2009年4月30日木曜日

激しい人たち


大学は暦通りで、今日はフツーに授業がありました。お休みの学生もほとんどいなくて、いつもと変わりません。

授業後、図書館へ。ゲラを直していると、やっぱりもう一度確認したほうが、と思える個所もあったからです。で確認してみると、やっぱりたまにはちょっとピンぼけのことがあります。あぶないあぶない!

でもまあ、ゲラも今日でほぼ終わり。なんだかだいぶ増えてしまったので、申し訳ない感じです。でも、少しはよくなったかな? 

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で明日は、午前中の授業の後、夜はオペラです。実は先日行った『ワルキューレ』がよかったので、また行きたくなったのでした。明日は、ショスタコーヴィチの『ムツェンスク郡のマクベス夫人』です。

これ、なんだか激しいストーリーです。舞台はロシアの田舎。退屈した奥さんが下男と浮気。それを見つけた舅が、息子に言いつけると荒れ狂います。(舅は、ほんとは息子の奥さんが好き。)けれど舅は彼女に毒殺され、二人の浮気は発覚しない…… かと思いきや、駆け付けた夫に見つかり、すると今度は、下男が夫を殺してしまいます。で、二人は結婚へ。でも式の真っ最中、隠していた夫の死体が発見され、二人は逮捕、流刑になります。そして最後は流刑地に向かう船の中、元下男は別の女と浮気。奥さんは激怒し、その浮気相手の女と水に飛び込み、死んでしまうのです!

とんでもない話。しかもショスタコーヴィチは、これに無調音楽とジャズを混ぜたような音をつけました。しかも部分的にはかなりエロい!(これを聞いたスターリンが、激怒して退席したほどに!)ショスタコ自身は、「ポルノフォニー」と言ったそうな。

ね、面白そうでしょ? でも…… オペラって高いんですよね。明日の場合も、S席は2,3000円です。お高いです! (今回は、オークションでほぼ半額で買えましたが。)

でも、たしかにオペラの上演は大変です。ホールも限られるし、歌手はもちろん、演出家も、オーケストラも要ります。セットも簡単じゃありません。そう考えると、高いのも頷けます。

まあわたしはあまり飲みにも行かないし、まして高級な店には縁がないので、これを「遊興費」ってことにしました! また明日、ご報告させて頂きます。
※ちなみに原作は、岩波文庫『真珠の首飾り』(レスコーフ)に所収。短編集です。

2009年4月29日水曜日

伊勢丹


GWですね。でも例のウィルスのせいで、なんとなく出鼻をくじかれた感じ。こういうことって、これから増えるんでしょうか?

こういう休日続きの時は、新聞の折り込み広告がやたらと増えます。まあ、あれがあるから今の値段で宅配できるんだそうですが。

伊勢丹は、少なくとも若い人たちにとっては、いくつかの老舗より人気があるようです。が、あの折り込み広告はどうなんでしょう、女性モデルは、ことごとく白人です。

もちろんモデルさんたちですから、彼女ら自身はきれいです。でも、全員白人となると…… 伊勢丹の考えている「美」の典型は、白人こそが具現できるのだ、とでも言いたげです。ただこんなことは、多くの人がとっくに気づいているのでしょう。もちろん伊勢丹の広告制作担当者も。

『デパートを発明した夫婦』という新書があります。もう随分前の本で、何度もブック・レポート用に指定しました。特に経済学部とか、経営学部とかで。そう、デパートというのは、徐々にできあがったシステムではなく、ある夫婦が、ほとんど一気に気づきあげたシステムのようです。彼らは、パリジャンでした。

なぜバーゲンがあるのか、なぜ目玉商品はちらばっているのか、なぜ女子トイレはきれいなのか、なぜデパートは新しいライフ・スタイルを提唱すべきなのか…… これはみな、100年以上前に考えられていたことです。資本主義の時代が、日常に迫ってくる感じですね。

それにしても…… 彼ら二人が伊勢丹の広告を見たら、いったいなんと言うでしょう?

2009年4月28日火曜日

マジック・リズム


今日は意外に寒い東京でした。

さて火曜はゼミの日です。東京詩、今回の「創作宿題」のテーマは、七五調。しかも、グーグル・イメージで古い東京(のどこか)の写真を探して、その場面に入り込んで詩を作ってみる。フィクションでいいからその気になって、というものです。

明治からこっちの詩というのは、まあ一つには、七五調の桎梏からどう逃れるか、ということでもありました。で今回は、わたしたちにとって七五調が、どれほど強い呪縛力を持っているか感じてもらおうというわけです。そしてそこから離れる、と…… おおげさにいえば、追体験みたいなことです。

「彼女が水着に着替えたら」、「あなたのお名前なんてえの?」、「けっこうけだらけ猫灰だらけ」、「世の中に寝るより楽はなかりけり 浮世の馬鹿は起きて働け(!)」……

もちろんみんな七五調です。あんまり内容がなくても、このマジック・リズムに乗せられると、なんだか体に入るような気がするから不思議です。そういえば、フランス語の詩の場合、典型的なのは12音でしたね。

そして映画のほうは、「エライ評論家が、朝日新聞に映画評を頼まれた」という設定で、600字書いてもらうことにしました。ということは、「わたしはフランス映画はよく知らないんですが……」みたいなことは書かないでね、ということです。上から書いて、と言いました。

よく分かりませんが、これだと、自分の感想を堂々と言うしかないように思えます。えいや、と、自分なりに断定してくれれば、それも一つの練習にはなりそうな気がします。

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みなさん、GWはどんなご予定でしょうか? 大学は暦通りで遠くへは行けない(涙)ので、せめてライブ関係を2つ準備しました。ちょっと楽しみにしています!

