2022年5月29日日曜日

「特別授業」無事終了

というわけで、
「特別授業」@上智大学、
無事終了しました。
いろいろ準備をしてくださった方々、
また、暑い中足を運んでくださったみなさま、
Merci beaucoup !
日曜の午前だし、
10~20人くらい?
と思ってたんですが、
50人ほどいらしていただいたようで、
ありがたかったです。

「授業」は、短い映画を見て、
それについてちょこっとコメントして、
フランス語のセリフもちょっと見ていく、
みたいな感じだったわけですが、
ふだんの映画の授業では、
フランス語は(ごくわずかしか)使わないので、
その点はわたしにとっても新鮮、というか、
まあフランス映画なので、
やっぱりやりやすかったです。
verlan が頻出する台本なので、
「フランス語」の授業では使わない言葉が多かったわけですが。
でもまあ、それもおもしろいです。
それも「フランス語」だし。

このフェスティヴァル、
こうして「対面」で実施されるのは3年振りだそうです。
もちろんコロナのせいで中止されていたわけです。
でもやっぱり、こういうのは、
「対面」でするほうがいいですね。

それにしても、
学部卒業から40年(!)、
まったく矢のごとしです……

2022年5月27日金曜日

1-0

というわけで、
ベルーナ・ドームに行ってきました。
実はプレゼントでもらったチケットで、
なんだかとっても見やすい席でした。
すぐ後ろにテレビ・カメラがあって、
帰宅してからDAZNで確認したところ、
席で見ていたのとほぼまったく同じ映像でした。

たとえばこんな感じ。
佐野選手です。



スマホの画像(しかもズームしてます)なので荒いですが。

試合は、エース同士の投げ合いで、
1-0という結果でした。
絵に書いたような投手戦でしたが、
左右なら、
かなり微妙なコースまで席から見えるので、
とてもおもしろかったです。

ライオンズは、
主砲山川が4四球。(でも生還できず)
オグレディは4三振。
ダブル・プレー3つ。
ちょっと元気ありませんでした。

やっぱり、野球観戦はいいですね。

交流戦

日本のプロ野球では、
交流戦が始まっています。
交流戦、わたしは好きです。
新鮮だし、
ふだんはあまり見ないいい選手を発見できるし。
もっと長くやってもいい、と思うくらいです。

スワローズ。
昨日、一昨日と、連続サヨナラ勝ち。
これは、優勝する流れを感じます。
ただし今日は、
自滅する形で負けてしまいました。
今日勝ってたら、
かなりの確率で優勝だと思ってたんですが。
とはいえ、
4点差つけられた10回裏、
1点取って、さらに、
ホームランで同点、というところまでいきました。
ブルペンでは、新しいピッチャーが肩を作り始めるし。
結果的にはそこまででしたが、
ああ、強いチームだな、と感じました。
負けたときの、
選手の表情もいいし。

というわけで、
27日はベルーナ・ドームに行く予定です。
楽しみです!

2022年5月26日木曜日

29日

29日の「特別授業」が近づいてきました。
仏文科のスタッフが、
気を遣って宣伝してくれました。


とはいえ無料のイベントなので、
いわゆる「宣伝」じゃないんですが。

院と合わせて10年いた上智大学でする、初めての授業です。
不思議な感覚です。
そうそう、
一学年下の後輩が、
5人いる副学長の1人であることをさっき知って、
これもやはり不思議な感覚。
あのとき、あれらの授業で、
一緒にボードレールや、ディドロや、ベルナノスを読んでいたのに、
その後輩が今は副学長!
時は流れますねえ……

『キートンの大列車追跡』

大学院ゼミ、
今日はまたサイレント映画、

『キートンの大列車追跡』(1927)

を見てみました。


この映画、
昔見たときの記憶は、
「あまりおもしろくない」
だったのですが、
今日見て、
完全に認識を改めました。
おもしろいです。
(昔見たときは、
もっとチャップリン的なものを期待していたような気がします。
ちゃんと見てませんでした。)

