2013年12月31日火曜日

Bonne Année !



Au revoir 2013, bonjour 2014 !

Que cette année soit placée sous le signe de la joie pour vous !

Bâtard

映画『戦争より愛のカンケイ』の中の、
おそらく核になると思われる会話。
DVDの字幕は、字数制限があるので、
すべてが訳されてはいません。
で、
その部分だけ、すべて訳してみました。
いつかご覧になったときの、参考になれば。

ポイントは、

Le jour où il y aura plus que des bâtards sur Terre, la paix reviendra.

の部分でしょう。

  バイア   :でもどこで?

アルチュール:アウシュヴィッツ、たぶん。

バイア   :アウシュヴィッツ? ……でもそれってイイ感じ。あなたはユダヤ人であたしはアラブでしょ。その上家族には、フランスの警察に殺された人が山ほどいる。スゴすぎる! わたしたちって、フランスそのものよ。わかるでしょ? わたしたちの家族は歴史の一部なの。もちろんセックスもする。ああ、なんだか泣きたくなってきた。

アルチュール:ぼくはユダヤ人じゃないよ、いいかい? 神なんか信じてないし、シナゴーグに足を踏み入れたこともない。イスラエルなんてどうでもいい。ぼくはアルチュール・マルタンなんだ。

バイア   :恥ずかしがってるだけでしょ。

アルチュール:まさか! じゃあ君はどうなんだ、ムスリムなのかい?

バイア   :いいえ。でも、ユダヤ人はちがうでしょ。

アルチュール:ちがわないさ。ぼくたちは雑種なんだよ、自分が何者で、どこから来たのかなんて、ちゃんと知ってるわけじゃない。でもそれでいいのさ。

バイア   :そう。たしかにあたしたちって雑種よね。でも数百万人てとこでしょ、雑種って。みんながセックスして、もっと増やさなきゃ。なんでかわかる? 地球上が雑種だけになれば、平和が戻ってくるのよ。……雑種は人類の未来ね。

アルチュール:雑種強勢ってやつだな。

バイア    :なに?

アルチュール:生物学ではね、遺伝形質の遠い2つのサンプルが交雑することを、雑種強勢って呼ぶんだ。

バイア      :……サイコーね。
 

Yahoo 百科事典

今気づきましたが、
「Yahoo 百科事典」のサービス、
12月3日で終わってたんですね。

これはちょっとショック。
学生たちには、wiki ではなく、
こちらを見るようにと、
口をスッパクして言ってきたので、
もしもその習慣を身に着けていた学生がいたら、
路頭に迷ってしまうでしょう。
わたしも、かなり頼っていたので、痛いです。

もとになった、日本大百科全書(小学館)は、
有料なら使えますが、
図書館なんかはどうなんでしょう。
確かめてみないと。

2013年12月29日日曜日

「日本のオウンゴール」

「日本のオウンゴール」

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20131228-1237027.html

以前、法政大学に出講していた時、
靖国神社に何度か寄りました。
学生たちには、とにかく一度行ってみることを勧めています。
行けば、それがどんな施設なのか、すぐにわかりますから。

そして、ル・モンド。

http://www.lemonde.fr/japon/article/2013/12/26/le-premier-ministre-japonais-va-visiter-le-sanctuaire-yasukuni_4339881_1492975.html


2013年12月26日木曜日

『さようなら、オレンジ』

年末になり、
色々な「今年の収穫」の記事を目にします。

小説は、今年もさまざまな話題作がありましたが、
特に印象に残ったのは、
『さようなら、オレンジ』
が、一番でした。

小説の最初の一文、
もしこれが学生の書いたものなら、
まちがいなく直していたと思うような文の形で、
ちょっと驚いたのですが、
そのまま読み進むと、
そんなことはどうでもよくて、
作品の世界に引き込まれました。

すごい。

なんというか、
日本の小説もここまで来たのか……、
というような、
(全然上から言う気はないんですけど)
そういう気持ちになったのは本当です。

そんなにたくさん読んでいないので、
その範囲にしかすぎませんが、
わたしにとっての、今年小説、N.1 です。

2013年12月24日火曜日

『狭小邸宅』

先日、「すばる」に掲載されていた、
「すばる文学賞受賞第一作」を読んだと書きました。
そして、高橋陽子の受賞作も、遡って読んだのですが、
今度は、もう一人の、新庄耕の受賞作、『狭小邸宅』も読んでみました。

世田谷あたりをテリトリーとする不動産会社の営業部、
そこで働くごく若いサラリーマンが主人公です。
「一流大学」を出たらしい彼は、この地獄のような職場で、
それでも辞めずに、這いつくばるようにして、
いつか成績を伸ばしたりもします。
女性たちとの出会い、再会。
けれど、このまま順調にいくのか……
というお話です。

とても力のこもった作品だと感じました。
この方は、小説家になるしかなかったんじゃないか、と思うほど。
もちろん現代のお話なんですが、
どこか、(いい意味で)私小説のにおいもします。
一番グッとくるのは、
主人公が、自分を半ば実験台にしてしまうところ。
その迫力。
ちょっとランボーを思い出しもしました。
(そういう意味では、この作家は、
ある日ぷっつり書かなくなる可能性もあるように思います。)
勝手で気楽なことを言って申し訳ないですが、
こういう小説って、書くのはとても苦しいんじゃないでしょうか。
でも果実は、ちゃんと実っていると思います。
次の作品も、必ず読むでしょう。

2013年12月23日月曜日

la gavage

明日はイヴ。
フランスのクリスマス(ないしレヴェイヨン)と言えば、
フォワグラ、
が思い出されます。
(もちろんそれだけじゃないですが。)

で、
それに合わせてのことなんでしょう、
こんなニュースが。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131223-00000021-jij_afp-int

「私たちは(……)やり過ぎたかもしれない」
たしかに。

Gavage を捉えた、こんなヴィデオもあります。

https://www.youtube.com/watch?v=q_tiawmBKek

https://www.youtube.com/watch?v=COj-LdVdQmY

とくに「2」のほうは……。

わたしはもう、フォワグラは、食べなくていいです。

2013年12月22日日曜日

2013年のベストCD

http://www.frenchbloom.net/2013/12/19/2317

なるほど。

ダフト・パンクとストロマエって、
ミックスされる場合もよくあるようで、
YouTube でも見つかります。

2013年12月20日金曜日

今は

というわけで、
今年の授業も今日で終了。
まずは一息、というところですが、
出さなければならない書類は(いくつか)あるし、
仕事が捗らないのを授業のせいにできない(!)し、
一息とは言ったものの、まあ、0.3息、くらいでしょうか。

先日、高橋陽子「六月の尻尾」に触れましたが、
今度はデビュー作「黄金の庭」を読んでみました。
おもしろかったです。
ただどちらかと言えば、わたしは「六月」のほうが好きかも。
特に、予備校講師の職業的な「リアル」が書き込まれているあたりとか。
(唐突ですが、『初恋のきた道』の中の、
瀬戸物を修繕する仕事ぶりなんかも、好き。)

映画は、またまた『きらきらしてる』(Tout ce qui brille)を見ました。
もう、最低5回は見てますが、
今一番好きな映画は? と訊かれたら、
おそらくこれを挙げると思います。
パリへの憧れ。
大人になろうとしてもがく少女たち。
サンドイッチ店で、ポップコーン売り場で、働く少女たち。
暴走する少女たち。
その対立と友情。
郊外の「退屈」な日常と、「パリ」の虚飾。
……こう書くと、same & old な感じもしますが、
この2人が、
それぞれアラブ系とユダヤ系である、
と付け加えると、少しだけ違って聞こえるでしょうか。
ただこの先、日本版が出るとは思えません。
とても残念なことです。
宝くじでも当たったら、
権利を買って、自分で字幕を担当して、
ミニ・シアターでかけてもらって、
口コミでロング・ランとなり……

2013年12月19日木曜日

雨の新宿へ

昨日は、授業3コマの後、
雨模様の新宿へ。
同僚たちを含めた6人で、プチ忘年会です。
先輩であるドイツ語の先生が中心になった会に、
わたしも参加させてもらいました。
ビール好きの黒田龍之助さんとも久しぶりに会えて、
楽しかったです!(ほんとに!)
また、大学では同じフロアに研究室がある物理の先生も参加していて、
いつになくじっくり話せて、
これもとてもよかったです。
(このごろの学生は「いい子」が多くて、
社会に対する違和感をあまり感じていないようなのは、
いいことのような、物足りないような……
という点で一致しました。)
古典的なオヤジギャグに、
「飲みニケーション」という表現がありますが、
これは侮れませんね。

2013年12月17日火曜日

「六月の尻尾」

先日、「すばる」の東京特集のことを書きました。
その号に、
新人の小説が2編、載っていて、
読んでみたら、これがなかなか面白いのでした。
このごろの若い人は、達者だなあ、と思うのでした。

特に、高橋陽子「六月の尻尾」は、
奇妙にリアル。
美大合格を目指す受験生相手の予備校で働く独身女性。
同僚の男性が好きで、かつて一度だけ関係を持ったこともあるのですが、
なぜか昨今はとてもつまらなそう。
デートに誘えば来はするんだけど、
すぐに帰りたそうにするし……というお話。
そこに、両親や、飼っていた犬が絡んできて。
文章もとても読みやすい。
読んでいて楽しかったので、
さっそく、この作家の『黄金の庭』も買ってみました。
楽しみです!

『きっと、うまくいく』

ワールド映画ゼミも、今日が今年の最終回。
で、
先週から2週かけて、『きっと、うまくいく』を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=w5j5ayhfKAE

全編版もあります。ただし、複数言語・字幕なし。

http://www.youtube.com/watch?v=3LBnCnPt2Yc

一言で言えば、あきない、楽しめる作品だ、と感じました。
170分と長尺ですが、気になりません。
たくさんの伏線がはられていて、
それらがきれいに回収されるので、
カタルシスも感じられます。
(むしろ、あまりにきれいに回収し過ぎなくらい。)

この映画、舞台は理系の大学。
なんでも、MITをも凌ぐかと言われている、
IIT(インド工科大学)をモデルにしているとか。
理系の学生は、より楽しめたんじゃないかと(勝手に)思っています。

エンターテイメントですが、
しようと思えば、何通りかのアプローチが可能なのでしょう。
そうだ、
ゼミのレポートは、
このアプローチの方法(というか角度というか)を、
複数示すことにしましょうか。
単純に感想、よりいいでしょう。

それにしてもこのゼミ、
ほんとは1年かけて、もっと色々見たいんですが、
なかなか諸事情あり、難しそうです。
せめて、多少とも、学生が考えるきっかけになればいいんですけど。

2013年12月15日日曜日

タイム・ウォーカー ―移動体社会のメディアと記憶

世界メディア芸術コンベンション、
「タイム・ウォーカー ―移動体社会のメディアと記憶」。

http://time-walker.net/

参加は無料。ただし登録必要。
これは興味があります。

TELE GAUCHO

あの『戦争より愛のカンケイ』、

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/le-nom-des-gens.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/bagnolet.html

のミシェル・ルクレルク監督の新作、

TELE GAUCHO  (『新左翼テレビ』)

を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=T6QytYPTPms

結論から言えば、前作には及ばない印象です。

舞台は(前作同様)バニョレ。
お金と権力から離れた自由テレビ局、テレ・ゴーショは、
きわめて左翼的な思想を(一応は)掲げています。
若きヴィクトールは、ここに集う人間たちに惹かれ、
またたまたま出会ったクララにも魅かれ、
このテレビ局で「青春」の一時期を過ごします。
けれどそれは、最後はどこか「泡」のように……

映画青年ヴィクトールは、
もしかしたら自伝的要素も入っているのでしょうか。
ただ、エピソードのつながりがやや散漫で、
話が横に滑っていく感じ。
前作のような、ひらめきの内に深化するところが少ないかもしれません。
(というか、期待が大きすぎたかな?)

