2021年1月29日金曜日

«Le nouveau projet culturel du Centre Pompidou»

2023 - 2027 までの4年間、
ポンピドゥー・センターが閉鎖されるという発表は、
なかなかの激震でした。
で、
その全館工事のための期間が終わった暁には、
新しいプロジェクトを用意している、というニュース。


まあそりゃ、それくらいはしてくれないとですね。

それにしても2027年かあ……
生きてれば、そして新たなウイスルが蔓延してたりしないなら、
ぜひ見に行きたいです。
(そうだ、それを生きる目標にしよう!?)

2021年1月27日水曜日

「マルセイユ」(シーズン1)

ジェラール・ドパルデュー、ブノワ・マジメルが共演する、

「マルセイユ」

シーズン1を見終わりました。(ネトフリです。)
言ってしまえば、現代のオイディプス王物語、という感じ。


舞台はもちろんマルセイユ。
20年以上市長を務めたロベール(ドパルドュー)は、
チェリストである妻の病気もあり、
引退して、自分に仕えてきた副市長ルカ(マジメル)に、
その座を譲ることにします。
が、
そのまま禅譲かと思われたときルカは、
ロベールの最後の大仕事、港の再開発計画に対し、
公然と反対票を投じ、
この計画を潰してしまします。
権力は、譲られるものではなく、奪い取るものだ、
とるかは嘯き、
ここで二人の対立は避けられなくなり、
ロベールは引退を翻し、
自らも市長選に立候補することにします……

この物語に深くかかわってくるのは、
ロベールの娘、ジュリアです。
彼女が、いわばトリックスター的に、
さまざまな動機を励起し、またかき混ぜます。
そして物語が進む中で、
実は、ルカがロベールの隠し子だったことが判明。
そしてルカは、それを知った上で行動していたも分かります。

フェリックス・ピアット(Félix Pyat)という地名も、
たびたび出てきますが、
これは、マルセイユ市の第3区の中の、
1つの地区に相当します。
シテが並び、貧困と、麻薬が蔓延する地域です。
この地区と、ロベール、ルカ、ジュリア、
それぞれとの関係が、
シーズン2以降、より大きな意味を持ってきそうな予感があります。

正直言って、
少しゆるいと感じられる部分もあるのですが、
ちょっと齢とって、
ちょっと雰囲気が変わったブノワ・マジメルが、
やっぱり魅力があります。
またジュリアという女性の、
奔放で行動力があるところも、
魅力の一つです。

シーズン2も、引き続き見ていきます。

2021年1月25日月曜日

『奥様は妊娠中』

さて、やっとフレンチ・フィルム・フェスティヴァルを見始めました。
今日は、成績付けの後でちょっと集中力に」自信がなかったので、
何か軽めのものを、
と思って見始めたのが、

『奥様は妊娠中』(Énorne)2020

です。
マリナ・フォイスが出ています。


ある夫婦、
妻は、心配症で、デリケート過ぎる、有名ピアニスト。
夫は、こまごまと気の利くマネージャー。
二人は演奏旅行で世界を巡っています。
で、そうした生活を続けるため、
子どもは作らないことで合意していたのですが、
ある時、機内での緊急出産に立ち会った夫が、
唐突に子供が欲しくなり、
妻に飲ませるはずのピルの代わりに、
似たようなお菓子を渡し、
結局、妊娠させてしまうのです。
当然妻は、戸惑い、怖れ、
事情を知った後は夫を家から追い出しますが……
というお話。

今見終わって、
おろしろかったんです。
ただそれは、映画のラスト、
ラヴェルのピアノ協奏曲の第二楽章が、
とてもいい感じで流れるので、
その印象に引っ張られたところもあります。
とはいえもちろん、この曲がここでいいなと感じられるのは、
映画の90分があったからでもあり……

なぜこんな中途半端な言い方になるのかと言えば、
夫が妻を妊娠させたそのやり方を、
強く批判する立場もあるからです。


フィクションとはいえ、
こうした意見を完全に無視することはできません。
が……
それでもわたしは、
映画としては、意欲的で、
なかなか良かったんじゃないかと思いました。