2009年4月26日日曜日

やっぱり


今日の東京は、すがすがしいいい天気でした。予報では今週はずっといい天気のようです。いい季節が始まります。

というわけで今日は、予定通り、まずは久々に八つ浜に行き、それから西江塾へ行きました。

(地図に東急スーパーが出ていたので、あああれね、と思っていたら、なんと、駅の反対側のそれでした。どおりでみつからないと思った! で、3分遅刻で到着。)

それにしても、世の中には勉強熱心な人がいるのもで、日曜の午後なのに、かなりの盛況でした。でもわたしは、端のほうのつもりで選んだ席が結局真正面で、なんだか見易すぎるくらい。

今日のテーマは、「知られざるフランス」ということで、本国以外のフランスの、西江先生ならではの紹介が続きました。

まずは海外県4つ。グアドループ、マルチニック、ギアナ、レユニオンです。これらは、つい「海外領土」と混同されがちですが、れっきとしたフランスです、と先生は強調されます。通貨も選挙方式も本国と同じ。
それから2つの海外特別自治体(準県)。大西洋のカナダ寄りにあるサン・ピエール・エ・ミクロンと、インド洋のコモロ諸島の1つマヨット。

そして最後が、海外領土3つ。ニュー・カレドニア、フレンチ・ポリネシア、ワリス・フトゥナ。タヒチは、フレンチ・ポリネシアに含まれます。

わたしが興味を引かれたのは、ギアナについてのお話。ここはほとんどがジャングルに覆われ、(日本人によく似た)裸族も生活している一方、最先端のロケット基地もあるそうです。首都カイエンヌは、解放奴隷を祖先に持つ黒人地区と中国系住民の地区があり、白人地区はごくわずかだそうです。西江先生は滞在中、アナコンダやワニやネズミの類を食べていたそうです。(それは必ずしも一般的な食糧ではないようです。)市場では黒装束のモン族が店を出していたり。

それにしても、フランスはしぶとく海外の「県」やら「領土」やらを手放そうとしません。(イギリスの旧植民地などは、ことごとく独立しているのに。)世界中に、こんなに「フランス」があるなんて。

西江先生曰く、こうした問題を考えると、どうしても奴隷貿易に行きあたります…… ああ、やっぱり。

まだ読んでないのですが、ついこの前、『フランス・インド会社と黒人奴隷貿易』という本を買いました。う~ん、やっぱこれ読まないとだな。

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会の終りに、お隣に座っていたなかなかチャーミングな女性とお話しました。彼女は大学ではスペイン語を勉強し、就職した今は、ラジオでフランス語に挑戦中で、去年の放送も聞いてくれたそうです。ありがたいことです!

さて、今週は水曜がお休みですね。ちょっと楽です!

たまには


今日は一日雨だったので、結局一歩も外に出ず、『東京詩』のゲラを直していました。

組み方のせいもあるんですが、いつのまにか400ページを越えていて、これは紙を薄目のにしないと、ちょっと厚くなっちゃいそうです。で、脚注の部分に余裕があるので、今はそこに、基本的な情報を書き込んでいます。

さて、明日は「西江塾」です。たしか三鷹ですから…… 三鷹には、八つ浜という安いうなぎ屋さんがあります。ここ、けっこう好きです。昭和な感じのこじんまりした店です。

(それにしても最近、「昔風の」という代わりに、「昭和の」と言ってしまうことがあります。自分でも、あんまりいいとは思ってないんですけど。)

一昨年のこと、三鷹駅前にあるビルで、武蔵野大学の市民講座を受け持っていました。そのときに、時々行ったのでした。一度だけ、レナさんと行ったこともあります。彼女は、子供の頃食べたうなぎの固さがトラウマになっていたらしいのですが、八つ浜のうなぎは「おいしい!」と言ってました。

明日は晴れそうですね!

2009年4月25日土曜日

Marie So


土曜日です。東京は雨です。

先週も挙げた Marie So。この一週間は、彼女のCDをよく聞きました。すご~く映りが悪いですが、よろしければ。


でもこういう曲を選ぶときって、ちょっと疲れ気味のときなんですよね。(って始まったばっかり!)

2009年4月24日金曜日

The answer is ...


