』の第1巻を読みました。いや~、引き込まれました! 5巻まであるので、1日1冊の予定です。楽しみです!

2008年10月14日火曜日

3連発!!!


東京飯田橋の日仏学院、といえば、レナさんが教えている語学学校ですが、ここでは色んなイベントが開かれます。で来週の水曜・木曜、なかなかお目にかかれないお2人が連続登場という、めったにない事態に!

まず10月22日の水曜日には、マリ・ンディアイという女性作家(画像)。セネガル人の父親を持つ彼女は、フランスではすでに幅広く活躍しています。


今秋、彼女の作品が3点邦訳されるのですが、その内の1点、『ねがいごと』は、知り合いの編集者が担当していて、これが売れないと後が続かないんです! と唾を飛ばしています。まあ、編集者も力の入るいい作品だ、ということなんですね。

それから翌木曜日が、ナンシー・ヒューストン。彼女はカナダ出身で、英語でも書く人です。


こちらの進行係りの1人は、去年までの同僚の国分さんです。

(ほんとにどうでもいいことで恐縮ですが、彼の家が、わたしの仲良しの編集者のアパートと背中合わせだったことが判明したことがありました。今は編集者氏のほうが、deep Tokyo、町屋に越してしまいましたが。)

あと1週間あります。あわてて読んで、急いで参加! というのはいかがでしょう? 記憶に残る夜になるでしょう。(11月5日の、「ミュルエル・バルベリ&谷口ジロー」もお忘れなく!)
                ◇
                                               で終わりかと思いきや、実はその翌日の24日(金曜日)にも、今度は映像関係の面白そうなイベントがあります。
                                               ニューヨークを生活と活動の拠点に、何も跡を残さない"スライドショー"というスタイルにこだわって、映像日記を発表している写真家、トヨダヒトシ。今回は歴史を重ねた急勾配の階段教室が会場となります。場の記憶が濃密に漂うこの空間に、大きなスクリーンを設置し、つながりのある2作品を上映します。
■2008年10月24日 (金)■開場17時30分
■上映18時00分 - 19時30分 /『NAZUNA』 20時00分 - 21時20分 /『spoonfulriver』
■入場無料(入れ替え制)(各回とも席に限りがありますので、お早めのご来場をおすすめします)
■会場 明治大学和泉キャンパス第2校舎3番教室(京王線・井の頭線 明大前駅下車 徒歩3分)
■上映作品『NAZUNA』(2005 version/90min./silent)9.11.01/うろたえたNY/11年振りの秋の東京を訪れた/日本のアーミッシュの村へ/アフガニスタンへの空爆は続く/ただ、/やがて来た春/長くなる滞在/写真に撮ったこと、撮れなかったこと、撮らなかったこと/東京/秋/雨/見続けることー ある夏の、雨のブルックリンから始まる1年数ヶ月の日々を綴った  長編スライドショー
『spoonfulriver』(2008 version/80min./silent)2005年春先の、ニューヨークの平凡な道から始まる/このありふれた日/いくつかの旅をした/出雲崎/コペンハーゲン/グラーツ/残された言葉/今も/東京/水のように/思いを遂げることと幸せになることは同じではないのかもしれない/集めた光/去ってゆく音/ニューヨーク/ひと匙の河ー 500枚の写真からなる近作映像日記
                                               こうなったら、3連発、ぶちかましましょうか!

2008年10月13日月曜日

フランス語教育学会


Il y a longtemps !(久しぶり!) でもないか。

みなさんはどんな連休だったでしょう。こちらは予定通り、土日は京都の学会に参加してまいりました。(もしもプログラムに興味がおありでしたら、http://wwwsoc.nii.ac.jp/sjdf/Taikai/2008aki_programme.pdf  

です。)

色々参考になる話もありましたが、なんといっても一番印象に残るのは、この学会の情熱というか、熱気というか、そういう雰囲気です。

一般に、大学でフランス語を教えていらっしゃる先生たちの専門は、文学、言語学が大半で、あとは経済とか、歴史とか、なんです。(わたしもまた、一応文学が専門ということになります。)ただそうした中、言語教育学、という分野を専門にしている先生方も、わずかにいらっしゃいます。

言語教育学。読んで字のごとく。言語を教えてるときの方法について、さまざまな角度から研究し、より効果的で、体系的な方法を追求していこうとするわけです。話は、ごく細かな、たとえばこの項目の教え方はどうするか、から始まり、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の理念とは、まで広がってゆきます。

彼ら、言語教育学を専門にする先生たちからすると、例えば文学を専門にしている先生たちの「フランス語」の授業は、方法に対する自覚が低いと感じられる場合もあるようです。わたしの周りには、授業に心を砕いてらっしゃる文学専門の先生もたくさんいますが、まあ全員そうかどうかは分かりません。ただ少なくとも、言語教育学の先生たちの意識が高いのは事実だし、大学生にとっては、ありがたい授業になっているだろうなあ、と思います。

会場で、今は北海道大学にいる先生と、10年ぶりくらいに会いました。彼女は、バリバリの言語教育学者です。その昔、彼女との雑談に出てきた、先生のための授業心得第1番、それは、

教室のドアを開けてから教卓に着くまでの間、教員は必ず微笑んでいること。

そうなんです、教育学は、こんなところからスタートしているんです! だから、授業の組み立てや、緩急や、小テストまで、本来はかなり緻密に計算されているものなんでしょう。もちろん、相手(=学生)のあることですから、それをその場で調節しながら。

わたしが参考書などを書くときも、こうした授業での経験を常にフィードバックさせるようには心がけています。ヒントを出したり、横に逸れたり、先回りしたり、意外性を狙ったり…… そう、一応考えてはいるんです、あんなものでも!

               ◇

というわけで、せっかく京都まで行ったのに、なんだか教室にいる時間が長くて、京都らしいことはほとんどしませんでした。唯一、京都の娘・シゲピョンに教わった、創業540年(銀閣寺が500年)という蕎麦屋、尾張屋に寄ってきました。混んでいるのに、あんまり急いでなくて、席もゆったりしてて、好感の持てるお店でした。

それから一つラッキーだったのは、とまったところが西武系だったので、ライオンズ優勝記念メニューというお安いディナーを出していたことです。(え? 小さい? たしかに……)

それにしても、原広司デザインの京都駅、もう10年になるんですね。今回は夜通ったのですが、あんなに暗くしているとは知りませんでした。東京には、あんな暗い駅はないでしょう。(暗い、って、比喩じゃないですよ。ほんとに暗いんです、夜みたいに!)ついつい、あのエレベーターを乗り継いで、11階まで上っていっちゃいました。おかげで、帰りの新幹線がギリになりました!

この京都駅、好きです。だけどやっぱり、安藤忠雄デザインの京都駅も、見たかったなあ……

2008年10月11日土曜日

ノーベル文学賞


みなさんご存知のように、ル・クレジオ(画像)というフランス語で書く作家がノーベル賞をとりましたね。このニュースについては、わたしよりも、mon éminent collègue である管さんのコメントを紹介しましょう。管さんはル・クレジオの翻訳もしています。


さて今日は、1時間目から授業があり、午後はまた波戸岡さんたちと「共同研究」の相談をしたり、という1日でした。

この前波戸岡さんとわたしで作った「導入部分」をメンバーに振ったところ、みなさんそれ以上のものを返してきました。仲間をほめるのもなんですが、やはりさすがです! でもそうなると、今度はもとの路線でわたしが書いた部分が、イマイチ全体との整合性がないものになってしまったのです。で、またもや相談相談、というわけです。

でもまあ、優秀な仲間に恵まれるのは嬉しい&ありがたいものです!

さて、実はこのブログ、始めてから今日まで皆勤なのですが、明日・明後日、初めてお休みを頂かねばなりません。京都外語大学での学会に参加するためです。なんだか天気予報はイマイチなんですが……

というわけで、よろしければ、また月曜に(文字上で)お目にかかりましょう。では、BON WEEKEND !

