2023年12月1日金曜日

『アイシェ ー反攻の時』

ネトフリで見かけたトルコ映画の宣伝文句が、
不倫した妻を追いかける、「名誉」を重んじる夫と親族たち、
そして「反攻」する女性、アイシェ、
というようなものだったので、
興味を引かれて見てみました。

『アイシェ ー反攻の時』(2020)


たしかにそういう話ではあったんですが、
映画のデキとしては、50点くらい?
逃走するアイシェと追跡する男たちのドラマが、
主に広大な森林の中で展開し、
その間、「物語」はほとんど動きません。
イスタンブールへ、とアイシェは言うんですが、
その街の姿はまったく見えないまま終わります。

それにしても、
この映画に出てくる男たちは、
揃いも揃ってゴリゴリの男性中心主義、家父長主義です。
トルコと言っても田舎だからでしょうか?
(中に一人、ドイツ帰りらしい男性もいるのですが、
まあ、ドイツ帰りだからってフェミニストとは限らないし。)
そして、そうした家父長制などを批判しているように見せながら、
実際の印象は、女性いじめとしか感じられないという、
「問題作」でした。

12月

早くも12月……。
そして来週、来来週は、
イレギュラーな予定がいくつも入り、
そこに年1回の仕事も入り、
なんというか、ラストスパート? な感じです。

「イレギュラー」の中には、
来年、わたしの研究室に来たい、という学生の、
研究室訪問も含まれています。
まあ、いろんな大学院を受験するのでしょうが、
とりあえず若いやる気のある学生と話すのは好きなので、
楽しみです。

そういえば、1つ小さな仕事が入りました。
小さいんですが、
わたしとしてはやりがいのある、
そしてちょっと緊張もする仕事です。
じっくり考えていきたいと思います。

2023年11月27日月曜日

イスラエルを非難している機関

現在のイスラエルのやり方を非難している機関は、
以下の通り;

国連事務総長
国連人権高等弁務官
WHO
ユニセフ
OHCA(国連・人道問題調整事務所)
国連・特別報告者
国連・独立調査機関
世界中の人権団体
世界中の軍縮NGO
無数の法律専門家

彼らは皆、イスラエルは「間違っている」と言っています。


2023年11月24日金曜日

ドイツよ

毎朝、BSでワールド・ニュースを見ていますが、
ここ数年、ドイツも、ドイツのニュースもしっかりしてるなあ、と、
何度も感心させられてきました。

しかし!

今回のパレスチナ問題に対するドイツの対応には、
すごくガッカリさせられました。
アメリカと一緒になって、
イスラエルに対する武器支援を増大させているのです。
なんということでしょう。

この点を、
ドイツ語の先生に尋ねてみたら、
それは……
ドイツにとっては、やっぱりナチの問題がおそろしく大きな十字架で、
「ユダヤ批判」はどうしてもできないみたいなんです……
という答え。
そうだろうとは感じていましたが、
やっぱりそうなんですね。
ふだんのドイツとはまったく違う印象なので、
この十字架は、日本人にはなかなか想像できないものなのかもしれません。
唯一の被爆国、とは声高に言いますが、
日本軍が、大陸で犯した激しい蛮行についての反省は、
めったに聞く機会のない国に住んでいるわけですから。

オランダよ

自由の国、と思っていたオランダで、
驚きの選挙結果が出ました。
下院選挙で、極右が第一党になったのです。


わりとどこも、こんな感じになってしまっていて……

朝日新聞から引用すると;

【欧州の右派勢力の躍進】

・ハンガリー 20224月の総選挙で、オルバン首相が率いる右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が第1党に。

フランス 226月の総選挙、右翼政党「国民連合」が野党第1党に。

・イタリア 229月の総選挙で、ファシズムの流れをくむ右翼政党「イタリアの同胞(FDI)」が第1党に。党首のメローニ氏が首相に就任。

・フィンランド 234月の総選挙で、移民・難民受け入れの制限を掲げる「フィンランド人党」が第2党になり、連立政権入り。

・ドイツ 236月、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が一部世論調査の支持率で2位に浮上。

・スロバキア 239月の総選挙で、民族主義政党「スロバキア国民党」が連立政権入り。


ウクライナの戦争が、
いろんな形で影響を及ぼしているようです。
でももちろん、
気候変動も、コロナも、グローバリズムも、
みんな関係しているわけですが。

それにしても、
ガザの惨状には心が痛みます。
休止期間に、少しでもなんでも改善されることを。

先輩と

一昨日の水曜日、
5年前に退職なさった、
ハプスブルク関連の第一人者である菊池先生と、
同僚一人と、わたしと、
3人で飲む機会がありました。
菊池先生と飲むのは、
退職なさってから初めてです。
なんというか、このままお目にかかれなくなるのはとても残念だったので、
同僚に頼んでセッティングしてもらいました。
(彼は菊池先生の「お弟子さん」筋です。)

5年経っても、
お話のおもしろさはまったく衰えていなくて、
とても嬉しかったです。

「お弟子さん」筋のM先生が、
まだ博士課程の学生だった頃、
ある学会で発表をしました。
そこにいらしたのが菊池先生で、
発表終了後の懇親会で、
M先生は菊池先生からキツイダメ出しをされたんだそうです。
「おまえの発表なあ…… ちょっとなあ……」
(←やや柔らかく表現してあります!)
ガ~ンときたM先生。でも、
それに続けて菊池さんは、いろいろ書いてある紙を取りだし、
「いいか? あそこはこう直して、
ここはこう直して、
それからこんなことも付け加えれば、
ぐっとよくなるだろう?」
そう言って、細かい指示の書いてある紙をくれたそうです。
当時学会の「プリンス」と呼ばれていたM先生は、
菊池先生のアドヴァイスがあまりに的確だったことに感動し、
以来、菊池派になったそうです。
そもそも、発表をちゃんと聞いてもらえただけでもありがたいのに、
的確なアドヴァイスまでくれる人。
それが菊池先生です。
若い院生なら、感動するでしょう。
(教育の本質はおせっかいだ、
と内田樹先生も喝破していました。
こちらもさすが。)

わたしが以前、
雑誌「ふらんす」で、
パリ映画を紹介する連載を1年間やったことがあります。
そのときも、菊池先生は毎回読んでくださって、
今回はイマイチ、今回はよかった、
と言ってくれるのです。
そして、
これは自分でもわりと上手く書けたんじゃ?
と密かに思っていたときは、
今まで一番いいじゃん!
と言ってもらえて、
わたしもとてもうれしいというか、安心した覚えがあります。