ちなみに、エマニュエル・ベアールも出演しています。
やはり存在感があります。

2013年12月12日木曜日

「東京の灯 トーキョーの闇」

古新聞を整理していて、
東京新聞の「大波小波」が、
「特集 東京の灯 トーキョーの闇」(「すばる」9月号)を紹介しているのに、
今頃気づきました。
東京、
と聞くと、やはり、反応してしまいます。
で、読んでみました。

メインは、
「鼎談 憧れと郷愁のはざまで――東京の今」です。
メンバーは、若き俊英たち、岡田利規×入江悠×前野健太
です。
歌手・前野健太は、こんな歌を歌っているのですね。

http://www.youtube.com/watch?v=Huan8V2BpXc

音楽素人として、勝手なことを言えば、
新しさも、古さ(悪い意味ではなく)も感じます。
(そういえば、「責任とって」っていうのは、
わたしたちの世代には、奥村チヨを思い出させもします。)

そして入江悠監督作品は、これ。

http://www.youtube.com/watch?v=UEo-FyUnzE0

Oh !  おもしろそう!
まあ、それはともかく。

この鼎談では、
「東京は終わったのか?」
が1つのテーマになっているのですが、
一方で、「やっぱり東京は銀座だ」というような発言もあります。
わたしには、今の東京の中の大きな街の中で、
銀座はもっとも死に瀕していると感じられますから、
この辺はずいぶん違います。
でもそうだとすると、
「終わっている」のニュアンスも、
わたしが思い描いているものとは、だいぶ違っているのかもしれません。
「東京行進曲」を最近聞いた、というのも、
やはりわたしたちの世代とは、
常識が違うんだなあ、と感じます。

そしてこの俊英たちは、
埼玉出身が2人、神奈川出身が1名です。
そこから、近くて遠い、遠くて近い東京を見ているのですが……

彼らは、いわば「郊外派」であるようにも見えました。
東京の郊外、というより、
パリの「郊外派」と同じような意味においてです。
もちろん、3人には「移民性」のようなものはないし、
純粋だし、「憎しみ」もない(ようにみえる)し、
つまり違うところも多々あるのですが、
でも、大都市のすぐ脇にいて、
その都市を横目で意識して、
色々事情はあるにせよ、
その都市で仕事をして。

でもまあとにかく、
こういう特集を読むのは、たしかに楽しいのでした。

2013年12月11日水曜日

Thank you Madiba

コート・ディヴォワールの「神」、
ディディエ・ドログバが、
トルコでの試合で、選手交代後にユニフォームを脱ぐと、

http://www.youtube.com/watch?v=vIGcH58T5Tk

Madiba というのは、マンデラ元大統領の、
民族名だそうです。

2013年12月9日月曜日

Paris à tout prix

早くDVDにならないかな~、と思っていたのが、これ。

Paris à tout prix (『なにがなんでもパリ』)

予告編:http://www.youtube.com/watch?v=y5tm-QmkydU

マヤは、大好きなパリのファッション業界で働く独身女性。
そんな彼女の前に、
いわば「正社員」のスタイリストになるチャンスが巡ってきます。
なんとかこの機会をものにしたいマヤ。
けれどもある晩、友達とカラオケで盛り上がった帰り道、
きまぐれで追い抜いたクルマがなんとパトカー。
取り調べを受ける中で、
マヤの滞在許可証の有効期限が切れているのが発覚。
「それがなに? だってもう20年もパリにいるんだから!」
でも警官は聞く耳を持たず、
あわれマヤはモロッコに強制送還されてしまいます。
あの、二度と会いたくないかった父親がいるところへ。
さて、マヤはパリに戻れるのでしょうか!? というお話です。

まあ、コメディーであり、エンターテイメントですから、
そういうつもりで見るなら、とても面白いです。
(話に少々無理があり、偶然の出会いが都合よく起こったりもしますが。)

でも、コメディーが、こういう強制送還を取り上げていたり、
あるいはヒロインが、モロッコ系の女性であり、
いくら「あたしをサン・パピエと一緒しないで!」と叫んでも、
それは聞き入れられなかったり、
そういったもろもろが、フランスの現状を伝えているという気がします。

そしてマヤを演じたReem Kherici、
彼女の父親はチュニジア系で、母親はイタリア系。
そして彼女自身はパリ生まれですから、
移民の両親がパリで出会った、ということなのかもしれません。
大きな役は初めてのようですが、
元気&溌剌、印象に残りました。
しかも!
彼女はこの作品の監督であり、
脚本にも参加しているようです。
注目していきたいですね。

Entre Chiens et Loups

先週の水曜日、Comme les 5 doigts de la main のことを書きました。
アレクサンドル・アルカディ監督の作品、というので見たのでした。
で、
もう1本、彼の作品を見てみました。

Entre Chiens et Loups

http://www.youtube.com/watch?v=aRXwHXpJMrs

この予告編は、なかなかエンターテイメントととして面白そう、
という感じですが、
まあ、よくできているのでしょう、予告編のほうが。
末期がんを抱えた元強盗と、
自殺願望の強いスナイパー。
この2人に来た仕事は、
要人を襲い、しかし殺さず、逆に自分が死ぬこと、でした。
残された者たちにお金が渡るよう、彼らはそれを引き受けるのですが、
実は大きな罠が仕掛けられていた、というお話。

ちょっと作りすぎた、というところでしょうか。

2013年12月7日土曜日

MLB

ヤンキースのカノーとグランダーソン、
2人の贔屓選手が、
それぞれメッツとマリナーズへ。
そしてなんと、エルズベリーに加えて、カルロス・ベルトランも獲得。
これはもしかしたら、イチローの放出があるのかもしれません。
来年のヤンキース、ずいぶん変わりますね。

Wカップ、組み合わせ

昨日の深夜、の抽選会。
つい、がんばって見てしまいました。
応援しているコート・ジボワール、
よりによって初戦が日本。
楽しみです。
ドログバのシュートが見たい!

Yahoo France も、この抽選がらみの記事が多いですが、
なかには落ち着いたこんな記事も。

http://fr.sports.yahoo.com/news/coupe-monde-5-matches-premier-tour-qu-39-223259999--sow.html

「予選リーグで見逃せない5試合」

具体的には、

1・ブラジル―クロアチア  
2・スペイン―オランダ
3・イタリア―イングランド
4・ドイツ―ポルトガル
5・スイス―フランス

この内1~4は、
まあ今更言われなくても、みんなが注目するカードでしょう。
そして5。
おもしろいのは、この「5」が、
一般的には注目カードでないことを、
選んだ本人がよ~く承知していて、
なんだか申し訳ないけど……という感じで選んでいるところです。
ま、たしかにね。

ドロー運、という点では、日本、韓国、フランスなどは、
ラッキーだったと言えるのでしょう。
可哀そうなのが、アメリカ。
相手は、ドイツ、ポルトガル、ガーナ。
もしここに、アメリカじゃなく日本が入っていたら……、
きっと日本中がため息に包まれていたでしょう。

A night @ Shinjuku

昨日の夜は、今年初の忘年会。
レナさんと、仲良しの(白水社の)編集の女性2人と。
楽しかった~!
メールなどでの連絡はあっても、
なかなか会う機会はないし、
ましてやこういうメンバーで一緒に飲める
(まあ、仕事の話もあるわけですが)
ことはめったにないので、
とても貴重な夜でした。
大げさに言えば、すっと記憶に残るような。

そして、夜11時の新宿の、
ラッシュ時間帯のような混みようは、
相変わらずでした。
さすがです。

2013年12月5日木曜日

ブリジストン美術館へ

カイユボット展、行ってきました。
思った通り、
もし「パリ絵画」というものを想定するなら、
必ずそこに含まれる画家だということがよく分かりました。

また、展示の方法も親切で、
いくつかの作品については、
それがパリのどこで、どの方向を向いて描かれたものなのか、
ディスプレイなどを駆使して示してくれています。
さらには、弟の撮った「パリ写真」も、なかなか楽しめました。

それにしても……
カイユボットって、おそろしくお金持ちだったんですね!

2013年12月4日水曜日

Comme les 5 doigts de la main

L'Union sacrée という映画について、先日書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/lunion-sacree.html

この映画は、「気になる1本」に含まれます。
となると、これを撮った監督の、
別の作品も見たくなります。で、
見てみました。

Comme les 5 doigts de la main
『5本の指のように』

http://www.youtube.com/watch?v=BYS0TPK6_jc

ピエ・ノワールで、今はパリでそれぞれ独立して暮らす、
ユダヤ人の5人兄弟。
しかしその内の1人は、数年前から行方をくらまし、
どうやら南仏で悪事に手を染めているよう。
そんなある日、突然、
傷を追って彼が、南仏からパリに、
絶縁状態にあった兄弟のもとに戻ってきます。
彼は仲間を売り、大金を横取りしました。
しかしその仲間が脱獄し、
彼をパリまで追ってきているのです。
しかしなぜ、彼は仲間を売ったのか。
そこには、事故だと思われていた父親の死が、
深くかかわっていました。
それを知った兄弟たちは、ついに一丸となって、
ロマのギャングとの対決を決意します……

ちょっと話が込み入っていますが、
おもしろい映画だと思いました。
女性2人、
長兄の嫁と、警察の捜査チームを率いるアラブ人女性、
特に後者(Lubna Azabal)は、出番は少ないのだけれど、印象に残りました。
(彼女は、Les Hommes libres にも、重要な役で出ていました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/les-hommes-libres.html

これは映画の本筋からは逸れますが、
この女性リーダーが、兄弟4人を警察署に呼びつけて取引を持ちかける場面、
なんなだか引き込まれました。
その中で、彼女は訊きます。

「Hayounって名前、モロッコ系? アルジェリア系?」
「アルジェリアだよ。Bougie さ」
「ベジャイヤね」

Bougie は、「ろうそく」というフランス語のもとになった街の名前です。が、
それはフランス領アルジェエリア、
つまりアルジェリア独立前の名前。
見た瞬間にアラブ人であるリーダーは、
すぐに、そのフランス的(傲慢な)無頓着を、
現在の名前に訂正したのです。
そして、彼女は言います。

「警察がワルを甘やかしてるのは知ってる。
でもね、そんなのくそくらえよ。
あいつは警察官を2人殺した。
あたしたちはあいつの首がいるの。
そしてもちろん手に入れる」

この、自分が属する集団の尊厳が、
自分の尊厳と一体になっている感じ。
この古めかしさが、フィルム・ノワールの様式を支えているのでしょう。
そしてこれは、警察の側にも、ワルの側にも、
同じように見出すことができるようです。

2013年12月2日月曜日

明治大学リバティアカデミー

先日の、リバティアカデミーの打ち上げの様子が、
こんなところに。

https://ja-jp.facebook.com/MeijiU.LIBERTY.ACADEMY

いい雰囲気が伝わるでしょうか?

2013年12月1日日曜日

「東京ヘテロトピア」へ

快晴の東京、
この師走の初日に、行ってきました、
「東京ヘテロトピア」へ。

http://www.festival-tokyo.jp/program/13/tokyo_heterotopia/

これはねえ……
新しいです。とてもとても新しい。
というか、初めての<   >なんだと思います。
そして問題は、この<   >にどんな語を入れたらいいのか、
よくわからないこと。

演劇? たしかに、参加型というなら。
インスタレーション? そう、音になった言葉が、街に佇んでいます。
でも、
どんな語を入れても、
そこから溢れてしまうものがあるようです。
それが、新しさなんでしょう。

そしてこの試みは、わたしには、
まず「東京」の物語の一部に見えます。
ほとんど気に留めていなかった物語、
こんなに足元にあったのに。
そして語られる言葉は、わたしには、
「詩」に聞こえます。
東京の胸深く隠されていたものが、今、
言葉に連れられて、わたしたちの前に出現したかのよう。
(特に、「わたし」である「ベンガル語」が語りだす、
池袋西口公園のテキストは、グッときます。
まさか、声が声を持つとは!)
ヘテロトピア=「現実の中の異郷」は、わたしには、
それでも「東京」なのだと思えます。
それも東京。

それにしても、
この頃の管さんが参加しているさまざまなことは、
「新しい」ものが多くて、眩暈がします。
そしてその中で、いろんな境界線がどんどん消えていって。
いったいどこまでいくんでしょう!?

『ポケットに外国語を』


黒田龍之助さんの新著、

『ポケットに外国語を』

を読みました。
読みながら、
膝を打ったり、
笑いをこらえたり、
こらえきれなかったり、
「その通り!」と声を上げ、
その箇所ををコピーして読ませたい人のリストを作ったり……
いつもながらの黒田ワールドを堪能しました。

これで840円。安いです。
外国語に、外国語の勉強に、興味がある、
なにかヒントが欲しい、行き詰っている、
あるいは調子がいい、もっともっといける、
どんな方も、読んでよかったと思うでしょう。
(英語、ロシア語、フランス語……)

ぜひ!!

解禁

今日は、大学の業務で、朝から大学に。
晴れて、気持ちのいい通勤でした。

さて、12月1日の0時を回りました。
今頃、大手各社のHPは、就活生でにぎわっていることでしょう。
なんでも、会社によっては、2、3時間繋がらないこともある、
と学生が言ってましたが、今年もそうなんでしょうか?