今日は授業が2つ、会議も2つ、しかもそれぞれの会議がわりとマジで、そこそこ長い一日でした。

火曜日に出した「移動感覚」の詩の宿題、いろいろ集まりました。1番人気は自転車による移動。なるほどねえ、これは彼らにとっては、手応え(脚応え?)のある移動手段なのでしょう。わたしも(普段は使いませんが)好きです。風に吹かれる感じがね。

それ以外には電車、飛行機、歩き。海で捕まって料亭の生簀に運ばれる「蛸」のことを描いた詩もありました。(フィクションあり、と言っておいたので。)

ただ、彼らの描く東京は、(これは決してケチを付けるわけではないのですが)自分の肌で感じた東京というよりは、すでに描かれてきた東京をなぞっている感じもあります。言葉の使い方、イメージの出し方もまたしかり。これから半期の付き合いで、少しでも、自分の思いや自分の言葉に近づいてくれればいいと思います。

フランス映画の宿題は、半分見た『ニキータ』の続きのストーリーを書いてくること。条件としては、若いハンサム君1人とジャン・レノを登場させること。もちろんこれは、正解はありません。本編と同じになるのがいいことともいえないし。

この宿題の場合も、ややハリウッドに毒されている感が否めませんが、それでも、彼らなりに一所懸命なにかを作ろう、紡ぎだそうとしているのが、よく分かります。ペンが走っています。

こちらも半期ですが、ただ映画を見るだけでなく、書くことに慣れ、発想する面白さを感じてくれればいいですね。

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さっきレナさんと電話で話しました。わが生田キャンパスでの授業、「とってもタノシー!」と言ってくれてます。ということは…… きっと学生も楽しいはず。ああ、わたしもレナさんに習いたかった!

2009年4月23日木曜日

語彙


今日の昼御飯は、学食で「レバニラ定食(420円)」の「ご飯小(-50円)」&「冷奴プラス(+60円)」、つまり430円でした。

午後1時を過ぎると、2階にある広い広い学食は、がら空きになります。そこで悠々と、レバニラ定食なんかを食べるわけです。窓が多いので明るいし、なかなかです。

その時間に行くと、必ずいる集団がいるのですが、それは電気のN先生に率いられた(多分)ゼミの学生たちです。ほんとに、いつでも必ずいるので、決まりごとなのでしょう。

さてフランス語の授業は、まだ発音の練習です。木曜日は、なんとGWによる休みがない!のですが、今日のクラスのペアの授業である水曜日は、2週連続で休講です。(29日と6日。)だからまあ、ゆっくり…… と思ったのですが、なんでしょうねえ、つい目一杯やっちゃいました。今のうちは特に、学生たちも楽しそうなので、こちらも楽しくできます。

そういえば休み時間に、例の「移動」の詩を出しに来た学生の一人と、けっこうしゃべりました。何でも彼は、昨今のラブソングにはアキアキなので、なにかもっと違うものを書きたい、でも、今回書いてみて、語彙のなさを痛感したそうです。

語彙ね。これはフツーにいえば、とにかく読書しかないんだけど、でも、ただそれだけでは、言葉を充実させることはできません。一つ一つの言葉を充実させるのは、やっぱり自分で現実と格闘しないとなあ…… と中途半端な答えをしたのでした。

ああ、がんばれ、ワカゾー!

2009年4月22日水曜日

植民地生まれの叔母と


今日は何年振りかで、叔母の家に行ってきました。クルマで小1時間。目的は、大連の話を聞くことでした。

叔母さん夫妻とは、1年に1回くらいは(おもにクリスマスに)会うし、考えてみれば今までにも何十回も会っているわけですが、大連の話を聞いたことはありませんでした。

大雑把にいえば、そもそも1904~5年の日露戦争というのは、日本とロシアの間で、中国(の一部)を奪い合った結果起きた戦争でした。(中国から見れば、おそろしく迷惑な話です!)で、日本は勝ち、これもまた雑にいえば、大連を含む満州あたりを植民地としたわけです。そしてその状態は、日本が第2次大戦で負けるまで続きました。

わたしの両親も、今日訪ねた叔母も、みんな大連生まれ、大連育ちです。まぎれもなく、クレオール(植民地生まれ)ですね。彼らは、結果として、植民地だからこそ可能だった豊かさの恩恵にあずかったわけです。叔母の祖父、わたしからみれば曾祖父は、関東軍(大連にいた日本軍)に飛行機を「献納」したそうですから、お金持だったといえるのでしょう。彼はいわゆる第1世代、日本から大連に渡った世代です。

当時の大連では、日本人と中国人では、入る食堂はもちろん、乗るべき車両もちがっていたそうです。中国人労働者の場合は、まあ大連での仕事がいやなら、別の土地に移ることは可能だったでしょう。それはたしかに随分大きなことです。ただそれを除くと、当時の両者の関係は、どうしても、たとえばキング牧師時代の合衆国南部を彷彿とさせます。雇い主は、労働者に厳しかったようです。

でも敗戦とともに、すべては一変します。中国人労働者による暴動が(少なくとも大連では)あったわけではありませんが、進駐してきたロシア兵が、夜中に土足で押し入ってきたりはしたそうです。(「酒出せ! 女出せ!」)15歳だった叔母も、18歳だったその姉(=私の母親)も、その後坊主刈りにし、男子用の服を着て、しばらくは男の子として過ごしたそうです。(もちろん、違う場面で、日本兵がしたことを忘れてはいません。)

敗戦後3年かけて、大連(および周辺)にいた日本人は、日本に「引き揚げ」ます。叔母の場合は、47年、貨物船の船底に押し込められる旅だったそうです。もちろん、ほとんど無一物です。出発前に入れられる収容所で、ちょっと可愛い服などは、全部目の前で抜き取られたそうです。まあ、大局的に見れば、勘定に入らないことにも見えますが。

……まだまだ話しました。やっぱり過去を知らないと、未来も現在も語れませんねえ……

2009年4月21日火曜日

移動、微分せよ!?


