2009年5月31日日曜日

99歳


ライブに行く機会の多かった5月、締めは「タンゲーラ」。渋谷の文化村でした。

が、雨の中期待していったのに、結果は…… はっきり言いましょう、ハズレです。

最後は、なんだかスタンディング・オベーションにまでなったのですが、ちょっと信じられない感じ。セットはおざなりだし、演出は変化がないし、音楽は録音! そりゃないでしょ。

『マクベス夫人』の深さは望むべくもなく、『コルテオ』の楽しさには遠く及ばない、残念な舞台でした。まあねえ、この頃アタリが続いていたので、そろそろハズレごろではありましたが。

でも、めげずに、これからも物色します!

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さて日曜日です。今日はカリブから、99歳の新人の登場です。どうぞ!(音は50秒あたりから入ります。)


新譜が出てるんですねえ!(画像)

2009年5月30日土曜日

メリッサ讃



今日は夜から、ラ・フォーレ原宿でのコンサートに行ってきました。

出演は、以前ここでも紹介したメリッサ・ラヴォーと、フランスでは人気のあるモリアティー、その他日本人歌手1名です。

結論から言うと、メリッサは期待通り。というか、ああこの人はうまいんだなあと、改めて思いました。といっても、わたしが彼女のファンであるのは、歌がうまいから、ではないんですけど。

わたしが思うに、メリッサのの良さって、伝わりにくい部類に入るのでしょう。かく言うわたしも、CDを1,2回聞いたところでは、まあこんなもんかなあ、と思っていたのです。それが、さらに繰り返し聞き、少しずつ好きな歌もできてくると、あらあら不思議、いいんですね、これが。

こうなったら、やっぱり挙げときましょう。


わたしにとっては、今年上半期のベスト・アーティストです。(あと1か月ありますけど。)そしてモリアティー。彼らのことは知っていて、you tube で確認したりはしていたのですが、いまひとつピンときませんでした。それがなんと、けっこういい! やっぱり、ちょっとyou tube 見ただけで判断しちゃあいけませんねえ。一見ふざけているのですが、かなりきっちり作りこまれた音楽、という印象でした。そして彼ら、顔がいい。にやけてないし、自意識過剰じゃないし、懸命な感じ。彼らは言いました、Next song is a ハデハデ song. That is called Jimmy.


このビデオでは、カメラ内に収まるべく、かなり動きを抑えています。実際はもっと激しい! Tom Waits のカバー曲(Chocolate Jesus)もやったのですが、そういえばちょっとTom Waits にも近い感じです。

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毎日同じ話題で恐縮ですが、大連旅行記、今日で40枚は越えました。今2日目の午前です。う~ん、この分だと、60枚は越えそうです。楽しいですねえ、あてもなく書くっていうのは!(画像は人民広場の婦警さん。)

2009年5月29日金曜日

ミーティング


二日間お休みしてしまってすみません。実は、忘れないうちに、と思って旅行記を書き始めたところ、なんだか妙にハマッテしまい、昨日は気づいたら結構な時間でした、今日は1時間目からなのに!

まあ30枚くらい? という感じで始めたものの、頼まれた仕事でもないし、好きなように書こう、と思って書いていたら、まず最初の5 枚くらい書いたところで、まだホテルに着いてない!  で、昨日は授業もあったのですが、なんだかそのことばかり考えていて、帰宅してから書き続け…… 昨日の時点で25枚くらい。で、まだ一日目の夕食中です。これは、そうですねえ、50枚は越えるかもしれません。(長くなればなるほど、発表する場所がなくなるのに!)

で今日は、前回流れた楊君とのミーティングを行うことができました。楊君、まだ3年生なのですが、いやあ、「国」とか「歴史」とか「経済」などについての見方は、同世代では群を抜いているのではないかと感じました。

彼は生れは瀋陽で、その後瀋陽、東京、大連を、何度も何度も行き来し、とても多くの転校を経験しています。そして高校からはお母さんのいる東京に落ち着き、今に至っているそうです。

彼は国籍は中国ですが、今は中国語より日本語のほうがうまくなって、ちょっと複雑、と言っていました。老婆心ながら、あとは英語を、とわたしは言ってみました。彼が英語も使えるようになれば、将来、かなり仕事の幅が広がるのは、ほど間違いないでしょう。

たとえ日本の企業に就職する場合でも、仕事を通じて、故郷瀋陽の発展に一役買いたい、そう彼は言っています。大志を抱く若者というのは、見ていていいものですねえ。(画像は、ホテル近くの商店街にて。)

2009年5月26日火曜日

大連・2


大連滞在中は、とりわけ2人にお世話になりました。

1人は、まだ19歳の宋クン。彼を紹介してくれた(若い女性の)先生は、管さんや波戸岡さんの学会仲間だそうです。中国では、日本語はもちろん英語もなかなか通じません。だから宋クンの存在は、とても大きなものでした。(宗クンとわたしたちの会話は、英語です。まあわたしだけは、中学生並みの英語で通しました!)

