2019年10月24日木曜日

『男はつらいよ!』第1作

プライム・ヴィデオで無料だったので、
(というか、前から見たかったんですが)
『男はつらいよ!』第1作を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=5aALSxkwqT0


まずは、おもしろかったです!
で、この映画のポイントは、
「階級」なのでしょう。
1969年という、
つまりオイル・ショックまでには4年ほどある時期に、
「庶民」は、みんな、階級上昇を夢見ていた。
それは、いわば無条件の願いだった、わけですが、
そこには同時に、
ほんとにそんなんでいいのか、
という逡巡も底流していて、
この矛盾を、
寅さんが体現するわけなんですね。
当たり前ですが、
寅さんは、そうした時代の化身なのでしょう。

もちろん寅さんはそれだけのペルソナではなく、
日本的な「漂泊」の、
「アウトサイダー」の、
「アナ―キーな生き方」の、
「自由」の、
象徴でもあるわけでしょうけれど。

ただ、タイトルの中の「男」についてはどうでしょう?
これはまあ、まさに今も現役の表現である、
スポーツ中継などにおける「なんという男だ!」的な「男」とは違い、
理想化された「マッチョ(←否定的な意味で)」にはなってないようです。
とはいえ、それでもやはりそこには、
ある種の「マッチョ」精神がゼロだとは言えず、
さくらのトータルとしての受動性と、
それは見合っているのでしょうが、
ただしさくらも、
行動するときは行動するのであって、
そこが、好感のもてるところなんだろうなと思いました。

もっと見てみたいです。