今日はゼミの、実質的な第1回でした。東京詩のほうは、藤村の「おえふ」から始めて、「鉄道唱歌」やら「眠れる都(啄木)」をやったのですが、今年は、それぞれの場所のYahoo地図も一緒に配っています。中には、この春初めて東京に出てきて、そのまま生田キャンパス近辺にいて、まだ駿河台キャンパス(つまりお茶の水)さえ足を踏み入れたことがない、とおっしゃる学生もいるので、それなら、というわけです。

もちろんわたしも、たとえば浅草などはまったく不案内で、色んな場所を地図で確認します。中2までは(例の)池上にいたのですが、それ以降は東京の西のほうをうろうろしているので、銀座より東側は不得意です。

そして第1回の「創作」宿題のテーマは、「移動感覚」です。電車でもクルマでも自転車でも歩きでも。なんならほんの1メートルの歩行を、どんどん微分していってもいいよ、と言ってみましたが、さてどんな作品が出てくるでしょう。

学生のみなさんはどうか分かりませんが、わたしにとってゼミは楽しい時間です。そして今年は2回目ですから、前回よりは「見えて」います。今年はどんな発表が出てくるんでしょう。このゼミ、何年もやっちゃいそうです!

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まわりまわって、わたしのところにも来たのがポケモンのCM(フラ語ヴァージョン)。これです。


明日、東京は晴れるようです!

2009年4月19日日曜日

サーカスと随想


週末に大学の資料室でだべっているとき、シルク・デュ・ソレイユの話をしていたら、大学院生(ディジタル・コンテンツ系)のウノザワ君が、サーカスと言えばカルダーですよ、と言い出した。そんなサーカス団があるのかと思ったら、そうでもないらしい。で隣りで管さんが、モービルの……と小さくつぶやいている。モービル? ああ、あのカルダー? でもサーカス?

で、今調べてみたら、なんとカルダーは、まさに「サーカス」から出発してるんですね。知りませんでした。で、そのサーカスとはこんな感じ。


完全にふざけてます! いいですねえ。

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『日曜日の随想』(日経新聞社)という本が出ました。日経の、毎日曜に掲載された随想を1年分集めたもので、執筆者は現代の第一線の書き手ばかり。秋に生田で特別講義をしてくださった宮内勝典、大御所高橋英夫、『フランス映画の誘惑』の野崎歓、大好きな詩人清水哲男、そして堀江敏幸、管啓次郎(敬称略)をはじめ、総勢50人。これで1700円ですから1人あたり…… 安い! 1つ1つは短いだけに、ここは腕の見せ所。読み比べると面白いです!

ここ何年か、小説が売れない、それ以上にエッセイが売れない、という声を耳にします。でもこういう本を読むと、やっぱり面白いなあ、と思います。特にこの本は、詩人が多くてわたしは楽しかったです。(ちなみに清水哲男さんは、この4月から、フランス語の勉強を始めたそうです。)

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ちょっと予定より遅れていたのですが、『東京詩』のゲラができたそうです。だんだん近づいてきました!

さて、では今週も元気にまいりましょう!

2009年4月18日土曜日

韃靼海峡


今日は、行きつけのパン屋さんでコロッケ・パン&カレー・ナンを買ってランチにしました。近くにパン屋さんがあるのって、ラッキーですよね。

さて、実は来月、大連に行く予定があります。大連は、もちろん日本のかつての植民地であり、色々考えるべきことがある土地です。(にもかかわらず、今までちゃんと考えてきませんでしたが。)わたしの場合は、両親とも大連の出身(というか、そこで生まれて、20年ほど過ごしたようです。)なので、その名前は他にない響きをともなっています。

てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった

と書いたのは安西冬衛ですが、この作品が作られたのも大連においてでした。「ダッタンカイキョウ」。う~ん、いいですねえ。

で今日は、大連関連の本を眺めていました。父親が通った小学校の写真などが登場すると、なんともいいようのない感じがします。3年ほど前に父親は亡くなっているのですが、まあもちろん小学生時代もあったわけで…… 

とはいえ、個人的なことばかりではなく、例の「クレオール」問題にも無縁ではないでしょう。もうちょっと、読んでみるつもりです。

「知られざるフランスの姿」


というタイトルで、【マチョ・イネ西江トークライヴ vol.18】があるそうです。

  ●日 時: 2009年4月26日(日)
       開演:午後3時(開場:午後2時半)

 ●講 演: 西江雅之(文化人類学・言語学)

 ●参加費: 3000円

 ●終演後の懇親会(午後7時ころより)参加者は、別途3000円
  マチョイネ西江センセを囲んで、毎回和やかななかにも驚愕トーク炸裂!
  お楽しみはこれから?
  (先着30名様までですので、併せてお早目のご予約をお願いします)