内モンゴル出身の彼は、大連に詳しいというわけではないのですが、わからなければ走っていって通りがかりの人に訊いてきてくれます。元気だし、とてもいい子でした。(前日には、わたしたちが希望した見学場所を下見しておいてくれたそうです。驚きました。)彼が、希望している上海の大学院に行けることを祈っています。

そしてもう1人は、旅行会社のRさんという女性。彼女は、わたしたちを空港からホテルまで送り届けるのが仕事なのでしたが、車中で意気投合し、翌日の夕方から一緒に遊ぶことにしたのでした。

彼女は、実は大阪大学に4年、大学院に2年いたそうで、大阪弁混じりの日本語が魅力的です。まだ20歳台で、なんというか、力のある声でした。(でも大阪では、「声が大きいよ!」と、何度も言われたそうです。)

彼女は、今の大連を知っているし、日本語で細かいニュアンスまで表現できるので、結果的に、とても重要な「情報源」にもなってくれました。元気な、いい娘さんでした。

彼ら2人と出会えたことも、今回の旅行の喜びとなりました。(*画像は屋外で麻雀中のみなさん。昔の様子を教えてもらいました。)

2009年5月25日月曜日

大連PHOTO・5

女子たち。

大連PHOTO・4

床屋さん。

大連PHOTO・3

アカシアと街。

大連PHOTO・2

路上のバーベキュー屋さん。煙がすごいです。

大連PHOTO・1

来る「こどもの日」のための飾りだそうです。

大連・1


お久しぶり! ということで、大連旅行無事完結、東京に戻ってまいりました。

今回の3泊4日、天気はすべて快晴、ホテル(ホリデーイン・大連)はロケーションもよく、過不足ないサービス。食事はどこもおいしいし、予定していた場所はすべて巡ることができ、その結果新たな発見にも恵まれ、まあ申し分のない4日間でした。120点! という感じです。

ただ、旅行自体が快適だった第一の要因は、やはり同行の2人(同僚の管さん&波戸岡さん)にあります。同僚と調査旅行をしたのは初めてですが、こんなに楽しいとは思いませんでした! 感謝!(わたしがいなかった間、会議に代理出席してくれた同僚にも感謝。)

で大連です。上の写真は、山の頂上にあるTV塔から、リフトで降りてくる途中です。(このリフト自体、労働公園という大きな公園の中にあります。)そして写真の下のほう、白く見えるのがアカシアの花です。市内では、もう散り始めていたアカシアも、ちょっと上ると、まだ美しい花をつけていました。

中心部のみならず、たくさんの高層ビルが建っているのですが、一方でその足元では、靴磨き屋さんやら、路上床屋さんやら、刃物研ぎ屋さんやら、サクランボ売り屋さんなどが、ぽつぽつと、店を出しています。(サクランボは、大きなかごに盛り付けて、それを手で持って「行商」する人たちとも多く出会いました。)

そしてあふれる人、あふれるクルマ。東京のどんなワガママなドライバーも、大連でハンドルを握れば、これはもう借りてきたハムスター。とても太刀打ちできません。ということは…… 道を渡るのは命がけです。みんな(でもないですが)、ボクサーのようにクルマをかわして渡ってゆきます。中国から、ボクサーの世界チャンピオンが出るのはもうすぐでしょう! バスでさえ、急発進急停車は当たり前。ヘビー級の体を揺らして車線を行き来します。そして中央分離帯はもちろん、車線と車線の間のそこここに人が! とてもじゃないですが、i-pod を聞きながらなんて運転できません。

とここまで書きましたが、眠くなってきました。昨日の睡眠時間は、1.5 時間!(←しゃべりすぎ)というわけで、明日また続きを。(写真だけ、以下少しあげますね。)

2009年5月21日木曜日

感情的な


お葉書頂きました。(Merci !)どうやら、「東京詩」の宿題に個人参加していらっしゃる! ならば、今週の宿題も紹介いたしましょう。まずはこれを。


感情的な唄   岩田宏


学生がきらいだ
糊やポリエチレンや酒やバックル
かれらの為替や現金封筒がきらいだ
備えつけのペンや
大理石に埋ったインクは好きだ
ポスターが好きだ好きだ
極端な曲線
三輪車にまたがった頬の赤い子供はきらいだ
痔の特効薬が
こたつやぐらが
井戸が旗が会議がきらいだ
邦文タイプとワニスと鉛筆
ホチキスとホステスとホールダー
楷書と会社と掃除と草書みんなきらいだ
脱糞と脱税と駝鳥と駄菓子と打楽器
背の低い煙草屋の主人とその妻みんな好きだ
バス停留所が好きだ好きだ好きだ
元特高の
古本屋が好きだ着流しの批評家はきらいだ
かれらの鼻
あるいはホクロ
あるいは赤い疣あるいは白い瘤
または絆創膏や人面疽がきらいだ
今にも泣き出しそうな教授先生が好きだ
今にも笑い出しそうな将軍閣下はきらいだ
適当な鼓笛隊
正真正銘の提燈行列がきらいだきらいだ
午前十一時にぼくの詩集をぱらぱらめくり
買わずに本屋を出て与太を書きとばす新聞社の主筆がきらいだ
やきめしは好きだ泣き虫も好きだ建増しはきらいだ
猿や豚は好きだ
指も。


ご存知岩田宏の代表作、「感情的な歌」です。今回の宿題は、「わたしの感情的な歌」を書くこと。これ、けっこう楽しいです。この形式をそのまま踏襲するのが条件なので、かえって書きやすいでしょうし。お時間があるとき、どうぞトライしてください。ほんとに楽しいです!

