2009年3月31日火曜日

その2人


今日はなんと、3月31日。年度最終日です。さまざまな「締め」にお忙しい方もいらっしゃるでしょう。監査が入ったりして?

数日前に D.ワシントンのことを書きました。あの後、『インサイド・メン』と『トレーニング・デイ』を見ました。前者は…… 後者は、前半は面白いと思いましたが、終盤が…… ということで、D.ワシントン、たしかにカッコイイとは思うのですが、作品にはいま一つ恵まれてないような気がします。少なくとも、かつてシドニー・ポワチエが引き起こしたインパクトには、及ばないように思います。ただし……

たとえば『マルコムX』などは、たしかにワシントン以外には演じられなかったというなら、それは賛成です。ルックスはもちろんですが、あの眼の光は、わたしなんかが思うマルコムのイメージに本当に近かった。

昔の新書で、『キング牧師とマルコムX』というのがありました。ミニスター・マルコムは、世界恐慌の29年に生まれたキング牧師の4歳年上で、ただ2人とも、ちょうど39歳の時に暗殺されています。(2人は、1度だけあったことがあるそうです。画像。)数年前にはケネディも暗殺されたことを考えると、恐るべき時代でした。

ミニスター・マルコムとキング牧師、どちらの思想に惹かれるかは、かなりビミョーな問題です。2人の思想と一口にいっても、時代ごとに変化していくわけだし。最後はむしろ「世界革命」に近づいていったマルコム・Xを見ていて、そりゃそうなるよね、とも思うし、社会主義に近づきながら、彼の「神」と相いれないためにどうしても近づききれなかったM.L.を見て、(そんな資格はないんですが、勝手に、)苦しかろうなあ、とも思います。

この2人のことを思うと、人種問題を越えて、なにかもっと普遍的な、人間的な、問題について考えさせられます。

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明日は4月1日。なんといきなり会議です! 行ってきます!

2009年3月30日月曜日

冒険は



アーティスト・ファイル2009、もう一人だけ、これはわが同僚・倉石信乃さんの紹介文の一部を引用させていただきましょう。若き写真家、石川直樹さんの作品についてです。

いわゆる冒険主義的ではない冒険を重ねてきた石川の旅はいつしか内面化しながら、それと不可分な写真表現を豊かに醸成した。石川の旅は日常への呪詛でも埋没でもない。旅にまつわるロマンティシズムから、驚くほど平静に距離をとりつつも、旅の動機付けとなる「主題」をまっすぐにつかみ取る点では躊躇なく情熱的だ。どこかへ行けば行っただけのことはあるという「自明の理」から、必要な分だけ果実を収穫するのだ。

これは「NEW DIMENSION」という写真集についての言葉。なるほどねえ……(文章の続きは http://www.akaaka.com/shopdetail/005001000028/ で。)とにかく、魅力的な写真です。

作品は、ここで少し見られます。 http://www.straightree.com/


写真て、シャッター押すだけだから、油絵なんかより簡単! と思ったら大間違い。これがなかなか、簡単じゃないんですねえ。わたしなんかは、とりあえず、ピンぼけを避けることだけを考えています!

(そういえば昔、『ちょっとピンぼけ』という本がありました。のちにこの本の原題、SLIGHTLY OUT OF FOCUS という英語を見たとき、ああ、なるほどねえ~、と、邦題に感心した記憶があります。)
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NHKをはじめ放送局は、今日から新しいメニューのようですね。新講座、どうでしたか?

2009年3月29日日曜日

光合成の木




昨日「花輪」のことを書きました。が、考えてみると、これってなかなか深いのかも、という気がしてきました。

普段花輪に接する機会と言えば、これはパチンコ屋の開店(!)と、お葬式くらいでしょうか。でも、たとえこの2つだけで考えても、花輪は「祝い」と「弔い」の両方に対応していることになります。とすると、「名も無き東京人のための花輪」は、「名も無き東京人」を祝福し、かつ弔うものだということになりますね。

でも…… これは考えてみれば、花輪というより、「花」そのものの役割なのかもしれません。原人の墓からも、花粉が見つかるっていいますし、もちろん祝い事に花は欠かせません。とすると「輪」のほうは…… これはいつからあるものか調べてませんけど、とにかく一つの文化的形式なのでしょう。面白いですねえ。


で、もう一人、昨日は触れなかった平川滋子という作家の作品「光合成の木」も、印象的でした。フリスビーに似た白い円盤、これが実は、紫外線を感じると紫に変わるという代物なのですが、これが大量に、美術館前の大きな樹に括りつけられているのです。円盤の色は、昨日、不規則な紫のグラデーションを描いていました。そして天気が変われば、当然「光合成の木」の表情も変わるわけですね。オモシロイ!

で、実はわたしも、この円盤(サイン入り)を一枚持っています。展覧の最後に、800円で売ってたんです! 喜んですぐ試してみたら、ちゃ~んと紫になりました。

♪ あなたの燃える手で


日曜にふさわしい、「愛の賛歌」! Merci, Batayam !

1990生まれ! 若!