 ■西江雅之プロフィール:
  早稲田大学政経学部、同大学大学院芸術学修士課程修了。
  フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学大学院で学ぶ。
  東京外国語大学、早稲田大学、東京芸術大学など諸研究機関で教壇にたつ。
  主な調査地域は東アフリカ、カリブ海域、インド洋諸島。
  23歳で日本で初のスワヒリ語の文法を発表するなど、
  アフリカ諸語、ピジン・クレオール語の先駆的研究をなす。
  関心領域は人間のイマジネーション全般といえる。
  言語学・文化人類学の研究にとどまらず、エッセーの書き手として知られるほか、
  現代音楽・現代美術の分野での活躍も多い。
  著作は、専門書、エッセー集など多数。

再放送


ヤノマミ、本日BSで午後1:30から再放送あり!
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週末のひと時、フレンチ・ボッサをどうぞ。

2009年4月17日金曜日

前フリ


今日の授業では、「あなたのフランス度チェック」を敢行しました。

これは、フランス関連の問い25問を集めたものです。たとえば、「フランスの平均的朝食はクロワッサンとカフェオレである」とか、「セリーヌ・ディオンはフランス人だ」とか、「2008年のワイン生産量、フランスは世界1だ」とか。答えは oui か non を書き込むだけですから、まあ5分もあればできてしまいます。

この「チェック」は、実は正解数などはどうでもよくて、その質問を「前フリ」として、色々しゃべりちらすためのものです。今日も、特に再履修のクラスでは、思いっきり「ちらして」きました。

たとえば「セリーヌ・ディオン」の質問なら、彼女の出身地であるカナダのケベックの話をひとしきり。ケベック独立に関する住民投票(1995年)で、独立賛成が49.6%だったこととか、ハイチやレバノンなどからの移民が多いこととか、ついでにハイチの状況とか、シルク・デュ・ソレイユの本拠地がモントリオール(モンレアル)にあることとか。

そうそう、最初の質問、答えは一応「バゲットとカフェオレ」ということにしているのですが、学生に答えてもらったところ、「フレンチトースト?」という答えがあり、そこからつい『クレイマー・クレイマー』の中でのフレンチトーストを巡る表現方法の話に脱線し、クロワッサン誕生秘話や、マリア・アントニアがそれをヴェルサイユに伝えた話などにまで広がって(広げて?)しまいました。

まあ、みなさんそれなりに楽しく聞いていてくれたように、こちらからは見えたのですが……

それにしても、大学が始まると、当然仲間の先生に会うことも多くなり、そこから色んな刺激が入ってくるので、いい意味で緊張感があります。恵まれた職場だなあと、思わずにいられません。

※2008年のワイン生産量1位は、イタリアのようです。10年振りで!

2009年4月16日木曜日

1週間


同僚の管さんのブログに、「ヤノマミ」のことが書かれています。これは読まないと。


で、2,3前から読んでいる本に、たまたま彼らに関連する記事の引用がありました。孫引きで引用します。

1993年8月18日、(……)16名のヤノマミ民族が、ガリンペイロと呼ばれる白人の金採掘者たちによって虐殺された。白人たちは「まるで人を食う悪魔のように」女や子供を切り刻んだという。ヤノマミの壮麗儀式においては、死者を焼いた灰はきわめて重要である。死者への敬意を表すために、複数の共同体が集まり、成人の灰は親族のものが使う炉のそばに埋められ、子供の灰はバナナのかゆに混ぜて食される。この敬虔な「食人種」たちはガリンペイロへの報復を諦めたという。報復に値するのは同じ人間だけだから。鬼や悪魔は仇(かたき)として食ってやる値打などないのだ。(ブリュース・アルベール『週刊金曜日』)

そして、「敬虔」から最も遠い所にいる「食人種」は誰なのか、ということになりますね。

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さて、今日で授業も1巡し、ほぼ今期付き合う学生たちと対面を果たしました。(もちろん中には、去年や一昨年、すでに対面を済ませた学生も混じっていましたが……)楽しくいきましょう! 

2009年4月15日水曜日

Mélissa Laveaux


今日は打ち合わせがあって、久しぶりに渋谷へ。

ついこの前までサクラに気を取られていましたが、ここ数日は、みずみずしい新緑がいい感じ。それは渋谷も例外ではなく、見ればハチ公を見下ろす数本の樹も、きらきら若い緑を輝かせています。わずかな緑でも、やっぱりあるとないでは大違いです。若葉の色って、ほんとにいいですね。

でセンター街。いつものように、切れ切れの音楽、呼び込みの声、立ち止まって盛り上がる女子高校生の嬌声、あの匂いこの匂い、そしてむき出しの腕や脚…… This is センター街。嫌い、という人も多いですが、ここを歩くと、五感が開きます。嫌いじゃないです。

渋谷と言えば、HMVへの寄り道が欠かせません。いくつか買ったのですが、中で気になるのはこの人、Mélissa Laveaux です。ハイチ人の両親のもとモントリオールで生まれ、今はパリで活動中の歌手で、アルバムでは、フランス語と英語、両方の曲があります。彼女が自分のことを語っています。