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というわけで、明日から月曜まで、大連に行ってまいります。みなさん、どうぞよい週末をお過ごしください。では、月曜に!!

この出会い


昨夜は、とても印象深い「出会いの夜」でした。写真家・藤部明子&デザイナー・ミルキー・イソベのクロストークに参加したのでした。

自分のわずかな経験でいっても、本作りは、ほんとうに共同作業。写真家一人、作家一人がいても、なにもできない。編集者やデザイナーやオペレーターやもっともっと、色んな人の力の結晶なわけです。そして……

写真集の場合、ここまで細心の「コダワリ」が必要だということに、今まで迂闊にも思い至りませんでした。画像中の2つの箱の微妙な色合いを、あるいは、白黒写真のグレーの階調を再現しようとする意思…… 見習わないと!

この会については、こちらの文章をぜひぜひ参照してくださいませ。(文章自体の速度感も。)


なにかやらなくちゃ!

2009年5月19日火曜日

新人作家


先日発表になった「文学界新人賞」、今回は、イラン出身の弱冠29歳、シリン・ネザマフィ(画像)の「白い紙」が受賞しました。

で、文学界6月号掲載の受賞作、読んでみました。これはまあ、イ・イ戦争中のイラクを舞台とした、「青春恋愛小説」、なんだか懐かしいくらいの。

たしかに、自己顕示とか、しゃらくさい詭弁なんてものは全然出てこなくて、そういう意味では、端正で、好感が持てました。が、日本語のレベルは、100点とは言えないようです。(もちろん、漢字を使わない国の出身者なので、それはもう大したものにちがいありません。100点ではないというのは、一般の日本の小説として、ということです。)そういえば一昨年、楊逸がこの賞を取った時にも、それに近い印象を持ちました。

今は、たとえば翻訳ものでも、素晴らしい文章で書かれているものがあります。まあ翻訳というのは、半分以上日本語の力なのでしょうね。

で、わたしの場合は、ネザマフィや楊逸などの活躍により、日本の書きものシーンが活発になるのは大歓迎ですが、一方で、この日本語のレベルだと、ちょっと読むのがしんどいなあ、とも思ってしまうのでした。(トータルでは、前者の思いのほうが大きいですが。)

「読む快楽」を引き連れた言葉。それは、望みすぎでしょうか?

2009年5月18日月曜日

大連、から


今日は久しぶりに、気持のいい天気でした。日向は少し暑すぎるくらいでしたが、部屋で仕事するには、最高の天気でした。

仕事、とは言いましたが、実は今日は、今週金曜からの大連遠征に向けて、具体的なチェックをしていました。空港はここだから、市外へはこういうルートでいくだろう、でホテルはここだから、おお、わたしの両親が一時働いていた百貨店(多分もうない)の近くだな、とか。

そういえば今朝の朝日新聞の投書欄は、月一くらいで掲載される「語りつぐ戦争」でした。ある80歳代女性は、満洲からの引き上げの際、無蓋の列車で運ばれ、雨に打たれて凍えたこと、コレラに罹って亡くなる人が多く、自分もまたそれで苦しめられたこと、引き揚げ船の旅は70日もかかり、その間食事は日に2回、それぞれ乾パン6個で、栄養失調に陥ったこと、1歳の赤ん坊が、おっぱいの出ない乳房を吸い続けたこと、などが書かれていました。

だから…… 「戦争はよくない」と言うべきなんでしょうか、それとも、「だから<国>の言うことなんてきくもんじゃない」と、あるいは、「でもその後も人類は変わってないじゃん」と、あるいは「昔も今もずっとそうじゃん! どうしてこうも変わらないの!」と、あるいは「じゃあせめて22世紀のために、どんな道が残されているの?」と、言うべきなのでしょうか?

そういえば先週、ある3年生の学生(建築学科)から、唐突に訊かれました。

「今迷ってるんですよ、たとえば昔ながらの木造がいいのか、それとももっと、新しいっていうか、そういうものを取り入れたりしたほうがいいのか」
もちろん、この質問にわたしが答えられるはずはありません。それは彼だってよく分かっているはずです。でも、それでも一応わたしに訊くってことは、専門の先生たちとは少し違うなにかを求めていたのでしょう。わたしは一応、こんな風に答えました。

「10年後、20年後、50年後、どんな世界になってると思う? というか、少なくとも、どんな世界になっていて欲しい? それに対する君なりの予感が、必要なんじゃない? で、その世界には、どんな建築が建ってる? どんな建築が建っていて欲しい? だから…… ちょっとカッコよく言えばさ、君自身の予感から出発して、それを形にするっていう、そういう順番で考えることもあっていいんじゃない?」

これが、少しは彼の役に立ったのかどうかは分かりません。全然的外れだったかも。でもまあ、わたしとして、学生諸君には、「予感」を研ぎ澄まして欲しいと思うわけです。

2009年5月17日日曜日

『中国語はおもしろい』


今日はなんだか5月の嵐。1日不穏な天気の東京でした。今もまだ強い風が吹いています。

で今日もまた、雑用を少し片付け、あとは(やや空いている)スタバで読書。これは悪くないです。

で読んだのは、わが同僚・林さんの『中国語はおもしろい』(新井一二三 ← 林さんのペンネーム)。いやこれ、内容充実の(講談社現代)新書で、完全にお勧めできる本です。

これは中国語の入門書ではなく、中国語を切り口にした、体験と勉強に支えられた文化論です。たとえば……

世界の各地においしい中国料理屋があるのに、なぜ外国の日本料理屋はイマイチなことが多いのか。これは日本料理が、きれいな水と繊細な素材に多くを負っているため、それが手に入らない場所では再現しづらいのに対して、中国料理のほうは、多少の素材の違いなどモノともしない「普遍性」があるから、と林さんは言います。なるほど! これは、和食を愛する「東中野の寿司屋の娘(=林さんです)」が言っているので、こちらも説得されます。

じゃあその「普遍性」は、どこからくるのか? それは…… どうぞ読んでみてください!