2008年10月9日木曜日

クラゲと牛乳


ここ数日、ノーベル賞の話題で盛り上がってますね。日本の先生方が獲得されたのは、

le prix Nobel de phisique (物理学賞)
          de chimie (化学賞)

でした。素晴らしいですね。ちなみに「クラゲ」は la méduse 。これ、あの見る人を石に変えてしまうというメデューサです。彼女の髪(は蛇なんですけど)が、クラゲの脚(?)のい似てるから、なんでしょう。

メデゥューサはついには首を刎ねられてしまいますが、その吹き上がった血から、あのペガサスが生まれます。(ペガサスの父親はポセイドンで、その奥さんがアテナで、アテナがメデューサを殺させたわけです。)また、メデューサを殺したペルセウスは、その帰り道、岩につながれたアンドロメダを見つけ、助け出して嫁にすることになります。

フランスでも、le prix Nobel de médecine (医学賞)をとったペアがいます。エイズウイルスを発見した、ということでした。

このエイズウイルス発見の功績については、ずいぶん長いこと、フランスが先か、アメリカが先かで、もめてきました。これでやっと、一応の結論が出た、ということのようです。

フランスの2人は、パストゥール(Pasteur)研究所につながる人たちです。Pasteur といえば……

みんさん牛乳は低音殺菌ですか? もしそうなら、おそらく牛乳パックのどこかに、pasteurized(パスチャライズド)と書かれているはずです。「低音殺菌された」というこの形容詞(過去分詞)は、ご覧の通り、Pasteur(画像) の名前からきています。

じゃあ今日の風呂上りは、パツトゥール研究所に敬意を表して、低音殺菌牛乳で一杯やるとしましょう!

2008年10月8日水曜日

蟹とわたしとコノワタ


わたしの住んでいるところは、かなり急な斜面に建つ2棟で構成されています。で……

やっぱり斜面、というかほとんど山なので、これが雨の後は、一番低いエンロランスあたりは、2、3日水が流れています。で……

今日が初めてというわけではないのですが、その流れの中に、小さな蟹を発見しました!

3年ほど前に引っ越してきて、最初に蟹を見たときは、「飼い蟹」が逃げたのかと思いましたが、どうもそうじゃないみたいなんです。蟹ですよ!

蟹とわたしの出会い(?)は、小学校の頃に遡ります。狭苦しい台所に、母親が立っていました。そしてその手には、蟹が。蟹はこれから起こることを知ってか知らずか、逞しい鋏で虚空を切り裂き続けています。

そして、ザブン。蟹は熱湯の中へ。彼の鋏が、寸胴鍋の内側を引っ掻きます。カリカリ、ゴリゴリ。でもそれも、ほんの短い間だけ。あとに残るのは、炎と、わずかに揺らめる熱湯の音だけ。

いや、小学生には、お湯の表面は見えなかったはずですね。でも覚えているということは、抱っこでもされて覗き込んだか、単に記憶をでっちあげたか。

その時、蟹が可哀想だとか、残酷だとか、思ったかどうか…… よく覚えてません。でも何度となく繰り返されたこの場面は、わたしにとってはやはり原風景の1つといえるのでしょう。

ああ、余計なことを思い出しました。近所にあった仲良しの魚屋さん、小学校から帰る途中のわたしを 呼び止めて、コノワタを啜らせてくれることがありました、まんまのナマコから、チュルチュルっと! 今思うと、ヘンな図ですが、これはうまかった記憶がはっきりあります。ああ、昭和は遠くなりにけり!

2008年10月7日火曜日

共同で


今日は午後の2時間ほどを使って、英語の波戸岡先生とミニ会議をしました。ま、出席者2人、ってことですね。

わたしの属しているのは、理工学部の中の文系の集団、「総合文化教室」というところです。総勢14人で、英語、ドイツ語、中国語、フランス語、写真、そして体育の先生たち、で構成されています。波戸岡先生は、実はその中で最年少ですが、周りからとても頼られています。(わたしも頼っています。)

波戸岡先生は、授業もずいぶん工夫して準備してるし、かと思うと今週末は学会発表だし、11月には中国で開かれる環境文学学会にも出る、いわゆる業務もちゃんとこなす、というわけで、ハチメンロッピの活躍中なんですが、どうもそれでもまだあきたらないらしく、新たな企画を主導しています。

それは、共同研究です。

文系の場合、研究と言うと個人単位が基本ですが、総合文化教室の場合、1つの大きなテーマを決めて、各自の専門分野に関連することを勉強し、それを持ち寄ってぶつければ、うまくいけばあるスパークが起こるんじゃないか、という期待ができます。それをやろうというわけです。

で今日、その大きなテーマ設定などについて、ああでもないこうでもないと、話したのでした。その内容は、まだ発表できるものではないんですが…… でもまあ、(わたし以外は)みんな優秀なので、なにか面白いことができればいいなあと思います。

                ◇

夕食のときに、スーパーで284円で買ったスパークリングワインの小瓶を飲みました。で昔、ある女性が、シャンパンのコルク押さえを使ってイスを作っていたのを思い出し、ちょっと作ってみました。意外にてこずりました。(って、その女性のことじゃないですよ!)

2008年10月6日月曜日

80歳?


今日は午後からちょっと陽も差して、気持ちがいい風が吹いてましたね。わたしも午後2時過ぎから出かけたのですが、ちょっと迷って、でも半袖にしました。

もちろんクルマだってこともありますけど、わたしは基本暑がりなので、かなり遅い時期まで半袖です。特に教室は、若者たちの熱でまだまだ暑いです。ま、そんなことはともかく。

今日は、古本で買った『耕治人全詩集』を読みました。昭和5年から55年までという、ちょうど半世紀をカバーする詩集です。

たとえばこんな詩はどうでしょう?

 
あいびき

省線の駅の出口は
陸橋になっていた
陸橋のふちにコンクリートの手すりがあり
その下を電車が走っていた
手すりにもたれて
丈の低い洋服を着た女が
立っていた
女は手すりの上に本をおき
すぐ目の下の
薄暗い線路を
のぞくようにして
うつむいていた
女は水色の上着をき
茶色のぼてぼてした靴下をはき
その脚はつつましく
不安そうに内側を向いていた

これは昭和22年の発表なので、水色の上着を着た彼女は、今80歳くらいでしょうか。お元気なんでしょうか? あの日の自分が、ある詩集の中でこうして生きていることを、ご存知なんでしょうか?

絵や写真もそうですが、こうして捉えられた時間は、作品の中で結晶してしまうのですね。もしかしたらみなさんも、みなさん自身が気づかないうちに、捉えられているのかもしれません、もしかしたら今日も!

そしてみなさんも、きっとある瞬間を捉えたのでしょう、今日も! さあそれは、どんな一瞬だったのでしょうか? わたしは…… 

まだ新鮮な記憶なので、思い出そうとするとけっこうたくさんの場面を思い出せるものですねえ。しいていえば、今日は…… いや、やめときましょう。(なにそれ?)

2008年10月5日日曜日

お会式


以前もちょっと書きましたが、わたしは大田区池上というところで生まれ、そこで中二まで過ごしました。この池上には、池上本門寺という、由緒正しいお寺があります。どれくらい正しいかというと……

実は本門寺は、療養のために常陸の国に向かう途上の日蓮が立ち寄り、そこでそのまま没した寺です。(なくなる直前に、日蓮本人が、開堂供養をしたらしいです。)それが1282年、10月13日。そう、来週ですね。

で、この日蓮の命日には、「お会式(おえしき)」という法要、というかかなり大規模なお祭りがあります。その人出、約30万人! 

わたしは特に祭り好きというんじゃないのですが、子供の頃は、たしかにお会式は楽しみでした。なんといっても、池上駅から本門寺まで、その参道は屋台で埋め尽くされます。その頃は、これが東京を代表するお祭りの一つだなんて知りませんから、お祭りとはこういうものだ、と思っていました。花咲く木に見立てたような万灯や、纏なども登場していましたが、子供の関心はもっぱら金魚すくいと綿あめでした。

中原中也には、「お会式の夜」という詩があります。出だしはこうです。

十月十二日、池上本門寺、
東京はその夜、電車の終夜運転、
来る年も、来る年も、私はその夜を歩きとほす、
太鼓の音の、絶えないその夜を。

これを書いた頃、中也は洗足池(池上から10分ほど)に住んでいました。まだ『山羊の歌』も出版されていなかった25歳の中也は、どうやら何度目かのお会式のようですね。そうそう、じゃあついでに芭蕉も。

御命講(おめいこう)油のような酒五升

御命講というのは、お会式のことです。酒、飲んでますね!(画像は広重の「お会式」)

こんなお祭りが、一週間後にあります。残念ながらわたしは、フランス語教育学会(@京都外国語大学)に出る予定なので、行かれないんです。みなさん、これはお金もそんなにかからないし、お勧めです。(詳しくは「池上本門寺」HPを。)

ああ、大事なことを忘れてました。池上駅徒歩30秒の浅野屋。ここの葛餅、かなりいけます! 