わたし自身、
なんというか、いつのまにか「年長者」になってしまったんですが、
まだまだ先輩たちに教えて欲しいことだらけです。

2023年11月19日日曜日

『ポーラー 狙われた殺人者』

このところみた3本の映画、

『ザ・キラー』
『トルプル・フロンティア』
『セキュリティー』

が、どれもわたしにはイマイチで、
どうしたものかと思っていたんですが、
その次に見た

『ポーラー 狙われた殺人者』(2019)

は、(一部分を除けば)おもしろかったです。


あと2週間で50歳になる「腕がよすぎる」殺し屋ダンカン。
彼が所属する「会社」では、50歳が定年で、
それ以降、多額の年金が入ることになっています。
ところが、
その「会社」が、年金の支払いをケチるために、
ダンカンを殺そうとします……。
まず、この設定がちょっとふざけてる。
殺し屋という稼業と、
年金という制度が、
ぜんぜんマッチしてないからです。
わたしはこの設定が気に入りました。

で、
マッツ・ミケルセン演じるダンカンや、
彼と出会う女性などは、
正統的なギャング映画のスタイルで撮られているんですが、
「会社」の側の人間たちはみな戯画的で、
スプラッター的で残酷なファンタジーの中にいるようです。
この齟齬が、この映画のおもしろさだと感じました。
(ただ、一般の批評家たちの評価はずいぶん低いことを、
後から知りました。
ファンタジーのほうに、乗れなかったのかなと思います。
たしかに、まあそれも分かります。
断片的な残酷なショットをつなぎ合わせたりするのは、
新しくはないし、見ていてイヤな感じはあります。
そこが「一部分」です。)

監督であるジョナス・アカーランドは、
有名ミュージシャンのMVをたくさん撮ってきた人のようです。
(その中には、イギー・ポップもいます。)

2023年11月16日木曜日

「年金問題燃えたパリの声」

これはおもしろそう。

◆爆笑問題のザ・リアル・ボイス▽民主主義をあきらめない!?

 年金問題燃えたパリの声


今度の日曜ですね。
予約しました。


2023年11月15日水曜日

TIMES OF GAZA

現在までのガザの悲惨な状況を、
TIMES OF GAZA が伝えています。
ただし、
日本のメディアでは流さないようなかなり厳しい映像も含まれているので、
苦手は方は見ない方がいいかもしれません。

2023年11月14日火曜日

外務省

はあ????
今それ言う???


赤ちゃんたち死んでるっていうのに?
それを止めさせようともせず?


2023年11月11日土曜日

アル・ジャジーラのニュースから

ガザの内部から報道を続けているアル・ジャジーラ。
今朝のニュースによれば、
ガザの保健省の発表として、
ガザの状況を伝えていました。

死者:11,000人

その内の子ども:4,500人
    女性 :3,000人

がれきに埋もれ発見されていない子ども:1,500人
負傷者:27,000

そしてマクロン大統領は、民間人殺害に「正当性ない」と発言しています;

https://news.yahoo.co.jp/articles/0ca05f80dba1f8956103589f4e8b770797fb1410

ただ一方で、
「イスラエルが国際法に違反しているかどうかについては明言を避けた」
のは、とても中途半端な印象です。
国連のグテーレス事務総長は、繰り返し国際法違反だと指摘しています。
そもそもイスラエルは、
分離壁、ユダヤ人入植など、
数十年にわたって国際法を無視してきています。
そして今回も。

ヨーロッパ文芸フェスティバル

もうすぐです!


同僚の先生は、Day4 - 1 に参加すると言ってました。
おもしろそうです。

『エンド・オブ』シリーズ

2013年から3年ごとに作られてきたこのシリーズは、

『エンド・オブ・ホワイトハウス』
『エンド・オブ・キングダム』
『エンド・オブ・ステイツ』

の3作。
続けて見てみました。
この3作で、500億ドル以上の収益があったとされています。
(ただし評価は割れていたようです。)


エンタメとしてはおもしろい、と思います。
古いタイプの映画ですが。

主役のジェラルド・バトラーは、
この手の映画の定番通り、
きわめて逞しく頑丈な肉体と、
揺るぎない精神を持っています。
そして、シークレット・サーヴィスという自分の仕事に、
ほとんど全霊を賭けています。
(心配する家族との板挟み、も定番です。)

まず思うのは、
ストーリーがクリアで、爆発が派手。
視覚的な刺激に満ちています。
一方、心理的な葛藤もないわけじゃない。
特に、第3作になって初めて登場した主人公の父親は、
イラク戦争の傷を背負った人物でした。
(ただエンタメなので、傷はもう塞がれつつあります。)

ただ、アレコレ言いながらも3作見てしまったし、
第4作が完成すれば見るでしょう。
また、
パリとロンドンを舞台にしたテレビ版、

La Chute de Paris


の製作も始まっています。
ただ、主役だとされていたマチュー・カソヴィッツが事故に遭ってしまったので、
どうやら主役は交代する模様ですが。
これも、見るでしょう。

2023年11月7日火曜日

『タイラー・レイク』1&2

ネトフリの大ヒット作、

『タイラー・レイク 命の奪還』

1と2を続けて見ました。


とてもオーソドックスな設定。
超人的な強さのタイラーは、取り返しのつかない後悔を抱えている。
それは、自分の幼い息子がガンと闘っていたとき、
その姿を見るのが辛くて、
アフガニスタンへ戦いに行ったこと。
それは紛れもなく逃避であり、
息子を見捨てる行為だったこと……

1では、
そんなタイラーが、
もともとは依頼された仕事ながら、
いつか、過去の代償行為として、
麻薬王の息子を守り続けます。
そして2でもやはり、
守るべき子どもが登場します。

この映画は、
表面上は苛烈なアクション映画で、
ちょっと殺しすぎの感さえありますが、
構図としては、
父親の再生の物語です。
ただそれは、どこまで行っても、
完全に再生することは叶わないわけですが。

彼の仕事仲間として、
ゴルシテフ・ファラハニが登場します。
もともと好きな女優ですが、
今回もとてもいい感じです。
複雑な人間として描かれているわけではありませんが、
アクションも含め、魅力的です。

決して新しいタイプの映画ではありませんが、
エンタメとして上手に作られていると思いました。

2023年11月6日月曜日

『ゴジラ -1.0』

3日に公開になり、
「大ヒット」しているという

『ゴジラ -1.0』

を見てきました。
(この春にわたしの研究室から東宝に入社した院生が、
チケットを送ってくれました。
こういうことは初めてなので、
しみじみ嬉しかったです。)