つい先日、これは4年生と話していて、
まだ就活を続けている、と聞きました。
内定は1つだけあるのだけれど、
必ずしも希望のところではないので、ということでした。
へこたれずに頑張って、「えらい!」と褒めたのでした。
わたしも、履歴書を突っ返された経験は豊富です。
就活生には、がんばんって欲しいです。

2013年11月28日木曜日

L'HOMME EST UNE FEMME COMME LES AUTRES

La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy
のことは、もう2回書いたのですが、
今日は、その前篇にあたる

L'HOMME EST UNE FEMME COMME LES AUTRES
を、見てみました。
YouTube にありました。

http://www.youtube.com/watch?v=TQxRq3ZlDs4&list=PLFD1E50F7946E3F0E
(11~21)

まあ、これはまったくの「ゲイ映画」で、
そこにユダヤ的味付けが少々、という感じ。
で、
これも、
La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazyも、
両方ともそうなんですが、
主人公のシモンは、ほんとに身勝手なヤツです。
しかも、わりとみんなから愛される。
見かけはわりといいし、有名なクラリネット奏者だし、
一般的なモテル要素はあるわけですが、
このわがままなゲイを主人公に、
2本撮るのはなかなか強気です。
しかも、このわがままさが、映画内で相対化されるわけでもないし。
自己愛が強い映画、という印象でした。

2013年11月26日火曜日

語られなかった東京

これ、おもしろそう!

http://monpaysnatal.blogspot.jp/2013/11/blog-post_2752.html

Mmm、アタラシイ……

2013年11月25日月曜日

New Star of India

「ワールド映画」で使えそうなインド映画を探していて、
たまたま行き逢ったニッサンのCM。
もちろんインド版。

http://www.youtube.com/watch?v=KGU45aNm-C4

渋滞の場面がいい感じ。

2013年11月24日日曜日

小畑先生

何度かお目にかかったことのある、
カナダ文学研究の先達。
明治大学の先輩教員でもあった小畑精和先生が、亡くなられました。
まだまだ、まだまだ、お仕事できたはずなんですが。

http://www.meijirugby.jp/topics_detail2/id=565

22日の19時に、とあります。
ちょうどそのころ、
わたしたちは打ち上げの席にいて、
でも1度、小畑先生の名前も出たのでした。
この話題です。

http://www.ishihara-frago.com/obata.html

打ち上げに同席して下さった、岩野先生のお名前もあります。

小畑先生のHP。

http://www.geocities.jp/profobata/

ご冥福をお祈りいたします。

2013年11月22日金曜日

講座、打ち上げ

さて今日は、
生田のリバティー・アカデミー、
「フランス体験❤講座」の最終日でした。
講義の担当は、農学部のエース高瀬先生。
日仏学院でも教えていらっしゃる実力派の先生は、
でも親しみある楽しい講義をしてくれました。
テーマは、グリーン・ツーリズム。
自然を「敵」、ないし征服すべき対象としていたキリスト教文化圏で、
自然に親しむ、という感覚が育ち始めたのは18世紀のこと。
代表はルソー、
そして、あえてパリを離れヴェルサイユを居城としたルイ16世、でしょうか。
この王は、明らかに田園派ですから、
その意味では新しかったのかもしれません。

そして授業後は、
喜多見のビストロで打ち上げです。
このお店のナガミネ・シェフも、
今回の講座の講師を務めてくれました。
生徒さん6人、担当講師3人、事務担当2人、全体を統括する先生1人、
この12人で、おいしい食事を楽しむことができました。
(こういう打ち上げができる講座って、なかなかないのですが、
これはやったほうがいいですね。)

生徒さんの中には、
テレビを見てくれた方もいて、
こういう繋がりが持てるなら、出ておいてよかった、と思いました。
また、お顔に見覚えのある生徒さんもいて、
お話してみると、
やはり、新宿の講座にもきてくださった方でした。
Merci beaucoup !

このリバティー・アカデミーのいいところは、
儲けを出さなくていい、という点です。
大学が、地域に貢献する、という趣旨で始めたものなので、
経費さえ出ればいいのです。
(さすがに赤字だと、長くは続けられないようですが。)

また来年度、講座を開く予定があります。
よろしければ、遊びに来てください!
(というか、勉強ですけど!)

La Fille du RER

2004年の7月、
RERのD線、
パリの北20キロほどのサルセルと、
そのさらに北にあるルーヴルとの間で、
事件は起こりました。
(この「ルーヴル」は、博物館のあるルーヴルとは別物です。)
1人の若い女性が、
反ユダヤ主義者たちに襲われ、
顔や首をナイフで切られ、
お腹にはマジックで、
>と描かれたのです。

この事件は、大騒動を引き起こし、
各種人権団体は声明を発表し、
時の総理大臣シラクまで、コメントを発表しました。
けれど……
その2日後、
この「事件」はすべて、
少女のでっち上げだったことが判明したのです。
傷も卐も、自分でほどこしたものだったのです。

アンドレ・テシネ監督のLa Fille du RER は、
この事件を題材にした舞台RER の映画化です。

http://www.youtube.com/watch?v=8KsRxXqFWv8

少女(といっても二十歳過ぎですが)の母はドヌーヴ、
この母の昔の恋人にミッシェル・ブラン、
彼の義理の娘にロニ・エルカベッツ、
少女の恋人にニコラ・デュヴィーシェル。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/parlez-moi-de-vous.html
の中で、ヴィアールの恋人になりかけた「息子」です。)

わたしが思ったのは、ちょっとずれますが、
「やっぱりサルセルなのね」ということ。
サルセルは(『エキゾチック・パリ案内』でも触れたとおり)、
ユダヤ人の町です。

それからもう1点は、世代間格差。
M.ブランはユダヤ人だけど、ユダヤ教徒ではない。
彼の息子は、不可知論者。
その妻は、伝統的ユダヤ教徒、という感じ。
Mmmm

この映画評、深くはないけど、
情報は便利でした。

http://www.paperblog.fr/1757754/la-fille-du-rer-ou-le-malaise-derriere-le-train-train-quotidien/

2013年11月21日木曜日

Dog & Cat


この画像。
こんなこと思いつく人がいるんですね!

2013年11月20日水曜日

3ー0 !

もうほとんど「ムリ」としか思えなかった、
フランスのWカップ出場。
なんと3ー0 で勝って、出場できることになりました。

ここはやはり、陣野さんのコメントを。

「本当に必死のフランス代表を観たのは、
たぶん2006年のドイツ・W杯以来。
ブラジルに行くことになった」

そして今日の授業では、
とてもサッカーに詳しいK君に、
今日までの経緯を、
クラスの他の学生たちに説明してもらいました。
(といっても、10人ほどのクラスですが。)

そして、彼は言います。

ベンゼマの2点目?
ああ、たしかにオフサイドにも見えましたけど、
でも、
その直前にオフサイドを取られたゴールは、
頭がかすかに出てただけで、
脚じゃないですからね、
むしろセーフっぽかった。
だから、いいんじゃないですか?
それより、
セットプレーからの得点しかなかったっていうのが、
問題ですよね~

なるほどね。

2013年11月18日月曜日

ライバル

近所の、でもたまにしか行かないスーパーで買い物をしていたら、
白ワイン、1本 398円、
「1000円のワインに負けない!」
というのです。
この、ライバルを「1000円のワイン」に絞っているところが気に入り、
ためしに1本買ってみました。

で、
200円ちょっとで買ったワカサギをフライにして、
先週、これは別のスーパーの出店で買った、
鳴門産のワカメも出して、
398円のワインを飲んでみます。



これはたしかに、1000円以上。
というか、1500円くらいの感じ。
(まあ、いい加減ですが!)

この味なら……
そうだ、来年3月の語学教員の全体会議、のあとの食事会、
予算がいつもきつきつだけど、
このワインならいいかも!
(と、幹事は思いめぐらせるのでした……)

*「ライヴァル」と書くと、今や少し違和感がありますね。

2013年11月17日日曜日

予選敗退!?

フランス、ワールドカップ出場が……

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131116-00000016-jij_afp-socc


陣野俊史さんのコメントをコピペします。

*************************

この20年、フランス代表の試合を見続けてきたが、
もう観るのをやめようかと思うくらいひどい試合だった。
アウェイのウクライナで0-2の惨敗。
ホームでの巻き返しは相当厳しくなった。

プラティニの華麗さ、カントナの大胆さ、パパンの豪快さ、
そしてジダンの卓越を知る者にとって、
いまのフランス代表は、悪夢でしかない。
94年のアメリカ大会以来、予選敗退というのも、
それはそれでアリなのかもしれない。
堕ちるところまで堕ちる必要も。つらい現実だが。

こんなニュース

こんなニュースがありました。

http://www.j-cast.com/2013/11/16189153.html?p=all

2013年11月16日土曜日

イリュミネ

風邪をひいている学生が増えてきました。
どうぞお気をつけ下さい。

今日は夕方になって、
近所の本屋に散歩に行くと、
駅前の大通りが、
見事に飾られているのに、驚かされました。
それを写真に撮る人の多さにも。

*****************

美しいものに出会うと
手がのびる
バッグのなかの
持ち重りのする金属
けれどその表面は
見えない指紋に暖められ

老・若・男・女 が
むしろ気難しげに矩形を構える
イリュニネイトされた並木は美しいから
金属の重さは忘れてしまえる

******************

歩きながら、
ここまで考えて、
今まで忘れてました。
続きは、書けるかな?

2013年11月13日水曜日

ストロマエ・2

このストロマエ君、
もともとブレイクしたのはこの曲。

http://www.youtube.com/watch?v=VHoT4N43jK8

そしてこの曲の作り方は……

http://www.youtube.com/watch?v=Dz_MOPQTuas

はあ……なるほど。

そしてこの曲で、彼はBEP と共演もしているのですね。

http://www.youtube.com/watch?v=kHLd-SZlBYg

踊ってるし!

いやあ、これはナマで見たかったなあ。

2013年11月12日火曜日

ストロマエ

1か月ほど前、ここで、
ストロマエのFormidable のリンクを張りました。

http://www.youtube.com/watch?v=S_xH7noaqTA

で、
その後、彼のアルバムをちゃんと聞いてみたのですが、
Mmm、素晴らしい。
これは、わたしにとっての「今年の1枚(ポップス編)」になりそうです。

http://www.amazon.fr/Racine-Carr%C3%A9e-Boitier-Cristal-Stromae/dp/B00DQVSTI0/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1384244023&sr=8-1&keywords=stromae

彼のことについて、
「ワカメちゃん」のモデルになった長谷川たかこさん(パリ在住)が、
こんな風に書いていらっしゃいます。

http://frenchcodeblog01.blog107.fc2.com/blog-entry-757.html

相当人気があるみたいですね。
むべなるかな。

そしてこのクリップの、パロディもあるんですね。
ベルギーの新国王フィリップのそっくりさんだそう。
なかなか笑えます。

http://www.youtube.com/watch?v=0jUrIOUI8vQ

彼のHPや、YouTube でも、
たくさん曲を聴くことができます。
たとえばCarmen のパロディ。

http://www.youtube.com/watch?v=2todvzBajVk

やりますねえ。

2013年11月10日日曜日

『時制論』を体験すること

昨日の夜は、
<管啓次郎/ドリアン助川>による、
管啓次郎『時制論』『ストレンジオグラフィ』(左右社)刊行記念イベント

「詩が旅する時間と地理」

に行ってきました。

まず、管さん自身による、
新詩集『時制論』からの朗読に始まり、
続いてドリアンさんとの、なごやかにして緊張感のある対談、
そして今度は、
この2人の練達による朗読、
締めは再び2人の言葉を巡る対談、という構成。
おもしろかったです。

特に新鮮だったのは、
2人による朗読。
実はこの新詩集『時制論』は、
交互に1行ずつ、
(見かけ上は)過去形と現在形が使われているのですが、
2人がそれぞれ1つの「時制」の朗読を担当することで、
この詩集の持つ独特の性質、
いわば、
2つのプロジェクターで交互に映像を映し出してゆくのにも似た、
今まで誰も試みたことのない言葉の冒険/挑戦としての性質が、
明るい光のもとに連れ出されてきたのでした。

絵画は、時間を空間化して、見せる。
絵と向き合う人は、
その空間の中に入り込み、
そこである時間と出会うのだけれど、
それは現実の時間ではない。
それが在るのは、
その絵の中、あるいは自分の中、あるいは絵と自分の交感の中。

そのように、

『時制論』はわたしたちの前に在る、と言えるのでしょう。
ぜひ、体験してください。

http://www.amazon.co.jp/%E6%99%82%E5%88%B6%E8%AB%96-Agend%E2%80%99Ars4-%E7%AE%A1-%E5%95%93%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4903500934/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1384048767&sr=8-1&keywords=%E6%99%82%E5%88%B6%E8%AB%96

The Daily Life of a Grandma and Her Odd-Eyed Cat

くもり空の日曜日。
午後は雨の予報。

「お婆ちゃんと色違いの目を持つ猫の日常」の写真集。
いいかも。

http://www.demilked.com/grandma-and-odd-eyed-cat-miyoko-ihara/

2013年11月8日金曜日

ホットな

今日の午後は、
「明治リバティー・アカデイー」の2回目でした。

わたしにとっては、今1番ホットな話題、
パリを舞台とする移民映画、
なかでもユダヤ人とアラブ人の関係に主眼が置かれる作品を、
わたしの知っている限り、
順に紹介していきました。
わたしはおもしろかったですが、
生徒さんたちはどうだったでしょう。
おもしろかったならよかったんですが。

さて明日は、管さん&ドリアンさんです!

2013年11月7日木曜日

メインはシューマン

今日は午後3時頃から晴れてきて、
ちょうどそのころ家を出て、
サントリーホールに行ってきました。
楽しみにしていた、内田光子リサイタルです。

曲目は、

J. S. バッハ  : 『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』
           第1番 ハ長調 BWV870、
           第14番 嬰へ短調 BWV883
シェーンベルク: 『6つの小さなピアノ曲』op. 19
シューマン   : 『森の情景』op. 82
シューマン   : ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 op. 22
シューマン   : 『暁の歌』 op. 133

そしてアンコールが、『月光』の第1楽章。

わたしが行ったクラシックのコンサートの中でも、
指折りの素晴らしいものでした。
聞いていて、楽しいなあ、とずっと思っていました。

やはりライブは、
CDとはちがう奔放さ、のびやかさが魅力です。
バッハも、なんというか、生きている感じが直接的なのです。
ライブとは、よく言ったものですね。

2013年11月5日火曜日

『これからの一生』

先日 La vie devant soi をYouTube で見て、
魅かれるところがあったので、
原作小説の翻訳も読み始めました。
1977年と言いますから、
フランスで発表の2年後、
映画公開と同じ年に、
この翻訳本は刊行されています。

もちろん古本ですが、
見ると奥付のページに、お名前が書いてあります。
検索すると、
京都大学名誉教授の、故・大谷英二先生でした。

で、古本に挟まっていたのが、
「京都大学教養部報」の、1983年のもの。
そしてそこには、ドイツ語の高橋義人先生の、
La vie devant soi についての文章が掲載されていました。
おそらく、大谷先生は学内でこれをお読みになり、
原作本に挟んでおかれたんですね。
おかげでわたしまで、読むことができました。
大谷先生、ありがとうございました。
(古本屋さんも、ありがとうございました。)

まだ20ページほどしか読んでいませんが、
おもしろいです。

2013年11月3日日曜日

詩の対話

9回、
爆発するような歓声の中、
彼はマウンドに向かいました。
ほんとに出てくるのか、
と思っていましたが、
出てきてくれました。
監督と仲間と本人と、
気持ちがそろった結果なのでしょう。
終わってみれば、
記憶に残る日本シリーズでした。
イーグルス、おめでとうございます。

さて今日は、
日本とスロヴェニアの詩人たちによる対話、
を聞いてきました。
こう書くと地味な印象ですが、さにあらず。
なんというか、詩の生成現場に立ち会っているかのような、
他では味わえない種類の興奮がありました。
そしてスロヴェニアから詩人4人は、
みんなとてもサンパで、
それが会場の雰囲気を暖かくしていました。
日本側の詩人たちも、
緊張感と柔らかさを同時に醸し、
いい感じでした。

そうそう、今度の土曜日には、これもあるんでした。

http://sayusha.com/news/event/p=201310181817

これは行かないと!