95年も前の作品ですが、
お金もエネルギーも時間もかなり投入されています。
そしてたくさんある危険なシーンも、
ぜんぶ「実写」なわけで、
すごいと思いました。
院生のコメントに従えば、
トーキーになる前の、
つまりセリフを含めた音声が出現する前の時代の、
身体の輝き、というか、
躍動する身体、というか、
そういうものが提示されているのでした。
70分ちょっとだし、
見る価値は十分あると思います。

ただ1点気になったこと。
それは、南軍の兵士希望の男(キートン)が主役であることです。
なぜ、北軍にしなかったのか。
ごく雑に検索しただけでは、
まったく手がかりがありませんでした。
これはもう少し調べてみます。

2022年5月22日日曜日

ドライクラフトコーラ

近所のカルディでたまたま見つけて買ってみたら、
うまいのでびっくりしたのが、
ドライクラフトコーラ。


炭酸で割って飲んだんですが、
これ、たまに行く好きなビストロで出てくる、
自家製ジンジャエールにも似て、
フレッシュなスパイス感がとってもいい感じ。

と思って今検索したら、
半年前くらいにけっこう話題になっていました。
これは…… 完全に乗り遅れてましたが、
まあそれはいいか!

で今日は、また2本買ってしまいました。
指定されたより薄めでも、
わたしは十分でした。

『テルマ&ルイーズ』

ある記事を読んでいたら、

『テルマ&ルイーズ』(1991)

のことが細かく書かれていて、
これも久しぶりに見直しました。
この映画については、当時も、
「よかった!」
と思い、
その後しばらくは、
ジーナ・デイヴィスやスーザン・サランドンの出演作を追っていた記憶があります。
もちろん、リドリー・スコットも。


これは有名作なので今さら書く必要もないと思いますが……
タイトルは『テルマ&ルイーズ』ですが、
本当のヒロインはテルマなんでしょう。
彼女は、支配的で高圧的な夫の抑圧の元で暮らしていました。
で、友人のルイーズと旅行に行く計画を立てたのですが、
どうせ「許可」されるはずもなく、
結局、置き手紙を残して出発します。
で、楽しく羽目を外していたところ、
ある大事件を引き起こし、
警察からの逃走を図ることになり……
という物語です。

物語の始め、
ある問題が起こり、
それが、新たな問題を引き起こし、
また引き起こし……という具合に展開します。
その間観客は、
それぞれの問題を見ているわけですが、
やがて、気づくのです、
テルマとルイーズが戦っているのは、
強大な男性支配社会なんだということに。
男社会のルールに楯突いた二人に、
「支配者」たちは「プライド」をかけて牙をむくのです。

ところで以前、
この映画を見ました。


これは後から、

『マリリン&モナ』

というタイトルで、日本版も出ていることを知りました。
で、すぐにお分かりの通り、
この邦題、
明らかに『テルマ&ルイーズ』を意識しているのでしょう。
そしてそれ自体は、
ほんとうにそうなのです。
今回『テルマ&ルイーズ』を見直して、
ああ、ここまで意識しているのかと、
改めて思いました。
『マリリン&モナ』の原題は
Just like a woman
なんですが、
この a woman て、
もしかしてテルマ?
と思ってしまうほどです。

どちらも、好きな映画です。

2022年5月21日土曜日

大学院、進学相談会

ああ、もっと早く書くべきでした。

今日、5月21日(土曜日)、
総合芸術系(だけじゃないんですが)の、
進学相談会が行なわれます。
総合芸術系がどんなところか知りたい場合は、
お気軽においでください。


今回、個別相談に待機しているのはわたしです。
もちろん、他の先生たちのことも、
分かる範囲でお話しできます。
ちょっとでも興味があったら、お気軽に!