2021年1月24日日曜日

ワイン・グラス


こんな状況になって、
めっきり外食が減りました。
で、この半年の間に、
「内食」に関わるものを買うことが増えたのですが、
たとえばワイン。
先日のアマゾン・プライム・セールでは、
5本セットの白ワイン(1本あたり800円未満!)とか、
手の届く赤ワインとしては一番好きと言ってもいい、
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとか、
さらには、まともなグラスが1つもなかったので、
ちょっとがんばって、リーデルの
「ピノ・ノワール/ネッビオーロ」
を買って、これは割らないように慎重に、
ほとんど毎日使っています。
(つまり、白ワインにも使ってます!)

でも、さすがにワイン用グラスだけあって、
たしかにグラスの中に、
香りが充満するように感じられます。
それを吸い込みながら飲むと、
Mmm、たしかにおいしさが増すかも。

今夜なども、それでついつい飲み続けてしまい、
YouTube を梯子することに。
(リビングのテレビに、
YouTube もアマプラもネトフリも繋がっています。)

外食の雰囲気は嫌いじゃないですが、
当分は、内食が続きそうです。
長丁場になりそうですから、
なにかしら楽しみを見つけないと、ね。

2021年1月22日金曜日

『軽い男じゃないのよ』

『軽い男じゃないのよ』

をネトフリで見ました。
主演は、ヴァンサン・エルバーズ。



ダミアン(エルバーズ)が標識に頭をぶつけ、
目覚めるとそこは、男と女の社会的立場が入れ替わっている世界。
プレイボーイだった彼は、
逆に女性たちから「可愛いね」と言い寄られ……
という話。

単純、かと思いきや、
実際に男女の立場、物言い、身のこなし、などが入れ替わった場面を見せられると、
想像だけとは違うリアリティーがあります。
で、ずっと見ていくと、
実はこれは、現世がひっくり返ったわけではなく、
パラレルワールドだったのがわかってきます。
最後のオチも、ちょっと気が利いている……
拾い物、という感じでした。

ヴァンサン・エルバーズは、
つい先日見た『ザ・ゲーム』にも出ていましたが、
わたしが一番印象に残っているのは、なんといってもこれ。

休校を

このニュース、


これを見ると、
3週間でいいから、小中高大、
すべて休校にすべきだと感じます。
(あるいは、オール・オンラインに。)
感染力の高い変異株、
それが子どもたちの間で広まると、
やがては大人たち、高齢者たちの間にも広がるでしょう。
今のうちに、
まだ芽のうちに、
摘み取っておいた方がいいと思います。
ましてやオリンピック決行なんて、
インパール? ガダルカナル?
撤退することを学ぶのは、
とても重要なことでしょう。
私欲とマチズモを捨てて。

2021年1月21日木曜日

YONEXマスク

テニススクールの「マスク抽選」に参加したところ、
運よくこれをゲットできました。


これ、いい感じ。
もちろん、人の多い場所へ行くときは不織布マスクを使いますが、
コートに4人のテニスの場合は、
スポーツ用マスクを使っています。
でこれまでは、ミズノの夏用のものを使っていて、
これはこれで悪くないのですが、
今日初めて YONEXマスクを使ってみたところ、
ああ、こっちのほうがいい、
と感じました。
その理由は、まず、肌あたりが柔らかいこと、
紐の長さを調節できること、
でこの紐も柔らかいこと、
そしてなんといっても、
横のワイヤーに加えて、
鼻の縦ラインに沿うようにもワイヤーが入っているおかげで、
息がしやすいこと、です。

どの程度入手しやすいのか、しにくいのか、
よくわからないのですが、
スポーツするには、とてもいいマスクだと思いました。
(値段は 1100円です。で、リヴァーシブル。)

2021年1月19日火曜日

ポリフォニック映画時評、開始!