2013年11月2日土曜日

La vie devant soi

この1年以上負けなかった投手が、
この、最後の大一番で負けてしまう。
そんな予感が、誰の胸にも(かすかには)あったかもしれません。
でも、言うまでもなく、
おそろしくいい投手。
勝手なことを言うなら、
やっぱり大リーグで投げているところを見てみたい。

で今日は、これを見ました。

http://www.youtube.com/watch?v=l5yj-jETPFo

原作小説は同名の『これからの一生』(早川書房)で、1975年のゴンクール賞作品。
元娼婦で、引退後は、
現役娼婦たちの子供たちを預かって、生計を立てているローザ。
けれど寄る年波、病気は進行し、体力は衰え、
子供たちは減ってゆき、お金はなくなる。
でも、1人モモだけは、
ローザのもとを離れません。
それは、両親が(この11年間1度も)会いにさえ来ないからでもあるけれど、
だからローザは1銭も受け取っていないのに、
自分を育ててくれたことを知っているから。
そして大事な点、
それはローザがユダヤ人で、
モモはモハメッド、つまりアラブだということ。

ローザ役のシモーヌ・シニョレ、
彼女の父親はユダヤ人で、
「シニョレ」は母方の姓だそうです。
無論、迫害を恐れたわけですね。
ちょっと変になったローザが、
「フランスの警察が迎えに来るの……そしたら、
電車に乗ってドイツに行って……なにも心配ないって……」
とうわごとのように語る場面、
静かな恐怖感があります。
彼女については、ここでも2度触れています。

http://tomo-524.blogspot.jp/2012/01/blog-post_27.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/le-chat.html

ところでこの映画、
日本版VHS(『これからの人生』)があったようですが、
現在は入手困難。
DVDはなし。
で、実はフランス語版もVHSしかなく、しかも見当たらず。
かろうじて英語版がありましたが、2万円(!)ほど。
それがYouTube にあがっていて、ほんとうに助かりました。
(英語字幕、ときどきピントがずれてる気もしますが、
やはりあったほうが安心ですね。)
ちょっとだけ長いけど、そして重い部分もあるけれど、
苦しい愛のある、いい映画だと思います。
性転換したやさしい黒人娼婦ローラも印象的。
舞台はベルヴィルです。

2013年10月31日木曜日

2試合

うららか、というのは春ですが、
そんな言葉が思い浮かぶ日でした。
そして今日は、
午前中にワールド・シリーズ第6戦で、
レッドソックスの優勝を見届け、
(上原、ナイス・ピッチング!)
夜は日本シリーズ第5戦、
イーグルスの集中力を堪能しました。

ワールドシリーズでは、
田沢選手のインタヴューが面白かったです。

「大変な場面でしたけど?」
「ちょっと、覚えてないんです」
「どんな気持ちで投げましたか?」
「キャッチャーを信じただけです」

彼はいつも、「覚えてない」っていうんですけど、
もしほんとにそうなら、
おそろしい没入度です。
なにしろ、覚えてないんですから!
おめでとうございました!

日本シリーズは、
昨日一昨日と打って変った好ゲーム。
やっぱり、ピッチャーがいいと、
俄然引き締まった試合になるんですね。

それにしても、
1日に2試合も見たのは久しぶりです。

凡戦?

日本シリーズ、見てます。
こどもの頃以来長くデー・ゲームだったので、
今だにナイト・ゲームにはやや違和感がありますが。
今日までで、両チームとも2勝2敗となったわけですね。
まあ完全に素人の戯言なんですが……

1戦、2戦は、引き締まった、そしてスリルのあるいいゲームだと感じました。
やっぱり田中投手は、現在の日本でN.1 のピッチャーですね。
けれども3戦、そして特に今日の4戦。
正直言って、締まりがない印象。
投手のコントロールが定まらず、リズムがとても悪いので、
見ていても落ち着きません。
低めにくるボールは驚くほど少なく、
コースもバラバラ。
(イーグルスは、結局12四死球! 与えてしまいました。)
残念ながら、やや退屈してしまいました。
AJ のホームランは、さすがでしたが、
でもどちらかのチームを応援しているわけではないので、
ゲームそのものがスリリングでないと、
見ていられず……

明日のワールド・シリーズ、
レッドソックス、優勝できるでしょうか。
その時マウンドには……?

2013年10月30日水曜日

2013年10月29日火曜日

Samia

名前はサミア。
14歳。
マルセイユの郊外、
アルジェリア移民の家庭で、
8人兄弟の6番目。
おしゃれが大好き。
学校の勉強はそんなに好きじゃない。
でももっと嫌いなのは、1番上の、失業中の兄。
病気の父の代わりに、
家族全員に対して強権的。
そして文字通り暴力的。
言うことを聞かない妹たちを、ベルトで殴る。

ママは娘たちに言う、
お前たちのためにフランスに来たのに、
ママの人生がどんなにみじめだったか、
お前たちにはわかってない、
お前たちはフランス女になりたいのかい?
フランス男と付き合いたい?
どうせ「汚いアラブ」っていわれるのがおちなのに。

Samia      です。

http://www.youtube.com/watch?v=0dt2sCEnIoI

Sans toi...

岩谷時子さんが、亡くなられました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131029-00000114-san-musi

以前、こんな記事を書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/08/vol2.html

ご冥福をお祈りいたします。
(1度、お目にかかりたかった……)

2013年10月28日月曜日

Bagnolet

『戦争より愛のカンケイ』というえいがについては、
もう何度かここでも触れました。たとえば、

http://tomo-524.blogspot.jp/2012/05/blog-post_26.html

まちがいなく面白い映画です。

ただこの映画、
初めて見るときは、
サラ・フォレスティエの大胆な裸体に目を奪われ、
2度目に見るときは、
「政治」的なおもしろさの読解に気を奪われる、
という傾向があるようです。(多分)

で、
また見てみました。
(実際には、もう5回目くらいですが。)
今回注目したのは、「場所」です。
結論から言うなら、
この映画の「場所」は、パリのペリフェリックを東に越えてすぐの町、
バニョレです。
ここは、この映画の舞台でもありました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/de-bruit-et-de-fureur.html

ただこちらでは、HLMやその周辺が主な舞台でしたが、
『戦争より……』では、
市役所や、メルキュリアル・(ツイン)タワーなども、
繰り返し登場します。
で、調べてみると、
監督のミッシェル・ルクレルクは、4年もバニョレに住んでいて、
この町を愛してやまない、とか。
そして、

「さまざまな人たちが共生しているこの町は、
この作品のストーリーやテーマに完全にフィットしていた。
映画が語るのは、フランス人のオブセッションであり、アイデンティティーだ」

http://www.bagnoletenvert.com/article-bagnolet-le-nom-des-gens-et-la-place-de-la-mairie-61693428.html
 
と言うのです。
なるほどね。

そしてさらに調べると、このバニョレ地区、
かつてこの町を、「東のデファンス」にするという計画があったそうです。
(石油ショックで頓挫してしまったのですが。)
Mmm、となると、
デファンスを舞台にしたTout ce qui berille と比較するのも、
なかなかおもしろいかもしれません。
これ、やってみたいです。

2013年10月25日金曜日

Mauvaise Foi


また台風です。
被害が少ないことを祈っています。

さて、今日見たのは、
実はずっと楽しみにしていて、
DVDの到着を心待ちにしていたこの映画、

Mauvaise Foi

です。
この表現、仏和大辞典には、
「不誠実、悪意、虚偽;(サルトルの用語として)自己欺瞞」
が当てられています。
直訳は、「悪い信仰」となるでしょうか。

アラブ人(モロッコ系)の男性、ユダヤ人(アシュケナジム)の女性、
2人はもう4年も一緒に暮らしているのですが、
ついに、授かってしまったのです。

http://www.youtube.com/watch?v=mHZzlMiD0ds

別々の宗教を信じる2人、というほどではないけれど、
たしかに、
別々の文化圏で生きてきた2人が、
この妊娠をきっかけとして、
社会的な関係へ踏み出そうとするのですが、
いざそうしてみると、
今までは気づかなかったさまざまなチガイが目についてくるのです。
女性の家族は反対するし、
彼は家族に話すことさえできないし。

でも、チガイはチガイ。
彼らには共有されているものもあるのです。
それに気づくのに、ちょっと時間はかかったけれど……というお話。

監督は主役のゼム自身で、
コメディーではありますが、やっぱりおもしろい。
ゼムの幼馴染で、
かつて同じHLM(だと思うのですが)に住んでいた親友、彼もユダヤ人。
なかなか重要な役です。

女性(セシル・ド・フランス)に、
実は紹介したい人がいるの、
と打ち明けられた母親は大喜びし、
で、娘に尋ねるのです。
「その人、わたしたちのグループ?」(Il est de chez nous ?)
「Chez nous ってどういうこと?」
「わかるでしょ」
「そう、フランス人よ」
「ああそうね、で……」
「いいえ、彼は違うの。それが問題?」
「全然! わたしたち、セファラッドも大好きよ。ねえ、パパ」
「そうさ、彼らはユダヤ人の1番の友達だよ」

これ、なんだかすごいですね。
もちろんセファラッドもユダヤ人なんですが、
アシュケナジムは、必ずしもそう思っていないのでしょうか。

それから、この chez nous という表現も、
何度か耳にしました。
たとえば『アイシャ』でも、アイシャがボビニーの「共同体」について語るとき、
chez nous では、ブラブラブラ と言っていました。

そして映画の舞台は、
メニルモンタンやベルヴィルあたり。
やはり移民街なんですね。
で、
ゼムの妹役に、レイラ・ベクティ。
彼女は「男勝り」でサッカーに夢中。
同年代の(単細胞な)男の子たちに「キッチンに行け!」なんて野次られて、
キレてみたり。
なかなかいいです。
(彼女の母親は、この男のたちの側ですが。)

ただ、彼女とゼムは、ここでは親子でした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/02/blog-post_18.html

どちらかというと、
まあ親子のほうがしっくりくる、かな。

2013年10月23日水曜日

チュニジア

今日の東京は、暖かさが消えてしまった感じでした。
そして今日は、1,2,3時間目に授業があったのですが、
その間の昼休みに会議があり、
昼食時間は10分足らず。
めまぐるしい日でした。

さて、
こんなブログがありました。
チュニジアにお住まいの方のようです。

http://juliocarlosafrica.blogspot.jp/2013/10/blog-post_180.html

チュニジアと言えば、
この2本が思い出されます。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/01/le-chant-des-mariees.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/satin-rouge.html

そしてフランスを舞台にした「チュニジア移民もの」なら、
とりあえずこんなのが思い出されます。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/la-faute-voltaire.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/la-graine-et-le-mulet.html

そしてこのLa graine et le mulet の、
アブドゥラティフ・ケシシュ(Abdellatif Kechiche)監督のティーチインが、
今度の日曜日にあります。

http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1310271630/

お天気が心配ですが。





2013年10月21日月曜日

水炊き

鶏の水炊き、は、
簡単でおいしい料理のひとつですね。
で、
今までもテキトーに作ってもおいしかったのですが、
ちょっとこれで作ってみました。

http://recipe.gnavi.co.jp/recipe/4076.html

Mmm、やっぱりとてもシンプルな作り方!
でも、みっちり灰汁を取ると、
かなり澄んだスープになり、
これを塩ポン酢で食べると……、おいしいです。
爽やかなうまみというか。

ちなみにわたしはキャベツではなく、
ねぎと水菜を使いました。
最後におじやも作れるので、
気に入りました!