ああさらに、「池上線」という曲が昔はやりましたが、あの舞台はこの駅です。ただし駅前の果物屋(さんざん買いました)は、もうありませんが。

さ、また一週間、はりきっていきましょう!

2008年10月4日土曜日

Excuse me, he said.


一週間ほど前だったか、ポール・ニューマンの訃報がありました。新聞で紹介された出演作を眺めてみると、やっぱりほとんど見てるんですね。彼を追って見てた訳じゃないのに。それだけ作品に恵まれたってことなんでしょう。

ポール・ニューマン、一度だけ本物とすれちがったことがあります。あれはちょうど『ハスラー2』が公開されたいたころでしたから、今調べたら1986年だそうです。

そのときは旅行中でニューヨークにいて、そこからトロントへ向かうために国内便に乗ったのですが、その搭乗手続きの列の前の方に、なんだかいやにポール・ニューマンに似てる人がいました。一緒にいた学生仲間と、あれポールじゃねえ? などと冗談で言っていたら……

機内に乗り込むと、まずファースト・クラスの席を通り抜けるたのですが、なんと、本物だったんです! しかも、何を思ったかポールは席から立ち、通路を歩いてきます。そしてすれちがいざま、あの緑がかった瞳に微笑をたたえ、ポールは言いました。

Excuse me.

! ポールと話した!(と言えるか?)

わたしたちは舞い上がって、この奇跡をことほぎました……

というまあ、たわいもない話なのですが、もう書いちゃったので消しません!

                ◇

練馬のチカコさんから、渋谷川に関する情報を送っていただきました。わたしの全然知らないことでした。世の中には、アンテナの感度のいい人がいるんですねえ。Merci encore !

そういえばNHK出版のA子さんからも、エデュケーショナルのユキちゃん(アヤちゃんの後輩です。)からも、番組が終わってハガキがたくさん届いている、とのお知らせをいただきました。今度会うときに渡してくださるそうです。送ってくださったかた、je vous remercie d'avance ! (先に merci を言っておきます!)

2008年10月3日金曜日

落書きみたいな


今日は出席者の多い会議があったのですが、見るともなく見ていると、やっぱりネクタイ姿の先生も半数くらいいらっしゃいます。が、残りの半数はノー・ネクタイだし、中には襟がない服、つまりTシャツ系の方もちらほらまじっています。

ただしそれは、機械工学科とか応用化学科とか、いわゆる理系の先生のお話。理系に浮かぶ文系小島、わが総合文化教室の場合、ネクタイ着用は14名中2名。(最年長と最年少の先生。)中には緑のジャージの先生もいます。 Qui ça ? C'est monsieur Suga, bien sûr !

管さんと言えば思い出すのが、もう数年前のこと、ある春の打ち合わせのとき管さんが履いていた黄色いスニーカーが妙に気に入り、似たような(といってもパイソン柄でしたが)スニーカーを買ったことがあります。それはアディダスのロッドレイバーでした。(ちなみにそれが履きやすかったので、色違いのモノトーンのも買っちゃいました。(←喜びすぎ) 今ではその2足は、雨の日には水が漏れ入ってくるまでと、なり果てました。

いったいなんでこんなことを書いてるの? と自分の胸に聞いてみると、それはこの前街で見かけた、new balance の、黄色い地に落書きみたいな模様のあるスニーカーが気になってるからです! 今も売っているのかどうか、それさえ分からないんですけど。こうなったら、明日探しにいこうかなあ。(でもなあ、机を取り囲んで、読むべき本が要塞みたいに積みあがってるしなあ……)
Bon weekend !

2008年10月2日木曜日

バタフライガーデン


先日若き友人大洞君と話していて、東京の西郊にある多摩動物園の話になりました。彼が小学生だった頃、毎週水曜日に「タマドウ」に行ったというのです。(ちなみに今は水曜はお休みです。)

彼のお目当ては昆虫館。それはいわばガラスの半球で、中は1年中暖かく、木々の間を蝶が飛び、草むらをバッタが跳ねている、そういう空間です。

それならわたしも知ってます。人工的に集約された自然が、楽しげな音楽を奏でている感じ。

でひとつ思い出したのは、ずいぶん昔に読んだ日高敏隆の短いエッセイ「バタフライガーデン」です。今タマドウにある昆虫館の前身、まだ開園(ちょうど50年前)して間もなかった頃、彼もその完成に努力したというバタフライガーデン。その苦労が具体的に書いてありあます。

天井が高すぎては、蝶は舞い上がりすぎてガラスにぶつかり、やがては力尽きてしまう。温室が暑過ぎてもだめ。また卵も、自然に任せておいては寄生バチにやられてしまう。うまいタイミングで休眠サナギの目を覚まさないと、いつでもいる状態が作れない……

なんと、こうした問題すべてがクリアーされて、今の昆虫館に行き着くんですね。素晴らしい!

秋の1日、タマドウにお越しの節は、どうぞ昆虫館にも寄ってください。(入場料は大人600円。)ライオンバスもあります。オランウータンも、コアラも、美しいユキヒョウもいます。

2008年10月1日水曜日

『優雅なハリネズミ』


ああ、1日ってほんとにすぐ終わっちゃうなあ、と思う日って、ありますよね。今日はなんだかそんな日でした。

ほんとに、ちょっと読んで、ちょっと書いて、ちょっとメールの返信したら、もう10時半!(いや、今日はメールだけはちょっとじゃなかったかも。)

さて、今日は楽しみなお知らせがあります。来る11月5日(水)の夜、飯田橋の日仏会館で、フランスの若きベストセラー女性作家、ミュリエル・バルベリさん(画像)と、漫画家の谷口ジローさんによるトーク・イベントがあります。(日仏のHPには、まだアップされていないようです。)

これは、バルベリさんの新作、『優雅なハリネズミ』の出版を記念したイベントです。実はこの本、フランスでは爆発的なベストセラーで、いくつもの言語に翻訳されてもいます。日本では早川書房から、たしか来週発売されます。その内容は……

アートに造詣の深いアパルトマンの管理人、自殺志願の少女、そして紳士な日本人オヅさんを軸に、人生、恋、生と死の有り様に哲学的、感動的に迫る、京都在住女性著者の世界的ベストセラー小説。

だそうです。お勧めなのは、この『優雅なハリネズミ』と、前作の『至福の味』を読み、するときっとなにか著者に訊いてみたくなりますから、その質問をしに日仏に出かける、というパターンです。そしてもちろん谷口さんの mangas も読んでおけば、1粒で2度おいしいです! いいですねえ、いろんなお楽しみがあって!(当日、わたしも進行役として、ちょっとだけお手伝いする予定です。)

なんとまあ、「藝術の秋」にふさわしいんでしょう!

2008年9月30日火曜日

ワカモノよ!


というわけで今日からゼミ再開。「フランス映画ゼミ」の第1回は、90分で駆け抜けるフランス映画史、という感じで、まあごく大雑把な流れを紹介しました。

ただ「フランス映画」といっても、たとえば「アメリカ映画」の話をまったくしないというわけにもいかないし、イタリアのネオ・リアリズモだって、カンフーだって無関係じゃないわけなので、やや大風呂敷目に話しました。(まあね、「考える種」になりそうなことは、直接関係なくても話しちゃいますけど。)

で、フランス映画の歴史をサクッと知りたいとご希望? それならこれ、『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)です。この本、とっても分かりやすいです。これを読んでから、めぼしい映画を30本も見れば、一応「フランス映画」というものが、あるパースペクティブをもって見通せると思います。

今日の学生の一人が、映画研究会所属でした。(実はわたしも、高校時代入ってました。)で彼女に言ったのですが、今の時代は、ビデオ屋さんもあって、昔の作品にアクセスするのはとっても手軽。でもそれは、「その映画は見てない」とは言いにくい、ということでもあるんですよね。

ワカモノよ、もしある日自分の見てない映画が話題になったら、帰り道にビデオやに寄り、その映画を借り、晩ご飯がすんだら即見てしまいましょう。そうすれば、今度それが話題になったときは、リアルに自分の感想を、誰かのそれと比べられます。楽しいです! がんばれ、ワカモノ!(もちろん、心のワカモノも!)