                ❦

ではここで、「今週の言葉」をご紹介しましょう。

生きることの大部分はなんらかの実験であるときもっともおもしろい(管啓次郎)

というわけで、今週も張り切っていきましょう!

2009年5月16日土曜日

Muzion


今日は土曜日、ですが、溜まった雑用を片付けに学校へ。う~ん、働き者!(←ていうか仕事溜め過ぎ。)

小テストの採点をしたり、ゼミのレポートを読んだり、会議のための資料を作ったり。そんなこんなで一日はあっという間に過ぎてゆきました。でもまあ、デスクの周りに少し空間ができました。

さて、土曜日なので、一曲いきましょうか。モントリオールのラップ・グループ、Muzion (ミュザイオン)です。musique の zion (シオン。エルサレムの丘)ということのようです。モントリオールには、小高い山もあるし。

で、dramatique という男性、impossible という男性、そしてその妹の J.Kill という3人組です。クリップの中ほどでKill が歌う箇所、バリバリのクレオール語です。ああ、大事なことを言い忘れてました。彼らはみんなハイチ出身です。

曲名は La vi ti neg。これは…… La vie petit nègre なんでしょうねえ。


Lavi a pa fasil sé pou sa nou rasanble, oh oh oh oooh, oh oh ooh

Lavi a pa fasil sé pou sa nou rasanble, oh oh oh oooh, oh oh ooh


(……)


[J. Kyll]

kriye kriye ou, mwen kriye deja

Kounye-a pa gen moun kap manke mwen d'éga

Pran poz ou pa konnen'mMwen té konn wè ou bo zonn Delma

Koté ou té ap bwè bon dlo kokoyéOu te ap manjé mango

Kounye-en ou pa konn koté ou yé

Mwen wè je ou nan dlo sa ki pran ou?

Mwen pa sa rekonèt aksen ou

Wap mache di bétiz, ap fè lenmi ak prop san ou

Tonbe pale franse, gro klas lekol bliye kreyol

Montre fanmi lakay wap bien mennen, se kob la kap monte

Bouch ou senti ou ap bay manti

Ayiti, ou te konn manje

Kounye-en ou rete nen yon ti piès kay plen ravèt

Jescome ki fèk parèt, pa gen kob fè makèt

Chak jou manje farin ak lèt


わからないようで、わかるようで、わからない!

2009年5月15日金曜日

大連


というわけで、今日も治療院へ。

「ああ、来ましたね、性懲りもなく!」
「へへへ(←薄ら笑い)」
「じゃあ今日はハリね」
「(やはり……)」

で…… なんというか、「超痛い」というほどではなかった(マッサージのほうが痛い)けれど、どこか虫歯治療を思わせる痛みですね。10本ほど打ちました。

でも今日はつくづく、マッサージ師さんの技量に感心しました。彼は、いい体格。腕も太いし、指も太くて柔らかい。もう、マッサージ師は天職か、という感じ。こんなに色んな揉み方があるなんて! まだまだ治ったというわけにはいきませんが、いい経験でした。(まだ行きます。)

           ❦

大連に出発する日(22日)が近づいてきました。で、今日は大先輩にあたる英語の先生から、昔日の話を伺いました。彼は、大連ではないけれど、新京の生まれなのでした。

先生のお父上は、新京で、あの甘粕正彦が理事を務めていた満州映画協会(満映)にいたそうです。(甘粕? あの『ラスト・エンペラー』で、坂本龍一が演じていた人です。)色々、興味深い話を伺いました。お兄さんが誘拐されかかった話とか、弟さんが栄養失調に陥った話とか。

そして今日の2時間目、ある学生の名前が目にとまり、訊いてみました。

「もしかして、中国語できるの?」
「はい。大連育ちなので」

大連育ち!? OK。これは神の采配なのでしょう。来週の火曜日、彼に話を聞かせてもらうことにしました。何が出てくるでしょうか!

そしてそして、実は鳥取からも大学宛てにお便りをいただきました。(Merci !)お手紙にも書かれていた通り、いろんなことで、色んな風に関係がある方でした。フランス語の勉強中であること、母上は(わたしの両親同様)引き揚げ組であること、それから野球や俳句など、あれこれと。

送ってくださった、「日僑学校最後の同窓会」の記事も興味深く読みました。日僑学校というのは、終戦後、要請されて大連に残留したエンジニアらの子弟の通った学校で、わたしの父親も一時期そこで教員をしていたのでした。

というわけで、大連関係、色々出てきます。いつか書けるといいんですが。

2009年5月14日木曜日

下半分


風薫る五月、みなさま、お元気でしょうか? こちらは…… 元気です、肩コリ以外! 最近は、文庫本を持っているだけで、肩に違和感が。

で昨日、人生で初めてのマッサージへ。近所で「痛いけど効く」という評判の治療院へ。で、5秒くらい触ったかと思うと、

「これは重症ですね」

そしていざマッサージが始まると、これが聞きしに勝る痛さ! しかも、重いものは持たない、PCは控える、などのアドヴァイスを受け、でもまあ、あと2~3回で、一応よくなる見込みです。(次回はハリもやるかも。「ウチのハリは超痛いですよ!」)

というわけで今日は、黒板に字を書くときも、黒板の下半分に書きました。手を挙げると痛いので!