『預言者』

月曜日、
今日見たのは、

『預言者』

です。

http://www.youtube.com/watch?v=MNVLVRfloLQ

日本では2012年に公開され、
それなりに話題になったようです。

フィルム・ノワール、ということになるのでしょうが、
ほぼ全編刑務所内の出来事であることが、
まず最初のユニークな点。
主人公マリクは19歳のアラブ系、
そして彼が入った刑務所では、
所内を牛耳るコルシカ系と、
アラブ系が対立しています。
このコルシカ系グループの存在もまた、新鮮でした。
そしてマリクの仲間となり、麻薬を売りさばくのは、ロマです。
(フィルム・ノワールでロマと言えば、
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/06/les-lyonnais.html
です。)
そして最後、
6年の刑を終えて出所したマリクを迎えたのは、
彼の(死んだ)仲間の妻(レイラ・ベクティ)とこども、
そして今や「組織」にまでなった彼の手下たち……。

なにしろ刑務所内なので、
やや風通しは悪いですが、
見ごたえは十分だといえるでしょう。
長さ(150分)は気になりませんでした。
ただわたしにはもう一つ、
マリクの「哲学」がクリアにならなかったのですが、
制作側は、もともとそういうつもりなのかもしれません。
「哲学」ではなく、「臨機応変」なのだと。
ただそこが、フィルム・ノワールとして、
やや「ピンが甘い」気もしました。
エンディングに流れるMack the Knife も、
わたしには「?」な感じでした。

2013年10月20日日曜日

Intersections

雨、そして「寒い」と言いたくなる気温。
で、今日見たのは、

『インターセクション』

です。
リュック・ベッソン制作。
モロッコの砂漠の真ん中で、
新婚旅行中のニューヨーカーと、
その新婦の愛人と、
護送中のワルと、
赤ん坊を奪ってきたカップルと、
<修理屋>が出会い、
いろいろもつれ行く、という話。

http://www.youtube.com/watch?v=z2Rjpi9GYJE

この映画を見た理由はたった1つ。
ロシュディ・ゼムが出てるから、です。
(彼の出演映画を全部見たら、
なにかちょっといいかも、と思っているわけです。)
でもこの作品は、
あまり好きじゃありませんでした。
(ゼムは悪くないんですが。)
舞台が砂漠、という新鮮さだけで、
あとは、たしかに意外な展開ではあるんですが、
そもそもほとんど情報がない中なので、
意外も何も、展開を思い描くこと自体ができません。
そしてこれは、
アメリカ映画にありがちな、「女嫌い」な感じのする話。
後味の悪さは、多分そのせいでしょう。
わたしにとってはハズレでした。

(8割英語、あとはアラビア語とフランス語が1割ずつ。)

Omar m’a tuer


1991年当時、
とても大きな話題となったフレーズ、それは

 Omar m’a tuer

今回見たのは、
このフレーズがそのままタイトルとなった作品です。

http://www.youtube.com/watch?v=kJgaF1pPAG4

ある裕福な夫人が殺され、
その現場に、このフレーズが血で書かれていました。
彼女の家に出入りする庭師、おまーる・ラシッドが逮捕され、
結局7年服役することになりました。
が、
彼は一貫して無実を主張。
モロッコ出身の庭師は、フランス語の読み書きが苦手。
取り調べにもうまく対応できませんでした。
そして問題は、
このフレーズには文法的な誤りがあること。
ご婦人が書いたのなら、当然、

 Omar m’a tueée.

とならなければなりません。
でも、死の間際に、そんな性・数一致をする余裕はなかったとも考えられ……

監督はロシュディ・ゼム。
作品は、オマールが無実だという立場で作られています。
つまり、現代の「ドレフュス事件」だと。
その点については、わたしに判断できるはずもありませんが、
印象としては、ゼムの主張に分がある気もします。
ただ重要だと思われるのは、
今や人気俳優と言ってもゼムが、
あえてこの素材で作品を作ったこと。
当然ですが、彼は「アラブ人」としてのアイデンティティーを生きています。

映画として、特別すぐれているとは言えないかもしれません。
(十分いい作品ですが。)
でも、これを作っておくことは、まちがいなく価値があると思います。

上の画像は、2010年にパリに行ったとき、
メトロで見つけたものです。

2013年10月18日金曜日

体験講座

今日は生田キャンパスで、
「フランス体験❤講座」
の第1回がありました。

生徒さんたちは、みなさん落ち着いて聞いてくださり、
とても話しやすいクラスでした。
(Merci beaucoup !)
わたしにとっては最新のネタを交えながら、
90分、みっちりやらせていただきました。
YouTube も、Street View も、DVDも使えるので、
まあ一昔前とは、授業のスタイルもずいぶん変化しましたね。

そういえば最近、ある学生と、
『ジャック・メスリーヌ』の上下(けっこう長い)を、
全部見ました。(一気にではありませんが。)
で、
たとえばジャックの最後の隠れ家、
そして警察に撃たれる地点などを、
やはりStreet View で確認しながら見たのですが、
学生にとっては、新鮮な体験のようでした。
(こちらは、毎日そんなことばかりしているわけですが!)

2013年10月17日木曜日

イングロリアス・バスターズ

メラニー・ロラン繋がりで、
今日見たのは、

『イングロリアス・バスターズ』

http://www.youtube.com/watch?v=6ckc9r3ySyo

タランティーノ作品を見るのは、
ずいぶん久しぶりですが、
やはりその文体は健在ですね。

メラニーの役どころは、
フランスの田舎に暮らしているユダヤ人一家の娘。
けれど、ナチの魔の手が彼らに迫り、
生き残ったのは彼女だけ。
それが1941年のこと。

そして3年後の1944年、6月。
(つまり、ノルマンディー上陸作戦の頃ですね。)
メラニーはパリで、伯母から相続した映画館の館主。
ある偶然から、
彼女の映画館での、ナチ映画のプレミア興業が計画されます。
そこで彼女は思いつきます、
そのとき集まるナチの高官ごと、
映画館を燃やしてしまおうと。

一方アメリカでは、
ブラピ率いるユダヤ系アメリカ人による、
対ナチ秘密部隊が結成され、
フランスに送り込まれます。
そして彼らもまた、
このプレミア上映会の爆破を計画します……

エンターテイメントの「枠」として、
ナチ vs. ユダヤ人
を用いることの是非はともかく、
占領下のフランスの雰囲気の一端は、
たしかに味わえると思います。

メラニーは、
je vais bien ...
のほうが、よかったかな。

2013年10月16日水曜日

je vais bien ne t'en fais pas

今日の台風、午後は大丈夫かと思いきや、
結局終日休講となり、
家で見たのは、

je vais bien ne t'en fais pas

19歳のリリ、
彼女がスペインでの語学研修から戻ると、
双子の兄の姿がありません。
「出て行ったの、パパとひどい喧嘩をして」とママ。
でもリリは、あんなに仲良しだった兄がメールの返事さえくれないことに苦しみ、
食事がとれなくなります。
「このままでは、死んでしまいます」と(ちょっと単細胞そうな)医者。
そこに、兄から手紙が届きます。
それを見て、次第に元気を取り戻すリリ。
兄からの手紙は、フランスの各地から届きます。
そしてやがて、兄を探しに行く決心をするリリ……
(このあとアッという展開があるのですが、それはお楽しみということで。)

http://www.youtube.com/watch?v=O0FLwIp8FLo

主役のメラニー・ロランは、
ふつうな感じで、中性的で、きれい。
評判通りです。
フランスでは、「演技陣がいい」という評価ですが、
さもありなむ。

この映画でもう1つ印象に残るのは、
主題歌。
失踪した兄が作ったという設定の「リリ」という曲です。
演奏は、Aaron。

http://www.youtube.com/watch?v=j8g3S4Nm_1o

歌詞が、内容とぴったり。

ところでこのメラニーは、wiki どによれば、
パリ9区育ちのユダヤ人だそうです。
両親は、アシュケナジムとセファラッドで。
で、彼女の祖父は、収容所から生きて帰った人だとか。
9区と言えば、「カデ地区」あたりですね。

日本版は、『マイ・ファミリー 遠い絆』
監督は、『君を想って海をゆく』のフィリップ・ノワレです。

◆追記
この映画のテーマは、
親子関係、ということになるのでしょう。
失踪した兄と父、母、
その後、一人暮らしを始める娘と父、母、
「空き部屋が2つもあるのは耐えられない」と、
ブルターニュ移住を提案する父……。
現実的に考えれば、
この父母とは意見があいませんが、
彼らの「愛」はもちろんわかる。
そのあたりを、押し付けがましくなく描いているところが、
この映画の美点なんでしょう。

また、リリの友人に、6歳年上で、
「Bac +5」という高学歴で、
モザンビーク出身の女性がいます。
(学歴問題も、映画の背景にはっきりあります。)
リリと彼女は、Shopi というチェーン・スーパーでバイトをする仲間でもあります。
(Tout ce qui brille では、このスーパーで「イケテル」パーティーが開かれました。)
で、
このアフリカ出身の女性が故郷に帰ることなり、
閉店したスーパーの一角で、お別れの乾杯をあげるシーンがあります。
いろいろ意識の低い店長(白人、60歳台、肥満気味)は、
モザンビークとズールー人を同一視し、
白人優位主義的視点からしか話せません。
だから彼女は、「俺も招待してくれよ」という彼対して、
「それは無理。だってズールーは、太った白人を食べる習慣があるから」
と微笑むのです。





Formidable (ceci n'est pas une leçon)

台風です。
勤め先の生田キャンパスは、
明日の午前の授業、休講になりました。
(小テストも延期です!)

それはともかく。

これ、いいんじゃないでしょうか?

http://www.youtube.com/watch?v=S_xH7noaqTA

Amazon France のレヴュー、108件!

2013年10月14日月曜日

大学図書館

なるほど、魅力的なものもありますね。

http://newclassic.jp/archives/1811

明治大学の図書館も登場していますが、
わたしたちがふだん使う生田図書館ではありません。
(建て替え希望!)

Voisins, voisines

マリク・シバンヌという監督は、
名前からわかる通りマグレブ系で、
彼には「郊外3部作」があります。
その中で1番最近のものが、
2004年の

Voisins, voisines

http://www.youtube.com/watch?v=2FPPeFCNQ4E

( ↑ ほんとはもっとずっといい画質なんですが。)

舞台はサルセルのレジダン・モザール。
もとHLMだったのが、個人に売り出され、
そこにいろんな人が入居してきます。
で、
管理人は(「タクシー・シリーズ」のダメ刑事)フレデリック・ディーファンタル。
彼は、刑務所帰りでスペイン系、という設定です。
そしてそこに、なかなかインスピレーションが湧かないラッパーが絡み、
彼らの視点を通して、
このレジダンの住民が描かれるという、
いわばHLM版の「グランド・ホテル」形式です。
そこには、アラブ系も、アフリカ系も、ユダヤ人もいます。
特に何が起こるわけでもなく、
ただラッパーの彼に曲ができると、
それを録音する場面があるのですが、
その曲がどれもなかなか good。
CDがあれば、買いたいくらいでした。(ないのですが。)

そうそう、サルセルには、ユダヤ人が多いのでしたね。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/01/la-petite-jerusalem.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/02/la-petie-jerusalem.html



2013年10月13日日曜日

Hors-la-loi

爽やかな風が吹いた東京。
そして今日見たのは、

Hors-la-loi

です。

http://www.youtube.com/watch?v=Ara-YuepISo

これは「3兄弟の運命の物語」です。
メンバーは、

長兄:ムサウード(ロシュディ・ゼム)
次兄:アブデルカダール(サミ・ブアジラ)
末弟:サイード(ジャメル・ドゥブーズ)

そうです、彼らはアラブ系、
アルジェリア出身の3兄弟です。

映画の時間は、大枠としては、
大戦終戦(=フランスの勝利)から、アルジェリア独立の1962年まで。
この「終わり」から「始まり」までの間に、
インドシナ戦争も、アルジェリア独立戦争もありました。
それはフランスの戦った植民地戦争で、
「フランス帝国の繁栄のためには、植民地は不可欠だ」という思想のもと、
独立を願う人たちから、あまりに大量の血を流させることになりました。
彼らをギロチンにかけるとき、係員が読み上げる

「フランス共和国の名において」

という言葉は、象徴的でしょう。
またアルジェリア(フランスでも)では、
独立運動の方針を巡って、
FLNとMNAが激しく対立、多くの死者さえ出しました。
映画ではまた、ナンテールのビドンヴィルも登場します。

参考:http://tomo-524.blogspot.jp/2013/02/vivre-au-paradis.html

インドシナ戦争に従軍した長兄と、
独立運動に関わり懲役刑をくらった次兄は、
こうした時代に、
FLNの闘志として戦いました。
ただ末弟だけは、
ピガールで「出世」し、
大きなキャバレーを経営するまでに。
けれど彼も、結局この闘争に巻き込まれないでいることはできないのです。

映画のクライマックス近く、
1961年10月17日の、
あの事件が描かれます。
あの事件は、さまざまに取り上げられていますが、
印象深いのは、

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/10/blog-post_05.html

です。

そうそう、この映画の監督は、

http://tomo-524.blogspot.jp/2010/01/indigenes.html

を撮った人です。
もちろん、合わせて見ると、
より立体的になりますね。

2013年10月10日木曜日

小津安二郎監督「幻のドラマ」放送へ

どんなものなんでしょう?
興味が湧きます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131010/k10015170161000.html

Gustave Caillebotte

10月10日、
今日から始まります。

http://www.bridgestone-museum.gr.jp/caillebotte/

これは必ず行きます。

同僚の倉石さんが、カタログに文章を寄せているそうです。
(土曜講座にも登場。)
こちらも楽しみです。

2013年10月9日水曜日

キュラソー島から

今シーズン60本のHRを放ったバレンティン。
彼が「オランダ人」であることは、
学生たちも結構知っていますが、
さてあのルックスでなぜ「オランダ人」なのかとなると、
分かっている学生の数はぐっと減るようです。
彼は、オランダ領キュラソー島出身です。

キュラソー島は、アンティル諸島の中でもヴェネズエラに近く、
また、
オレンジ・キュラソーに使われるオレンジの産地としても知られています。
まあ、こんなカリブ海の島がオランダ領であるのを見ると、
世界史の教科書に書いてあった植民地戦争やさまざまな条約が、
今目の前でも展開していることに、あらためて驚きます。
(こういう例は、実際はいくらでもあるわけですが。)

バレンティン選手は、4つの言葉が使えるそうです。
オランダ語、英語、スペイン語、パピアメント語。
この最後のパピアメント語は、クレオール言語です。
彼は、審判に文句を言うときは、
このパピアメント語を使うそうです。

“The other (languages), sometimes,
they understand you and they throw you out of the game,” he said.