わたしの研究室に所属している、
博士課程のシンサクくんと、
この春、修士に入学予定のリョウタくん。
二人が、シネフィル魂(!)を賭けて、
「映画時評」を始めました。
これです!


論文を書くときは、
いろいろ決まり事もあるわけですが、
ここでは、もっと自由に、気楽に、
とはいえ、単なる印象批評には終わらない、
ある深さをもった映画時評を目指しています。
(そのはずです!)

週1で更新予定ですので、
よかったら読んでみてください!

2021年1月17日日曜日

『ルパン』終わり……?

ネトフリの『ルパン』、
あっという間に終わっちゃいました。
というか、全然終わってません!
いくら何でも中途半端なんですが、
続きの配信は決定しているようです。
(当たり前!)

アマプラでは、
『最高の花婿』と、その『Ⅱ』を見ましたが、
後者はあんまりおもしろくなかったです。
どうせ深みはないわけだから(失礼!)、
せめておもしろくして欲しいです。

『最高の花婿』で、
今回初めて気づいたのは、
ヴェルヌイユ家の奥様が「マリ」で、
コフィ家の奥様が「マドレーヌ」。
つまり二人合わせると「マリ・マドレーヌ」で、
これって「マグダラのマリア」の異名です。
やっぱり、けっこうカトリックな映画なんですねえ。
(じゃあ、
「マグダラのマリア」が付き従ったイエスに当たるのは、誰……?
シャルル?)
ただ、コフィ家の父親を「アドルフ」にしたのは、
いかがなものでしょうねえ?

今週の宿題

授業が再開し、テニスも再開し、
大学業務もまた再開したので、
微妙に落ち着かない一週間でした。

フランス語の授業では、
テキストが終わったので、
RFI のニュースから宿題を出しました。

まずは Google のもめごと。

« Don’t be evil » ne soyez pas malveillant est depuis la naissance de Google son slogan informel, et d’ajouter « si vous constatez quelque chose d’incorrect, dites-le ». Mais c’était il y a 20 ans...   depuis, les salariés de Google ne sont plus autorisés à prendre la parole et ne peuvent plus consulter de documents sans autorisation. Le fleuron de la tech s’est éloigné de son pilier identitaire. Et c’est précisément pour avoir osé rappeler à ses dirigeants sa devise que quatre salariés ont été licencié fin 2019. Depuis rien ne va plus à la firme de Mountain View, les divergences sont devenues monnaie courante, avec le licenciement en décembre d’une chercheuse noire travaillant sur les questions d’éthique en lien avec l’intelligence artificielle. 

赤字の部分、
強調構文で、ただし、
強調されている部分が完了不定詞、
que 以下が複合過去で、
つまり、スローガンを思い出させた(=不適切な点を指摘した)結果、
解雇された、ということなんでしょう。
これは強調される前のふつうの文に戻してから考えたほうが、
分かりやすいでしょうけど、やっぱり難しいですね。
でも、できた学生もいました。

そして、Schwarzenegger の発言について。

Installé à son bureau, les drapeaux américain et californien derrière lui, Arnold Schwarzenegger s’exprime durant près de 8 minutes. 
« J’ai grandi en Autriche, je sais ce qu’était la Nuit de cristal. Une nuit de terreur et de violences contre les Juifs menées en 1938 par l’équivalent nazi des Proud Boys». Né 2 ans après la Seconde Guerre mondiale, Arnold Schwarzenegger évoque son enfance et se rappelle des ravages de l’idéologie nazi. Pour lui, la rhétorique utilisée par les groupes d’extrême droite et certains partisans de Donald Trump reposent sur la même mécanique. « Tout a commencé par des mensonges, des mensonges et de l’intolérance ». Arnold Schwarzenegger a également adressé de vives critiques à Donald Trump. « Donald Trump est un dirigeant raté ! Il restera dans l’histoire comme le pire président ! Il a tenté un coup d’état en manipulant les gens avec des mensonges. Mais il sera bientôt aussi insignifiant qu’un vieux tweet ».