2008年9月29日月曜日

明大前へ


今日の夜11時からの「英語でしゃべらナイト」は、われらが美人ディレクター・アヤちゃんの、「まいにちフランス語」から移籍後の(初?)仕事です。ぜひ見ましょうね! 和田アキ子さん、奮闘するようです。

                  ◇

東京は一日しとしと降って、しかもかなり寒かったですね。もう冬に向かっているのが感じられます。

でこんな日は、一日家にいると元気が出ないので、あえて出かけました、明大前にある和泉校舎に。

明治大学のキャンパスは3つあって、まず理工学部のある生田(と、トップにもってきました、いつも最後なので!)、それから御茶ノ水の駿河台校舎、そして明大前のというわけです。

例の図書館検索をしたところ、探していた本が和泉校舎の図書館にあったのですが、どうもそれは稀少本らしく、「貸し出し不可」とのこと。で仕方なく、はるばる見に行ってきたというわけです。

明治の教員でありながら、実は和泉校舎を訪ねるのは初めてでした。駅からは近いんですが、今日は雨が降っていたので、甲州街道にかかる歩道橋は大混雑! でもまあみんな大人しく並んで、いい子でした。

予め連絡しておいたので、図書館の方が本を用意してくださっていました。Merci ! でついでに、昨日のことをお話しました、『異邦人』は、保存庫に入れたほうがいいんじゃないかしら、ということですね。そしてどうやら、その方向で調べてくれることになりました。貴重な本なので、そうなって欲しいと思います。

ちなみに今日見てきた本は、森山啓の『潮流』という詩集です。彼はプロレタリア系の詩人なんですが、この詩集自体は、すごくデキがいいというほどでもない気がしました。もちろんそれなりに面白かったですけど。ちゃんと汚さず返してきました!

さて、明日はゼミの初日、なんですが、なんと、「東京詩」のゼミは登録者がZÉRO ! で自動的に開講中止です。楽、というか、つまらない、というか…… (でもほんとは、この授業はやりたかったので、残念です!)

とりあえず、今週もはりきっていきましょう! 雨ニモマケズ!

2008年9月28日日曜日

びっくり!


ええ、ほんとに~!? ということが、目の前で起きました。

これはまったく無名な詩人で、植村諦(うえむら・たい)という人がいます。生まれは1903 です。

彼の代表的詩集に『異邦人』があります。これは 1932 に出てますから、フランスのアレより前ですね。植村はいわゆるプロレタリア派、というかアナーキストに近い人で、彼にとって昭和初期を生きることは、まさに「異邦人」として生きることだったようです。で……

復刻版でもあるかなあ、と思って明治の図書館を検索したところ、おや、本物が収蔵されています。ラッキー! さっそく配送をお願いして、先週届きました。で、読もうとしたのですが、

まず驚いたのは、本の扉に、著者自筆の献辞が書いてあったことです。

祖国なきよろこびと悲しみと  諦
豊島与志雄様

おお、あの岩波の『レ・ミゼラブル』の訳者、豊島与志雄宛だ! でもなぜこんな本が明治の図書館に?

でまあ、とりあえず通読。うん、これはなかなかいい。政治的過ぎず、純真な怒りも。なるほどねえ。

で今度は、ちょっと「植村諦」で検索してみると……

おや、豊島与志雄関連の項目が1番上に来てる。どれどれ。

見るとそれは、今読んだばかりの『異邦人』の書評でした。ちょうどいい! で読んでいくと……

植村君はその詩集の扉に、「祖国なきよろこびと悲しみと」と私に書いてよこした……

私に? それってもしかして…… この本のこと? 今目の前にある??

いやあ、驚きました。本当に本物です!(画像。さっき撮影。)

こんな貴重本、貸し出しちゃっていいんでしょうか? 保存庫に入れることをお勧めします、図書館様!

2008年9月27日土曜日

折って、折って


『ハートにビビッとフランス語』、印刷所からの細かい質問も来なくなり、ついに印刷が始まる気配です。

そういえば、出張校正というのも、何回か経験しました。フツーの校正が終わった後、最終の最終確認をしに、刷る直前のもの(「青焼き」といったり「白焼き」と言ったり。ちょっと違うのかな?)をチェックしにいくわけです。郵送したりしてる時間がないので、印刷所に行って、その場で何時間か見てくるわけです。

そういうときはたいてい、「あんまり直さないでくださいね~」と言われます。もちろん、なるべく直さないようにします。1行増やすなんて、ダメダメです。

中でも特に困るのが、索引です。これは1箇所直すと、どこまでもどこまでも波紋が広がり、そうなると、今度は何かの弾みで新たな誤植が生まれやすくなります。どうしても索引を直さなきゃならないときは、とにかく行が増えたり減ったりしないようにします。

場合によっては、さらに工場まで行き、試し刷りを見て色を調整したりもします。見本のときとは、びみょ~~に違う場合など、その場で直してもらうわけです。

印刷された紙は、かなり大きいものです。それを折って、折って、折ると、あ~らフシギ、16ページ分になりました。というわけでほとんどの本は、16の倍数のページ数です。(この16ページは、「ひと折り」と言います。)

でその紙は、今度は製本所に送られます。そこで折って、切って、閉じるんですね。

本ができてゆく過程は、決してブラック・ボックスではありません。そんなところも、本の可愛さの一つですね。

見本誌ができるのは10月6日です。楽しみなような、怖いような…… そんな感じです!

2008年9月26日金曜日

ボルネオ

今日は、ボルネオから戻られたヒフミ先生(中国語)の土産話を受け売りしましょう。


マレーシアはイスラムが強くて、基本禁酒ではあるんですが、中国系のレストランなどに行くと、お酒がおいてあるのがフツーだそうです。ただしボルネオはもう少しゆるいらしく、わりとどこでも買えるのですが、やっぱり中国系の方々の店で買うと安いんだそうです。

で、ちょっとそれらしいところに行くと、もう野生の天狗猿なんか樹の上のほうにたくさんいるし、奥の方にはオランウータンも。

オランウータンは、なんというか、綱渡りみたいなことをするイメージですが、ボルネオの森の中では、空間を歩いているような感じなんだそうです。枝が入り組んでいて、もう3次元的に絡み合っているんでしょう。オラン君は、その3次元空間をゆうゆうと歩いてゆく……

それから急に熱が出て駆け込んだ「赤新月社」(「赤十字」じゃなく)のお医者さんたちの、親切で手際のよかったこと! ともおっしゃってました。

ボルネオかあ…… 行く機会があるかどうか分からないけれど、ヒフミ先生は、「ぜひ行ってください!」 とのことでした。

ついでに言うと、ヒフミ先生は、中国語の本を何冊も書かれています。現地でフツーに売ってる本です。すごいですねえ! 

2008年9月25日木曜日

日仏で


始まりました、授業が! こんなに人がいたっけ? というくらい、キャンパスが賑やかです。夏休みとはちがいますね。(当たり前)

今日は研究室で、ある2年生に会いました。彼はこの前の春、日仏学院の講習で、レナさんとも知り合いになりました。彼が夏休み中に日仏に顔を出したときも、レナさんに会えたそうです。で、彼の友だちや、友だちのクラスのみなさん(大学生)も、ラジオを聞いてくれたそうです。Merci !

でもほんとに、わたしも学生の頃、レナさんに習いたかった! というか、もっとちゃんと勉強しとけばよかった! と、これはまあ誰でも思うみたいですねえ。Moi aussi !

そういえばわたしも昔、日仏に通ったことがあります。たしかシュルレアリスムのテキストを読む授業でした。それからそのだいぶ後、日仏の通信教育部の採点をしていたこともあります。そのせつは、キタナイ字で申し訳ありませんでした! 