見終わって、
感想を聞かせてください、
という院生の希望に従って、
3000字ほど書いてしまいました。
せっかくなのでここにも上げることにしますが、

以下、もろにネタバレ

なので、
それでもいい場合のみ、
ご覧頂ければ幸いです。

**********************************

構図としては、「取り返しのつかないこと」を犯した主人公が、その代償行為を行なう、という形ですね。

 

・敷島が、自分は大戸島で死んでいるのではないか? 自分は本当に生きているのか? と自問する場面はよかったです。現実が、脅迫的な妄想に脅かされ、敷島が狂気の瀬戸際にいるのかと、一瞬思いました。その根底にある罪障感というか、取り返しのつかない感じは、映画の通奏低音としてはよかったと思います。(ただもっと描けるというか、敷島のさいなまれ方がまだ弱いというか、そういう感じもしました。とりわけそこを描こうとは思ってないのでしょう。)

 

・「戦争は終わっていない」というセリフは、敷島の状況を端的に表わしていて、悪くなかったです。ただしこれは、物語の展開を踏まえると微妙でもあります。つまりここでいう「戦争」とは何か、ということです。

トラヴィスにとっても、カーツ大佐にとっても、クリス・カイルにとっても、「戦争」は終わっていませんでした。そしてそれぞれの、その「終わっていないこと」に対する対応は違っていました。

では敷島の場合はどうだったかというと、彼は(「取り返しのつかなさ」の中で)、ついに自爆テロを完遂することで、自分の「戦争」を終わらせようとしました。そしてこの映画の評価は、ここから2つに分かれるでしょう。つまり;

 

1)敷島が生き延びたのは、橘が企図したいわば「偶然」の結果であり、敷島の意図はあくまで自爆することにあった点を重く見る立場があるでしょう。この立場に立てば、敷島が生き残ったという「ハッピー・エンド」は、自爆テロを称揚することのエクスキューズにしか見えないわけです。

2)他人の促しによるものであれ、ともかく「生き残った」、そして典子とも再会し、彼の「戦争」は終わったのだ、という点に意味を見いだすこともできるでしょう。つまり、自爆テロは誤った選択であり、生きることにこそ価値があると。

 

 このどちらかを選ぶのかは微妙です。それは、以下のこととも絡んできます。

 

・主人公の名前「敷島」が、日本海軍の軍艦の名前と一致しています。しかも「敷島」は、「日本」の異名であるともされているので、敷島個人を描いても、どうしても背後に「日本(軍)」の影が透けて見えてきてしまいます。

そしてそれは、ラスト近く、敷島が乗った飛行機に描かれた、あまりに目立つ日の丸とも呼応しているように感じました。彼は飛行機乗りですが、作戦自体は元海軍の兵士が参加し、武装解除されたとはいえ旧海軍の軍艦が参加しているわけです。「高雄」も「雪風」も出てくるし、「敷島」という名前が、軍艦を連想させないというのはムリですね。この辺が、自爆テロを称揚する1)の解釈と繋がるかなと感じます。

 

・後半、船に乗るのを拒否された水島が、「おれだって国を守りたい」を叫ぶシーンがあります。

これはとても多くの映画に言えることなんですが、「国家を守る」ことと、「家族や故郷を守る」ことが、いつの間にかイコールになってしまっています。これは、明確に分ける必要がある、別々の事柄です。なぜなら「国家」とはフィクションであり、想像の共同体であるわけですが、後者は、目の前にある具体的な存在だからです。国家はいつも、この二者を意図的に混同させることで、ワカモノを戦地に送り続けてきました。このあたりの峻別ができていないというか、製作者たちがそれに気づいていない感があります。(最近『1917 命をかけた伝令』を見たんですが、ここでも同じ混同が起きていました。サム・メンデスも分かってないと感じました。)

 別の箇所では、「今度は役に立ちたい」というセリフがありましたが、ここでも、「役に立つ」ことは、「国家」に対してであるように感じられました。

 

・秋津や野田は、国家批判めいたセリフを発しますが、残念なことに浅い。通り一遍の批判でしかなく、もっとえぐるような、突き放すような批判が欲しい気がしました。結局彼らも、国家を突き放してはいないという印象です。

 

・言わずもがなですが、オルガ・キュリレンコもシャーリーズ・セロンもガル・ガドットもカマラ・カーンも出てませんでした、石原さとみさえ! 彼女たちはどこに行ったんでしょう!? 代わりに出てたのは、野良犬のようなたくましさがあり、にもかかわらず健気で、どこまでもやさしくて、包容力がある「待つ女」と、口は悪いが情けに厚く、困った人を放ってはおけない「お母さん」でした。ないものねだりでしょうか!?

 

・これはもう割り切ったんでしょうが、言葉が21世紀でした。

典子の「だからなに?」とか、野田の「最適解(×2)」とか、1940年代に使われていた表現ではないですね。つい笑ってしまいました。(まあ、『3丁目』もファンタジーでしたが。)その一方、恐れ入谷の鬼子母神、も出てきますけど!(21世紀に誰が言う? 寅さんへのオマージュ!?)

 

・これは、ほんとに個人的な好みですが、佐々木さんも吉岡さんも演技が過剰に見えました。もちろん、敢えてそうしているんでしょうけど、その意味がよく分からない。

 

・この映画において、ゴジラは1つのモチーフに見えました。つまり、映画のキモは人間ドラマであり、ゴジラの持つ象徴性には、あまり気が行っていない。あるいは少なくとも、その象徴性を更新しようという意図はない。伊福部の音楽で、思い出すものは思い出しますが、新たな意味を帯びているようには聞こえませんでした。

 

・敬礼。あれはどういう意味? ゴジラに敬礼? というか、敬礼そのものが軍隊的。

 

・ゴジラに対応するチームが「民間」だというのは、今風(『キングズマン』シリーズとか、『ハート・オブ・ストーン』とか)でいいと思ったんですが、上記のように、実際は日本軍の影が濃すぎて、「民間」と感じられなくなりました。

 

・日劇 ←懐かしかったです。オールド・ファンは喜ぶでしょう。

(見間違いかもしれませんが、銀座のシークエンスの途中に、国会議事堂らしきモノが見えました。でその後また、服部時計店に戻ったので、アレ? と思いました。でもこれは勘違いかも。)

 

・細かいことを言うようですが、仮に上で書いた2)の立場に立つとしても、行き着く「幸福」が、男女のカップル+子ども、だというのが古典的ではありました。たしかにそういう時代でしたが。

 