『スタンディング・アップ』

フランスのドラマ、

『スタンディング・アップ』(2022)

を見終わりました。(ネトフリです。)


主人公は、
お笑いを目指す4人。
アフリカ(サブサハラ)系のアイサトゥー、
アルジェリア系のネジル、
ヴェトナム系のブリング、
ヨーロッパ系白人のアポリーヌ、です。
この中で、
アポリーヌだけは、
いい育ちで、高等教育を受けています。
ただ彼女の望みはスタンディングをすることです。
で、残る移民系の3人は、
ブリングの姉が経営する小劇場、ドロールの舞台に立ち、
いつかビッグになることを夢見ています。
そして3人の内の一人は、
実際ブレイクするのです。

このドラマ、
3月18日に配信されて、
わたしも4月始め頃には見始めたはずなんですが、
食休みの時くらいしか見なかったので、
なかなか進みませんでした。
(『リンカーン弁護士』には、あっという間に抜かれたし。)
なぜなのか。
それは明白で、
「ストーリー」が希薄だからです。
日常を横につないでいくようなドラマ作りで、
それはそれでアリだとは思うのですが、
やはり、視聴者をぐいぐい引っ張ってゆくのは難しいでしょう。
そのせいか、
続編は作られないことが発表されてしまいました。


キャラ作りはいいと思うのです。が、
やはり、サスペンスはやや不足していたかも。

2022年5月20日金曜日

「バカにゴミを売りつける。それが王道だ」

言われてみればその通り。
でもなかなか自分で気づけない!
白井聡的<マルクスを通して現実を見る方法>、
いつも魅力的です。




2022年5月19日木曜日

『シン・ウルトラマン』

話題の

『シン・ウルトラマン』

を見てきました。
わたしも子どもの頃「ウルトラマン」を見た世代ですが、
思い入れはまったくなくて、
むしろ、
『シン・ゴジラ』
の記憶との連続性の中で見に行きました。

で、おもしろかったのか?

昨日、アデル・エネルのニュースに触れた後で、
この映画を「おもしろい」というのは、
かなり抵抗があります。
たしかに、
112分、飽きることなく見続けられます。が、
まあ、どうしようもなく性差別的な要素が含まれてもいました。
ヒロイン(長澤まさみ)が、
はっきりと性的な視線に露骨にさらされ、
しかもそれは、自覚的に、確信犯的に行なわれているのです。
わかりやすいセクハラです。

『新エヴァ』でも、
女性たちはそのように描かれていました。
で、不安は的中したと言っておきましょう。

(『シン・ゴジラ』は、まぐれだったんでしょうか?)

そうそう、
ヒロインの使う「女言葉」もまた、
違和感がありました。
パンツではなくスカートのスーツといい、
製作陣は、若い女性に意見を求めなかったのでしょうか?

2022年5月18日水曜日

アデル・エネル、引退!

驚きましたが、
それほど映画界の内情はひどい、
ということなのでしょう。


「面白おかしい話の裏側には、
性差別的で人種差別的な暗い世界が擁護されていた。
脚本にはキャンセルカルチャーや性暴力に関するジョークがあふれていた」

「別の映画」に出る彼女を、
楽しみに待ちたいと思います。
応援しています。

『汚れた顔の天使』

今日の大学院ゼミでは、
マイケル・カーチス監督の

『汚れた顔の天使』(1938)

を見ました。
わたしにとっては、
40年振り? くらいです。


なんといっても強烈なのは、
ジェイムズ・ギャグニーの異彩でしょう。
少しの甘さと、
底知れない凶暴さを合わせたようなその雰囲気は、
ちょっとほかには見当たりません。

ワル仲間だった少年二人は、
あるとき、貨物列車の中にあった万年筆を盗もうとします。が、
見つかって逃げる途中、
一人だけ捕まってしまいます。
それが、後に大物ギャングになるミッキーの、
最初の逮捕でした。
そしてその20年後、
十分大物になったミッキーは、
ある神父を訪ねます。
彼こそは、あのとき逃げおおせた仲間なのです。
それが今では神父になり、
街をうろつく子どもたちの更正に力を注ぐ日々を送っているのでした。
ただし、この子どもたちは、
ギャングのヒーロー、ミッキーに憧れているのです……

実は、ハンフリー・ボガートも出ているので、
その勇姿を見る目的もあったのですが、
ここでは、
ギャグニーに圧倒されて、
やや「ふつう」に見えるのでした。

マイケル・カーチス監督の作品、
他にも見る予定です。

2022年5月17日火曜日

『リンカーン弁護士』

数日前ネトフリを開くと、
まず最初に現れたのがこの

『リンカーン弁護士』(2022)