2009年3月28日土曜日

花輪とナフタリン


Guy Roppon は意外に近い、と最近は思っているので、国立新美術館に行くのはわりに気楽です。というわけで、今日もちょっと行ってきました。

今あそこでは、「ルーブル展」をやっているのですが、今日のお目当てはそちらではなく、「アーティスト・ファイル2009」です。実は今日は、「六本木アート云々」の一貫で、この展覧会タダなのでした。(ちょうど今朝の朝日新聞に、高階秀爾が詳しい紹介記事を書いています。)

いわゆる現代アーティスト9人の展覧。これがねえ、素晴らしいんです、どれもこれも。

中で一番印象に残ったのは、斎藤芽生という1973年生まれの女性作家でした。彼女の描くのは、たとえば「名も無き東京人のための花輪」シリーズです。これはそえぞれに、「池袋色悪」とか、「新宿人狼」とかの副題(?)がついています。それにしても、ほんとに花輪の絵なんです、葬式とか、開店祝いで見るような。

彼女は東京の団地育ちで、その集会所で行われる葬儀の時の花輪が記憶にあるようです。


このHPの「作品集」のところで、ちょっとだけサンプルが見られます。なんだか、技術もすごそうですが、その着想に驚きます。

もう一人、1974年生まれの宮永愛子にも、はっとさせられました。


なにしろ、古い家具と一緒に置かれた靴や帽子(画像)や歯ブラシは、ナフタリンでできてるんです。ナフタリンですよ! つまり…… この展覧会の会期中も、どんどん形が変わってゆくんです。そしてそれが古家具と並ぶことで、(高階秀爾の書いている通り)2つの時間が交錯するわけです。(それにしても、この匂い!)

ね、面白そうでしょ?(面白いです!)

2009年3月27日金曜日

揺れる


宇多田の新譜、ここ数日よく聞きました。面白かったです!

今回の英語アルバム、すごく「今のR&B」 な感じなんだけど、同時にどこか「日本」でもあって、やっぱりこれは「宇多田」としか言えないんですね。ニュースによると、全米 i-tune ランキングのPOP部門で2,3位あたり、ということで、これは宇多田がアメリカで受け入れられつつあると考えていいんでしょうか。こういう曲が、アメリカでどういう風に受け取られるのか、興味がわきます。R&B の可能性を押し広げた、という評価なら、最高ですね。

R&B と気軽に書いてしまいますが(しかもそんなに分かってるわけでもないのですが)、時に学生から、いったいそれなんですか? と訊かれることがあります。「ロック&バラード」? とか。

そのルーツや、広がりの過程などを知るには、それなりの本が必要でしょう。(一応 wiki でも、分かるでしょう。)ただ、わたしのような素人にとっては、(これは以前も書いた記憶がありますが)要は「揺れるやつ」だ、と思っています。ストレート・ロックとちがって、リズムが揺れるんですね。

つい先日読んだ記事に、「ファシズム」を定義するには、その理論や思想ではなく、行動様式を取り上げるほうがいいんだ、という説明がありました。なるほど。そうかもしれません。ファシズムと呼ばれるものの思想内容は色々でも、それらのやり口は共通点が多そうです。

R&B もまた、わたしにとってはそんな感じ。音楽理論は分からないので、その肌ざわりで判断しているだけなんですね。ま、素人だからいいか! というわけです。

2009年3月25日水曜日

D・ワシントン


WBC、終わりました。決勝戦は、おそろしくいいゲームでしたね。でもおかげで、つい見ちゃいます。

このごろ夜には、映画を見てます。なかなか傑作には当たりませんが、コーエン兄弟の『ノー・カントリー』は、独特の惹きつける力があると思いました。いつも通り、絵は美しいし。とはいえ、『ファーゴ』ほどの出来ではない気もしましたが。(かなり残酷シーンがあります。)

ニコラス・ケイジは、古いですが『リービング・ラスベガス』の頃、とても好きでした。で見たのは『ネクスト』なんですが、これは…… 2分後まで予知できる男が、隠された核爆弾を探す話です。これは…… 完全にB級なんですね。予知は設定だからともかく、核爆弾て言われても…… 最後まで見られませんでした!

『アメリカン・ギャングスター』。これはちょっと期待していたのですが、演出が、よく言えば端正、悪く言えば平板、でした。なんだか、長編風の語り口。黒人の麻薬王をデンゼル・ワシントン、悪徳刑事になれない正義派刑事をラッセル・クロウ。で、この映画のちょっと面白い点は、イタリア・マフィアではなく、黒人のファミリーを扱っているところです。

『ゴッド・ファーザー』は、もちろんイタリア・マフィアのお話でした。ほかにも、たくさんありますね。でも、フツーの犯罪映画ではなく、麻薬からみの組織犯罪グループを扱いながら、しかもそれが黒人だ、という作品は記憶にありません。

ワシントンは、かつて『グローリー』で南北戦争に参加する逃亡奴隷を演じました。(作品自体はイマイチでしたが。)そしてもちろん、スパイク・リーの『マルコムX』では主役を。そのつながりで考えると、『アメ・ギャン』も、単なる娯楽以上のつもりがあったのだろうと思えてきます。

(ワシントンの『マイ・ボディーガード』は、たしか面白かった記憶があります。)

こうなったら、ワシントン出演作、もうちょっと見ることにしようかな。

2009年3月23日月曜日

「ふらんす」4月号


WBC、盛り上がってますね。今日のUSA戦は、しっかり見てしまいました。

父親がかつてセ・リーグに勤めていたため、子供のころから野球は身近でした。もちろん、小学生の頃は、暗くてボールが見えない! という時刻まで野球をしていたものです。

今の日本チームは強いですね。あのメンバーで日本のレギュラー・シーズンに臨めば、わたしが監督でも優勝です、ほっとけばいいんですから! 