・これも細かいですが、クライマックスで、もう十分「充電」したはずなのに、敷島の飛行機が来るまで光線をなかなか発射しないのは、ちょっと「?」でした。誰でも思いつくとおり、充電が始まるあたりから、だんだん近づいてくる飛行機と背びれをクロス・カッティングすればすむんじゃないのかなと。難癖みたいですが、あれだけの時間があれば、光線を左右に振れば、すべての船を破壊できたんじゃないかと。

 

・ゴジラの進路が地図上に示されたとき、その線は新宿の左側に来ていました。そこはやっぱり右側にして、皇居を感じさせて欲しかったです。(避けたんでしょうね? 天皇への言及は一度もないし。)

 

・敷島の苦しみは2つあって、特攻から逃げたこと、大戸島で機関銃を撃たず、他の人間を死なせてしまったこと、でした。前者について言うと、橘は、当初その選択を受け入れていました。なのでこれは、最後のオチと噛み合っていると思いました。そして後者についてですが、これはほとんどの観客が、あれはどうせ撃っていてもムダだった、と気づくでしょう。なのになぜ敷島は悩み、橘はそれをしつこく言うのか。橘だってその場にいたんだから、撃ってもムダだったのは分かるはずなのに。

橘は前者にも後者にも絡んでいますが、なにかちょっと一貫性を欠くような気も。


・ゴジラのルックスですが、シン・ゴジラのほうが怖かった。今回はちょっと可愛いですね。

2023年11月4日土曜日

『1917 命をかけた伝令』

見よう見ようと思いつつ3年(!)も経ってしまった、

『1917  命をかけた伝令』(2020)

を、やっと(アマプラで)で見てみました。
なかなかよかったです。


WW1の最中のフランス。
ドイツ軍は後退しますが、
実はそれは罠でした。
それに気づいた将軍が、
ドイツ軍を追おうとしていた部隊に作戦中止命令を出します。が、
連絡方法はなく、
ドイツ軍が占領していた地区を突っ切って行くしかありません。
その役に指名されたのは、
二人の若い兵士でした……

この映画は、
「全編1カット」であることが喧伝されていました、
もちろんこれは「そのように見える」ということ。
そして実際、
ほとんど編集点は分からないので、
たしかに「全編1カット」のようにも見えます。

この試みは、
たしかに緊迫感を生み、
伝令が届かないと1600人もの兵士が罠にかかるため、
見ている方もハラハラします。

わたしなどがこの映画を見て感じるのは、
戦争の虚しさです。
なんと巨大なムダなのか、と。
兵士たちは必死だし、
命をかける姿は美しくさえありますが、
どうしようもなくムダです。
なぜならそれが戦争だから。
この命とエネルギーを、
なぜ人類は「まともな」ことに使えないのか。
悲惨な戦いを見て思うのはそういうことです。

監督のサム・メンデスは、

自分よりずっと大きいなにかのため、
会ったこともない誰かのために自分を犠牲にするというのは
どのような意味があるのだろうか?
だから戦争の物語を語るんだ。

と言っていますが、
それが「国家」であるなら、
虚しいことだとわたしはいつも思ってきました。
人間が、その幸福のために導入した「国家」というシステム。
なのになぜ、
人間がそのシステムのために死ななければならないのか。
そんなはずはないと感じます。
なので、
メンデス監督の言っていることと、
作品からわたしがうけとったことは、
まったく違います。
(監督は、兵士たちが賭けているのは「国家」でさえない、
それは故郷であり、家族だ、
みたいなことも言っていますが、
これって、
国家がワカモノを動員するときの、
典型的な詐術です。
国家は、故郷や家族を守れ、と言いながら、
実質的には、想像の共同体を守らせているわけです。
監督は、それに気づいていないことになります。)

主演は、
『パレードへようこそ』のジョージ・マッケイ。
ほかに、
アンドリュー・スコット、
コリン・ファース、
ベネディクト・カンバーバッチ、
リチャード・マッデンなど、
有名俳優がいいポイントで出ています。
アンドリュー・スコットは、
歩く姿勢自体が演技になっていて、すごいと思いました。

2023年11月3日金曜日

イスラエル警察の暴行

イスラエルにいる超正統派のユダヤ教徒たちは、
反シオニズムの立場です。
となると、たとえイスラエル人に対してでも、
イスラエル警察はこんな振る舞いです。


10/7 にハマスがしたことは、
間違いなくテロであり、論外です。
ただし、今イスラエルがしていることは、
それ以上に許しがたい気持ちです。
この期に及んでなお、
イスラエルの「自衛権」を言ういくつもの国家も、
情けない限りです。


2023年11月2日木曜日

『荒野の風』

ネトフリにある南アフリカ映画、

『荒野の風』

を見てみました。
もしかしたら授業で使えないかな、
という下心からでもあります。


主人公は、二人の汚職刑事。
一人は妻が妊娠中のアフリカ系刑事、
もう一人は持っている牧場が火の車の白人刑事。
彼らは、最後に大きな「事件」を仕掛け、
ギャングから大金をせしめて、
そのまま刑事を辞めようと計画しています。

ストーリーはともかく、
渡しにとっての見所は、
アパルトヘイト廃止後こんなに時間が経っても、
人種間の軋轢は強烈に残っているという描写でした。
特にアフリカ系刑事の場合、
いわゆる「ちゃんとした」仕事に就いているにも関わらず、
さまざまな場面で差別に直面し、
また、警察そのものも、
白人の事件捜査を優先させたりもします。

映画自体は、ややスピード感にかけていて、
今の123分を、
100分くらいに編集し直せば、
だいぶよくなるんじゃないかと感じました。

ちょっと驚いたのが、原題。

Wild is the Wind

わたしにとってはボウイの印象が強い、極めつけの名曲が、
そのままタイトルになり、
もちろん劇中でも流れるのです。
(初出は、1957年のジョニー・マティス版。
この映画で使われているのは、ニーナ・シモン版。
もちろんこれも忘れがたいです。
南アの物語ですから、
当然ニーナ・シモン版を使うしかないですね。)

ちなみに、
アフリカ系刑事を演じたのはモツスィ・マッハーノ。
彼はこれらにも出ていました;


『ヴォルーズ』

昨日ネトフリに来たフランス映画、

『ヴォルーズ』(Voleuses)

を見てみました。


メラニー・ロランが主演・監督・共同脚本、
彼女とアデル・エグザルコプロスが主演で、
ボス役でイザベル・アジャーニも共演しています。

女泥棒たち、というタイトルそのままの話なんですが、
雰囲気は、まあ、『ミッション・インポッシブル』的なのでしょうか?
でも、MI を10点だとすると、
こちらは、甘く付けて3点、というところ。

この映画に限りませんが、
いわゆる「フランス映画」のダメさ加減が横溢していて、
「ローカル映画だなあ……」
と思ってしまいます。
フランス語の教員なので、
一応最後まで見ましたが、
ふつうなら途中でやめているところです。
アクションも、脚本も、ストーリーも、人物造形も、
どれも平均以下。

フランス映画、大丈夫?