でした。
その日が配信初日だったのですね。


で、
特に何も考えず、
ちょっと覗いてみたところ、
結局1話見てしまい、
その最後のクレジット部分に

原作 マイクル・コナリー

とあり、
「ああ」
となりました。

実は以前コナリーに入れ込んでいた時期があり、
ボッシュ・シリーズも、
マッケイレブ・シリーズも、
全部読んだのでした。
(彼の文庫は、20冊くらいは読んだような。)
が、その後離れていたので、
この『リンカーン弁護士』のことは知らなかったんですが、
ドラマで見てもたしかに、
コナリーの匂いがするのでした。

でそのまま見続け……
さっき見終わりました。
素晴らしくおもしろい、とまではいかないんですが、
飽きるところはなく、
視聴者を引っ張ってゆく手管は多彩で、
スケールもさまざまで、
さすがの職人芸でした。
コナリーが参加していれば、
悪くても80点は確実に取ってくる感じですね。

2022年5月14日土曜日

『アンタッチャブルズ:ザ・リターン』


2012年に、

『アンタッチャブルズ』

という映画が公開されました。
主演は、
『最強のふたり』でブレイクしたばかりのオマール・シーと、
ローラン・ラフィットのコンビでした。
これです。


あれから10年、
「あのコンビが帰ってきた!」
ということなのでしょう、
ネトフリに

『アンタッチャブルズ:ザ・リターン』(2022)

が登場。
さっそく見てみました。
(ただし原題は、

DE L'AUTRE COTE DU PERIPH
LOIN DU PERIPH

であり、
連続性を感じさせるキーワードは「ペリフ」です。)
また、監督も脚本も音楽も編集も交代しています。
監督は『ルパン』シリーズのルイ・ルテリエ。)


まあ、言ってしまえば、
限りなくB級的な映画です。
キャラ設定は前作のままで、
女性に弱いウスマン(シー)と、
高慢で自己愛(auto-kiffe)の強いフランソワ(ラフィット)です。
で、今回は、
事件を追う二人は、アルプス地方へ出かけていきます。

(映画の冒頭に映し出されるのは、
まぎれもなくクレテイユのイコン、「レ・シュー」、
カリフラワーの形をした団地です。
お、クレテイユ映画来たか!
と思いましたが、
これは導入部分だけでした。)

そしてその出かけた先が、
「愛国者」が多い地域だという設定で、
となるとウスマンは、
さまざまな差別の対象となってゆきます。
(もちろん彼は言い返します。)

そしてヒロイン的に登場するのが、
地元の警官であるアリス。
彼女を演じるのは、
『サンバ』で法律のインターンを演じていたイジア・イジュラン。
大人っぽくなっています。
(まあ、10年経ってるので。)

飽きることなく、最後まで見ましたが、
まあ、どうと言うことはない映画です。
ヒーローものらしく、
ヒーローの価値観は最初から最後まで一定で、
特に「変化」を遂げる人物もおらず、
発生した「事件」を片付ける、という構造です。
セリフ回しで面白くしようとしているのですが、
こちらのフランス語力が足りないせいか、
ギャグがいまいちピンと来ませんでした。

ヤスミン役のサブリナ・ウアザニが一瞬だけ出てきます。
元気そうでよかったです。

2022年5月12日木曜日

ショック!

1年半ほど前、
眼底出血して、
1ヶ月ほどテニスを休まざるを得なかったことがありました。
あの時は右目だったんですが、
今度は左目で飛蚊が発生したので、
眼科に行ってみたところ、
なんと前回と同じことが起きていました。
しかも、出血の量が倍ある(!)と。
たしかに前回より飛蚊が多いです。
そして、
ショックなのは、
テニスが1ヶ月できないこと。
これはまいった!