と、ここまで打ったら、もう肩が痛い。(としゃ~とりなくね~な~!)というわけで、今日は早じまいです。デゾレ!

(みなさんも、PC のやりすぎには、ご注意ください……)

2009年5月12日火曜日

これもまた一日


今日は……火曜日? ですね。なんだかそれが分からなくなるような1日でした。

午前中はいつものゼミ。ただ残念ながら、「東京詩」のほうでは睡眠学習の学生がそこここに。う~ん、授業がつまらないのか、やる気がないのか。

今年は20人定員一杯の受講者。去年は9人だったことを思うと倍増です。とはいえ、去年は割りとみんな、参加してる人の目でした。今年は、第2、第3希望で回ってきたせいか、そういう「目」が多くありません。まあ、なんとか増えるように工夫しましょう。

(とはいえ、今日「浅草凌雲閣」について発表してくれた男子は、きっちりやってくれました。それから映画のほうは、寝てる学生はいないようでした、暗いのに! こちらはいい感じかも。)

そして昼、H君が研究室に来た、と思ったら、中国語の林先生と台湾からの留学生のKohさんが昼御飯のお誘いに来てくれて学食へ。そこでは、台湾で「村上春樹デビュー30周年」が盛り上がってる、という話など。林さんは、台湾のメディアから、寄稿の依頼があるようです。

「でもね、これ書きたいんだけど、こんな仕事受けてると、論文が進まない……
「でも書くでしょ?」
「受けていいかなあ?」
「いてこましたれ!」

という会話があったわけではありませんが、そう遠いわけでもありません(てことにしましょう)。

それからKoh さんと別れ、昨日アップしたギャラリー・ゼロに。おお、やっぱりオリジナル・プリントの美しさは格別です! 会期中、きっと何度もくるでしょう。

それから資料室によると管さんと遭遇。メビウスのこぼれ話を教えてもらって感心し、その後研究室へ。

しばらくすると、ハプスブルグのK先生が寄ってくれて、ちょっとおしゃべり。この前のアタリの提言に関連して、

「世界経済の、なんていうの、奉行役? それがいなくなると、世界戦争が起こるってのは、ウォーラーステインも言ってたな。ほら、たとえば第2次大戦てのは、それまで奉行をしていたイギリスがその役を降りた、その結果だって」
「じゃあアメリカは降りちゃダメ?」
「まあねえ。だって、その代わりができそうなとこは……なさそうじゃない?」

そして5時半。管さんのところの院生、パコ君が来てくれました。彼は、西・仏・英・日がOKというつわものですが、なんだかとてもいい子です。(男の子です。パ子じゃありません!)実は彼に、彼の出身地であるモントリオールのことを教えて欲しくて、今日約束していたのでした。

それから1時間半ほど、かなり色んなことを教えてもらいました。ハイチ人街はここ、ユダヤ人街はこっち、リトル・イタリーはそこで、中華街はここ…… 旅行案内には書いてないことばかり。

パコ君が通った高校には、そこそこハイチ系の子もいて、いきおい彼らのクレオール語をマスターしちゃう生徒たちもいたそうです。

ハイチといえば、去年の写真展が思い出されます。ちょっと前に紹介したメリッサ・ラヴォーもそう。そしてもちろん、元フージーズのリーダーにして、デスチャやシャキーラのプロデューサーとしても知られるワイクリフ・ジョン。(画像)彼はハイチの次期大統領との噂もあるようです。“もし俺が大統領になったら…… 金曜に選ばれ、土曜に暗殺され、日曜に埋葬され、月曜に仕事に戻るだろう”

というわけで、その後の帰り道では、さすがにいつもの吉本隆明の講演を聴く余力がなく、J-waveのグルーブ・ラインを聞きながら帰ってきました。フ~~

2009年5月11日月曜日

写真展


いよいよ明日からです!

明治大学生田図書館 Gallery ZERO 写真展

contemporary photography #1

藤部明子「at zero」

2冊の写真集「The Hotel Upstairs」「Memoraphilia」で鮮烈な印象を与えた写真家、藤部明子の個展を開催します。日常生活の中に潜むかたちと色彩に対する鋭敏な感覚をお楽しみください。写真集の制作過程がわかる校正紙も合わせて展示します。

主催 明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系

協力 ステュディオ・パラボリカ  ZEIT-FOTO SALON   写真の町 東川町 東川町文化ギャラリー   明治大学国際日本学部 旦敬介研究室会場 明治大学生田図書館 Gallery ZERO   

一般の方は図書館入口ゲート前の呼び出しボタンにて係の者をお呼びください。

会期 2009年5月12日(火)〜6月21日(日)