ちなみに日仏学院は、カフェやレストランや本屋さんもあって、これは誰でも利用できます。

さて、明日は1時間目からです。ちゃんと起きられるか!?

2008年9月24日水曜日

Je suis menteur !


今日は家にいて、「新宿」のことを調べてました。前にもちょっと書きましたが、1929年(昭和4)に発表された「東京行進曲」、その「四」番の歌詞の背景が知りたいなあ、と思ったからです。

四 シネマ見ましょか お茶のみましょか
  いっそ小田急で 逃げましょか
  変わる新宿 あの武蔵野の
  月もデパート 屋根に照る

この中の「シネマ」、「お茶」、「デパート」が、実際は何を指しているのか、それを問題に設定してみました。

「シネマ」。これはほぼ間違いなく「武蔵野館」のようです。武蔵野館は1920に、今三越がある場所にできました。で28年に今の場所に移ってるのですが、洋画専門館として、ハイカラな人気があったようです。

「お茶」。これは確実とはいえませんが、おそらく「中村屋」です。中村屋は、1901に本郷でパン屋としてスタート。1907に新宿3丁目に支店を出し、09年に今の場所に。で、1915からは例のインド独立の闘志ボースを匿い、彼に教えてもらったカレーを出すのが1927。そしてそのために始めたのが、中村屋喫茶部だったようなのです。タイミングは、ぴったりですね。(ボース? 『中村屋のボース』(白水社)を!)

「デパート」。これはおもしろかったです。結論は3軒。三越(今のアルタの場所)、ほてい屋(画像。今の伊勢丹の場所)、新宿松屋、です。

三越は、1925に新宿駅が東口に移動するのに合わせ、アルタのところに分店を開業。(1930には、今の場所に。)ほてい屋は、大きくて立派な建物。(ただし1933には隣りに伊勢丹が建ち、2年後には吸収されます。)新宿松屋は、今の3丁目交差点から、ちょっと四谷方向に行った丸井側。実はこれ、京王線新宿駅の駅ビルだったんです。

? と思いましたよね。そうなんです、当時京王線は、こんなことろまで来てたんです! ただ松屋は、数年で撤退してしまいますが。

というわけです。なんだか、おもしろいですね? 新宿は、わたしにとては、1番なじみの都会です。でも、歌は知っていても、やっぱり調べてみないことには、往時の風景はよみがえってこないんですね。

           ◇

でなんと、明日から大学の後期の授業が始まります。うれしいなあ!(Menteur !)

2008年9月23日火曜日

J. ニコルソン


一昨日の夜遅く、ビデオ屋さんで借りてあった『ザ・ディパーテッド』という映画を見ました。(The departed =出発した人たち=死者。このカタカナ・タイトル、どうでしょうねえ……)

監督はマーティン・スコセッシ、主演はディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンの3人。2年前の作品ですけど、オスカー作品なので、ご覧になった方も多いでしょう。

2時間以上あるんですけど、結論を言えば、あきないです。複数のサスペンス(宙吊り状態)をうまく連鎖させて、あっと言う間。ただちょっと「    」過ぎって感じはありますけど。(「 」内には、ネタバレな言葉が入りますので、ブランクです。)

ギャンググループに入った覆面捜査官と、警察内部にいるギャングのスパイ、この2人のそれぞれを中心とする2つの円が、やがて否応なく重なってゆく、というお話。明らかにもっと膨らますことができそうなエピソードも、湯水のごとく使っていきます。まあ、ぜいたくと言えばぜいたく、急ぎ足と言えば急ぎ足です。

もちろん、行動の背景には、さっきの2人、ギャングのボス、セラピストの女性、など、それぞれの美学の対立ということもあります。

ジャック・ニコルソンの映画はたくさん見ましたが、最近のものでは、『アバウト・シュミット』が好きでした。これは原作の小説もよかったので、映画を楽しみにしていたんですが、裏切られませんでした。

ああ、またヘンなこと思い出しました。ニコルソンの親友のロバート・エヴァンスという映画プロデューサーの書いた、『くたばれ! ハリウッド』という本があります。このエヴァンスという人は、『ある愛の詩』や『ゴッドファーザー』のプロデューサーとして知られている人です。(たしか彼をモデルにした映画も見た気がします。)その本を読むと、映画作りの大変さ、生臭さ、いやさしさ、などが、もろに伝わってきます。『ゴッドファーザーⅠ』の有名な最後の10数分の編集をしたのは、実はコッポラじゃないんだ、とか。もし『ゴッドファーザー』がお好きでしたら、おもしろい本です。

さあ、授業が始まる前に、あとなに見ようかな?(先週の『タクシー4』は、わたしにはハズレだったし……)

2008年9月22日月曜日

あの時SFジャイアンツ


大リーグ、お好きですか? 今年はなんだか忙しくて、なかなか見る時間がなかったんですが、数年前はよく見ました。やっぱり、松井がヤンキースに入って、テレビ中継が飛躍的に増えたのが大きかったですね。

で今日は、ヤンキースタジアムの最終試合でした。ああ、1度行っておけばよかったなあ…… あそこで見たかったです。きっと、アメリカの野球の歴史に参加してる気がしたでしょうねえ。まあ、ファー・イーストにいても、参加してはいるんですけど。

そういえば昔、東京球場っていうのがありました。(もうありませんけど。)子供の頃、そこに1度だけ連れて行ってもらったことがあります。忘れもしない、サンフランシスコ・ジャイアンツVS.読売ジャイアンツ、でした。ピッチャーは豪腕マリシャル(画像)。足を高~~く上げるのが特徴でした。

そうそう、その時、子供はSFジャイアンツの帽子がもらえたんです。黒地に、オレンジの糸で、SFと刺繍してありました。これはね、ちょっとした宝物でした。当時は、MLBのグッズなんて、なかなか売ってませんでしたから。ましてやSFジャイアンツとなると…… 

だからその頃の写真を見ると、必ずといっていいほど、その帽子を深く被っています。お調子者というか、バカというか、三つ子の魂というか……

というわけで今日は、ヤンキースタジアム最終戦を見て、何十年かぶりで、あの帽子のことを思い出しました。Everything reminds me of something...  歳取ると、何を見ても何かを思い出しちゃうんですね。(ああ、歳かなあ!)

2008年9月21日日曜日

世界の言語入門


日曜でした、が、やはり予想通り、一日中校正するはめになりました、日曜日なのに!

でももう、さっきコンビにから送り出し(バンザイ!)、一応わたしの役目は終わりました。(レナさんに電話したら、彼女は今日授業がたくさんあって、今やってるところ、とのことでした。終わらなかったら、明日届けます! ですって。Bon courage, Léna !)

               ◇
                                               ここでも何度か登場頂いた、「まいにちロシア語」の黒田先生が、講談社現代新書から『世界の言語入門』という本を出されました。う~ん、『世界の!』『言語入門!』です。これ書ける日本人は、黒田さん以外にいないでしょう。なにしろたった一人で(つまり誰かと分担するんじゃなく)、世界90の言語についてお話してくれています。

ただしこの本、決して難しい本じゃありません。へえ、こんな言葉があるんだ! という発見に満ちたエッセイです。気軽に読めて、世界が広がる。しかも、ここを読みに来てくださるマイナー言語理解者であるあなたなら、きっと共感できる哲学付き! これはお勧めします!(720円ぽっきり!)

さあ、わたしの日曜はこれからです。残り少ないです!(涙)くそー、ムリヤリ映画でも見よう!

2008年9月20日土曜日

勇敢な、一人


今日は、昨日の天気予報がいい方に外れ、わりと過ごしやすい天候でした。 土曜日だし、いい1日を過ごされたことでしょう。わたしは……

朝の9時に来た宅急便が、今日1日の予定をあっさり決めてくれました。一昨日報告した本の、最終ゲラが送られてきたのです、256ページ分! それを全部チェックして、明日の夜には発送しなければなりません。完全に、土日がつぶれました!(でもまあ、宅急便のおかげで、夜9時ごろまでにコンビニに行けば、翌朝午前には着くんですよね。助かります!)