2023年10月29日日曜日

Lily dort...

この前ちょっと預かった、リリーの写真が送られてきました。
ネンネしてます、お布団掛けて!




『スペンサー・コンフィデンシャル』

ネトフリで、なんとなく見てみたのが、

『スペンサー・コンフィデンシャル』(2020)


まあ、ちょっと古いタイプのヒーローの映画なんですが、
それなりに楽しめました。
この主人公のモトカノの女性が、
なかなか強烈なキャラで、
それもおもしろくはあったんですが、
どこか、女性をからかう感じの演出もあり、
その辺が「古い」印象なんですよね。

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』

実は最近、『ドン・キホーテ』を読んでいます。
岩波文庫で6巻。
今3巻目です。

で、
ふと目についた

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(2018)

をアマプラで見てみました。
この映画、「開発地獄」を絵に描いたような過去があり、
過去に9回も映画化が頓挫していたそうです。
それはともかく。


まあ、おもしろい、です。
最後の30分ほどはちょっと間延びする感じなんですが、
最初の90分ほどはおもしろいです。
といってもそのおもしろさの大半は、
ドン・キホーテがもともと持っているキャラによるところが大きいんですが。

小説の方は、1605年発表と言いますから、
約400年前の作品ですが、
とても自由で、とてもふざけていて(←いい意味で!)、
驚いています。
こんなにおもしろいとは!

2023年10月27日金曜日

『一日半』

スウェーデン映画、

『一日半』()

を、ネトフリで見てみました。


離婚することになっており、
まだ3ヶ月の赤ん坊がいる男と女。
男は、アルバニアからの移民で、
女は、医師。
ある日、元妻との約束をすっぽかされた男は、
彼女のいる病院を訪ねますが、
受付で彼女との面会を断られます。
すると彼は、突然銃を取り出し、
元妻を連れてこいと暴れ出します。
そして、元妻を人質にし、
赤ん坊の元へと向かわせます……

「事実に基づいている」というこの映画、
それがどの程度のことなのかは分かりませんが、
男の、小さな選択の誤りが、
やがて巨大なものへと膨れ上がっていってしまう過程が、
うまく描かれています。
そして、当初はなまけもので乱暴者に見えた男が、
哀れなさみしがり屋でもあり、
医師である女性が、
さまざまなものを抱えこんで苦しんでいることも分かってきます。
このあたりはスリリングで、
おもしろいです。

この二人のクルマでの逃避行のドライバーを務めるのは、
中年の警官です。
彼もまた、プライヴェートでは、
妻や子どもとの問題を抱えていました。
この辺のサブ・ストーリーの出し方は、
ややベタな感じもなくはないですが、
「物語」としてはアリなのだろうと感じました。
(この刑事を演じているファレス・ファレスが、
脚本・監督も務めています。
彼は、レバノン系スウェーデン人だそうです。)

そうそう、
人質を取る男を演じているアレクセイ・メンヴェロフは、
『ジャック・ライアン』で、
ロシアの国防大臣を演じてもいました。
彼は、ロシア系の母と、クルド系の父を持つ、
スウェーデン人のようです。

2023年10月25日水曜日

「明白な国際人道法違反」

12日ほど前ですが。


アメリカはイスラエルべったりで、
いつもはしっかり者のドイツも、
あの歴史があるからか、
ユダヤ人に厳しく接するのはためらわれるうように見えて、
独自路線が好きなフランスでさえ、
結局、アメリカとそれほど変わらないこの態度。

それにしても、
BSニュースで見るアルジャジーラ以外、
アラブ系のメディアの発信が捉えにくいです。
(アラビア語ができればいいんでしょうけど。)

それにしても、アメリカがここまでイスラエルに弱いとは。


グテーレス国連事務総長;

「民間人を守ることは、シェルターも食料も水も薬も燃料もない場所に100万人以上に避難指示を出すことではない。我々がガザで目にしているのは明白な国際人道法違反であり、私は深く懸念している。いかなる当事者であっても、国際人道法の上に立つものはいない」




2023年10月21日土曜日

『フェアプレー』

ガザのこと、
朝起きるとまず、
ニュースでチェックしてしまいます。
それにしても、
エジプト側の検問所からの援助物資の搬入を、
イスラエルがブロックするというのは、
ちょっとありえません。

で……

1週間ほど前ですが、
『フェアプレー』という映画をネトフリで見ました。
鳴り物入りの新作です。


物語はすごく直線的。
若い、上昇志向の強いカップルがいます。
二人が勤めているのは投資会社。
で、ある上司が解雇され、
その空いたポストに、
男の方が抜擢される、かと思いきや、
蓋を開けてみれば昇進したのは女性のほうでした。
ここから「歯車が狂う」のですが、
まあ、ここから「狂う」時点で、
男性中心主義が問題になっているのは明白です。

女性役のフィービー・ディネバーはさすがの魅力ですが、
それ以外には、
ちっぽけな男の醜悪な行動を見せられるだけとも言えます。
細部は丁寧に作られていて、
最後まで見るのに問題はないんですが。

Lily

生後4ヶ月の Lily ちゃんを預かっています;



体重は 1.4 キロ。
おそろしく好奇心旺盛で、
すごく走り回るけど、
すぐ疲れて寝ちゃいます。
これはもう、少し疲れてきたところ。

この世の可愛いもの全部、
を合わせたのと同じくらい可愛いです♥

2023年10月20日金曜日

授業で

「ワールド映画」という名前の授業では、
いつも初回に『オマールの壁』を見ています。
で、
それに先だって、
パレスチナ問題を説明しているんですが、
このところ、
この授業で使っているパワポを使い回して、
他の授業でも(短縮版ですが)
パレスチナ問題について話しています。
学生に、聞きたい?
と尋ねると、聞きたいです、と答えるので、
まあ、今が一番良いタイミングかなと思っているわけです。

これはまず、
ユダヤ人のディアスポラから始まって、
19世紀末に起こったシオニズム、
そしてあの二枚舌外交を経て、
イスラエル建国、中東戦争、パレスチナ難民……という、
いわば通時的な話。
でその後、現代における占領の形、
検問所、入植、分離壁、などについても話します。

その中で、視覚的に有効だと感じるのがこれ。


緑がパレスチナ、白がイスラエルの領土です。

フランスでも、
テロ警戒が最高レベルに引き上げられました。
イスラエル周辺のアラブの国々では、
多くの反イスラエル・デモが起こっています。
でもとにかく、第5次中東戦争は、ゼッタイにやめて欲しいです。

2023年10月17日火曜日

in NY

NY で、
イスラエルの攻撃に抗議するユダヤ人たち。


ユダヤ人全員が、
イスラエルの行為に賛同しているわけではないんですね。
(もちろん、ハマスの行為に賛成しないムスリムも多いことでしょう。)

2023年10月15日日曜日

Gaza


IL PLEUT.