今右目は問題ないのですが、
実は、以前の血液の「殻」が残っているそうです。
でもそれは、赤味が抜けているので、
ふだんはまったく気になりません。
今左目は、かなりゴミっぽいですが、
やはり赤味が抜ければ問題なくなる、と思いたいところです。
(医者は、ちょっとネガティブな感じの人で、
今回は出血の量が多いから、
当然「殻」も多く残り、
多少飛蚊が残るかも、
とは言ってましたが、
なんとなく大丈夫な気がします。)

さっき、
1ヶ月テニスお休みの手続きをしました。
しょうがないですね。
1ヶ月後に復帰できることを祈ることにします。

『暗黒街の弾痕』

フリッツ・ラングの代表作の1本、

『暗黒街の弾痕』(1937)

を、大学院のゼミで見てみました。


院生の一人はラングのファンで、
全作品をDVDで揃え、
この映画のこの部分、
という感じで、
よく見ているそうです。

わたしは中学生の頃、
友だちとテアトル新宿に行って、
この映画と『歴史は夜作られる』の2本立てを見ました。
このことは、
なぜかとてもよく覚えています。
『暗黒街の弾痕』の原題は、

You only live once

ですが、この映画が中学生には新鮮でした。
特に once が。

例の院生の説明によれば、
なにかこう、
よんどころない歯車に絡め取られていく感じがラングにはあるということなんですが、
once というのは、
それと見合っている気もします。

途中で殺されるのが神父であり、
その後赤ちゃんが誕生する場面はどことなくキリスト生誕を思わせました。
神なき世界での新たな「神」の誕生、
と言えば大げさでしょうか?

2022年5月9日月曜日

『俺達の唄』『My Life』

今日、日本のヒップホップが好きだという3年生と話していて、
好きになったきっかけの曲、
を教えてもらいました。
これです。


高校時代はぜんぜん勉強しなくて、
浪人時代、
この期間だけは勉強しようと決めて、
友だちも作らずに予備校の自習室に籠もった日々に、
この曲と出会い、
ガーン、と来たそうです。

まれたこと自体に意味なんてない
けどもし欲しいんならば付けちゃいな

なるほど。
若いときに聞いたら、ぐっとくるかもですね。

それからこの曲。


Mmm、なかなかいいです。

どちらの曲も、
「人生」とか「生きること」がテーマになってて、
いい意味で古めかしくて、
とても親近感を覚えました。

2022年5月8日日曜日

『暗黒街』

アメリカ映画協会は、2008年に、
ジャンル別の
「アメリカ映画 オールタイム・ベスト10」
を発表しています。
これです。


1位はまあ、『ゴッドファーザー』で文句なしでしょう。
そのほかにも、
『スカーフェイス』とか、
『白熱』とか、
お馴染みの顔ぶれです。
(わたしは、Little Caesar だけ見ていません。)
ここに挙がっている中で戦前のもの、
ぼちぼちもう一度見ていこうと思いますが、
その前に、
このベスト10にノミネートされながら、
結局入選しなかった映画を1本見てみました。
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の、

『暗黒街』(1927)

です。
サイレント映画です。


主な登場人物は4人。
ギャングのボスであるブル。
その愛人であるフェザーズ(←いつも羽根付きの服を着ている)
元弁護士で、今は飲んだくれのロールス・ロイス(!)。
ブルのライバルであるバックです。
ロールスがバックにいたぶられていたとき、
ブルが気まぐれに助け、大金を与えます。
立ち直ったロールスは、
ブルに恩義を感じますが、
一方、ロールスとフェザーズは惹かれ合います。
その後ブルが、フェザーズを助けるためにバックを殺し、
そのせいで死刑を宣告されたとき、
ロールスとフェザーズは、
二人で逃げるか、
恩義あるブルを助けるかで迷いますが……

この作品、英語版の wiki によれば、
デュヴィヴィエはカルネは、
この映画の「余分なものがなく、簡素な」作りに深く影響され、
ブニュエルのお気に入りの作品でもあった、そうです。
(何度も登場するブルの強烈な笑顔は、
たしかにブニュエル的な異様さを感じました。
ブニュエルの『アンダルシアの犬』は、
『暗黒街』の2年後です。)

戦前のアメリカ映画、おもしろいです。

「トップスピン・プロ」

前から欲しかったんですが、
値段が高くて迷っていたテニス練習器具、
「トップスピン・プロ」。
GW にどこにも行かなかった代わりに、
ついに買ってしまいました。


まだ数時間しか使っていませんが、
なかなか楽しい。
部屋のかなでできて、
意外に静かなので、
これは毎日やりそうです!