                 ◇

そういえば一昨日、『ブレイブ・ワン』というアメリカ映画を見ました。主演はジョディ・フォスター。彼女と恋人がヴァイオレントな事件に巻き込まれ、恋人は酷い殺され方をします。その結果彼女が、自分の中にもう一人の自分、「勇敢な一人」を発見する、というお話です。もちろん、勇敢な彼女は、行動します。あるいは、行動しすぎる、と言うほうがいいのか…… 彼女は言います、「わたしがあんなことするなんて……」

相手役の刑事はテレンス・ハワード。あのオスカーの『クラッシュ』で映画プロデューサー役だった人です。ちょっといいですね、存在感があって、甘くて。

で監督は、あのニール・ジョーダン。『クライング・ゲーム』は、もうずいぶん前ですねえ。あの頃に比べると、画面が引き締まっている感じがします。もちろん、カメラマンの力も大きいに違いないですが。

でトータルとしては、なかなかよかったです。ハムラビ法典の時代からあるテーマを、現代NYに持ってきたわけですが、NYには、幸か不幸か、似合います。(ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズも、NY以外では成立しない物語でしょう。)

だいぶ違うけど、ちょっとだけ似てるのは…… レナさんは昔、ほんとにオットリしたマドムワゼルだったんだそうです。(本人語る。)でもそれが、フランスで予備学級&大学校(大学院レベルです)を過ごして日本に戻ったら、家族にも友達にも驚かれたんだそうです、強くなってて!

フランスでの生活は「戦い」だったから、とレナさんは言います、日本とは比較にならないくらい、フランス生活は「戦い」なんですよ! と。もちろん、日本にはない魅力もありますよ。でも、「戦い」なのは事実……

その結果レナさんは、自分の中の「勇敢な一人」に出会ったのですね。もちろんフランスまで行かなくたって、たとえば仕事でも、たとえば子育てでも、そういう出会いがやってくる可能性は十分ありますね。場合によっては、困難の多い恋愛とかも!?

でいったんそうなると、あああの頃の自分はナイーヴで、可愛かったなあ、と思うかもしれませんが、だからって昔に戻ってもしょうがないですね。ピーター・パンじゃないんだから!

みなさんの中にも、ブレイブ・ワン、いるんでしょうか?
※予告編は「ムービー」を cliquez, svp.

遠きにありて……


台風でこんな天気ですが、みなさんいかがおすごしでしょうか? 

今日は夕方から、新宿のジュンク堂に行ってきました。「トークイベント・細川周平~管啓次郎」を聞くためです。

メインは、細川さんが最近出版された『遠きにありてつくるもの 日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』という本。この分厚い本は、細川さんの移民研究の集大成。膨大なフィールドワークと思考の結晶です。

「郷愁というのは、生き物みたい。たとえば、わたしは郷愁なんて関係ないわ、と言っていた女性が、たとえば身内の病気などがきっかけとなって、突如郷愁にかられる、なんてことが起きるんですね。なんだか、あの映画のエイリアンみたい、郷愁って。自分じゃどうしようもないことってあるけど、郷愁もそのひとつ」
「ブラジルという異国にいて、日本語しか話せないっていうのは、ひとつの負い目になりうるのね。でもそれが、短歌とか川柳みたいな<型>を使う日本語と親しむうち、その負い目が誇りに転化するってことがある」

なるほどねえ。そういうことってあるんでしょうね。ある気がします。

ところでこの「遠きにありて……」って、何日か前にここで話題にした室生犀星でしたね。この詩は、故郷に帰らない決意表明なんだ、と書きました。だから故郷は、もう帰らない、思うだけの場所=存在しない場所、なのだと。

ブラジル移民にとって、それは「つくる」ものだった。犀星が東京でただ「思って」いたのとはちがって、かれらはそこに「つくって」しまった。この違い、面白いですねえ。もちろんそこには、言葉の問題が深く関わってくるのでしょう。

いやまあ、それにしてもこういう話を聞くと、自分が何も知らないのに今さらながら驚きます。細川さん、管さん、ありがとうございました!

2008年9月18日木曜日

全面広告(デゾレ!)


今日は18日、「まいにちフランス語」の10月号の発売日ですね。実はそこに、レナさんが書いた「ジャガイモ」についての文章が出ています。なかなか面白いですよ。ぜひ読んでみてください!

で、その記事の最後に、細かい字で書いてあるのは……

ご好評いただいた「ナミのおいしいフランス語」が、装いも新たに再登場します!

『NHK CDブック ラジオまいにちフランス語 
   ハートにビビッとフランス語 清岡&レナ式初級講座』

そうなんです、この前の3連休を見事につぶしてくれたのは、この本のゲラでした。やっと校正も(一応)終わり、一安心したところです。(タイトルは、編集長が付けてくれました。)

この本(1900円です)の最大の売りは、やっぱり CD です。目一杯、78分近く入れてあります。オープニングとエンディングの音楽もやめて! しかもその2箇所には、レナさんの歌が入りました。(放送で歌った歌です。どれでしょう?) 可愛いですよ! ほんとはもっと入れたかったんですけど、収録時間が一杯で…… ちなみにスキットも新録音で、今度はレナさんも出演しています。

それから練習問題。これはレナさんが、あらゆる隙間を埋め尽くす感じで、増量しました。やりごたえあります!

よろしければ、可愛がってくださいませ。(10月中旬発売予定です。)

2008年9月17日水曜日

お疲れ様!


みなさん、お疲れ様でした! おかげさまで、「まいにちフランス語・ナミのおいしいパリ日記」、完結の日を迎えることができました。まあ何と言っても、ラジオ講座のようなものは、聞いてくださる人がいなければ、これは存在してないに等しいですから、今日までお付き合い頂いたみなさんのおかげで、なんとか番組として成立しました。ほんとうに、Merci mille fois !

で……

いかがですか、オベンキョーの具合は? 最後の3週くらいは、難しかったですね。特に最後の、目的語代名詞と複合過去を同時に、っていうのは、かなり難です。(ただ実際のフランス語では、フツーに出てきます。)

これ、前もちょっと書いた気がしますが、目的語代名詞というのは、フランス語の考え方の根幹に触れています。(ちょっと大げさ!)9月号のテキストの12&20ページ、難しいですが、みなさんこの先に進むわけですから、ちょっと気合入れて読んで欲しいところです。代名動詞の考え方も、中性代名詞 y の考え方も、大いにこれと関係があります。

そうそう、フランス語文法の範囲で言うと、みなさんは55%くらい終わった感じです。この後は、今上に挙げたもの以外では、関係詞があり、それから半過去、大過去、という過去時制、単純未来という未来時制、それから英語の分詞構文に当たるジェロンディフ、仮定法に当たる条件法、などがあります。(英語にはない接続法というのもあります。実は、主な「法」は3つあるんです。え? 「法」ですか? これは、どんなつもりで話してるか、その「つもり」のことです。事実を事実として話す気持ち、とかね。)

なんだかいっぺんに書いたので、コミイッテル印象かもしれませんが、大丈夫、今日までがんばれたなら、この先もがんばれます! そう、10月からの藤田先生の講座は、もともと20分だったものが5分短縮されちゃうんですが、それでも、とにかく接続法までカバーしています。

藤田先生のお作りになった教科書は、実はどれもとても評判がいいんです。今、フランス語の教科書を作らせたら、日本一かもしれません。で、その藤田先生のテキスト&講座なので、期待できますね!

ほんとうはレナさんもわたしも、接続法までやりたかったんです。でも…… 週3回×15分=18時間! これでは接続法まではムリです。で、今回は複合過去までとしたのでした。(でもみなさん、複合過去までできれば、か~な~りなことまでしゃべれるの、お気づきですよね?)

このまま後半の内容に進みたい、という場合は、やっぱり参考書が安上がりですね。もちろん、『フラ語入門』だけが、フランス語の参考書ってわけじゃありません!(そりゃあねえ)

で今日は、わたしのところにも「おつかれさま」メールがいくつか届きました。ありがたいことです。

ちなみに、来年度の後期、「ナミ」の再放送の可能性はあります。あるといいですね!(もうたくさん?)まあとにかく、今日はみなさん、お疲れ様でした。来週は…… 5日続けて「ナミ」再放送です!

2008年9月16日火曜日

The Man who Fell to Earth


というわけで、第71回目の放送が終了。残すところあと1回! みなさん、明日はどうぞハンカチのご用意を!(だから J'exagère ですって!)