原宿で歌うようです。


やっぱり、ちょっと街に出ると、色々発見がありますねえ。

2009年4月14日火曜日

ゼミ初日


今日はゼミの初日、ということは、メンバー決めの日です。

理工学部の総合文化教室が用意する「総合文化ゼミ」は、これがなかなかのラインナップ。「歩く」ことがテーマになっていたり、ラップ・アメリカあり、写真論あり、中華入門ありで、もう歩いたり歌ったり撮ったり食べたりと大忙しです。

でわたしはというえば、今年も「東京詩」と「フランス映画」です。前・後期、各20人が定員。ということは、ゼミだけで、20×4=80人の学生と(マックスなら)付き合うことになります。

初日の今日は、学生たちは第1希望のゼミを中心に様子を見に行き、面白そうならそのまま「希望票」を提出。こちらはそれをもとに「選考」する、ということになります。

で、1時間目の「東京詩」のほうは…… これはトータルで11人。全員歓迎! です。楽しくやりましょうね。

2時間目の「映画」のほうは…… これは何の因果か、85名ほどの希望がありました。(まさか「楽勝」の噂が流れたということはないと思うのですが。ま、実際楽勝じゃないんですけどね。)ということは、ほんとに申し訳ないけれど、半分ほどの人には第2希望以下に回ったもらわなくてはなりません。ごめん!

ただ、「選考」とはいいましたが、実際には材料はほんのわずか。とりあえず「志望動機」の書かれた希望票と、急遽行ったアンケートだけ。でも「世界に興味があるけれど、どこから手をつけていいか分からないので、とにかくフランス映画見せて!」とか、「複数の視点でモノが見られるようになりたい」とか、「映画を読む方法がどうしても知りたい」とか、「わたしは映画監督になるつもり(!)」とか書かれると、他に回ってとはとても言えません。一緒に考えましょうね。

ああ、授業が始まってまだ5日。濃いです!

2009年4月13日月曜日

CM


今日はちょっと大学に行ってきました。実は今日は、レナさんの明治大学での初授業だったので、わたしも少し緊張しました。

いや、レナさんはある意味ベテランなので、そんな必要ないのはよく分かっているのですが、老婆心てヤツですかねえ。(ああ、もう歳です!)

それにしてもレナさんは、いつでも楽しそうです。彼女に会うと、元気が出ていいです。(ラジオ放送中も人気があったのは、そのせいなんでしょうね。)

そうそう、この「コンテ」のCMご存知ですか? 明らかに日本人の、発音も1か所はっきりまちがってるCMです。そうだ、じゃあ、どこがまちがってるか、探してくださいませ。


そうですね。~ de la conte. を、「デラコンテ」と言ってましたね。 (もちろん、ほんとは「コントゥ」です。)

それから…… depuis のあとは、たいてい「時」がくるんですが、ここでは「場所」がきてます。あまり見ないですが、choquant というほどではないようです。(ここはフツーなら、de でいいですね。「~から」ですから。)

これを教えてくれたのは、伝説の優等生・ジュンコさんです。Merci beaucoup !

2009年4月12日日曜日

サブウェイ・ドッグ


昨日ほどではなかったけれど、今日も20度になった東京でした。

で、暖かさに誘われて、公園でランチ! を決行しました。クルマで10分ほどのところにあるそのその公演は、噴水付きの大きな池を囲んで、広い芝生の斜面が広がっています。そして予想通り、芝生のそこここで、ランチを広げたり、昼寝したり、本を読んだり、なんだか余裕の風景が展開していました。これって…… ああ、ほとんどスーラじゃん!

わたしたちも、近くのサブウェイでかったホットドッグ&ビール、といきたいところですが、今日はノン・アルコールビールで我慢です。でも、気分は出ました。座っているとメチャ暑いので、やっぱりこれです。

先週ここに来たときは、2人も池に落ちました。まあ、岸辺の水深は30センチほどなので、「キャー!」という叫び声も長くは続かず、注目を集めたためにやがてバツの悪そうな表情になる、という程度の危なさです。(なんで落ちる? 柵がないんです!)

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今日 i-pod に、吉本隆明の講演集を入れました。通勤のクルマの中は、これで当分楽しめます! あとはずいぶん前から狙っている『円生百席』ですが、こちらはなにしろ20万(!)なので、おいそれとは手が出ません。でも、いつか必ず買うぞ~

今週からは、本格的に授業です。張り切っていきましょう!

2009年4月10日金曜日

新学期!


行ってきました新学期! 混みあった大学は、やはり活気があります。

今日のわたしの担当は、2年生と再履修クラスでした。2年生のクラスでは、まあ適当なフランス語を黒板に書いて、その読み仮名を書いてもらい、それからそれを解説する、ということをしました。2年生なら本来は知っていてしかるべきルールばかりを確認したのですが、まあ、「しかるべき」が現実が同じだったことはありません! 