開場時間 平日8:30~19:00、土8:30~18:30、日10:00~16:30     

ただし5月29日(金)は13:00~22:00


ギャラリー対談「写真集とデザイン」藤部明子+ミルキィ・イソベ(グラフィックデザイナー)         5月20日(水)18:00より

2009年5月10日日曜日

a long day


昨日はお茶の水で、メビウス&浦沢直樹&夏目房之介(&永井豪&谷口ジロー&荒木飛呂彦)、参加してきました。

1000以上入れる会場は満員。静かな興奮が満ちる中、会は13:30に開始。2時間半の長丁場で、ちょっと休みたい時間帯もありましたが、2度目はないな、という感じのイベントになりました。

見どころは、やはりメビウスと浦沢のパフォーマンス、つまり、その場で絵を描いて見せる場面でした。普段読者は、できあがった絵を見せられているわけですが、ああ、こんな風に描いてゆくのねえ…… 

なんというか、頭の中にあらかじめ絵があって、それを紙の上に呼び出している感じ、紙の上で探しているのではなく。(かつて小林秀雄は、ロダンを評して、彫刻家自身何を彫るのか知らないうちに、それでも鑿は削っていく、というようなことを書いていましたが、それとは反対の印象。)それにしても、うまいもんです。(←当たり前!)

でひとつの(これも当たり前の)結論、やっぱマンガは絵、なんですね。

ただ、メビウスの日本人画家への影響が話題になる場面では、別の発見もありました。コマ割りの問題です。

ここで名前が挙がったのは、小池桂一でした。彼は言ったそうです、コマ割りは音楽だ、と。

そう、つまり「時間」が問題なんですね、コマ割りでは。1コマ目、2コマ目、そして3コマ目に移るとき、そこに時間が流れ始め、マンガが動き出す。(さっきの絵の場合と違い、1コマ目を描いている時点では、まだ3コマ目に何を描くかはわかっていないんだ、とメビウスも浦沢も口を揃えました。)

生成、なんて言葉が思い出されます。この「音楽」が作られる感じは、絵が描かれている瞬間の感じに近いのかな、なんて思いました。

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そしてそのあと、明治大学大学院ディジタル・コンテンツ系の発表会に寄らせてもらいました。作品もさることながら、一番印象に残ったのは、学生たちが楽しそう! ということでした。いいなあ、若いって! これから大学院なんて、羨ましい。とにかく、がんばって欲しいです。

彼らが使う新校舎は、もと明治高校があった場所。アテネ・フランセの近くなんですが、実はその校舎に沿うように、「男坂」があります。そしてこの坂を登りきったこのあたりに、石川啄木が初めて上京した時泊まった宿がありました。その宿の窓辺から見た東京を歌った詩が、『東京詩』の2番目に入っています。「眠れる都」という詩です。

でこれを含む左右社シリーズ、少しずつですが確実に進んでいます。目標6月中!

Versailles


今日は日曜日。さて、「ベルサイユの子」という映画が公開中です。予告編はこちら。


ホームレスのお話。そして子供…… 絶対泣きそうなので、見に行きたいような、行きたくないような……

主演は、『ランジェ公爵夫人』の記憶も新しい、ギヨーム・ドパルデュー。惜しい人です……

2009年5月7日木曜日

ジャック・アタリ


東京は今日も雨。これで3日続けて雨降りです。(どうも明日も……)

昨日もちょっと触れた「ジャック・アタリ インタヴュー」、終わりまで聞いたところ、なかなか興味深い内容でした。もとになっているのは、彼が去年発表した『21世紀の歴史(Une brève histoire de l'avenir)』という本。たしか、サルコジも絶賛、という触れ込みでした。

大前提は2つ。まずは、経済のグローバル化は進んだのに、民主主義のグローバル化は進んでいない、つまり、グローバルなマーケットに対して、ルールが不在の状態だ、ということ。そしてもうひとつ、資本主義以外の制度は人間の本性と矛盾する、ということ。で、その上で、彼は未来をこんな段階の進展として予想します。

1)アメリカ支配の終焉……これはアメリカが、ローマ帝国のように滅んでしまう、ということではなく、アメリカは他国の面倒を見る余裕がなくなる、どんどん内向きになる、ということだと言います。そして

2)多国による支配……たとえばG8とかG20のような機関が、集団的にグローバル市場を監視するイメージ。でも、これは結局破産するとアタリは言います。なぜならそれは、国家間の利害と調整不能なものだから。そう、国はいつだって「国益」を追求します。20の国でそれが一致することはないでしょう。でその結果

3)超帝国の出現……要するに、誰にも抑えることのできない恐るべきマーケットという怪物の出現です。そして限られた資源、水、エネルギーなどを奪い合い、

4)超紛争……世界の各地で紛争が発生。いわば、バトル・ロワイアル状態。ここまでくると、人類は22世紀まで生き延びられないかもしれない。でも!