で、明日は韓国戦。今回見ていて、韓国チームはとてもいいチームだと思いました。明日も、守りのミスさえでなければ……

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「ふらんす」4月号、発売になりました。わたしも、みなさんへの応援メッセージを書きました。レナさんも新連載を始めたし、知り合いの先生たちも書いています。特に……

関西弁の文章で押しまくる福島祥行先生は、初めて会ったのが、上野のライブ・ハウスでした。その時彼が来ていたステキに派手なTシャツは、忘れることができません。そう、あれは Jean-Paul Gaultier のシャツでした。(画像は、Gaultier の春のコレクション。)

こどものカイエを紹介している杉村裕史先生は、有名な「ギャグ先生」。代表作は、「エビだもん、タコじゃないもん!」。(もちろん、évidemment の説明なんですね。)彼は言います、

「清岡君も授業で使ってごらん。ゼッタイ受けるから!」

……でも、まだ使う勇気がありません!

2009年3月22日日曜日

この人を見よ!


Bonjour ! と言いつつ、すごい風です、東京は。

さて、またまた朝日新聞ネタ。今朝の朝刊の読書欄に『一日一生』という本の書評が載っています(14面)。それを書いているのは…… おお、ここにも「コヤナギさん」として何度も登場している、われらが左右社の編集者、小柳学さんです。こういったお仕事もなさってるんですねえ。

書評というのは、一つの「芸」であって、これがなかなか難しいんですね、当然ですが。どうぞ小柳さんの「芸」を堪能してくださいませ!

2009年3月21日土曜日

ありふれた奇跡・完結


一昨日、ついに「ありふれた奇跡」が終了しました。いいドラマでしたねえ。来週からないのがさびしいです。

ショータ君を見ていて、「ふぞろいの林檎たち」の時の中井貴一を思い出しました。いや、キャラクターは随分違います。が、彼は理不尽な上司から痛めつけられていました。その痛み方が、なんとなく…… という程度ですが。でもその上司とは、いわば「社会」でもあるわけですね。

カナさんを見ていて、やはり「ふぞろい」の根岸季衣を思いました。たしか、子供ができないんでしたよね? 子供、というものの在を際立たせるための設定とはいえ、山田太一のデリケートな部分と結びついているのかもしれません。ただ今回は、年輪というべきか、ある種の慈愛みたいなものも感じました。わたしもまた、「ふぞろい」を見た時代からはるかに来たので、少しはそういう気分です。

ショータのお祖父ちゃんを見ていて、「早春スケッチブック」の山崎努を思いました。これもキャラは全然違いますが、厳しく孤独で、その殻のギリギリのところから世界と触れ合っている感じ。(彼が、戦後のどん底と比べれば、現代は「ほんとのどん底じゃない」と言ってましたね。それは本当なのでしょう。)

カナさんのお母さんを見ていて、「岸辺のアルバム」の八千草薫が重なりました。浮気は、いわば象徴的な出来事で、それは彼女と「世界」との関係が変容する場所となっていたわけです。だからこそ、浮気の失恋(?)は、痛手だったのでしょう。浮気なしでは、世界は変われないままそこに在るだけですから。それは「貞淑」とかなんとかとは、関係ない気がします。

(カミュに、「不貞」という小説があります。奥さんは、青年に指一本触れません。あれを「不貞」というなら、そうじゃないものを探すのは難しいかも。唐突ですが、映画「ヘアスプレー」の、女装したトラボルタの旦那さんなら、たしかに「不貞」ではないでしょうが。)

2つの家庭、3つの世代。そしてもちろん2つの性。その対立する構図……。女装する2人のオジサンの姿が、なぜ物語から浮き上がってしまわないのか。その理由は、この辺にありそうです。

山田太一。素晴らしい脚本家です。

Les Enfants du Paradis


今日の(というか厳密には明日ですが)の夜の12:30から、衛星第2で『天井桟敷の人々』が放映されます。フランス映画の「オール・タイム・ベスト10」などをやると、必ず上位に食い込む名作です。長いですが、ぜひ! 


あ、笑いましたね! La vie est belle. Et vous êtes, comme elle, si belle !

2009年3月20日金曜日

妄言です


今日は午後から、地元のホールで、フレッシュ・コンサートを聞いてきました。クラリネット、ヴァイオリン、歌、の新人3人に、某国内オケが付くという形のコンサートです。

大学院生時代には、音楽を聞いている時間の90%はクラシックだったので、量だけはそこそこ聞いています。が、なにぶん完全に素人ファンなので、的外れなことを言いそうな気がしますが……

最初はコープランドのクラリネット協奏曲。これは…… わたしの勝手な思い込みでは、クラリネットという楽器には、たとえ一瞬でもいいから、影を見せて欲しいのです。たしかにこの曲には、あからさまな影は似合わないかもしれない。でも、音色そのものの中に、そういう兆しを感じ取りたいとわたしは思ってしまいます。今日の演奏には、それは見つけられませんでした。

2曲目は、ヴィニャフスキのヴァイオリン協奏曲。これはかなり拍手もありました。が…… これもほんとに個人的な感想ですが、こんなに若い(まだ20歳そこそこ)人が、なぜヴィニャフスキ? と思ってしまいました。なんといっても、大時代がかっていて、古めかしい曲だと思います。もちろん、古い作曲家でも、現代を感じさせるひとはいくらもいます。バッハでも、モーツァルトでも。でも、ヴィニャフスキって…… ただ、このヴァイオリニストは、素人目にも、技術が高いのは分かる気がしました。まあこの曲自体、「超絶技巧タイプ」らしいですから。古典的な美を追求するタイプの演奏家になるのでしょうか。