こちらは、この動画がヒントです。


ちょっとヒント過ぎた!?

2021年1月13日水曜日

『ルパン』

オマール・シー主演のドラマ、『ルパン』、見ています。
ただ、5話しかないので、
ちょっとずつ(!)見てます。
で同時に、ドパルドュー主演の『マルセイユ』も、見始めました。

で、今日見ていた『ルパン』の中で、

j'accuse

という名前の犬が登場しました。
これはもちろん、ドレフュス事件の時、
ゾラが大統領あてに発表した公開状、

J'accuse... !

から来ているわけです。
そしてその飼い主は、
無実の罪を着せられた男の名誉回復に、力を貸すことになるのです。
犬の名前に主語と動詞を使うっているのは、
なかなか斬新ですね。

そうそう、物語の途中には、
ディープ・フェイクなんかも出てきました。
もうドラマに登場してるんですね。
今後、どんどん増えそうです。

演出も、脚本も、
工夫はあると思いますが、全体に軽くて、
そのへんが、
韓国ドラマ的な迫真性には至っていないのですが、
食後に、まさに軽く見るにはおもしろいです。

2021年1月10日日曜日

『フランスでは有名人』

ガッド・エルマレが主演したドラマ・シリーズ、

『フランスでは有名人』

を見終わりました。


話は単純で、
フランスでは超人気コメディアンになったガッド本人が、
仕事に疲れ、
やっぱり家族のいる生活がしたいと思っていた矢先、
アメリカから郵便が。
それは、元妻からのもので、
二人の息子に関する権利関係の書類にサインして欲しい、
というのでした。
閃いたガッドは、
アポなしでアメリカの元妻のところに向かいます。
が、彼女はもう長らく、
別の男性と暮らしていて、
ティーンエイジャーの息子は、
この新しい父親と二人三脚で、
モデルの道を目指しているのです。
しかもガッドは、異国アメリカでも、
VIP として扱われるはずと思いきや、
そんなことはまったくなく……

このドラマは、食後の休憩時とか、
疲れた日の風呂の中とか、
そんな隙間で見ていたのですが、
まあ長くないので、
気づいたら終わっていました。
特に面白いわけでもないんですが、
まあ、見てられるというか。
アメリカとフランスの価値観の違いも、
やや戯画的ですがにじみ出ていて、
そのへんはおもしろかったです。

この頃は、
野球もないし、
テレビはつまらないし、
ついネトフリ時間が多くなってしまいます……

Fadily Camara & セネガル

ファディリー・カマラの、

La plus drôle de tes copines (「ユーモアのセンスはピカイチ」)

というステージを、ネトフリで見てみました。
おもしろかったです。
(が、フランス語は、英語交じりだし難しかった!)

違うヴィデオですが、Fadily Camara ってこんな人です。


いわゆる、ユモリストってやつですね。
上に上げた動画でもそうですが、
彼女のネタは、アフリカ系あるある、みたいなのが多いです。
彼女の母親のネタも、広い意味ではそんな感じ。
アイデンティティー・ジョーク、
なんて言葉はありませんが、
まあ、そういう系列と言えるでしょう。

で、ネタの中で彼女は、
父親が、セネガル、モロッコ、ギニア、の血を引いていて、
母親はギニア系だ、と説明していました。
なんだか、このごろ、
よく「セネガル」と遭遇する気がします。
ちょっと振り返って整理しておくと、

・ファディリー・カマラ
・『テイスト&カラー』のイケメン・シェフ、ワリ。
・『アトランティックス』は舞台そのもの
・『ルパン』のオマール・シー

そうそう、これはまだ書いてませんでしたが、
やっぱりネトフリで、『ルパン』を見始めたのですが、
ここで(現代の)ルパン役を演じるオマール・シーが、
セネガル出身だという設定になっています。
第1話では、それも1つの意味あるファクターとなっています。