5)超民主主義の台頭……これが従来の民主主義とどう違うのかといえば、こちらは根本に、「博愛の精神」がある、という点だと言います。こういう博愛を持った人(trans humam)は、実際すでに生まれてきている。それに、たとえば客商売なら、客を幸福にすることが自分の成功にもつながる。これは合理的博愛と呼べるだろう、と。この精神が、なんとか4)を出来させないようにしてくれれば、というのがアタリの願いのようです。

う~ん、さすが、立派な人です! 彼の論理に100%同調したわけではないけれど、彼が淡々と、でも一所懸命に話す姿には、ほとんど感動しました。今目の前にある問題から目を逸らさない、this is 知識人、です。

そういえば一昨日、雨の中を大学に行き、一人でコンビに弁当を食べている間、NHKの「こどもの日」特集を眺めていました。最初に紹介されたのは、四谷大塚の最上位クラスで勉強している6年生の女の子。彼女の将来の夢は、立派なお医者さんになって、アフリカの子供たちを助けに行く、でした。 

2009年5月6日水曜日

最新作


GW最後の日、東京は一日雨でした。

実は今日は、青梅でバーベキューの予定があったのです! 残念! 幹事さんたちはきっとそこそこ準備を終えていたに違いなく、それも申し訳ないし……。でも、こんなに(数日前から)空模様を気にしたのは、何年振りでしょうか。なんだか、いっとき、子供に帰った気分でした。捲土重来を期しつつ!

というわけで、なんだか気も抜けたので、昨日一昨日録画してあった「ジャック・アタリ、インタヴュー」を途中まで見ました。(集中力が続かないので、最後まで見られない。歳か!?)

出だし近くでちょっとウケタのが、彼の使った「ディズニー的全体主義」という言い回しでした。ま、最後には必ずうまくいくから大丈夫! という、あまり根拠のない信心が、アメリカ全土を(そしてアメリカ的な地帯全体を)覆っている、というのです。この信心ゆえ、目の前の危険を過小評価、ないし無視した結果、今回の金融バブルが起きたと。

バブルは、それがバブルだと判明した瞬間、もうだめですね。今の時点から見れば、明らかにバブルに見えますが、どうでしょう、そんなに遠くない日に、また別のバブルが発生するのでしょう。バブルが起きるメカニズムは単純なのに、飽きずに繰り返されてきたわけだし。

そしてパンデミックあり、核戦争あり……

どうでしょう、ディズニー映画最新作、『パンデミック・アフター・ニュークリア・ウォーズ』!(ミッキーが心配です……)

さあ、今週はあと2日。ムリヤリ張り切りましょう!

2009年5月5日火曜日

レポート


今日の東京は、ほぼ一日降ってしまいました。


したたかに濡るる一樹やこどもの日(川村五子)


「初夏の鮮やかな木々が、世界を祝福していると感じられる甘美なひとときである。」(土肥あき子) そういえば、近所の神社の大木も、したたか濡れていました。

というわけで行くところも無く、しかないので学校へ(!)行ってきました。ゼミのレポートが提出されているはずだからです。

で、ありました。20人×2=40、にはわずかに足りません(数人未提出)が、工夫されたレポートが集まりました。

特に「フランス映画」のほうは、「上から書くように」と言ったのが少しはよかったのか、わりに堂々と書いてくれています。少なくともこのゼミの学生たちは、理系だから書くのは苦手、という感じはまったくありません。最初でこのくらい書けるなら、1年一緒に練習すれば、だいぶ上達するはずなのになあ、と思ってしまいます。(実際は半期なんですね。)

今はまだ『ニキータ』しか見てないのですが、いくつもの切り口が見えています。まずは変身。(成長、と捉える人もいます。さらに、自己発見、とみなす人も。)そしてその変身を促すものとしての愛。(いくつかの「愛」があります。また、単に「愛」というのではなく、「愛されること」の重要さに注目する人もいます。)

成長、と隣り合わせではありますが、これを「女性」の映画だとする見方もあります。華奢な女性(アンヌ・パリロー 画像)の、強さと弱さ…… 彼女は「暗殺者」なわけだから、そのままモデルにはならないけれど、その人間的な目覚めに注目すれば、(特に女子学生にとって)一つのヒントにくらいにはなる気がします。

(さっきふと思いついたんですが、来年のゼミ、「フランス映画における女性たち」というのはどうでしょうか? さまざまなヒロインの描かれ方を、時代背景とともに追う、なんてのは? 少しははみ出して、『エイリアン』とか『グロリア』とかも含めて。)

それから演出上の工夫についての指摘もありました。時間の扱いとか、コントラストのつけ方とか。

(『ニキータ』には、実は回想シーンがありません。ということは、物語内のすべては、起きた時間順に描かれているのです。これは、たとえば冒頭に回想シーンをもってくるというような、とても安易な構成とは一線を画しています。回想なしで描く。これができて初めて作家でしょう。回想に頼るのはへっぴり腰だと思います。

でもその代りに、『ニキータ』では、さまざまな時間の圧縮・省略が行われています。長いところでは3年、短いところでは10秒ほどのスキップ。学生たちの中に、分かりづらい、という感想があったのは、この辺に慣れていないからだと想像されます。)

そして一人、 『ニキータ』はすごく古く感じる、という意見がありました。これは…… わたしは全然古く感じないので、ちょっと驚きました。そのうちディスカッションのときに、彼女にそのへんを説明してもらいましょう。で、もし広がるなら、「新しさ/古さ」についても、話せたらいいと思います。

たった1本の映画でも、話すことってずいぶんあります!