なるほどね。

He is 77 years young !

なんでこんな77歳がありえるの!? 
と思わず思ってしまう、バディ・ガイの雄姿。

http://www.youtube.com/watch?v=iACpdqmEsDE

そしてこの夏、彼の新譜(!)が出ました。
ちょっと怖いような……。
でも買って、
今日初めて聞いてみましたが、
これがスゴイ!!
1曲目から、音が「全開」状態で放出されています。
ガイのリズムって、体の芯が反応するんですよね。

恐れ入りました!

2013年10月7日月曜日

『浮雲』


今日は気分を変えて、日本映画を見てみました。
成瀬巳喜男の代表作と言われている

『浮雲』

です。
わたしは初めて見ます。

これを選んだ理由は1つ。
主人公たちが、フランス領インドシナ帰りだ、ということです。
そこに、日本軍も展開していたわけですね。

話は、とてつもなく女にだらしない男がいて、
日本に奥さんがいるのに、
仏印で若い高峰秀子と関係を持ち、
引き揚げたら妻と別れるから一緒になろう、と言いつつ、
いざ終戦になって引き揚げてみれば、
妻とは別れられない、という宣言。
でも、なんだかんだでよりを戻し、
今度は一緒に出かけた伊香保温泉で、
男はまた女(岡田茉利子)をつくり、
高峰を捨てて岡田と暮らし始めます。
でも、東京まで追いかけてきた岡田の夫が、彼女を刺殺。
で、また男と高峰はくっつきます。
でまた別れ、奥さんが死に、またくっつき……

ふつうなら、だからなんだ、と言いたくなるような映画なのですが、
たしかに作品としての魅力は相当あります。
戦後の街並み、女優二人の美貌、丁寧に作られたセット。

でも個人的には、その「男」を演じた森雅之(有島武郎の息子)が、
あまり魅力的に感じられませんでした。
もちろん、時代が違うわけですが、それにしても。

やっぱり、映画は時代を映しますね。

2013年10月6日日曜日

La très très grande entreprise

久しぶりに太陽を見た気がする日曜日、

La très très grande entreprise

という映画を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=kvQZXau-RpQ

環境破壊より金儲け、という巨大企業ナテリス。
その企業のせいで廃業に追い込まれたカキ養殖業者や花屋らが、
わずかな賠償金しか取れなかった訴訟に満足せず、
でも裁判続行には新たな証拠が必要なので、
その企業にもぐりこみ、なんとか秘密を探り出そう、という話です。
見どころは、そのもぐりこみ方。
ガードマン、料理人、掃除婦。
それが彼ら3人の選んだ方法です。

全体としてはエンターテイメントで、
本当は重大な話なんですが、
よどむところなく流れてゆきます。
会話もぴりっとしていて、
感じのいい娯楽映画という感じでしょうか。

これを選んだ1つの理由は、
その大会社がデファンスにある、という点でした。が、
その場所の特性は、あまり感じませんでした。

印象に残ったセリフ。
アラブ系であるザック(ロシュディ・ゼム)が、
新たな証拠集めを開始するとき、
「イスラエル方式」で行こう、と言い、さらにまた、
彼が仲間を隠そうそして、やや強く押し過ぎてしまう場面があります。

「ごめん」
「いつもこうなのかい?」
「おれのおやじが、おそろしく乱暴者で、
おれも決めたんだよ、
イスラエル方式で生きていこうって。
アラブ人であることを除いては、ってことだけど」

実はLa Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy にも、
それにやや近い感じのセリフがありました。
あるユダヤ人男性が、女装したアンジェラ(アラブ系)に気があって、
なんとかデートに誘いたいと思うのですが、
それをシモンが「やめとめ」という場面です。

「彼女はな、おまえの顔を見ると、
ガザに入っていた時のイスラエル兵を思い出すって言ってたぞ」

もちろん嘘なのですが、
まあ言い回しとして、日本では出会わないものですね。

そしてマリ・ジランという女優さん。
今までに何度か見たことがありますが、
今回が1番よかったかも。

書こうと思いつつ1週間経ってしまいましたが、
先週の日曜朝の「サンデーモーニング」に、
アーサー・ビナードさんが出演されていました。
ユーモアがあり、切れ味もあり。
で、
途中彼が、プロ野球の「外国人選手枠」に絡めて、
「そういう枠は、テレビにもあるって、妻が言ってました!」
と軽いギャグを挟んだのですが、
彼の奥様って、木坂涼さんです。
彼のセリフを聞いた瞬間に、
そう言っている木坂さんの、楽しげな顔が浮かびました。
今度は木坂さんにも登場して欲しい!

2013年10月3日木曜日

La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy (再)

先日見て、ここにも書いた

La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/la-folle-histoire-damour-de-simon.html

もう1度見てみました。

この映画は、ユダヤ人の世界が「枠」となっています。
(それを包むものとしてシャトー・ルージュがあり、パリがあります。)
主人公シモンも、元妻も、元妻の再婚相手も、
彼らみんなの親たちも、ユダヤ人です。
シモンのところに転がり込む母親は、
「アウシュヴィッツ・クラブ」に入っていて、
シモンの(アンジェラが現れる以前の)恋人ラファエルが、
悲劇について研究している哲学の先生だと判明すると、
「悲劇のことならすべて知ってるわよ」と言いもします。

で、そこに一人だけ異質な人がいます、アンジェラです。
ただしアンジェラというのは、女装しているときの名前で、
男の風貌の時は、ナイムです。
もちろん、それが同一人物であることは見てわかるのですが、
映画内の人物たちは、アンジェラが女装した男だとは気づきません。

主人公は、やや優柔不断で、ややわがままで、やや器量が小さい感じ。
ただだからこそ、終わり近く、
アンジェラに告白する場面は、
よくがんばったね、という印象が生まれます。

Simon      J'aime Angela et Naïm aussi, je l'aime.
Angela     Tu l'aimes ?
Simon      Je t'aime.

1人の中に2人いるから、こんな会話になるんですね。

それからシモンの息子のヤンケレ。
このアメリカナイズされた、でもフランス語も話せる子供は、
明らかに親とは違う世代に属していて、
今後世代間問題が発生するのは確実、という印象を与えます。
また、シモンとラファエルが見ていたテレビでは、
ジャンケレヴィッチの声が聞こえてきます。
この辺も、ユダヤ世界を強く印象付けます。

しかしなぜ、舞台をあえてシャトー・ルージュにしたのでしょうか。
それははっきりわかりませんが、
そこに暮らす人とユダヤ人との間に、
マイノリティー、という共通点があるのは、
間違いないでしょう。
もしも舞台が16区だったら、ずいぶん違う映画になっていたでしょう。
アラブであるアンジェラが現れるためには、
16区は不自然だし。

やっぱり、なかなかおもしろい映画でした。

2013年10月2日水曜日

雑談

大学が始まって2週間、
今日は仏検を受けたいという学生が相談にきたりして、
それなりに賑わっています。
大学という場所、わたしは嫌いじゃないです。

今日の雑談では、
「半沢直樹」と「忠臣蔵」が、2つのレベル、
つまり、
主役が「社畜」的であり、
テーマが仇討であるという点で、
似ているのではないか、という話。
そしてそれにつなげて、
例の建築学科の学生が制作したというゲームが、
ロボットを戦わせる人間、という設定だというのですが、
そして人間はロボットに友情を感じるというのですが、
人間の命令に従うしかないロボットはやはり「社畜」的であり、
だとすると、
「友情」は人間の側からの幻想だ、
という話になりました。
(フランス語の授業ですけど!)

2013年9月30日月曜日

Regarde-moi

このところ、選んだ映画がやや入り込めない感じもあったのですが、
今日見た作品、

Regarde-moi

これはよかったです。

http://www.youtube.com/watch?v=bEwUqrsOtEg

時間的舞台はほぼ「1日」のみ。
その日は、アーセナル入団が決まったジョーが、
シテを離れる日です。
話の作りは2部に分かれていて、
実はそれぞれ同じ時間、同じ場所なんですが、
前半は男の子たちの視点、後半は女の子たちの視点から、
描いています。

もちろん、こうした試み自体は、
まあ、特別に目新しいものではないでしょう。
他の映画でも、何度か見た記憶があるし、
小説なら、もっともっともっと込み入っているものがあります。

でもこの映画の良さは、そこではありません。
ぐっと良くなるのは、後半、女子たちが動き出してからです。
監督が若い女性だから、と書くのは安易な気もしますが、
やはり、それは関係あるでしょう。

家族①(黒人)
父・ユダヤ人  
母・ムスリマ
長男(ジョー)・アーセナル入団が決まっている。ジュリと恋仲。
長女(メリッサ)・中絶手術を受けた(という噂)。ヤニックが本当は好きだが……。
次男

家族②(黒人)
母・民族衣装を着ている。
長男(ムース)・白人のダフネと付き合っている。
長女(ファティマタ)・ジョーが好き。でもまったく相手にされない。
小さな妹、弟

家族③(白人)
父・酒浸り。テレビの前のカウチから動かない。
娘(ジュリ)・ジョーと恋仲。

家族④(白人)
長男(ヤニック)・メリッサと付き合っていた。今も好き。
長女(エロイーズ)・おしゃれ。もてる。

ざっとこんな感じでしょうか。
ここに絡み合った人間関係が展開するのですが、
その中心となるのは、赤で示した3人の関係でしょう。

ファティマタは、ジョーが出発するその日、
ビヨンセのような金髪のかつらを付けて現れます。
ワル仲間の女の子たちも、男の子たちも、
大爆笑&からかいの嵐です。
兄のムースも飛んできて、すごい勢いで起こります。
しかも挙句の果てに、このかつらがポトリ。
再びの爆笑の中で、
いっぱしのワルであるファティマタも、
泣きながら家へ帰ります。

でもなぜ、彼女はこんなかつらをかぶったのか。
それはもちろん、ジョーに気に入られたい一心からです。
ジョーの恋人ジュリは、ブロンドの長髪をした白人。
「自分のグループ(=黒人)」の男を白人に奪われたファティマタは、
自分も白人になろうとしたのです。

(以下ネタバレあり)

そして夜、
ジュリとのデートから帰ってきたジョーに、
ファティマタは飛びついてキスします。
ふりほどくジョー。
なんども、なんども。
ついにジョーは彼女を平手打ち。
ファティマタは彼の顔に唾を吐きかけます。
(大好きなのに! こんなことしかできない!)

その後ファティマタは、ワル仲間の女の子たちと、
ジュリをリンチします。
傷を負い、血を流し、家に帰りついたジュリ。
けれども父親は、いつもの通り飲んだくれて寝ています。
ジュリは泣きながら、寝ている父親の腕を取り、
自分を抱かせるのです。(かわいそう!)