セネガルについては、
以前、これをあげたんですが、


完全に、更新する必要がありそうです。

2021年1月8日金曜日

confinement

フランスのニュースを聞いていて、
この confinement(外出制限)という語を聞かない日はない気がします。
もちろん、日本のコロナ関連ニュースも、
わりとよく読んでいます。

そのなかで、今日読んだこれ、


この「Xファクター」なるものが、
ある、と思っていたわけではありません。
いや……、それはウソかも。
心のどこかでは、
あって欲しい、と思っていたのかもしれません。
というのも、この記事を見た時、
ちょっとショックを感じたからです。
ここまできて、
こんな首相で、
こんな首長で、
この程度の検査数で感染者が7000を越えて、
もう1万は目の前で、
となると2万、3万も見えてきて、
そうなればもう、十分英仏並みです。
この記事が予告しているのは、
そういう事態なんでしょう。

もちろん、いろいろ気を付けてはいます。
布マスクはやめて、不織布のものにかえたし。
でも、「本番」はここからだとしたら……

長丁場を、もう一度覚悟しなければならないようです。
しんどいですが、
なんとかペースを作って、
一日一日を送っていきましょう。

『テイスト&カラー』

ネトフリにあった

『テイスト&カラー』

というフランス映画を見てみました。
原題は、

Les Goûts et les Couleurs 

で、これは

Des goûts et des couleurs, on ne discute pas.

「好みについては、論議しない」→趣味はそれぞれ、
という表現を踏まえているのでしょう。


結論から言えば、
なかなかおもしろかったです。

パリ、シモーヌとクレールは、
もう3年も一緒に暮らしているレスビアンのカップルで、
結婚を考えています。が、
実はシモーヌの実家は敬虔なユダヤ人一家で、
彼女に早く(異性との)結婚をするようにうるさく言ってきます。
そしてシモーヌはどうしても、
クレールとの結婚について切り出せないのです。
そんな時、シモーヌは、
職場近くのビストロのイケメンのシェフ、ワリと、
関係を持ってしまいます。
ただしこのワリはセネガル系で、
とりわけ彼の友人たちは、
ユダヤ嫌いなのです。
ワリの家族も、白人でユダヤ人の女性というだけで、
シモーヌに拒否反応を示します。
シモーヌは、クレールを愛しながら、
ワリのことが気になって仕方ないありません……

テーマとしては、
ユダヤ人というアイデンティティー、
性的多様性、
家族というもの、
などがすぐに目につきます。
そしてこれらが、うまく絡み合って表現されています。
また「パリ」については、
ワリが働いている13区のビストロ、
彼のアパルトがあるオーベルヴィリエ、
さらにはワリの実家があるマルセイユも登場します。
(ただ、都市に対する意識は高くはないようですが。)

結末も意外で、
でもまあ、これしかないような気もするし、
ちょっと「変わった」、
でもいい映画だと思いました。

ネトフリは、
字幕を切り替えると、
フランス語字幕も出ます。
何度でも見られるわけですから、
日本語字幕、フランス語字幕、
そして字幕なしなど、
フランス語の勉強にもとっても役立ちそうです!

MyFrenchFilmFestival 2021

今年もその季節がやってきました。


真っ先に見たいのは、わたしなら、

Filles de joie

かな。

Camille

もおもしろそう。

2021年1月7日木曜日

りんご

朝は、まずリンゴから始めています。
先日スーパーで買ったサンフジがおいしかったので、
翌日も行って、
同じものを20個ほど買ってきたんですが、
やっぱりおいしくて、いい選択でした。
で、
夜、風呂の後にも、
リンゴを食べます。
これは半分くらいですが。

でも、夜、静かにリンゴを剥いていると、
ナイフがリンゴの皮を削り取っていく音も、
発泡するようなリンゴの甘酸っぱい味わいも、
より鮮明に感じられます。

というわけでこのごろは、
リンゴに始まってリンゴに終わる日々です。

そうそう、
今日(というか昨日)、眼科に行って、
幸いもう眼底に出血は見られないことを確認しました。
とりあえずよかったです。
(ご連絡頂いた方は、ご心配頂きありがとうございました。)
結局原因が(加齢以外)よく分からないので、
またいつか同じことが起きるかもしれませんが、
そのときはそのときで!