東京は雨。

Apollinaire の IL PLEUT.
降ってますね。



午後からは陽が出るようです。




2023年10月14日土曜日

MSF

国境なき医師団(MSF)は、
ハマスによる市民の残虐な大量殺戮と、
スラエルによるパレスチナ・ガザ地区への大規模攻撃に慄然し、
これを非難する」



2023年10月13日金曜日

"This is GAZA."

UN WFP の X です。


ガザで、死者の多さに涙していた彼も、
今はアラーのもとへ……


メディアでは、
ガザ内部で信頼が失われつつあり、
また、後ろ盾であったサウジがイスラエルと関係修復を図り、
結果として自分たちが孤立してしまうことを恐れ、
今回の攻撃に至った、
というような説明をよく見かけます。
まあ、短期的に見れば、
そういうこともあるでしょう。
そして先制攻撃を仕掛けたハマスは、
「テロリスト」と呼ばれ、
アメリカなどからも指弾されています。
実際、彼らの蛮行は目を覆うばかりです。
ただ、そんなに単純な話でもないでしょう。
最初に占領したのは誰なのか?
また、ヨルダン川西岸地区に、
国際的な非難を無視して入植しているのは誰なのか?
分離壁を、パレスチナ自治区にひどく食い込ませ、
さらに幾多の検問所を設けているのは誰なのかを考えると、
そしてイスラエルの反撃はいつだって何倍もの規模になることを思うと、
イスラエルにも「理」はありません。
つまり、どちらにも、
「理」はないように見えます。
どちらにも「理」がない中で、
多くの命が失われてゆくとしたら……

2023年10月12日木曜日

選書

大学の図書館の中には、
さまざまな「文庫」
(と言っても、いわゆる文庫本ではなく、
なんらかのテーマで揃えた本のグループ、という感じ)
があるんですが、
今年は、その内の1つの選書係のメンバーになっています。
で、
最近「選書リスト」が送られてきて、
この中から(あるいはそれ以外からでも)、
予算に合うように選んでください、
ということで、リストを見始めたんですが、
これがなんと、850冊ほど!
しかもそのほとんどが洋書なので、
選ぶのはかなり時間がかかります。

ただ、大学の図書館に入れる本というのは、
今すぐ借りたい人がたくさんいるもの、というより、
いつか、
10年後、あるいは20年後でも、
ああ、この本ここにあった! とか、
こんな本があったのか! とか、
そんなことが起こるようなものがいいと思っています。
実際わたしも何度も、
どなたか存じ上げませんが、
この本を図書館に注文しておいてくれてありがとうございました!!
と思ったことがあります。
いつか、
そんな風に思われるような選書を心がけたいと思います!

京都へ

というわけで、
可愛いドイツ人のカレは、
今日、次の目的地である京都へと旅立ちました。
短い期間でしたが、
東京を満喫しているようで、よかったです。

彼のおじいさんはロシア出身で、
おばあさんはドイツ出身で、
二人はポーランドで出会って結婚し、
そこで子どもをもうけ、
80年代に、おばあちゃんの故郷、
ドイツに戻ってきたんだそうです。
だからカレはドイツ生まれドイツ育ちですが、
家庭内ではポーランド語を使っているそうです。
ということは、英語もできるわけだから、
日本語は4つ目ですね!
16歳なのに!


2023年10月7日土曜日

パレスチナ「戦争状態」

先週の「ワールド映画」では、
パレスチナ問題を19世紀末から説明し、
その後、『オマールの壁』を見始めました。
この映画の舞台は、
ヨルダン川西岸地区で、
主人公を含むパレスチナ人たちの村は、
分離壁によって分断されています。

そしてパレスチナ問題は、
このところ、最悪の状態にあると言われていましたが、
ついに、ハマスがイスラエルにロケット弾を発射。
それも5000発。
X には、かなりきつい映像も流れています。


イスラエルが激しい報復をするのは間違いないでしょう。
これは、戦争。
とても心配です。

来週は、『オマールの壁』の続きです。



東京観光

ドイツから来た高校生は、
今日、留学先の生徒たちと、
東京観光に行ってきたそうです。

新宿、歌舞伎町、
渋谷、109、
浅草、お台場……

そしてお土産は、
雷門のすぐ横の、
有名な和紙屋さんで買ったそうです。
ああ、あのお店ね!

それにしても彼は、
なんとも言えずいい子で、
帰ってきたら、疲れてるだろうに、
一生懸命、今日やったことを話してくれます。
明日は、秋葉原に行くそうです!

2023年10月6日金曜日

ドイツから

今、ドイツから来た高校生が、
我が家にホームステイしています。
日本語の勉強をしているそうなんですが、
まあ、正直なところ、
日本語はまだまだで、
いったん日本語で(もちろんゆっくり)言ってから、
たいてい分からなそうな顔になるので、
同じ内容を英語で繰り返す、
という感じで話しかけています。
英語は、ドイツ語の親戚なわけだし、
学校でも9歳から勉強するそうで、
日本語よりはだいぶできます。

でも、にこにこしていて、
食事の食べ方も上品で、
とってもいい子で、とっても可愛いです!
今日は唐突に、
「かぶきは、すきですか?」
と訊かれました!

(ちなみに、食べ物としては、
I don't like fish ! だそうです。
この辺のシンプルな物言いは、ドイツ的なんでしょう。
分かりやすくていいです!)

2023年10月2日月曜日

帰鳥

今日、出勤途中にポッドキャストを聞いていたら、
鳥取出身の人からのオタヨリで、
鳥取に帰ることは「帰鳥(きちょう)」と言うんだ、
という紹介があり、ちょっとびっくりしました。
で、
院生たちとしゃべっているとき、
この話を紹介して、
こういうのある? と訊いたところ、
熊本出身の院生が、
「帰熊(きくま)って言いますよ」
と。
ええ!? しかも重箱読み! と思っていたら、
「帰崎とか、来崎とか言いますよ」
と長崎出身の学生が。
帰長、じゃないのね!?