今日は夕方、クルマで10数分のショッピング・モールに行きました。毎日使っている電動歯ブラシがフリーズしてしまったので、修理を頼みに行ったのです。実はこの歯ブラシ、なんと1万円以上もするんです! 春に、エッフェル塔から飛び降りるつもりで買ったのですが…… もうフリーズとは!

でも、ケーズ電気はナイス・カバーしてくれました。その場でちょっと動かしてみて、ああ、これじゃだめですね、と言ったかと思うと、ちょっと在庫見てきます、と走り出し、1分後には、じゃあこちらとお取替えします、となりました。おかげで今晩から使えます。よかった!

で、気をよくしたわたしは、ちょっとマックに。そこのマック、なんというか、駐車場に向かってものすごく開かれたテラスになっていて、しかも今日は、客がわたしを入れてたった3組! 夕暮れてゆく空を見ながら、爽やかな風に吹かれるという、プチ贅沢ができました。(100円で!)

で、こんな場面をどこかでみたような…… と考えていたら、そう、『地球に落ちてきた男』のラスト・シーンで、デヴィッド・ボウイが風に吹かれていたのを思い出しました。(画像)(ま、たしかにマックじゃないし、ケーズ電気も近くに映ってたりはしませんでしたが!)あの映画、好きでした。1番好きだった場面は、ネタバレになるので言えないんですが……

           ◇

さて、ではあしたの最終回、わたしも聞きます。レナさんもどこかで聞いているはずです。(今日の放送も聞いたって、さっきメールがきました。)聞き終わったら、握手しましょうね!(だから心で!)

2008年9月15日月曜日

天井パスタ


最終週の第1回、お聞きいただけましたか? レナさんの歌、なんというか、かわいいというか、微笑ましいというか、つい笑顔になってしまいますね。特に『あずさ二号』のほうは、一所懸命歌ってる感じが伝わってきて、ちょっとほろっとしちゃいました!(J'exagère !)
                                               でも、本人が言うには、日仏ではスパルタ先生なんだそうです。ほんとかなあ? あんなに天然で?

そういえば、レナさんから聞いた彼女のルームメイトだったイタリア人の女の子の話。やっぱりイタリア人の彼女は、主食がパスタ。とりあえず茹で始めちゃって、それから冷蔵庫を覗いて、なにか味の出そうなものを探す、って感じ。

で、問題はその茹で方で…… そろそろいいかなあ、となったら、とりあえず麺を1本、えいっ! と天井に投げつけ、はら~っと落ちてきたらOK。ペタッとくっついたら茹ですぎ、すぐに落ちてくるならまだもうちょっと、なんだそうです。

おもしろいですねえ。(でも、天井汚れないんでしょうか?)

ちなみにわたしが時々作るのが、ハマグリと大葉のパスタです。作り方は簡単。フツーににんにくと唐辛子をオリーヴ・オイルで加熱していって、そこにハマグリと白ワイン投入。フタをして蒸し焼き。でハマグリが開いたら、わたしは取り出してしまいます。もちろん入れたままでもいいんでしょうけど、そうすると貝が固くなります。(スープはおいしいでしょうが。)であとは茹でたパスタ(わたしはフェデリーニが好き)を入れて、塩、胡椒、細切りした大葉をまぶせばできあがり。盛り付けるとき、もちろんハマグリを戻します。

これ、新宿のパスタ屋さんのランチで食べて、気に入って家でトライしたら、案外簡単に同じような味になりました。ただわたしは、天井は使いませんけど!

複眼・個眼


今東京の多摩地区では、激しい雨が降っています。気持ちいいくらいの!

この前大学の図書館に行って、「保存庫」から本を出してもらっている間、なんとなく新着本コーナーをみていると、『数値でみる生物学』という本が目に入りました。大型の、3800円もする本です。

パラパラ見てみると、紙面はとても地味。というか、なにやら細かいデータの数字が並んでいるだけ。でも、もう少しよく見ると……

ヒトの細胞数、1㏄あたり、6 000 000個。皮膚だけで、110 000 000 000個。脳のシナプス数、7 000 000 000 000。肺胞、850 000 000。唇の細胞寿命、14.7日。受精28日目の体重、0,02g...

カヤポ族(南米)では、血液型o型の比率が100%(!)、スー族(北米)91%、アイヌ人17%。

空間弁別閾、舌先 1.1 mm、背中 68mm、指先 23mm... これはほんとにごくごくごく1部。そもそもヒトだけじゃなく、動物、植物のページも長いんです。

数値じゃなく、そもそも表そのものに驚かされたのが、「主な節足動物の複眼中の個眼の数」というやつ。さて、このごろ見かけるようになったトンボなら……

28 000個だそうです。ちなみにミツバチ(女王)は 3900個。ミジンコは22個……

世の中には、色んな本がありますね!

              ◇

さて、「まいにちフランス語」は、ついにあと3日。なかなか Azusa numéro2 が出てこなくてすみません。まさか切ってないですよね、シゲピョン!?

2008年9月13日土曜日

Hilary Hahn


今は昔、このブログを始めて2日目に、NIGEL NORTH, Bach on the lute というCDのことを書きました。わたしが今までに、まちがいなく1番長い時間聞いたCDです。4枚組みで、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを、リュートで演奏したものです。

この無伴奏ソナタは、色んな楽器で演奏されていて、そういうのもを聴くのはとても好きです。でももちろん、もともとのヴァイオリンもいいですね。

わたしがよく聴いたのは、シェリングと、クレーレルと、パールマンと、ハーンです。

シェリングは、なぜか中学生の頃から部屋にレコードがあり、当時は持っているレコードが少なかったので、しょうがなく(!)、このシェリング版を聞きました。懐かしいです。

クレーメルは、もうしばらく前から、ヴァイオリン界のエースですね。わたしは好きです。パールマンは、これはもうロマンチックで、たまには、いいです。

ヒラリー・ハーン。彼女はまだ20代。デビューのバッハ・アルバムの時、「バッハはわたしにとって特別」と言っているのを読んで、共感しました。たしかドイツ系のアメリカ人なのですが、 you tube には、たくさんの演奏風景に混じって、フランス語でのインタヴューもあります。ここでは「プロモ」風のものを挙げておきますね。


だまされたと思って、見てみてください。弾き始めた瞬間に、本物の匂いがします!

で、なぜ急にこんな話かというと、日本公演があるんですね、彼女の。で明日が、チケット発売日。緊張します!

2008年9月12日金曜日

本棚


書こう書こうと思いつつ今日になってしまったのですが……

私が今使わせてもらっている小さな研究室は、なかなか高い建物の5階にあります。ただこの建物、辛口の先生の中には「プレハブ」と呼んでいるかたもいるくらいで、もちろんホテルのようなものとは違います。(ほんとにプレハブなわけじゃありません!)

実はこの部屋、私の前に使っていたのは、堀江敏幸さんです。え、あの!? とお思いになりましたか? でもほんとにそうなんです。壁には、多分本棚でこすったと思われる小さな傷があり、床にも、やっぱり本棚があったとおぼしい跡がついています。ふだんは忘れていますが、ふとそうした「記憶」に目が留まることもあります。なんだか、フシギな気もします。

堀江さんは、文章がうまいのは今さら言うまでもないですが、おしゃべりもとっても上手です。もう10年以上前ですが、ある大学で毎週顔を合わせることがありました。で、しょちゅうおしゃべりをしてたんですが、話の引っ張り方、寄り道のさせ方、ずらしかた、そしてオチ、おそろしくうまいのです! 

で、数ある堀江さんの本のうち、『回送電車』というエッセイ集が、中公文庫になりました。648円+税。これで堀江さんの語りが楽しめるなんて、なんて安いんでしょう! フランス関係の話題ももちろんあります。読書の秋は目の前です!