とまあ、素人のたわごとを並べてしまいましたが、思うに、これは今わたしが、クラシックを聴くモードにない、ということに過ぎないのかもしれません。(だとしたら、若い2人には申し訳ありません!)クレーメルのヴァイオリンや、アファナシェフのピアノに痺れた時代もあったのですが…… ただ彼らに痺れたのは、そこに紛れもない現代性があると思ったからではあるのですが。

で帰りには、宇多田の新刊『線』を買ってみました。実は例の『東京詩』に、宇多田の「東京 NIGHTS」を取り上げているので、もしもなにか関連事項が書いてあったら、最後のゲラに間に合わせようという魂胆なのでした!

2009年3月19日木曜日

しましま自慢


今日は、というか、ここ数日、東京はやけにあったかいです。調子に乗って、ジャージまで買っちゃいました!(←関係ない)

そしてこのごろ、大好きなグレープフルーツが、か~な~りおいしくなってきました。安いし。やっぱり、果物の中で一番好きです。(それにしても、毎日毎日、よく食べますよね、生き物って。)

さて、この前ちょっとやった「今だけブログ」の時、小さなお子さんがいらっしゃる方もここを読んでくださっていることが分かったので、初めて絵本のことを書いちゃいましょう。

先週の土曜に「ラップ・フランセ」のトーク・イヴェントがあった本屋さん、BOOK246は、小さいながら、かなり気を使った品揃えの店で、感心させられるのですが、去年そこで買った一冊の絵本が、なかなか気に入っています。タイトルは、「しましまじま」(画像)です。
「しましま」島では、なんでも「しましま」です。そして今日は、「しましま自慢大会」。島中の「しましま自慢」が集まって、自慢の品を披露してゆきます。おお、こんなものまで! なに? しましまマシーン!?

ね、面白そうでしょ? 色遣いもステキだし、可愛いチビちゃんに見せてあげたい気持ち満々です! 

健ちゃん!


今朝の朝日新聞に、白水社のエクス・リブリス・シリーズが大きく紹介されています。冒頭で企画の意図を語っている藤波健さん(基本、帽子着用)は、タケちゃんのダチです。(わたしも何度も飲んでおります。)この二人が、白水社のヒット・メーカーであるとかないとか。どうぞご一読ください。


エクス・リブリスの紹介はこちら:http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=09001

2009年3月18日水曜日

RAP FRANÇAIS ・4


さて、ラップ・フランセ最終回は、テクノ・ラップ(?)の2人組、Justice(ジャスティス・画像)です。
で、これはあらかじめご注意願いたいのですが、今日これから紹介する STRESS という曲のクリップは、まあほとんどR15 は確実という感じの、かなり「暴力的」なものです。もちろん、すべては演出であり、シナリオもロケハンもあったに違いないのですが、表面上は紛れもなく「暴力的」。(ホラー風ではありません。)というわけで、これは「不快」だと感じる方がいらっしゃるはずなので、そういうのが苦手な方には、お勧めしません。ご注意を!(映画「憎しみ」的だと言っておきます。)

で、とりあえず、これです; http://www.youtube.com/watch?v=GsmzNB_eXek

都市の暴力、というテーマ自体は、ラップ・フランセにお馴染みのものですが、テクノだというところに、一つの新しさがあるようです。

ただ Justice は、テクノ、というかエレクトロ系の音楽ファンには、かなり知られた存在のよう。普通 Justice というと、まず「エレクトロ系」というイメージなんですね。

というわけで、ラップ・フランセ、お送りいたしました。さらに興味のある方は、陣野さんのこの本を。


なが! でも今は you tube という強~い味方がいるので、どんどん見られて、どんどん「経験」が広がりますね。

2009年3月17日火曜日

RAP FRANÇAIS ・3


ラップ・フランセ、第3弾です。彼は1981年、セネガル生まれ。2009年のVictoire de la musique の「視聴者賞」を獲りました。まずはその受賞の場面。


Sefyu です。なんだか顔が見えませんが…… では代表曲いきましょう。ススススス……


この Sefyu というのは、本名 Youssef Soukouna の「さかさま言葉」のようです。彼は17歳以下のサッカー・フランス代表だった経歴の持ち主です。(アーセナルの練習生時代に怪我をし、サッカーの道を諦めたそうです。)そして陣野さんによれば、彼は「ラップと政治の結びつきに警鐘をなら」しており、今最も注目すべきラッパーのようです。

セセセセ・セフュー。この名前、覚えおきましょう。ちなみに wiki はここです。

2009年3月16日月曜日

RAP FRANÇAIS ・2


さて、ラップ・フランセ第2弾です。今日ご紹介するのは、ラップ・フランスのごく初期の代表的2人組、NTM (=Nique ta mère. の短縮形)です。Joey Starr とKool Shen の2人は、1988年にNTM を結成し、約10年活動していったん解散します。が、2008年に再結成して、大歓迎を受けました。

2005年、パリ郊外で大規模な「暴動」が起きたわけですが、あの時、街の暴力をあおったとして「犯人」扱いを受けた曲、それがこの Qu'est-ce qu'on attend ? です。(ただし発表は、95年です。)