2022年5月5日木曜日

『ハミルトン』

2015年の初公演以来すご~く話題になり、
2020年には舞台を映した映画までできた、

『ハミルトン』

実はわたしの「見る予定リスト」には入っていなかったんですが、
院生の一人に「すごくいい!」と教えられたので、
Disney+ でその映画版を見てみました。
結論から言うと、圧倒的に素晴らしかったです。
大ヒットするのがよく分かりました。


主人公は、
「アメリカ建国の父」たちの中では、
一番地味だと言われるアレクサンダー・ハミルトン。
(10ドル札の人です。)
彼は、アメリカ独立戦争の時には、
ジョージ・ワシントンの副官で、
合衆国憲法を実際に書いた人間であり、
アメリカ初代の財務長官でした。
が、彼の「出自」は、
ほかの「建国の父」たちのようなエリートとはまったく違い、
スコットランド系とはいえカリブ生まれで、
しかも母親は「売女」で、
12歳の頃には孤児となりました。
ただ、きわめて優秀で、
周囲の助けでアメリカ本土に渡り、
その知力と野心でのし上がっていった人です。

このミュージカル、
(今さら書くのも気が引けますが)
キャストはなんと非白人です。
ハミルトン役はヒスパニック系、
その妻はアジア系、
妻の姉(←彼女を演じる俳優が素晴らしい)はアフリカ系……
この演出は、
ハミルトンという人物が「移民」であり、
またいわゆる「移民性」を色濃く背負った人物であるという事実から、
インスピレーションを受けたものなんだそうです。
そしてそのことは、
とてもよく伝わってきます。

ミュージカルの中でのハミルトンは、
決して単なる善人でも、ヒーローでもありません。
野心家で、妻を、その家族を悲しませ、
自己中心的なところも強烈にあります。
でも、それでも、
「建国」の意志もまた強いわけです。
そしてこのミュージカルの美点は、
そのなかに、混沌や、闘争、不条理などが描きこまれ、
それはまるで、
「現代」の源流であるかのようなのです。
この理解の仕方は、とても魅力的だと感じました。
いまだ解決にはほど遠く、
それはこれからも続くのであり、
それが、「アメリカ」を作ることなのだ、
という意味なのでしょう。

特に印象に残った歌が YouTube にありました。


(一点、少しだけ気になったのが、
女性たちの位置づけです。
彼女たちは、健気で強く美しいのですが、
みんな、男たちの「背景」なのです。
建国の母たち、
の物語もあるはずなので、
それも見たいところです。)

2022年5月3日火曜日

5月29日(日)

今の状況だと、
たぶん中止になることはないと思うんですが、
その可能性も少しはあるという前提で。

来る5月29日、
上智大学(←出身大学です)では、
「オール・ソフィアンズ・デー」が開催されるんですが、
その、あまたあるイベントの1つとして、
わたしも「特別授業」をすることになっています。
(『パリ、ジュテーム』の「セーヌ河岸」を見て、
解説&部分的にフランス語も、という予定です。)
上智の卒業生だけでなく、どなたでも参加できます。

時間は 11:00~12:30
教室は 12-202 

これって、
12号館の 202、ということだと思います。(たぶん!)
教室の定員は 105名なんですが、
どのくらい混むのか混まないのか、予想がつきません。
まあ午前中だし、そんなに混まない or ガラガラだと思うんですが、
一応「フランス文学科」の主催なので、
フランス語に興味のある人は多いわけで、
そこそこ混むのかもしれず……

中途半端ですみませんが、
もしよろしければ!

『カーズ』(!)