やがてジュリは立ち上がると、
電気シェーバーを手に取り、丸刈りにしてしまいます……。

そして映画のラストは、数か月後、
ジョーに呼ばれたジュリが、ロンドンに旅立つ場面です。
ダフネやエロイーズといった、白人の友達とハグし、
彼女はクルマへ。
そしてやがてそのクルマの行く手を、ファティマタが立ちふさぎます。
助手側に回り、ジュリと見つめあうファティマタ。
そしてファティマタが、開いた手のひらを窓に押し付けると、
ジュリもまた、窓越しに手を合わせるのです、
少しだけ泣きながら……。

よかったです。
もう1回見るでしょう。

2013年9月29日日曜日

Tête de Turc

日曜日、冒頭の緊張感に惹かれて見始めたのは、

http://www.youtube.com/watch?v=nZQWyeG5MSU  ←全編版

Tête de Turc というのは、
もともと縁日の遊びに、
「殴って腕力を試すターバンを巻いた顔の絵があったことから」派生して、
「嘲笑の的、非難の的」を意味するそうです。
(俗語では、ほかにも意味があるようです。)

ロシュディ・ゼムとロニ・エルカベッツが出ているなんて、
ちょっと(というかかなり)新鮮。ところが……

苦しくて、見ていられませんでした。
母と小さな弟と暮らす彼は14歳。いい子です。
でも、ワルい仲間とHLMの屋上にいたとき、
たまたま下に巡回の医師のクルマがあり、
それに気づいたワルたちは投石を開始。
誠実な医師に石は当たり、彼は気絶。
そして14歳の主人公が、酒の瓶を投げようとしたとき、
誰かがそれに火をつけ、その瞬間酒瓶は火炎瓶に。
そしてその火炎瓶は、医師のクルマを燃え上がらせます。
逃げ出すワルたち。
ひとり少年だけは下に降り、
炎が回り始めたクルマから、医師を助け出します。
けれど、医師は瀕死の重傷。
警察は大捜索を開始し……

きっちり作ってあると思うのですが、
その分、苦しさもきっちり来ます。
そしてサブストーリーもまた苦しげ。
ここまで苦しい映画にしなくても、
とわたしは思うのでした。



2013年9月28日土曜日

L'Union sacrée

土曜日、今日見たのは、

L'Union sacrée

です。なにが一体「聖なる結びつき」なのかと言えば、
この現代(1989)のフィルム・ノワールは、
2人の刑事がユダヤ人とアラブ人であるがゆえです。
(正確には、アラブ人のほうは国防省所属の捜査官です。)

http://www.youtube.com/watch?v=PxheSJD8CeQ

アラブ人役のリシャール・ベリは、
見かけがあまり「アラブ人」ぽくありません。


で、映画の冒頭、
新しいボスは彼に言うのです、
「アルジェリア生まれって聞いてたが、
想像してたのと違うな」
「見かけのこと? アラブとフランスのハーフです」
これで観客は、
彼をアラブ人だと受け取ることになるわけですね。
(実際、彼の両親はアルジェリア系のようです。)

悪者役のテロリストは、イスラム過激派。
彼らは、仲間を殺された腹いせに、
ユダヤ人シモンの実家のレストランを襲撃し、
たまたま居合わせたシモンの元妻を殺してしまいます。
小さな男の子がいるのに、です。
シモンは個人で復讐に向かいますが、
遂行直前に、アラブ人カリムに止められます。
「今じゃない、でも必ず……」と。
そしてその機会は、意外にも早く訪れるのです……。

途中、ハマムでの銃撃戦があるのですが、
それはバルベスのハマムでです。

http://www.yelp.fr/biz/les-bains-maures-paris

そしてシモンの実家がある場所は、
(『エキゾチック・パリ案内』で最初のほうに登場した)
ロジエ通りのJo Goldenberg のあった位置です。
実はこの店、1982年に襲撃されたことがあります。
その現実の事件を、はっきり下敷きにしています。
(ネット上には、その指摘が見つかりませんでしたが、
まあ、82年の事件を知っていれば、誰でも気づくでしょう。)
そして映画内の犯人が逃げていくのは、
あのイディッシュ料理店の方向です。

話が2段になっているので、当然やや長いですが、
おもしろい部類に入ると思いました。

2013年9月26日木曜日

エース

イーグルス、優勝しました。
ふだんほとんど見る機会のないエースの投球、
1イニングだけとはいえ、
おそろしく重圧のかかる場面、
しかも自らピンチを招き……
でもその後、
立て続けに投げたストレート、
素晴らしかったです。
うなりを上げるというのは、こういうボールのことなんでしょう。
仙台、おめでとうございます。

そして今日は、サイードの、
ちょうど10年目の命日でもありました。

Sansa

先日、ジークフリート監督のLouise(take 2) のことを書きました。
パリのメトロを主な舞台とした、
おもしろい作品でした。で、
同じ監督の次の作品、

『サンサーラ』(Sansa)

を見てみました。(日本版あり)

http://www.youtube.com/watch?v=_O9VS4awRmk

これは……、ちょっと期待が高かったせいか、
わたしはLouise ほど惹かれませんでした。
ロシュディ・ゼムは悪くないし、
14カ国に及ぶロケは、
見終わると、たしかにちょっと「世界一周」した気分にもなりますが、
その分、やや横滑りな印象もありました。
そういうものを作ろうと思って、実際作ったのだとは感じますが。
いわゆる「映画」というより、
いわゆる「イメージ・ヴィデオ」に近いのかもしれません。
だとするとその対象となったのは、「世界」ということなんでしょう。

それにしても、あのロシュディ・ゼムが、
新宿を歩いているのはなんとも不思議でした。

2013年9月25日水曜日

ゲーム

昨日今日と授業があり、
またワカモノたちとしゃべる機会が急激に増えました。
今は、
夏休みの面白かったこと、
みたいな話。

やや偏見も入ってるかもしれませんが、
さすが理系、と感じたのは、中に、
朝から晩までシューティング・ゲーム、という学生がいたり、
友達と泊り込んでゲームをつくった、という学生がいたり。
あとの彼は、プログラミング担当したようなのですが、
なぜか建築学科。情報系ではなく。
まあこの辺にも、大学生の「リアル」があります。
つまり、専攻とは別のことにのめりこんでいる学生もいるわけです。

彼らの話を聞くのは、おもしろいです。

2013年9月23日月曜日

『パリのモスク』

先日、映画Les Hommes libres について書きましたが、
それと基本的には同じ内容を語っている本がありました。
『パリのモスク』です。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%AF%E2%80%95%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA%E3%82%92%E5%8A%A9%E3%81%91%E3%81%9F%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99%E5%BE%92-%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%AB/dp/4779115426/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1379927280&sr=8-1&keywords=%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%AF

これはもともと子供向けの絵本のようで、
とても可愛らしい造本です。
56ページ、しかも絵入りなので、30分位で読めるでしょう。
でも、いい本だし、広く読まれて欲しい本です。

2013年9月22日日曜日

Les Rois Mages

日曜日、ということで、
コメディーでも見るか、と安易に選択されたのは、

Les Rois Mages

です。
これは『東方の三博士』のこと。
あの、星を見て「幼子」の到来を知り、
ご挨拶をしにエルサレムへ、そしてベツレヘムへと行き、
それぞれ贈り物をしたという、あの神たちです。が、
そこはコメディー。
実はこの博士たちが、現代のパリにやってくるのです。
(目指すはベツレヘムなんですが、その途中に、です。)
で、ざっくりいえば、タイム・スリップもの。
でも当然、随所に宗教からみの笑いが。
(わたしが気づけなかったものも、あるにちがいありません。)

http://www.youtube.com/watch?v=xHskAeZYaQs

いろいろジャブ的な笑いは多いのですが、
やはり見どころは、
なんだかんだで「色物」としてテレビに引っ張りだされ、
えらい学者と対決するのですが、
そこはなにしろ本人、じぶんのことはよく知っていて、
もちろん研究者なんかよりずっと詳しいわけです。
で、人々はついに、彼らが本物であることを知り……

最後の場面は、そう、「エトワール」広場です。
そこに捨てられていたらしい赤ちゃんが……

2013年9月20日金曜日

始動

今日から後期始動! でした。
そしていきなり、授業2つ&会議2つ。
でも、
マラッカ、セルビア、ウィーンなどに散っていた同僚たちの元気な顔を見て、
なんとなく嬉しい気持ちでした。

2013年9月19日木曜日

Les Hommes libres

夜には名月が拝める今日、
丁寧に見たのはこれ。

Les Hommes libres

http://www.youtube.com/watch?v=OHsjuXuWuy4

2011年の制作です。

舞台は1942年、占領下のパリ。
アルジェリア移民のユネスは、
闇の行商で生活しているのですが、
そうして色々な人と出会ううち、
あのパリのムスリムの拠点、ラ・グランド・モスケ・ドゥ・パリが、
レジスタンス活動を支える場所であることに気づきます。
そこには、ユダヤ人たちだけでなく、
マグレブから逃亡してきたコミュニストなども匿われています。

ユネスは2人と仲良くなります。
1人は、アラブ音楽の(実在の)歌手、Salim Halali です。

http://www.youtube.com/watch?v=WrzTJPp13YI

彼は実はユダヤ人で、一端はゲシュタポに連行されるのですが、
ユネスたちの機転で釈放されます。
(ボビニーにあるムスリムの墓地、
ここにサリムの父の墓があると言ったのです、
もちろん嘘ですが、ゲシュタポが到着する前に、
あわてて造ったのです。
彼は戦後、パリで舞台に立ちます。
また、ボビニーのムスリム病院も登場します。)

もう1人は、コミュニストの女性。しかし、
彼女は政治犯として連行され、
パリ郊外、フレンヌの刑務所で銃殺されてしまいます。

全体としては、パリのムスリムたちが、
レジスタンス運動を繰り広げ、
その中で、ユダヤ人たちをも助ける、という話です。
彼らムスリムは、
「打倒、植民地主義! 打倒、ファシズム!」
を合言葉に、
今フランスの独立を応援することは、
将来、アルジェリア(など)の独立を勝ち取ることと等価だと考えています。
(映画の中では、
その後彼らがフランスに裏切られ、
アルジェリア独立戦争にまで発展することは、触れられていません。
でも、みんな知ってるわけです。
もちろん、ゲシュタポの言いなりに協力する、
パリの警察もよく描かれています。
ゲシュタポだけでは、
ユダヤ人一斉検挙なんて、できたはずないですね。)

1942年ですから、背景には、
一斉検挙や、トーチ作戦などもちらちら見えます。
これを教材にして、授業がしたいですねえ。
英語字幕版を買えば、できるんでしょうか??


2013年9月18日水曜日

Louise(take 2)

窓を開け、からっとした風に吹かれながら見たのは、

『ルイーズ(take 2)』

とてもよかったです。
フランスでは1998、日本では2001公開。
国内版DVDがあります。(ラッキー!)

http://www.youtube.com/watch?v=nk8LumIrofM

舞台はパリ。
主人公ルイーズは「学生」と自称していますが、
嘘っぽい感じ。
彼氏はやさぐれのアラブ系ヤヤ。
このヤヤのダチ2人も加わって、
4人は「ストリート」やメトロで、万引きやらカツアゲやらを繰り返します。
その様子は楽しそうなんですが、
まあ、実はそうとうに苦しそうでもあります。

そんなルイーズは、2人のオトコと出会います。
1人は9歳半のギャビー。
このチビ・ギャング、母親は娼婦で、父親はメトロの浮浪者。
可愛い子です。
で、もう1人は、ロシュディ・ゼム演じるレミー。(もちろんアラブ系)
彼もまたホームレスで、
メトロに寝まることもある様子。
そしてこの3人が、やがてたがいに深い情愛を感じ始めます。
貧しさ、孤独、先行きの不透明さ、そして、なけなしのヴァイタリティ―。
彼らを結び付けるのはこうしたものです。

監督である若きジークフリートは、脚本、撮影、音楽も担当。
これが長編デビュー作なんて、驚愕のデキです。
これは、ほかの作品も見てみないと。

Le Café des Chats

パリに猫カフェ!

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2968686/11360383?ctm_campaign=txt_topics

ちょっと楽しそう。

six-PACK

台風一過、
青空のもと午前中の会議をこなし、
午後に見たのは、

『シックス・パック』(six-PACK)

スリラーです。「12禁」です。注意!
 ↓
http://www.youtube.com/watch?v=wLHGDZvp5D8

これは、ふだんほとんど見ないスリラーで、
連続猟奇殺人事件のお話。
不得意なタイプのこの映画、なぜ見たのかと言えば、
舞台がパリであること、
主役がユダヤ人であるリシャール・アンコニナであること、
この2点です。

「12禁」なので、その程度にはおぞましいのですが、
意外にも「刑事の生き方」みたいなものが前に出ていて、
思っていたよりは見やすかったし、
おとり捜査を進めてゆく中盤は、ほとんどいい感じでした。
ただ最後は、やや性急&作為的な感じも。

でもこの映画、アメリカに対してやや厳しい。
だって、
「アメリカから輸入されてきたのは、ハンバーガーとくだらないテレビ・ドラマと
シリアル・キラー」
なんてセリフがあり、
実際その線で物語は進むからです。

おとり捜査が仕掛けられるのは、
ナシオン広場のすぐ近くです。

2013年9月17日火曜日

祝、56号(+α )

ホームランというのは、いいですね。
好きです。

東京オリンピックの年以来、といいますから、
49年ぶりの新記録です。

で、それに関して、友人が知らせてくれました。

http://mainichi.jp/opinion/news/m20130917k0000m070080000c.html

絶版ですが、こんな本もあります。

http://www.amazon.co.jp/%E7%8C%9B%E6%89%93%E8%B3%9E%E2%80%95%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E9%9A%8F%E6%83%B3-%E6%B8%85%E5%B2%A1-%E5%8D%93%E8%A1%8C/dp/4062014912/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1379418756&sr=8-1&keywords=%E7%8C%9B%E6%89%93%E8%B3%9E

2013年9月16日月曜日

une vie meilleure

台風を気にしつつ今日見たのは、

une vie meilleure

ですが、これは日本版があります。(『よりよき人生』)

http://www.youtube.com/watch?v=SNCa-LAjPqE

見た、と書きましたが、実は100分ほどの映画を、
30分ほどで(早送りで)見てしまいました。
最初の20分はちゃんと見たんですが、そこまででした。
(予告編は、おもしろそうにも見えるんですが。)

「夢」を持った若いカップルが、計画も、見通しもなく大金を借り、
レストランを開業しようとし、当然すぐに行き詰まり……という、
申し訳ないけれど、ほとんど同情できない堕ち方、なのでした。
人気のない湖畔の、崩れかけた家を改装して、
夏はテラスで、冬は暖炉の前で、って、
それはオママゴトすぎます。
素人にだって、レストラン経営がそんな簡単なわけないのはわかります。
まして彼は、ファストフードのキッチンにしか立ったことがないのです。
遠くまで客を呼べる料理ができるはずがありません。

見るポイントは別にあるのでしょうけど、
今回はそれが見つけられませんでした。
レイラ・ベクティ出演作としては、個人的には、
もっともデキがよくないと思いました。
(これを日本で公開するなら、もっともっと他に面白いのがあるのに!)