というわけで、
来週からテニス再開できそうなので、
(営業自粛にならない限り)
それまでに、ガットでも張り替えておくことにします。

2021年1月6日水曜日

回す


日本における「経済」という語の使い方が、
「経世済民」から遠く離れてしまった歴史は受け入れるとして、
ただそれでも、
このところイヤになるほど聞かされている「経済を回す」という表現には、
いまだに違和感を禁じ得ません。

と思っていたら、
小田嶋隆さんが、
さすがの tweet をしていました。

***********************

「経済を回す」という言い方を好む人たちは、
回す労働に従事する人間と、
回すことによって利益を得る人間が別であることを十分にわかったうえで、
「おまえら回せよな」
と言っている。
私は、「経済を回す」というこの言葉を聞くたびに
「一人で勝手に回ってやがれ」と思うことにしている。

********************************

ナイス。

『アトランティックス』

最初に言ってしまいますが、
とてもいい映画を見ました。

『アトランティックス』

です。
(ネトフリで見たんですが、
これ1本で、今月分は元取りました。)


ストーリーは、一見単純です。
セネガルの、ダカールにほど近い海辺の街、
恋仲のティーンがいて、
でも、スレイマンは働いても働いても金が入らない、
アダは、10日後に、親の決めた男との結婚の予定がある……。
で、スレイマンは、
アダに別れを告げることができないまま、
スペインに移民すべく、密航船に乗るのです……

というところで、
まだ物語の20%くらいで、
その後、思いもしなかった展開を見せます。
ただ、この映画が素晴らしいと思うのは、
その意外な展開ゆえではありません。
そうではなく、もう、
たとえばアダがただ歩いているシーン、
ただ寝転がっているシーン、
スレイマンがトラックの荷台で揺られているシーン、
そして海……
どれ一つとっても、
ああ、これが映画だ、という感触があります。
音楽もいいし。

退屈な映画を見た時には、
テンポが遅すぎる、と思うこともありますが、
この映画のゆるやかなテンポの魅力を前にすると、
やっぱり映画はテンポだけじゃないことを再認識させられます。

何か書くと、映画の内容に踏み込んでしまうので、
今回は書きませんが、
とにかく、最近見た中では一番おもしろかったです。
恋愛映画であり、移民映画であり、
格差を描き、生と死を描いています。

この映画は、カンヌのグラン・プリを獲っています。
ふだん、そうした賞はあまり気にしないのですが、
これをグラン・プリ(ってのは2位なんですが)にするなら、
カンヌはやっぱり捨てたもんじゃない、と、
(つい上から!)思ってしまいました。

それから言葉ですが、
基本はウォロフ語のようです。
ただおもしろいのは、
なにげなく、スピードや抑揚を変えるでもなく、
ウォロフ語の途中にフランス語が挟まっていることです。
それも、
Merci. Voilà. SVP.
くらいならともかく、
(これくらいならレバノン映画でも聞こえてくることがあります)
思い出せるだけでも、
Ça va aller.
C'était pas pour ça.
Vous allez voir.
Il a beaucoup fait pour vous.
など、
短い決まり文句的ではあるけれど、
1単語とかではなく「表現」が使われていて、
不思議な感じでした。
きっとフランス語もできるんだろうな、という感じ。

そして、これが長編第一作だという、Mati Diop のインタヴュー。
(彼女の父親は、セネガル系のミュージシャン、
叔父は映画人のようです。)

2021年1月5日火曜日

「菅氏、1日307万円×2822日支出」

で、つまり合計、86億円だと。


そしてこれとは別ですが、
自民党は、今、議員年金復活に向けた議論に入ったとか。

暇なのか?