映画のゼミで「分析」の方法を説明するとき、
何か役に立つかな? と思って、
あまりふだん読むことがない本を買ってみました。
この本です。

『キャラクターからつくる物語創作再入門』

アマゾンの紹介が、
かなり詳しいです。


説明の題材として、
映画もかなり挙がっていました。
言ってることは分かりやすくて、
たしかに「ハリウッド映画」なら、
当てはまる作品がいくつもありそう。
で、その代表の1つが、

『カーズ』(2006)

だったので、
久しぶりに見てしまいました。


やっぱりとても分かりやすくて、
1本見た後でも、
頭がほとんど疲れていないという、
珍しい現象が起こりました。
これは伏線、
と明らかに分かる箇所がいくつもあり、
ちゃんと回収されるのでスッキリします。
構造を理解するには、
こういう映画を題材にするといいかもしれないと思いました。

現国の問題(小説の場合)でも、
映画や小説(ベタな場合)でも、
基本は、

1)主人公(たち)がある状態にある
2)事件が起こる
3)主人公(たち)の考え(生き方)や状況に変化が起こる

という流れなので、
まあ受験の場合は、
これは知っておいた方がいいのでしょう。
変化が起きるポイントに注目して、
その前と後の違いを考えればいいわけですね。
『カーズ』の場合も、

1)マックイーンは、「勝つこと」に至上の価値を見出している
2)たまたま田舎町に入りこみ、そこに留め置かれる。
 (そして、かつてのチャンピオン、
  弁護士としてのキャリアより暖かい暮らしを選んだ女性、
  主人公を「友だち」だと思ってくれるサビだらけのクルマ、
  などと交流する。)
3)マックイーンは、「仲間」こそが価値だと悟る

という感じ。
ベタだし、深みはありませんが、
かっちりとできてるのは確かですね。

2022年5月2日月曜日

『ジャッキー・ブラウン』


というわけで、
タランティーノがパム・グリアを起用した

『ジャッキー・ブラウン』(1997)


を見てみました。
この映画は、公開当時、期待を持って見ました。
その頃タランティーノは、
今よりずっと「期待」されていたと思います。
(もちろん今でもファンは多いのでしょうが。)
で、当時見て、そんなに感心しませんでした。
もっと何か「ふつうじゃないもの」を期待していたからです。
今回見て、
十分おもしろかったですが、
やはり「ふつう」の映画には見えました。

オディールは銃の密売で金を儲け、
その金を、
弱小航空会社の「スチュワーデス」(←当時の言い方)であるジャッキーに、
国外に運び出してもらっています。
けれども、警察にマークされていたジャッキーは捕まり、
そこから物語が動き始めます。
ジャッキーは、
保釈金貸し付け業者のマックスと手を組んで、
オディールや仲間たち、
そして警察をも出し抜こうとするのです……

ここでパム・グリア演じるジャッキーは、
変わらぬ魅力的なルックスと、
『フォクシー・ブラウン』時代とは違うスマートな頭脳を持っています。
ただしその分、
感情にまかせた勢いある行動は影を潜め、
それが、まあわたしには、
ちょっと物足りない感じもしました。
(で、「ふつう」になってしまうわけです。)

この映画内で何度かかかるデルフォニックスの歌があります。
これです。


実は最近、シルク・ソニックのCDをクルマで聞いています。
なので、このデルフォニックスの1969年の歌が、
なにか「最近」ぽく聞こえてしまいます。
もちろんシルク・ソニックは、60年代そのまんま、じゃないですが。

ところでこの映画の中では、
なんと38回も nigger という語が使われているそうで、
たとえばスパイク・リーもそれを批判的に指摘しています。
まあ、映画とはいえ、
97年にそれをやるのは、
もちろんダメだったでしょう。
それを敢えてやった監督は、
ちょっと中二的な印象も?

パム・グリアの作品、
もっと見たいんですが、
日本版は少ないですねえ……

Citizen Queen

さっき、YouTube 散歩中に出会ったガールズ・グループ、
Citizen Queen。
もともと名曲なんですけど、
これ、途中で「アレ?」と思って、
それから注意して見てると、
やっぱりアカペラでした。
両端の女性はヴォイパなんですね。


Super !