どれも初耳。
おもしろ~い!

2023年9月30日土曜日

ヴィオラ・デイヴィス

『ペーパー・ハウス』でトーキョーを演じた、ウルスラ・コルベロ。
彼女が主演するドラマ、

『燃えさかる炎』

を見始めたんですが、
やや話が重く、展開も鈍い感じ。
ウルスラはキレイなんですけど、
演出がそれに頼ってるというか。
リタイアしそうです。

で、
ネトフリのオススメで出てきた

『ナイト&デイ』(2010)

を見始めました。
トム・クルーズとキャメロン・ディアズです。


ラブコメ要素の入ったスパイ・アクションで、
なかなか軽快に進みます。
で、途中で登場したCIA長官はアフリカ系女性。
ヴィオラ・デイヴィスでした。

最近、ネトフリのドラマ、

『殺人を無罪にする方法』


を、最初の何話か見たんですが、
このドラマの主演もヴィオラ・デイヴィス。
敏腕弁護士にして大学教員、
という役柄でした。
ただ、ふだんは「強くてクール」な彼女ですが、
愛人の前に出ると、急に「乙女」に大変身。
妙にリアル……
ただ、それはいいんですが、
演出があまりに慌ただしくて、
また、もったいぶる割には、
謎解きのオチが「ふつう」で、
さらには、
あまり魅力的とは思えない人物がいいポジションにいて、
トータルで、途中リタイアしてしまいました。

映画と違って、
ドラマは長いので、
かける時間に見合った「おもしろさ」がないと、
途中で離脱しがちです。
まあ、しょうがないですね。

2023年9月29日金曜日

『The Tunnel トンネル』シーズン2

シーズン1を見ずに2を見ることは、
めったにしないんですが、
今回、同僚からオススメされたドラマが、
アマプラでシーズン2、3しか見られなかったので、
とりあえず2を見てみました。


このドラマのタイトルである「トンネル」とは、
英仏海峡のトンネルのことです。
これは目の付け所がナイス。
で、
そこで事件が起こり、
フランスとイギリスの警察が協力、
あるいは対立しながら操作を進めてゆきます。
特に、
フランス側の女性刑事エリーズと、
イギリス側の刑事カール、
この二人が主役です。

やはりシーズン1を見てないので、
やや分かりづらいところがありましたが、
緊張感があって、おもしろいです。
フランス語と英語が使われているので、
フランス語を勉強したことがあれば、
見やすさもあります。

おもしろかったので、
シーズン1を探して見てみるつもりです。


2023年9月27日水曜日

授業開始して

授業が始まって1週間過ぎました。
メンバーが変わらないクラスも、
全員入れ替わるクラスもあり、
また新しいローテーション、という感じです。

明治大学理工学部の学生たちは、
概してマジメで、
わりとよく話を聞いてくれると感じています。
(まあ、覚えているかどうかはともかく。)
今日の「フランス語」の雑談では、
マリ、ブルキナ・ファソ、ニジェールと続く、
いわゆる「クーデタ・ドミノ」の話をしました。
背後には、
フランス植民地主義と、
この半砂漠であるサヘル地域の砂漠化
(←温暖化、人口増加、過剰伐採……)
があることについても。
ちょっと寝ちゃいそうな話題だったのに、
見たところ、誰も寝てませんでした。
優秀です。

2023年9月22日金曜日

『アウトロー』『ジャック・リーチャー』

ネトフリのオススメに上がってきて、
リチャード・ジェンキンスの顔が見えたので、
ああ、久しぶり、と思って見始めると、
主役はトム・クルーズでした!
『ミッション・インポッシブル』をコンプリートしたので、
オススメされていたこと、見始めてから気づきました。


アクション映画なんでしょうが、
なんというか、頭脳的な分析の部分も大きく、
しかもそれがクリアに描かれているので、
両作とも、楽しめました。

特に後者、
『ジャック・リーチャー never go back』は、
ワルモノに嵌められ収監されていた女性少佐ターナーを、
ジャックが脱出させ、
二人の協力の中で事件の謎が解き明かされていく過程が、
ストーリーとしてもよくできていて、感心しました。
しかもその「協力」も、
ジャックの男性中心主義的な態度にターナーが腹を立てたり、
単純ではありません。

映画の中に、
古い美学や、古い価値観が紛れ込んでいるのはたしかですが、
映画としてはおもしろかったです。

2023年9月21日木曜日

宮下先生、イグ・ノーベル賞!!

つい数年前まで、
大学院のデジタル・コンテンツ系で同僚だった宮下先生が、
快挙です!



すごい!
おめでとうございます!!

2023年9月19日火曜日

『ミッション・インポッシブル』シリーズ

公開中の『ミッション・インポッシブル』の新作、
見に行きたいのはやまやまなんですが、
180分と聞いてためらっています。

で、
ふと気づくと、ネトフリに、
ここまでの6作が全部揃っていることに気づきました。
それならということで、
全部見てみました!

結論から言うと、
1~3作はイマイチ。
4~6作はおもしろいと思いました。
一番できが悪いと感じたのは、
ジョン・ウーが監督した第2作。
「ミッション・インポッシブル」っていうのは、
スパイ・アクションものなのに、
なぜか心理劇が物語の中心に置かれていて、
違和感がありました。
派手な爆発シーンもあるんですが、
付け足し的だと感じました。

ブライアン・デ・パルマの第1作は、
エマニュエル・ベアールやジャン・レノなど、
フランスの有名俳優を起用してるんですが、
二人ともあまり生き生きしてません。

ただ、これはあくまで、
2023年的感想です。
女性エージェント(イルサ)が大活躍する第5作などは、
やっぱり「今」に近い感じがします。
この作品は2015年公開でした。

そして第6作になると、
再びイルサが登場するだけでなく、
CIAの長官はアフリカ系の女性で、
大物の武器仲介グループのリーダーも女性。
これが2018年。

そして新作、見に行きたいんですが、
180分、どうしましょう。

2023年9月17日日曜日

RRR

そう言えばこれも、
コロナ後で頭も体もイマイチなときに、
これなら見られるかなという感じで見た映画です。

『RRR』(2022)

180分ある映画なので、
これはもう、わたしなどには、
家で見る方がありがたいです。


監督・脚本は、S.S.ラージャマウリ。
かれは、『バーフバリ』2作の監督・脚本も担当していました。
まあ、雰囲気は、叙事詩的と言っていいんでしょうか、似てますが、
物語の構図は大きく違います。
今作は、1920年代、
つまりインドがイギリスの植民地だった時代が舞台で、
そのイギリスの支配を脱し、
インドがインドとして独立するまでを描いています。
分かりやすく、
植民者イギリス=無慈悲な悪、であり、
見ていると、
インドのアイデンティティーは、
イギリス支配からの脱却に原点があるんだろうなと感じます。
そういう意味では、
かなり国家主義的な映画です。

もちろん達者な監督ですから、
表面のお話は、なかなか奇想天外でおもしろいです。
ただ、主人公である二人の男性は、
「腐女子」が食いつきそうなコンビです。
ホモソーシャルと、ホモセクシャルの中間くらい?