歌詞はこちら。


これを見ると、どこに Piiiiiiii ! が入っているか、わかりますね。

ところで、ラップ・フランセを語る場合、当然、それぞれの政治的立場が問題になるわけですが、(これも当たり前のようですが、彼らは「恋愛ごっこ」に充足してはいません。)Joel Starr の場合、(陣野さんによれば)例の移民同化委員会のメンバーにもなり、ある意味「取り込まれている」という見方もあるようです。(サッカー選手のリリアン・テュラム、「アメリ」では八百屋のお兄ちゃん、「アンジェラ」 では主演を張った Jamel Debbouze も、やはりその委員会のメンバーだそうです。)

                  ❦

今日は大学で、一年の締めの全体会議がありました。今の職場に来て、やっと1年、つまり1サイクル経験することができました。結論からいえば、わたしにとってはサイコーの職場で、なんだか申し訳ないくらいです。(欲をいえば、大学の周辺に、うまくて安いレストランや飲み屋やカフェが欲しいです!)また来年度も、がんばります!(まあ、ほんとに微力なんですが……)

2009年3月15日日曜日

RAP FRANÇAIS・1


昨日は、BOOK246で、ディジタル・コンテンツ系の連続トーク・セッションに参加してきました。今回のゲスト講師は陣野俊史さん。サッカー、文芸評論、そしてフランスのラップまで、守備範囲の広さと深さを兼ね備えた批評家です。

(陣野さんとは、かつて東工大で非常勤講師仲間でした。その時は、堀江さんが助教授でいらして、よくみんなでだべりました。というわけで、陣野さんと会うのは10年ぶりくらい?)

昨日のテーマは、一応「ラップ・フランセ」と言っていいのでしょう。最新のフランスでのラップの動向を紹介してくださって、わたしとしては、実に「おいしい」お話でした。なぜなら、陣野さんの話を受け売りするだけで、授業を1回成立させられるからです!

というわけで、ここでも陣野さんの話を紹介しようと思うのですが、今日から何回かに分けてお伝えしますね。(もったいないので!)

で、まず今日は、1980年、キプロス生まれ(フランス人の母とキプロス人の父)のDiam's(ディアムス)です。(画像・右)彼女は4歳で(母と二人で)フランスにやってくるのですが、詳しくはこちらのwikiで。


ところでみなさん、画像の左側の男性、見覚えありませんか? 実は12月18日付けのこのブログで紹介した、フランスのエミネムこと、Sinik です。Diam's と Sinik は同じ歳で、お互いのアルバムに協力し合っているようです。

(怒りの人 Sinik。陣野さんは、「韓国にSinik のようなアーティストがいないのは実に残念」と語る韓国経済人と対談しているそうです、今発売中の「週刊金曜日」で!)

さて、お待たせしました、Diam's(ダイアモンドからとった「芸名」だそうです。)の曲にいきましょう。一昨年のフランス大統領選挙の際、ロワイヤル女史の選挙運動のバックに使われていた曲だそうです。「わたしのフランス Ma France à moi」です。主人公のオジサンが、「古いフランス」なのでしょう。


歌詞はこちら。


「わたしのフランスは、サルコジに投票するような国じゃない……」

ちなみに彼女は、もっと「優しいラップ」も歌います。


Sinik やエミネムに通じる、繊細な雰囲気が伝わってきますね。(つづく)

               ❦

前回の「奇跡」、なんだかまったく「ありふれてない奇跡」を予感させる終わりでした。そして、赤ちゃんを預けて走り去る若い女の子の後ろで流れていたのは、リアーナの「アンブレラ」でしたね。(7月6日に、ここでも大特集したあの曲です。)でもなぜ「アンブレラ」? もしかして、伏線なのでしょうか??

2009年3月14日土曜日

First Love


batayam の紹介してくれたクリップ、フランス語対訳付き「First Love」、ここにも挙げときましょう。ちゃんとしてます! 土曜のひと時、どうぞお楽しみください。


今日はこれから、Book246 へ行ってきます!

2009年3月13日金曜日

POPに


金曜日ですね。一週間お疲れ様でした。今週はわたしも、毎日どこかに出かけていました。たとえば昨日は……

新宿の「美々卯」(うどんすきの店です。大阪の方にはお馴染みでしょう。東京でも人気ありまっせ!)で、例の左右社から同時に出る3冊の打ち合わせがありました。実は、ほぼ装丁も出揃い、紙はどうしましょう(真っ白? クリーム系?)とか、帯も四色で刷るかどうかとか、かなり細かい話が出るようになりました。完成に近付いている証拠ですね。

参考書や問題集の紙を選ぶ場合は、とにかく「書き込むのに向くか」ということが最大のポイントです。時々ありますよね、書くと凹む紙が。あれは問題集には向きません。

あと当然紙の厚さもあります。厚いと、本自体も厚くなっちゃうし、かといって薄すぎると、反対側の文字が映りこんじゃうし。特に本文が2色の場合、映りこみは要注意です。

色も、真っ白はきれいだけれど、ちょっと眼がチカチカすることもあります。でもクリームは、下手すると「焼けてる」かのような印象になることもあります。

紙の種類は膨大にあるそうで、どれを選ぶかで当然定価も変わってしまいます。もちろん基本的には、読んでいただいてナンボのものですから、なるべく安くしたいというのは、昨日のみんなの総意です。

管啓次郎さんの読書論、『本は読めないものだから心配するな』は、カメラマンとしてもすでにデビューを果たしている管さんが、ご自身で激写(!)した写真を使って、なんと装丁全体も手掛けています。ついにデザイナーとしても活動を開始したわけです! Magnfique !  