とはいえこのクラスは、なんといっても声が出てる。これはとても重要なことで、これからの授業がやりやすそうで嬉しいです。

これで午前中は終わり、その後はパリ帰りの新3年生H君とちょっとしゃべり、お土産ももらい(Merci !)、それからランチ・ミーティングです。
いや、これはレトリックじゃなく、ほんとにランチ・ミーティングだったんです。実は、管先生を中心に、総合文化教室の先生たちが共同研究をする計画があり、わたしも末席を汚すことになっているのでした。キーワードは、「クレオール」。最終的にどんなものになるのか、今は雲をつかむような感じですが、まあわたし以外は精鋭ですから、きっとなにか新しいものを描き出してくれるでしょう。みんな、がんばれ!(あ、わたしもがんばらないと!)

で食堂から戻って、波戸岡先生に面白いソフトを見せてもらいました。それはね、PC のディプレイ上でDJ ができるソフトです。画面上に2つのターンテーブルが登場し、それぞれにレコード(つまり保存された音楽。)を乗せると、スクラッチはもちろん、ピッチやスピードを変えたり、ループを作ったりもできるんです。は~、なるほどね~。まったく、色々面白いものを見つけてくる人です!

そのあとプチ会議が一つあり、その後大きな会議が2時間ほどあり…… 1日目から盛りだくさんでした!

2009年4月9日木曜日

サイコロの一振りは


名人を15期もつとめた大物、中原誠名人が引退するそうです。長い間、お疲れ様でした。

新聞のインタヴューによると、今まで一番思い出に残る手は? と訊かれて、「79年の37期名人戦の第4局、△3三同桂のあとの▲5七銀」と答えていました。

これを聞いて、ああ、やっぱりあれかあ、と思う方は、相当の将棋通なのでしょう。不肖元将棋部員であるわたしは、まったく思い出せませんでした。まあ79年頃は、多分1回も指さなかったでしょうし。

でも解説を見ると、たしかにこれは、とても特殊な感じのする手でした。なんというか、「銀のタダ捨て」で、でもそれを相手の馬に取らせることで、馬の位置がひとつだけずれ、、それが勝敗を左右したのです。ああ、恐ろしくビミョーです!

将棋は、たとえばトランプや麻雀と違い、偶然の入り込む余地が(理論的には)ありません。そう、「偶然」……

先日のダブル中村対談でも、「偶然」の要素をどう呼び込むか、あるいは除外するか、が問題になったそうです。作品を作るとき「偶然」を利用するというのは、今までにも色々試みられてきました。たとえばかつてのアクション・ペインティングとか。それはもちろん、ひとつの面白さですね。

これはちょっと違いますが、カンディンスキーが自室に戻ってみると、そこに見知らぬ素晴らしい絵が置いてあった、というエピソードがありました。そしてその絵をよ~く見ると、逆さまになった自分の絵だったと。もちろん画家は、その「見知らぬ絵」のほうを、自分の作品としたわけです。

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というわけで、明日は授業です。これからまた1年、張り切っていきましょう!

2009年4月8日水曜日

桜・ジャム・タンゴ


今日は暖かい東京でした。わたしの住んでいるあたりでは、桜も今日が盛りのように思えました。

今日はスーパーで、イチゴを買いました、思い切って3パック! まあ1パック245円だったので、奮発です。で、今年初めて、イチゴ・ジャムを作っています。

そう、今まだ、煮ている途中です。(目の前にタイマーを置いて、5分おきに灰汁をすくい取っています。)なかなかいい出来のようです!

ちょっと振り返ってみたら、去年の5月22日にも、やっぱりイチゴ・ジャムを作ってました。あれから、もう10か月以上経つんですねえ。

そうそう、今日『タンゲーラ』というタンゴ・ミュージカルの切符を買ってみました。ダニエル・バレンボイムが絶賛していて、Le Monde の評も褒めてある、というわけで、ちょっと挑戦です。なんだか、だいぶ「官能的」らしいんですけど。去年迷ってやめたので、今度こそです。

で、管さんのブログによると、早稲田はすでに授業が始まってるんですね。はや! こちらもとうとう明後日から。もう逃げられません!

2009年4月6日月曜日

Walkure


今日は久しぶりに、オペラを見に行ってきました。ワグナーの『ワルキューレ』(新国立劇場)です。

まあワグナーはどれも長いんですけど、今日も2時に開演して、終わりは7時半。2回の休憩を挟んだとはいえ、5時間半! です。

で肝心の出来はというと、これがなかなかいいんです。一緒に行ったオペラ通の友人も、これは珍しいアタリと言ってました。S席21,000円は安くないですが、今回はその価値がありました。

『ワルキューレ』といえば、やはり1番の見どころは「ワルキューレの騎行」ですね。(『地獄の黙示録』が思い出されます。)オペラでは、ブーレーズ指揮のものがYou Tube にありました。


で、この場面、今回の演出では、場所はなんとまっ白い救急救命室(?)で、そこにドアが(ワルキューレたちの数に等しい)9個並んでいます。それぞれの上には赤いランプもあって。で、ワルキューレ(=天馬に乗って戦場を駆け、戦死した勇士たちを天上のヴァルハラへと導く乙女たち)が乗っているはずの「天馬」が、病院で見かけるストレッチャーなんです! 驚きの演出です。

『ワルキューレ』は、ただでさえつっこみどころ(というか解釈を誘う場面)満載なんです。その上救命室! でもたしかに面白い。看護服のワルキューレなんて、初めて見ました!