ただしこの映画、
インドが舞台だけに、
ちゃんと理解しているかどうかあやしい場面もあります。
主人公の一人が、
ムスリムに化けて、街で働くシークエンスでは、
最初、その「化けて」いるということがわかりにくかったし。
ヒンドゥー、イスラム、仏教、シーク教……
それぞれのアイコンが散りばめられているんだと思うんですが、
全部を把握した自信はゼンゼンありません。
(冒頭近く、主人公の一人に追われる男性は、
シーク教徒なのだと思います。
舞台となった場所で、かつてシーク教徒が殺され、
反イギリスの大きな騒乱が起こっているからです。)

2023年9月16日土曜日

『地獄の花園』

たまたまネトフリで上がってきた

『地獄の花園』(2021)

冒頭だけのつもりが、
結局最後まで見てしまいました。
まあ、日本映画もチェックしないとですからね。


基本的は構図はいわゆる「任侠もの」で、
そこからの変更点は、
男たちを女性に置き換えたこと。
そして、その流れの中で、
舞台を、暴力団組織ではなく、
会社組織にしたこと、
だから女性たちは、
ことごとく「OLの世界」に属していること、
などでしょう。

もちろん、
戸惑う設定です。
というのも、
「ふつう」に見える会社の中に、
いくつもの女性派閥があり、
それらの序列は、暴力=喧嘩で決まるからです。
ありえないですね。
まあ、ありえないからこそ、
なにかの比喩なんだろうとは思いますが……

でもおもしろい点もあって、
それはたとえば、
「ふつうのOL」になりたかった女性が「覚醒」し、
おそろしいほどの喧嘩の強さを示すとか、
喧嘩の強さにアイデンティティーを置いていた女性が、
それを壊されて再生を目指すとか。

ただ、オチはあまりいいとは思いませんでした。
これだと、
なんだったの?
という感じも残ります。
脚本全体に、素人臭さというか、
あざとさがつきまとってもいるし。

でもトータルでは、
マンガ的で、おもしろかったということにしたいと思います。
女優たちの功績でしょう。

『犯罪都市 the roundup』

マ・ドンソク主演の

『犯罪都市 the roundup』(2022)

を見てみました。


第1作もエンタメとしてはおもしろかったですが、
この第2作も、楽しめました。
なんといっても、
マ・ドンソクの、強烈に強いんだけど、
ちょいちょい間が抜けていたり、
真剣なんだけれど、
悲壮にまではならない生き方とか、
チームの部下たちから、
恐れられつつ慕われている感じとか、
微笑ましく、
いわゆる「人間くさい」ところが魅力なんでしょう。
もちろん「暴力」は満載ですが、
陰惨とはほど遠く、
エンタメとしての節度が守られています。

マ・ドンソク、
韓流ドウェイン・ジョンソンだと、
わたしは思っています。

『オールド・ガード』

シャーリーズ・セロン主演のこの映画も、
たしか見た(数ヶ月前?)んですが、
やっぱり書き忘れていたので、
一応書くことにします。


この映画、
原作・脚本が、グレッグ・ルッカでした。
そうです、『ハート・オブ・ストーン』の脚本家です。

グレッグ・ルッカは、
わたしにとっては小説家で、
なんといってもアティカス・シリーズ全7作が印象深いです。
そしてわたしは迂闊にも知らなかったのですが、
今調べたら、彼は

2000年頃からワンダーウーマンやバットマン関連誌のライターとして活躍」

と紹介されていました。
「ブラック・ウィドウ」
「ワンダーウーマン」
「バットマン」
などのコミック・ノヴェルにも参加しているようです。
ゼンゼン知りませんでした。
わたしにとっては、
(まあ、同じ時期に読んでいたからですが)
ローレンス・ブロックや、
マイクル・コナリーなどと近い、
腕のいい小説家だとばかり思っていました。

で、『オールド・ガード』ですが、
考えてみたら、アティカスもまたボディーガードでした。
これはグレッグ・ルッカが得意なパターンなのかもしれません。

この映画、最近見たのに、
実はほとんど覚えていません。
シャーリーズ・セロンがかっこよかったこと以外!
グレッグ・ルッカ原作・脚本だと知った今、
もう一度そういう目で見直したくなっています。

シャーリーズ・セロンも、
グレッグ・ルッカを絶賛していました;

『ハート・オブ・ストーン』

『ワンダーウーマン』として知られるガル・ガドットが主演する、

『ハート・オブ・ストーン』

を見てみました。(ネトフリです。)
と言っても、実は見たのはしばらく前で、
書き忘れていたので、備忘のために書いておきます。


イスラエル人であるガル・ガドットは、身長178cm。
ちなみに、シャーリーズ・セロンも、
オルガ・キュリレンコも177cm。
アクションにはこれくらいが向いてるのかな、
とも思いますが、
アンジェリーナ・ジョリーは169cm、
ノオミ・ラパスは163cm !
やっぱり身長だけじゃないですね。

この映画は、
宣伝コピーにもあったとおり、
「女性版ミッション・インポッシブル」
という印象です。
イーサン・ハントも、
自らの失敗によってコトを複雑にしてしまったり、
同時に解決への意思を強く持ったりもしますが、
この映画のヒロイン、レイチェル・ストーンもまた、
物語としても心理としても、
そういう展開になります。

ところでこの映画、脚本担当の一人はグレッグ・ルッカ。
……グレッグ・ルッカ?
もしかして、あのアティカス・シリーズの!?

2023年9月14日木曜日

祝、アレ達成!

ついにアレが達成されました。
今日はわたしも、DAZNでじっくり観戦。
いや、いいチーム。強い!

で、
親友(とわたしは思ってるんですが)の一人に、
筋金入りの虎ファンがいて、
彼におめでとうのメールをしました。
You ARE the Champions !  と。

ウケたのはその返事。
優勝したのが信じられないので、
これからスポーツニュースをハシゴして、
どこでもほんとにアレしてるか確認する予定です、だって!

たぶん、大丈夫でしょう!
全国の虎ファンのみなさま、おめでとうございます!