波戸岡さんとわたしのについては、若手のデザイナーが担当しています。実は、『ハートにビビっとフランス語』の装丁もやってくれた方(A vrai dire, c'est mon frère ! )で、シックなものもうまいのですが、今回は、「ポップに!」をテーマでお願いしました。2冊とも、とてもいい出来だと思います。管さんの「著者自装」と合わせて、装丁も楽しんで頂ければ嬉しいです。

さあこれからは、左右社のコヤナギさんには、本格的にお世話にならなければなりません。どうぞよろしくお願いします! 目標は、4月25日発売です!


ついに明日、宇多田の新譜がでますね。実はわたしは、今日新宿で GET することができました。もうだいぶ前ですが、ここでも視聴にリンクしたあの曲が入っていました。さあ、これからゆっくり聞きます!

2009年3月12日木曜日

『おぱらばん』


ここを見に来てくださっている方は、やはりフランスに興味のある方が多いと思うので、今さら堀江敏幸さんの紹介は必要ないでしょうか。現役作家の紛れもないトップランナーの一人であり、フランス語業界内でも、誰しも「数十年に一人の逸材」であることを認めている(しかもずいぶん前から)人です。

こんな風に書くと、お堅い孤高の人、のような印象ですが、さにあらず。書くものだけでなく、普段のおしゃべりでも自然にオチをつけてしまうような、まあ「きさく」といっていい先生だと思います。

(ポイントは「自然に」、というところです。わたしの印象では、とても計算してオチに持っていっているとは思えません。もう、話の流れを組み立てるのが血に入っている感じです。もちろん、たとえば座談会なんかではぜんぜん気の利いたことが言えないというタイプの作家もいて、だから座談でなにかが決まってしまうわけではないでしょうけれど。)

というわけで、堀江さんの代表作の一つが、新潮文庫になりました。この『おぱらばん』は、フランス語体験者なら、より深く味わえる文章です。(ほら、このタイトル……!)ぜひ読んでみてください。

(『おぱらばん』はエッセイ? 小説? 評論? 『おぱらばん』は『おぱらばん』です!)

堀江さんの本は、もう随分文庫化されました。ということは、もし2000円もあれば、4冊くらい読めちゃいます。こうして使われれば、2000円もきっと喜びます!

2009年3月10日火曜日

better dancer


この前、オバマ大統領が「ソウル・トレイン」の「ライン」で踊っている場面をご紹介しましたが、「踊る大統領」はそれだけではありません。これは、トーク番組の登場の場面のようです。


ああ、この曲、ビヨンセの Crazy in love です。う~ん、日本の首相がこの曲で踊る場面は想像しづらいですねえ。もちろん踊れる必要ないですけど。

で、同じ番組に、ミッシェル夫人も登場してるんですね。And she dances, too !


おお、これはリアーナのDon't stop the music. ですね。二人ともカルク踊ってますが、踊りなれてる感じですね。どちらが better dancer かは…… 

どうなんでしょう、日本のマスコミでは、dancers としての大統領夫妻は報道されているのでしょうか? わたしは見た記憶がないんですが……
*画像は、自分を撮る Sylvie Guillem

2009年3月8日日曜日

DONZELLE


カナダのケベック州がフランス語圏であることは、みなさんご存知ですよね。そのケベック出身の歌手、DONZELLE (画像)をご紹介しましょう。

donzelle とフツーに言えば、これは「気取った若い女性」のこと。彼女はそれをそのまま自分の名前にしてしまったわけですが、まあ「気取っている」というより、「モロに下品(!)」です。ただ、全然 sexy じゃないんですけど。

彼女は、いわゆる electro-rap ってやつをぶちかましています。とりあえず、Baby Boomer という曲です。このヴィデオ、そのダンスを教えるという形で進みます。(あなたもすぐ踊れます!)


……不思議ですね。でもケベックなので、曲によってはかなり英語混じりです。

yahoo は、「yahoo ~」という形で、色々な地域(言語?)に対応していますが、Yahoo Québec というのもありまして、ここで調べると DONZELLE についても色々書かれています。で、こんなのもありました。


そう、新譜( Parle parle jase jase )が出たんですね。

               ❦

さて、もう冬は後ろ姿になりました。今週も元気にまいりましょう!

un moment


今日はそこそこいい天気だったのに、(ちょっと鼻水も出て)結局一歩も外に出ませんでした。で、例の「昭和」、なんとなく「できた!」という感じがします。

「昭和」といっても、具体的には「1975年、新宿」というのが、わたしの担当です。わたし以外に、あと数名の方が、それぞれ別の場所、別の時を担当し、それらをまとめて、ひとつの「昭和」が浮かび上がってくれば、ということのようです。「数名」の中には、それなりに人気のある人も含まれているようです。ちょっと楽しみです。

この企画の言いだしっぺはタケちゃんです。(術後も順調のようで、今はリハビリ中です。復帰間近か!)わたしも書いたとはいえ、数分の一ですから、本全体は見えていません。まあ、タケちゃんは見えているのでしょう。(N'est-ce pas, Také chan ?)