『アンカット・ダイヤモンド』

アメリカの批評家の間ではとても評価の高かった

『アンカット・ダイヤモンド』

をネトフリで見てみました。


賭博に溺れた、ユダヤ人宝石商、ハワード。
彼は、エチオピアの鉱山事故の際発見された、
「ブラック・オパール」と呼ばれる宝石を、
10万ドルで入手します。
この幸運を、彼は100万ドルにしようと企み、
有名プロ・バスケット選手に接近。
上手くいくかに見えましたが……
というお話。

ハワードを演じるアダム・サンドラーは、
すでに長いキャリアを持った俳優ですが、
ちゃんと見たのはこれが初めてでした。
で、ほかは見てないのに、
これがハマリ役なのはよく分かります。
彼の映画に見えました。

そしてこのハワードの愛人ジュリア、彼女は
「美人」(←隣の住人の言葉)で、
「尻軽」(←浮気がばれてハワードにそう詰られる)で、
やさしくて、
ハワードを愛している……
これは、ハワードならずとも、
男性的なファンタスムの一つの典型なのでしょう。

で、この映画は、
このジュリアの存在も含めて、
フィルム・ノワールにかなり接近しているように感じられます。
スコセッシや、コーエン兄弟の作品と比較している評もありましたが、
よく分かります。

そういえば、スコセッシの新作が、
ネトフリにあったような……

2021年1月4日月曜日

「ボイス3」

「ボイス1」は AmazonPrime で、
「ボイス2」は Netflix で見られたのですが、
両者とも「3」は」配信しておらず、
初めて GYAO を使い、「ボイス3」を見ました。
全16話ですが、退屈しませんでした。


実は、「2」と「3」は1続きの物語です。
誰かが捕まると、実はその背後に別の人間がいて、
物語はどんどん奥が深くなってゆきます。

16話もありますから、
途中には、メインの物語とは別の事件もたびたび起こるのですが、
わたしとしては、
実はこちらがおもしろかったです。
韓国社会のさまざまな局面が垣間見られます。
イ・ハナ演じるセンター長は、
色恋とまったく関わらないヒロインで、
これはこれですっきりしていました。

<以下、ネタバレあり>

で、メインの物語ですが、
実はこれは、最終盤になってやっと分かることなのですが、
物語の骨格は、「カインとアベル」なのでした。
そういえばどこかで、
「番人」という言葉も出てきたような気が……
こんなキリスト教的な背景が出てくるとは、
考えてもいませんでした。

猟奇的な部分はちょっと引くし、
やや幼い感じもあるんですが、
全体としては、おもしろかったと言えそうです。

2021年1月1日金曜日

J'irai où tu iras

さて、今年の1本目、
やっぱりこれから始めよう、
と思って見始めたのが、

J'irai où tu iras


監督がジェラルディン・ナカシュ、
主演が彼女自身とレイラ・ベクティ、とくれば、
これはもちろん、
大好きなこの映画を思い出します。


この映画との間にどんな文脈を見つけられるのか、
そんな気持ちで見始めました。

舞台はナント。
気のいい、ちょっと変わり者の父親は、
明日から化学療法を始めることになっています。
その彼には娘が二人、
セラピストのミナと、
歌手志望で、
セリーヌ・ディオンのバック・コーラスのオーディションが控えているヴァリです。
ただこの二人、うまくいっていません。
もう1年以上も会っていないのです。
そして、いつもヴァリの世話に明け暮れている父親は、
病気のことを隠してきたのですが、
とうとう入院する日とパリでのオーディションが重なってしまい、
ミナに送迎を頼むのです。
最初は断ったミナでしたが……
というお話。

軽い、というのか、
サラサラッと最後まで来てしまう映画でした。
悪いわけじゃないんですけど、
グッとはきませんでした。
デキだけ言えば、
Tout ce qui brille には遠く及ばない印象です。

ただ、二人とも、
大人になったなあ、という気にはなりました。
当たり前ですけどね。

2021


あけましておめでとうございます!

今年は、奮発してフレンチおせちを注文してみました。

お屠蘇の代わりに、朝からワイン、いっちゃいました!