それにしても、生の声って、鍛えればあそこまでいくんですね。新国立の壁が震えてました! これは、たかが100人くらいの教室で、ピンマイクなんか使ってる場合じゃない!?(でも使うんだな、これが。)

※もしも『ワルキューレ』のあらすじにご興味があれば、こちらがよさそうです。

2009年4月5日日曜日

不滅


今日は曇りがちなのに暖かい東京でした。

さて今日は、ウェブ・デザイナーを目指している若き友人が、東京TDC(Type Directors Club)のデザインフォーラムに参加し、その様子を教えてくれました。彼女は中村勇吾(ユゴップ)を崇拝しているので、彼と中村至男による「ダブル中村」の対談に注目していました。至男さんは、ポスターなどを中心に活動しているようです。受け売りでご紹介いたします。

至男さんは、なんというか、もう動かしようのない完璧さ、を求めると言います。そう、ボードレールの詩「美」にも、そんな一節がありましたね。(Je hais le mouvement qui déplace les lignes, ... 「わたし」は、「美」です。)それは、たとえばポスターの場合なら、むしろ当然のことなのでしょう。こんなとこでいいか、という仕事じゃあ、ね。

それに対してユゴップは、なんというか、自分は一つの装置を用意して、それを色んな人が色んな風にいじってくれて、そうやってどんどん「成長」してゆく、そういうものを目指したい、だから自分には、「完成」というのは無縁だ、と考えているそうです。

なるほど。それもよく分かりますね。特に、ネット上の仕事なら、双方向的というか、出来上がったものを提供するというのではなく、ぐるぐる回ってダイナミックに動き続けるというのは、相当に魅力的です。ユゴップはきっと、それを本気で考えて、仕事という形にしているのでしょう。すごいですねえ。

当たり前のようですが、やはりどういうメディアを使うのか、印刷物なのかネット上なのかインスタレーションなのか、によって、目指す形は違ってくるのでしょう。そして時代も、変化してゆく……

ただ、至男さんも、友人たちからは、なにか双方向的な可能性を探ったら、と言われているそうです。そして会場から、「ネット上のような残らないものだけではなく、『残るもの』を作りたいとは思わないのか」と訊かれたユゴップは、言下に答えたそうです、「残るもの」に興味はない、と。

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さあ、今週末から授業です。だんだん緊張してきました!(でもない)

Ils les rencontrent.


こんな出会い!

2009年4月4日土曜日

フジヤマ



                                 
お久しぶり! でもないですね。三日ぶりです。ちょっと箱根に遊びに行ってきました。
箱根は東京から近いし、こじんまりしていて親しみやすいし、時々出かけて行きます。ただ、そうはいってもいつも強羅どまりだったので、今回はがんばって(?)芦ノ湖のほうまで足を伸ばしました。

そうなると、バスか、ロープーウェイ&ケーブルカーを使うことになります。で今回は両方とも使ったのですが…… 驚いたのは、ロープーウェイから見たフジヤマの様子でした。日本に暮らしている人なら誰でも、そこここで目にするフジヤマ。わたしももちろん、きっと何十回も見てきたと思うのですが、今回初めて、その姿の異様さに気づいたようです。

他の山とは、まったく違うんですね、フジヤマの雰囲気は。実はロープーウェイに、都合3回乗ったのですが、その3回だけでも、まったく違う。きれいに晴れた日の午前の姿、ややけぶってきた午後の怪しい影、そして雲の向こうに透けて見える山肌…… 

先日ここに登場していただいた石川直樹さんにも、フジヤマを扱った作品があります。ベタと言われても仕方のない素材。でもたしかにフジヤマは、特別でした。まあ、神が住む、とまでは言いませんが……

2009年4月1日水曜日

蕎麦と画伯


さあ4月1日! 新年度の初日は、いかがでしたでしょうか? 

こちらは予定通り会議でしたが、その前に、同僚の波戸岡さんと、神保町で蕎麦を食べました。


この店は、白水社のタケちゃんと何度も行った店で、今日のようなランチもいいのですが、夜、肴が豊富なので楽しいです。で、締めはもちろん蕎麦。ああ、書いてるだけで楽しいです!

そういえば先日、波戸岡さんやわたしを含めた4人で、「画伯」ゲームをしました。そう、適当にお題を挙げて、その絵をみんなで描き、一番オヘタな絵は誰のだ! というやつです。で、その日のお題は…… 「バカボンのパパ」、「マコトちゃん」、「マックのドナルド」、「リラックマ」……などでしたが、これがなんと、わたしのストレート負け! 圧倒的完敗で、どれだけ右脳が機能してないか、如実に出てしまいました。

そういえば、生涯に1度だけ、通知表で「1」(5段階評価で)を取ったことがあるんですが、それも美術でした。忘れもしない、中2の2学期。転校したての中学で、フツーにやってたんですけど。しかも転校前は、同じようにやっていて「4」だったので、なんだかびっくりしました。

今回の「画伯」ゲームも、その時のことを思い出させてくれました、というのはウソで、今回はほんとに実力。しょうがない、画家になるのは諦めます!(←今さら……)

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明日から、ちょっと箱根に行ってきます。というわけで、see you 土曜日!