話は変わりますが、「ありふれた奇跡」、だんだんありふれてない感じになってきました!(いや、それとも、どんどんありふれてきているのでしょうか?)今週は見ていて、ほんとに面白いなあ、と思いました。

大昔ですが、たしか吉祥寺で、山田太一とすれ違ったことがあります。100%とは言いませんが、99%間違いありません。だからどうってわけじゃありませんが。


「1975年」のドラマと言えば、「傷だらけの天使」があります。あの「天使」たちが住んでいる屋上部屋は、たしか代々木だという話でした。そしてもうひとつ、「俺たちの旅」もありました。あのドラマも、毎週欠かさず見ていましたが、ある時、仲良しの国語の先生とその話題になり、彼ははっきり宣言しました。

「刹那主義だよ、あんなものは」

そういえば「ありふれた奇跡」の中でも、「今を生きないでどうすんの」というセリフがありましたね。それを言うなら、吉田兼好だって、今すぐ出家しろ、と言ってた気がします。

刹那主義には、たしかに限界があるでしょう。でも完全には否定しきれません。だって、「今晩どうなるか分からない」というのは、本当なんですから。

2009年3月7日土曜日

3.3 枚


今日の東京は冷たい雨でした。でもこれで金曜が終わりました。一週間、お疲れ様でした。

わたしはなぜか今日も調子よく、これで「昭和(1975年)」について、この3日で40枚くらい書いた計算になります。まあ一つには、「です・ます」にしたこともあります。これはちょっと長くなりますから。それに3日といっても、今回書き始めるまでに、約1か月かかっています。でもこれじゃあ、「ペン」で食べていくなんて、夢のまた夢です。

原稿料というのは、そうですねえ、安いところで原稿用紙 1 枚 1400円(あなたのことですよ!)くらい、高い時は、1 枚 1 万円ということもありました。でも、高い時は、普通枚数が少ないです。もちろん、わたしのようなペーペーではなく、大御所の場合だったら、もっと高いこともあるのでしょうが。

仮に、よくあるケースである 1 枚2500円だと仮定すると、10枚書いて2,5000円、100枚書いて 250,000円です。100枚…… 休みなしで、ネタ作りも推敲もゲラ直しも全部やって、しかも 1 日平均 3.3 枚書いて、25万円。それを1年続けて、ちょうど300万円…… う~ん、どうせわたしにはそんなに書けません。だけど、仮に書けても、そんなもんです。作家を目指しているみなさん、考えなおしましょう!(でもどうしてもという人だけ、ぜひがんばってくださいませ、わたしの分も!)

2009年3月6日金曜日

Tom Hagen


今日はいい天気でしたね。まだ少し肌寒いですが。

「昭和」のことを振り返るという文章、目安は40~50枚なんですが、実はこれ、なかなか書けませんでした。書き始めはするのです。というか、もう3度ほど、出だしの4~5 枚は書いたのです。が、どれもイマイチ。

でしばらく放置しておいたら、やっと昨日今日で、20枚くらい書けました。(でも、まだ読み返していません。没になるのが怖いから!)

その中で思い出したのは、自分が高校の(必修)クラブ活動として、「映画研究会」に入っていたことです。といっても、これはほとんど「研究」なんかしませんでした。当時は、レンタル・ビデオなんてありませんから、古い映画が見たければ、名画座に行かなくてはなりません。しかも、プログラムは新聞でチェック。ローテクな時代でした。

記憶に残っているのは、たとえば新宿で見た「カサブランカ」と「ある夜の出来事」の2本立て、池袋文芸坐で見た「ひまわり」(泣けました!)と「華麗なるギャツビー」の二本立て、高田馬場パール座で見た「天井桟敷の人々」、それからこれは中学の頃、「暗黒街の弾痕」と「歴史は夜作られる」の二本立てを、これも新宿で見ました。

でも、こうして覚えてること自体、見てる本数の少なさを物語っています。レンタル屋さんができてからは、月30本くらいだったら、見ること自体はなんてことないですね。お金がかかるだけで。

ロードショーで見て記憶に残っているのは、まず、テアトル銀座で見た「ゴッドファーザー」。これは中学の時なので、ストーリーがよく理解できませんでした。(情けない!)そういえばレナさんは、学生時代、「ゴッドファーザー・ナイト」なるイベント(?)を何度かやったそうです。これは、夜中の12時ごろから、シリーズ全作を続けて見て、途中で寝たら負け! というゲームだそうです。(もちろん罰ゲームあり。)映画の中で、トム・ヘイゲン(画像左側)が言うセリフ、「(ゴッドファーザーは)悪い知らせほど早く知りたがりますから」が、なぜだか強烈に記憶に残っています。

高校時代は、これはわざわざ公開初日に、「エクソシスト」を見ました。以来、ホラー映画はずっと苦手です!(でも、友人同士で、例の緑の液体(?)を撒き散らすリンダ・ブレアを演じあいました。そうです、何人かで、みんなリンダになって、架空の液体をかけ合うのです。きたね~!)