2009年5月4日月曜日

メビウス来日


去年あった「ミュリエル・バルベリ&谷口ジロー」のイベントでは、バルベリさんが谷口さんを「神」のように崇めていました。

で、その谷口ジローさんにも間違いなく影響を与えている巨匠、メビウスが来日したそうです。(今朝の朝日新聞に記事あり。写真付き。)

そして今週の土曜日、なんと本物のメビウスに会える機会があります。しかもタダ!

*ココにあるメビウスの公式サイトも面白いです。

しかもお相手は、『20世紀少年』の浦沢直樹。ああ、読みました、『20世紀少年』。

こんなイベント、ちょっとないです!

2009年5月3日日曜日

コルテオ


今日は、GWライブ第2弾として、シルク・デュ・ソレイユの「コルテオ」を見てきました。

今までに、日本だけでもン百万人動員してきたシルクですが、実はわたしは今日が初めて。遅ればせながら、シルク・ファンとなりました。

行く前に、シルクの紹介本を2冊読んで、だいたいの方向は理解していたつもりですが、まさに、有言実行というか、言うだけのことはやっているなあ、という印象でした。彼らは、たとえば一つの技の完成に何年かけたとか、このセットは何百万円だとか、そんなことは表に出ちゃいけないんだといいます。観客に喜んでもらうこと、それだけだなんだと。(もちろん一方には、厳しい金勘定が存在し、それをクリアーできたからこそ今のシルクがあるわけですが。)

で「コルテオ」です。なんと、自分の葬式を夢に見るという、意表を突く設定。そのせいか、音楽はほぼ一貫して短調。サンバ風もフラメンコ風もアイルランド風も、みんな。そうした音楽に乗って、夢幻的な世界が眼の前に現れ、その夢にふさわしい、現実とは違う何かが繰り広げられてゆきます。でも……

でもそれは、実は現実そのものでもあります。そう、シルクのメンバーたちの特別の能力が、それを可能にしているわけです。

シルクは、たしかに「サーカス」を越えています。見世物で終わらない何か、観客に訴えてくる何かがあります。すごいですね~

こうなったら、折をみてZEDも行かなくては。こちらは、まだ当分続くでしょうから、あせらなくても大丈夫。でも、せっかちなわたしは、早く見ちゃいたい気がします。(画像は、感動的だった吊り輪(?)の演技。)
それにしても、今日の原宿駅の混雑は以上でした。帰りなんかは、入場制限があって、改札前が大混乱。詰まった排水溝みたいに、人は溜まってゆく一方です。そうですねえ、進み方は、1分に1歩、くらいです。

で、改札を抜けたら抜けたで、まだ行列。降りてくる人の数もかなりいるし。今日最大の難所でした。

ま、そんなこともありましたが、とりあえずいいものを見ました!

2009年5月2日土曜日

百聞は


なんとなんと、昨日新国立で見たのと同じ演出のものが、いくつも You Tube にありました。百聞は一見に、ということで。

まずこれは、ヒロイン(カテリーナ)が、はじめて下男(セルゲイ)と通じる、劇中最も激しい場面の一つ。


昨今の露出型に比べれば、ずいぶん押さえた表現ともいえるのに、このいかがわしさ!「わたしの夫はあなただけ!」

次は、カテリーナの部屋から出てきたセルゲイを舅が見つけ、捕えて鞭打つ場面。


この舅、終始銃を離しません。もちろんそれは旧い男性原理なのでしょうが、実は一人になると、自分への懐疑を歌ったりもします。彼はいわばカラッポで、銃を支えにやっと立っている感もあります。こうした感触は、このオペラが作られた1930年代においても、封建的な資本家側へ批判として、意識されたことかもしれません。「鞭打つ」という行為は、この場面を、奴隷制度時代とオーバーラップさせるようです。

そしてこれは見所の一つ。舅も夫も殺したあと、カテリーナはセルゲイと結婚式を挙げようとしています。でも、酒飲みが酒を探すうち、夫の死体を見つけてしまい、これは警察だ! という場面……。それにしてもこの音楽と演出。面白いです。


最後は、これはかなり暗いですが、流刑地へ赴く途上、新しい女とセルゲイが、捨てられたカテリーナをからかう場面。そして最終的には…… 暗いんですが、なんというか、ここはいい暗さでした。

というわけで、当たり前ですが、オペラはストーリーだけでなく、音楽や歌や演技や、全部が相俟ってナニカになるんですね。特に音楽は、百聞は一聴にしかず。

長らくお付き合いいただき、多謝!
                                               ※画像は、カテリーナとセルゲイが「チチクリアッテ」いる部屋のテレビに、殺したはずの舅が現れる場面。(原作の舞台は19世紀なんですが。)舅はこの場面以外にも、亡霊として登場したり、カテリーナの心の奥深くから顔をのぞかせます。(舅=スターリン主義、という解釈もあるようです。)

激しいスキャンダル!


というわけで、行ってまいりました、『ムツェンスク郡のマクベス夫人』。面白かった! 期待通りの「スキャンダル」で、個人的には『ワルキューレ』以上でした。(まあわたしは、ワグナーよりはショスタコーヴィッチのほうが好きなので、フツーにいけばそうなりはするんですけど。)

ただ終演は10時過ぎで、それから居酒屋(天狗!)で大慌てで(一杯だけ)飲んだので、詳しくはまた明日ご報告させて頂きます。とにかく、一瞬、来週の公演ももう一度見ようかと思うほどでした!
                                                ※画像は、今日と同じ演出の舞台です。