2008年9月11日木曜日

群集


東京は人が多い、って言いますね。まあこの場合の「東京」は、渋谷や新宿を意識しているんでしょう。それならもちろん、人は多いと思います。

前期の「東京詩」のゼミでは、たくさん詩を書いてもらいましたが、その中に、新宿の人ごみをただ足元だけを見つめて歩く、という感じの作品がありました。上京して1ヶ月くらいで、まだちょっと戸惑いもあったのでしょう。

この前の打ち上げも場所が渋谷だったので、ちょっとそんな話になりました。

「まったく、なんでセンター街っていつもあんなに混んでるの!」
「傘なんか差してたら歩けやしないし!」

というわけです。が、実はわたしの意見は違います。わたしは人ごみが好きです。

「毎日じゃないからですよ、そんなお気楽なこと言えるのは」

まあね、そうかもしれませんが…… 

ではここで、強い味方を2人、呼んでみましょう。まずは、萩原朔太郎です。

私はいつも都会をもとめる
都会のにぎやかな群集の中に居ることをもとめる
群集はおほきな感情をもった浪のようなものだ
どこへでも流れてゆくひとつのさかんな意志と愛欲とのぐるうぷだ

同意!(と2チャンネル風) 二人目は、この朔太郎の心の師匠とも言うべき、ボードレールです。

群衆に沐浴(ゆあみ)するというのは、誰にでもできる業(わざ)ではない。群衆を楽しむことは一つの術(アール)である。

Il n'est pas donné à chacun de prendre un bain de multitude: jouir de la foule est un art...

言っておきますが、そういう技術がオレにはあるんだぜ、みたいなことが言いたいわけでは全然ないですよ。ただ、「群集」派のわたしとしては、大学生の頃このフランス語に出会って、おお、と思ったのはほんとですが。

朔太郎やボードレールがセンター街を歩いたら、なんて言うんでしょうねえ? みなさんはいかがですか? 人ごみは苦手ですか? 

2008年9月10日水曜日

変身


今日は久しぶりの「歌のお姉さん」でした。可愛かったですね! 曲は Une souris verte 。これは昔ここでも紹介した、


ここの左側の一覧から、選んで聞いていただけます。歌詞もそこにあるので、ここには書かなくていいですね? じゃあ代わりに、簡単に日本語を。

緑色のハツカネズミ
草の中を走ってた
ぼくは尻尾を捕まえて
あの人たちに見せるんだ
あの人たちはぼくに言う
そいつを油につけてごらん
それから水につけてごらん
あつあつのエスカルゴに変身さ

最後の行の fera というのは、faire の「単純未来形」というものです。(「単純未来」は、実はとても簡単です。)

放送でも話題になりましたが、この歌の一つのテーマは「変身」です。で……

みなさん、リュック・ベッソンの『ニキータ』、ご覧になりましたか? あの映画も、テーマの一つに「変身」を挙げることができます。なにしろ、殺人犯で、ほとんど獣みたいだったニキータが、厳しい訓練の結果秘密工作員に「変身」していく、というのが物語の骨格ですからね。

で、訓練の一つに、パソコン修行もあるのですが、ある日ニキータはその教官にプレゼントをします。教官は喜び小さな箱を開けますが、中から出てきたのは…… マウス。ただし、生きている方の。

そこで慌てふためく教官をからかうように、ニキータは歌いだすのです。Une souris verte...

そうそうもう一つ。教官のひとりボブが、訓練所内のニキータの部屋を訪れる場面。そこでニキータはテレビで映画を見ているんですが、実はそれ、ジャン・コクトーの『美女と野獣』(画像)、しかも最後のクライマックス・シーンなのです。

ベッソン監督、細かいところにも気を使ってますね。さすがです!

             ◇

昨日、おみやげのマカロンをいただきました。しかも Ladurée ラデュレの!(これ、マカロンがおいしくて有名な店です。)さすがにうまかったです。Merci !

2008年9月9日火曜日

あなた が?


今日歌謡曲の歌詞を眺めていて思い出したんですが……

「あなたを愛してる」は、べつにフツーですよね? でも、「あなたを好き」はどうですか? 違和感ありませんか? わたしはあります。やっぱりここは、「あなたが好き」ですよね? これって、翻訳風日本語の影響なんでしょうけど、どうなんでしょう、若い世代は、OKなんでしょうか?

「あなたが好き」っていう時の「あなた」は、英語やフランス語で言えば「(直接)目的語」にあたります。中学校のころ、この「直接目的語」が出てきた時、日本語で「~を」になるもの、なんて説明された気もします。(もちろん今の中学では、「直接目的語」は出てこないのでしょうけど。)

もちろん、英語の先生方も、それが完璧な説明だなんて考えてはいなかったのは、想像に難くありません。この説明が不十分なのは、すぐに分かります。だって、「あなたが好き」がフツーなんですから。いきなり like でチンボツです!

じゃあいったい、「直接目的語」を日本語にする場合、「を」と「が」はどう使い分ければいいんでしょう? これはむしろ、日本語の性質を考えてるわけなんですが……

で、昔、留学生に日本語を教えてる先生とこの話題になり、彼によると、「可能動詞系」は基本「が」だ、というのです。

どれどれ。え~と、「~が読める」「~が聞える」「~が分かる」「~が見える」…… なるほど! 

でさらに2人でしばらく考えましたが、結局「好き/嫌い系」と「可能動詞系」以外に思いつきませんでした。(よ~く探せば、まだ他にもあるかもしれません。)こういうことって、意外に本には書いてないんですよね。 

(ちなみに、「~に」になる「直接目的語」、これはけっこうあります。「~に挨拶する saluer」とか、「~に同伴する accompagner」とか。)

                 ◇

今日学校に行ったら、お手紙がきてました。Merci, リエさん! 2級目指して、courage !

2008年9月8日月曜日

Trop sexy ?


この前の打ち上げが始まる前、まあ渋谷まで行けば当然、ブックファーストとHMVは寄りますね。で、HHVで1900円で買ったのが、Undies Kissing Girls という新人グループ、まあなんというか sexy 路線の女性5人組みです。アルバムの最初の曲はこれ。(短いCMのあと、勝手に始まります。)


出だしの歌詞は;                                    
Oh oh oh caresse-moi oh ×2
Sous tes doigts agiles, je ressens le i
Donner des ongles à mon corps qui se rappelle de toi.
Je ressens aussi les besoins du i droit et ferme ainsi ...
                                              

Trop sexy な感じですが…… まあ音は、ちょっとリアーナっぽいですね。ほかにもマドンナっぽいのや、ジェニファー・ロペス風なのもありました。で、このアルバム、協力したのはこんな顔ぶれ。

Les titres de l’album sont confiés à deux compositeurs de choc : Steve Diamond, dont on a pu mesurer le talent avec les albums de Britney Spears ou les Backstreetboys, et Adam Anders, qui a notamment collaboré avec Christina Aguilera et Ace Of Base.

Les musiciens ont eux aussi évolué avec les plus grands : Michael Jackson,
Snoop Dog ou encore Jay Z.

L’album a été mixé par Rob Jacob qui officie régulièrement avec Shakira et Beyonce.

要は、ブリトニーやアギレラやビヨンセの近くで仕事をしている人たちが、参加してるんですね。(ちなみに、赤い字になっているところ、これが今日出てきた複合過去です。pu はpouvoir の過去分詞だから、「~できた」。それから「コラボした」、「(今風にいえば)進化した」、です。)

このアルバム、すご~くいい、とまでは思いませんが、なんというか、こういう「今風」な音にフランス語がのってるのが新鮮です。

フランス語で歌うミュージシャンて、どうもアメリカ的なポップ前線との勝負を避けてる感があります。もちろん、勝負なんて無意味、って方向も必要ですね。資本主義がすべてってわけでもないし。でもまあ、あえてこういう作りっていう試みも、あってもいいと思います。

『プラダを着た悪魔』の中で、ハイファッションがいかに今のファッション市場の根っこにあるのかを力説する場面があります。「最先端」ファッションが、2年後、3年後に、ごく薄められた形で、スーパーに並ぶわけですね。たとえばマドンナだって、その音はまさに「最先端」。「最先端」であるがゆえに遠ざけても、実際のポップシーンは、その波紋のようなものでできているという現実もあるようです。先端を追わないにしても、知りませんでした、では頼りないですね、プロだったら。

なんだか、ちょっと大げさになっちまいました!(ま、新しいものが好きなだけ、という噂も……)
              ◇
                                              
『アイアム・レジェンド』、
わたしとしては、残念なデキでした……