とまあ、こんなことを書いたわけです。あす以降、やっとソウルフルな話に入れそうです。(がんばろ~)

2009年3月3日火曜日

あれやこれや


これはもう発表してもいいでしょう。実はレナさんが、来年度から、今わたしのいる明治大学の理工学部で授業をしてくれることになりました! で、今日は打ち合わせの会議があったので、レナさんも来てくれました。フランス語スタッフの中では最年少なので、みんなに可愛がられていました。まあね、実際可愛い人です!

http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=30X4dvgBvOk&feature=related

(この曲は、70年代ディスコ・シーンを席捲しました。わたしたちは、メンバーの一人であるニック岡井さんの新宿の店、GET に通い詰めていました。それはともかく……)


ただ、実際にレナさんに授業を受けることになるだろう学生たちは、今はまだ高校生で、卒業前にひと暴れ! なんて考えてる頃でしょう。彼らはわたしたちが待っていることも、ここでこんなことが書かれているのも知りません。不思議な気がします。

なんだか話が逸れますが、出会いってそんなものかもしれないですね。その時になるまで、それは見えません。

そういえば、少し前に言ってましたね、6人知り合いをたどれば、世界中のどの人とでも具体的な関係があるはずだ、と。

先日、200~300人くらいの人が出席している会に出たのですが、そこでわたしが知っているのはたった一人でした。が、当然その会の中心人物は、出席者全員を知っているのですから、そこにいらした方々はみんな、わたしから見て2人目です。外国の方もいらっしゃいました。ということは…… やっぱり6人たどると、途方もない数になりますね。

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3人同時発表の企画、着々と進んでいます。波戸岡さん本の紹介は、ここで見られます。

http://hatooka.vox.com/

これは波戸岡さんの Début ! ですが、将来有名になりそうな人の第1作、ぜひとも check it out !

2009年3月2日月曜日

ゴタンダ?


先日「さかさま語」のことを書きましたが、それに関連して、ブエノス・アイレス在住の元同級生Yuko さんから、こんなメールが来ました。彼女はイタリアに長く住み、スペイン語で書いた本も出しています。絵も描きます。みなさんは、「ルンファルド」って、聞いたことありますか?

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ルンファルドは、ブエノス・アイレスの方言です。もとはヨーロッパ(特にイタリア)からの移民が、刑務所で監視に話の内容を悟られないように作った言葉なのだそうです。

ルンファルドという単語の語源は「ロンバルディア」だと言われています。 タンゴの歌詞によく使われていますが、「さかさま語」が多い。でも、ルンファルド=さかさま語、ではなく、あくまで、多いというだけです。たとえば、パンタロンがロンパ、タンゴがゴタン。

1962年にはアカデミア・ポルテーニャ・デ・ルンファルドが創設されて、ルンファルド辞典も出ています。http://www.elportaldeltango.com/dicciona.htm ブエノスのスペイン語がイタリア語によく似ているのは、これなんですね、実は。

ところで、最近、グアラニー語をかじっています。美味しい=「へ」って言うんですよ。水は「「ウ」なので、美味しい水で「へウ」。発音が非常にフランス語っぽいので好きです。

それが、パラグアイには海がないので海という単語がないのだそうです。好きなんですよね、こういうの。

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グアラニー語?? 学のないわたしは初耳です! パラグアイなんですね。

それにしても、Guy Roppon、思わぬ広がりです!(きっとまだまだあるんでしょうねえ……)

2009年3月1日日曜日

十字架


「ありふれた奇跡」、だいぶ話が深まってきましたね。この前の回では、またまた池上駅も登場しましした。(ただし、田崎工務店は、おじいちゃんが差したのとは反対方向です。そっちは本門寺!)

この前見たNHKスペシャルによれば…… 恋をしている時、女と男の脳では、それぞれどこが働いているのかというと、

まず両者とも同じように働いている場所があり、そこからはあの快感物質、ドーパミンが出ているそうです。つまり、相手を見るとドーパミンが出て、気持良くなる。すると脳は、再度その経験を求める、つまり恋人に会いたくなる、というんですね。

ところが、女と男で違う場所も働いているそうです。男の脳では、「視覚」が活発になるといいます。でもなんのために? なにを見る?

番組に登場した博士の結論は、「女性の腰のくびれ」を見る、そしてそれは、いい赤ちゃんを産めるかどうか判断しているのだ、ということでした。傍証として、アンケートを取ると、ウエスト:ヒップが、7:10 の女性に人気が集まる、これは出産に適した比率であり、古今の(ヴィーナスとか)女性たちもまあそうなのだ、と言います。

これはどの男の人に訊いてもまず同じ答えだと思いますが、意識の上で、「いい赤ちゃんが産めそう」などという目で女性を見ることはありません。そもそも、それがどんな女性なのかよく分からないし。でも、ドーキンス的な発想でいえば、結果としては、そういうこともあるのかもしれない、とは思いますが。

一方女性の脳はというと、これは「記憶」の場所が活動しているそうです。どうも、相手の男の言動を記憶して、ほんとにちゃんと子育てに参加する男かどうか見極めているのだ、と博士は言います。それは「視覚」的には分からないので、「記憶」を働かせるのだ、と。

これもほぼ同じですね。ドーキンスなら、当たり前だ、というかもしれません。

(ドーキンスは、ご存知でしょうか? 個々の生物は遺伝子の乗りものだ、と言った人です。つまり、わたしたちの行動は、遺伝子に都合のいいようにプログラムされている、というんですね。)

「カナさん」は、この話をどう思うでしょう。というか、こんなこと話題にできません……

それにしても、あんな善い人に、あんな十字架を背負わせるなんて…… それが「ドラマ作り」ってものなんでしょうか……

久しぶりに、次の回が待ち遠しいドラマです。

午後8時


今日の「日曜美術館」は、パリ特集のようですね。もしかしたら授業で使えるかもしれないので、とりあえず録画します!