2013年9月15日日曜日

L'Autre Côté de la Mer


台風が近づく今日見たのは、

L'Autre Côté de la Mer

です。
目当てはラシュディ・ゼムだったのですが、
残念ながら、そんなに入り込めませんでした。

この映画でポイントになる年号は、
1830、1962、1992、です。
さあ、これはどんな繋がりが?

1830=フランスがアルジェリア侵入・占領。
1962=アルジェリア独立。(=独立戦争の終わり)
1992=クーデタ。→アルジェリア内戦へ。

というわけです。
で、
映画内の「現在」は1992で、
アルジェリア独立後もかの地にとどまっていたピエ・ノワールのジョルジュが、
フランスに戻ってくるところから、物語は始まります。
(独立時にフランスに帰還した妹たちとは、
30年ぶりの再会ということになります。)
戻って、と書きましたが、実は彼は、
そのまま(内戦を避けて)フランスにとどまるのか、
それとも経営するオリーヴ・オイルの工場のために引き返すのか、
決めかねています。
内戦とは言うものの、
金持ちのピエ・ノワールですから、
命を狙われる危険も相当に高いわけです。

で、ゼムは、
ジョルジュが受ける白内障の手術を担当する外科医。
フランス生まれフランス育ちで、
むしろジョルジュのほうがアルジェリアには馴染んでいるという、
不思議な逆転が起きます。

物語はこの後、
ジョルジュの仲間や、
アルジェリアの役人なども絡み、
ジョルジュの工場の奪い合いになります。
そしてその背景で、内戦は進み……というわけです。

印象に残ったのは、ゼムの、
「あいつはアラブだけどいいやつだよ、なんて言われたくて生きてるわけじゃない」
というセリフ。
映画自体はともかく、
ゼムはやっぱりいいですね。

*アルジェリアの税関係の役人のセリフ、
「おれは裸足で小学校へ通った。
HLMに住むのが夢だった」
は印象に残りました。
HLMは、しばしば「スラム」なんて言われますが、
鉄筋の高層ビルです。
あれが「スラム」だというところに、逆に、
ヨーロッパ的豊かさを感じます。

2013年9月14日土曜日

La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy


暑さが戻った今日見たのは、

La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy

という、まあコメディー・タッチの作品です。

http://www.youtube.com/watch?v=T-YQ_BEOY5Q

個人的にまず引きつけられるのが、
舞台がシャトー・ルージュだという点です。

http://tomo-524.blogspot.jp/2010/08/chateau-rouge.html

人公のシモンはユダヤ人で、
ユダヤ音楽を演奏するクラリネッティスト。
わがままで支配的な母親の看護を押し付けられ、
別れた奥さんや、会ったことのなかった子供まで、
NYからやってきます。
そして大事なのは、彼がゲイであること。
これはもう大っぴらで、母親もよく承知しています。
(元妻の弟は、ゲイ専門の精神分析医で、自身もゲイです。)
で、
彼は男性たちとお付き合いがあるわけですが、
中で一人、女装したアラブ系のアンジェラが、
なんと彼の母親の看護を引き受け、
しかも母親と意気投合。
でもアンジェラは、ムスリムでした……というわけです。
(上の画像の、シモンの左の男女、これは同一人物=アンジェラです。)
アンジェラは、イスラエルの話をするユダヤ人女性たちに割って入り、
占領した土地は返したほうがいいわよね、
などと言い放ちもします。

ユダヤ人とムスリム(ないしムスリマ)の関係をテーマとした映画は、
何本かあります。たとえば、

L'Union Sacrée
Mauvaise Foi
Monsieur Ibrahim...
Tout ce qui brille

などです。
中でもこの作品は、両者がゲイである点で、
異彩を放っているわけです。
これらの作品を比較するのも、おもしろいかもしれませんね。

そうそう、舞台はシャトー・ルージュなんだから、
シャトー・ルージュものばかりを集めた映画論なんてのもまた、
おもしろいかも。

*この映画、実は

L'HOMME EST UNE FEMME COMME LES AUTRES

の続編だそうです。
こちらは、シモンがまだカミングアウトしてなくて、
結婚して、すぐ離婚しちゃう、みたいな。
話としては、
今回の続編のほうがおもしろそう、かな。

*追記あり:http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/la-folle-histoire-damour-de-simon.html

2013年9月13日金曜日

Parlez-moi de vous


今日は見たのは、

Parlez-moi de vous

という、2012年の映画です。

http://www.youtube.com/watch?v=1HSKfsyDUtw

なぜこれを見たのかと言えば、
Karin Viard が嫌いじゃないからです。
で、そんな軽いノリだったのですが、
なんと、ちょっと感動してしまいました。

***************************

40歳、メリナの声はフランスで知らない者はいないほど有名。
メリナはリスナーから寄せられる恋や性の悩みに
ユーモアを交えて赤裸々に答えていく人気ラジオ番組のパーソナリティ。
誰もがメリナの声を知っていたが、
その素顔は謎に包まれていた。
パリの高級住宅街にひっそりと誰とも交流せずまるで老女のように暮らしているメリナ。
赤ん坊だった自分を孤児院に捨てた産みの母を訪ねてパリ郊外へ。
自分が誰かを伏せたまま母に近づくが……

(my French Film Festival のHPより)
**************************

カリン・ヴィアールは、
40歳で、お金も仕事もあるけれど孤独で、
たくさんのファンに愛され、
でも自分からは「愛」に踏み込めず、
やや病的なほど几帳面、という役を、
素晴らしくこなしています。
しかも、彼女の本当の姿は、「少女」なんです。
Can't help loving her, can you ?

ストーリーもちゃんとあるですが、
つまるところ、このメリーナという女性の肖像、なんですね。
そしてメリーナは、どこにでもいる、ということなんでしょう。

1つ大事な点は、
メリーナが住んでいるのは、16区の豪華なアパルトマンで、
母親が(息子夫婦や孫と)住んでいるのは、
「郊外」、具体的にはSeine et Marne の pavillon(一軒家)だということでしょう。
メリーナが属してしまった階層と、
母親がとどまっている階層、
という視点が発生します。
そういえば、メリーナが乗っているのは、濃い銀のジュリエッタ。
しかもシートは赤い(おそらく)レザー張り。
かっこいいクルマなんです。
一方母親はクルマがなくて、
病院に行くにも誰かに送ってもらう必要があります。
(もちろん、その程度の差でしかない、とも言えます。)

映画は、おもしろいですね。

2013年9月12日木曜日

Paris

今日見たのは、2008年に日本でも公開された『パリ』です。
当時、おもしろいようなおもしろくないような、
なんとも言えない印象でした。
今回はフランス語字幕で見てみたのですが、
まだはっきりしない感じが残りました。

http://www.youtube.com/watch?v=sHYcZpsbOnM

好きな場面は、モンパルナス・タワーのてっぺんでの散骨とか、
カメルーンから来たブノワがノートル・ダムと絵葉書を見比べているところとか、
移民系の人たちがたくさん出ているところとか、
そのほかにもいくつもありました。
逆にイマイチ乗れないのは、
たとえば冒頭の「スタイリッシュな」カメラワークとか、
サティの音楽のベタ過ぎる使い方とか、
ボードレールの長過ぎる引用とか、
あざとい感じの編集とか、
主人公がパリの真ん中に住んでいるお金持ちなのに、
そのお金がどこから来るのか説明なしとか、
要は、ちょっと「イキッテル」、あるいは「雑な」ところです。
(やたらと sex シーンが出てきて、それも「?」な感じです。
ただそれはまあ、「死」と拮抗させているんだろう、とは思います。)

しかしそれにしても、
この出演者の豪華さは驚きです。
主役級はもちろん、それ以外にも、
カリン・ヴィアールやジル・ルルーシュ、ファリダ・ケルファ。
パン屋さんで働くアラブ系移民2世を演じたサブリナ・ウアザニは、
『キラキラしてる』で、レイラ・ベクティとバイト仲間だった女優さんです。
ランジスで働く花屋さんを演じたオドレ・ラミーも、
『キラキラ』では重要な役でした。

クラピッシュ監督なら、最近の、
『フランス、幸せのメソッド』のほうが、おもしろかったかな。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/02/blog-post_17.html





2013年9月10日火曜日

Le Petit Lieutenant


今日見たのは、2005年の作品、

Le Petit Lieutenant

です。かつて、『神々と男たち』という映画がありましたが、

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html

これを撮ったボーヴォワ監督の作品です。

http://www.youtube.com/watch?v=9xyphRWl0uE

ル・アーヴルの警察学校を卒業したアントワーヌは、
家族を離れ、フィアンセとも離れ、
パリの部隊を志願します。
そこで会ったのが、母親ほどの年齢のヴェテラン女性警部。
ナタリー・バイ演じるこの警部は、実は元アル中。
しかも、幼い息子を亡くした経験があります。
そう、生きていれば、ちょうどアントワーヌくらい。
そして事件を追ううち、
アントワーヌに思わぬ凶器が襲い掛かり……

ちょっとキツイところもあるけれど、
落ち着いた、いい映画だと思いました。
わたしの好きなロシュディ・ゼムも、
パリの捜査チームに入っているし。

それにしてもこの監督、1967年生まれなのに、
すでにある種の人生観のようなものがにじんできて、
驚かされます。
熱いハートと冴えた眼。
才能ある監督です。




2013年9月9日月曜日

Nuclear error

あの世界的科学誌「ネイチャー」に、
Nuclear error という題の社説が。

http://www.nature.com/news/nuclear-error-1.13667

訳してくださったものがあります。

http://yokofurukawa.tumblr.com/post/60466011377/9-5-nuclear-error

Ma 6-T va crack-er


今日見たのは、1997年の作品、

Ma 6-T va crack-er

です。
監督は、ジャン=フランソワ・リシェ。

http://www.dailymotion.com/video/x62z8y_ma-6te-va-cracker-part-1_shortfilms?search_algo=2

このまま10まで。全編見られます。
タイトルは、フツーに書けば、Ma cité va craquer. ですね。

監督がインタヴューで、「ヒップホップの構造を持った映画」だと言っているのですが、
実際、ヒップな曲が流れ続けます。
映画の後半には、「暴動」も起こるのですが、
そのバックにも、もちろんラップが。

リシェ監督は、パリの東、モーのHLM出身だそう。で、
この映画も、前作も、モーが舞台です。

激しい、若い子たちの苛立ちが伝わってくる映画です。
その意味では、多くの「郊外映画」と共通点があると言えるでしょう。

それにしても、やはり『憎しみ』の完成度の高さが、
今更ながら感じられます。

2013年9月8日日曜日

Raï


今日は、先日のトマ・ジルーつながりで、

Raï  

を見てみました。
あの『憎しみ』と同じ、1995年の作品です。

http://www.youtube.com/watch?v=jqndEUXf0pQ

これ、タクシー・シリーズの主役、
サミー・ナセリなんですけど、わかりますか?
なんだか、まだあどけない感じですね。

それからこのヒロインの女性、
調べてみたら、なんと pornostar なんだそうです。
(これは porno ではありませんが。)

彼女は、イタリア人の父と、ヴェトナム(か日本)人の母を持っているのですが、
この映画では、アルジェリア系の役です。
まあ、「イタリア人」と言っても、100%ヨーロッパ系とも限りませんが。

笑ったのは冒頭、
サミーを含むワル3人が車に乗っていて、
大声で歌っているのですが、その歌が、
アズナブールの「ラ・ボエーム」。
なんとも「文学」的な「モンマルトル」の歌を、
移民のワルが歌っていると、
歌詞にニュアンスがまったく違って聞こえるのがウケます。

舞台は、ガルジュ=レ=ゴネスにある巨大シテ、
ダム・ブランシュです。

2013年9月7日土曜日

Les Keufs


今日見たのは、1987年の作品、

Les Keufs

です。

http://www.youtube.com/watch?v=f1o2tRoMljs

激しく行動的な「フランス人」女性刑事が、
アラブ系の売春婦をポンビキから守ろうとしているのですが、
それを誤解した内務班が、彼女の追跡調査を始めます。
で、その2人の内の1人が、
やがて彼女と恋仲になるアフリカ系男性刑事、というわけです。

今と違って、警察の捜査も乱暴で、
また悪者の態度も乱暴です。
25年ほど前ですが、こんなに違うのね、という感じ。

全体にコメディータッチで、
舞台となったメニルモンタンの雰囲気もよく出ていて、
軽いけれど、好感の持てる映画でした。

*「アラブ系売春婦」を演じているのは、
 『アイシャ』でマリカを演じたFarida Khelfa 。


俳優なんだから当然とはいえ、あまりのキャラの違いに驚きました。
 
 

2013年9月6日金曜日

De Bruit et de Fureur


今日は、1988年の映画、

De Bruit et de Fureur

を見てみました。
この作品は、以前日本でも公開され、
VHS があります。(DVDは未発売)

これもなんと、全編版があります。

http://www.youtube.com/watch?v=vy2irTLqxVw

はっきり言って、見ていてやりきれない映画です。
いい映画だとは思うんですけどね。

「パリ郊外の労働者階級が暮らす地区を舞台に、
若者たちの破滅的な日常を醒めたタッチで描く。」

と評されていますが、まさにその通り。
「破滅的」です。
わたしは優等生ではなかったので、
ある程度彼らのことが分かるのですが、
彼らは red line の向こう側に行ってしまいます。

「パリ郊外映画」の、古典と言っていいでしょう。