2024年3月17日日曜日

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』

ネット散歩中に、
たまたまこの記事を見かけました。

「映画館で見たいスター」トップ20の平均年齢は57.8歳!



で、この記事の意図とは別に、
ここに掲載されているランキングには、
ちょっと興味を覚えました。
そして唐突に、トム・クルーズが見たくなりました!

何か見てなかったトム・クルーズはないかと思って探してみると、
アマプラに

『ザ・マミー』(2017)

がありました。
公開当時、評判がよろしくなかった作品です。
『キングスマン』にも出ていた、
アルジェリア系フランス人のソフィア・ブテラが、
2000年の時を超えて現代に甦った、
古代エジプトの王女を演じています。


ちょっと変わった映画で、
アクション映画とゾンビ映画の合体でした。
ただわたしは、そんなに悪くないと思いました。
トム・クルーズは単純なヒーローじゃないし、
ゾンビもゾンビらしいし。
なぜあんなに不評だったんでしょう?
まあ、多くの人がトム・クルーズに期待するものとは、
違っていたかもしれませんが。

2024年3月13日水曜日

"Il ne faut pas hésiter à gifler un mec"

マチュー・カソヴィッツのテレビ・インタヴュー、
こんな記事になっています。


(『アメリ』出演俳優!?
それはそうですけど、
やっぱり『憎しみ』の監督でいいような。
あるいは、フランスの有名映画監督、で。)

で、この番組です。
1分30秒あたりからです。


フランスの記事はこれ。


この中でははっきりと、

c'est aussi à nous de rester attentif et d'intervenir 
quand on est témoin d'un comportement 
que l'on n'accepterait pas avec notre mère, nos soeurs.

と言っています。

陰謀論にしても

ブリジット・マクロンは男だ、という、
訳のわからない「物語」が再燃していると言います。




ほんとは、こんな風に相手にすること自体、
よくないのかもしれません。
ただここまで大きくなると、
無視するよりは、
冷静に突き放す必要があるかもしれません。

それにしても、
これが「陰謀」であり得る前提には、
同性愛嫌悪があるのでしょう。
それは、福音派を含むアメリカの宗教保守が共有しているものです。
ただ、ミッシェル・オバマに向けられた「陰謀論」なら、
その意図は明白ですが、
海の向こうのフランスの大統領夫人を「問題視」することが、
どれだけアメリカの保守の利益になるのか、
疑問が残ります。


2024年3月12日火曜日

『エージェント・ライアン』

去年の夏、
パリ往復の飛行機の中でずっと見ていたのは、
ドラマ「ジャック・ライアン」シリーズでした。
で、
「ジャック・ライアン」はいろんな俳優が演じてきたキャラなわけですが、
第四代目に当たるクリス・パインが演じた、

『エージェント・ライアン』(2014)

を見てみました。


なんというか、
ちゃんと作られていて、
安定して「おもしろい」もの、
を見たくなったからです。
監督は、今話題のケネス・ブラナー。
主人公の恋人は、キーラ・ナイトレイ。
『ベッカムに恋して』から、約10年経っています。


期待通り、おもしろかったです。
エンタメとして過不足ないし、
見せ場もあるし。

正直言って、
1ヶ月後には、
ほとんど内容を覚えていない気がしますが、
エンタメ映画としては、これで十分という気もします。

「ジャック・ライアン」、
初代から全部見てみたいけど、
どうしようかな。

2024年3月10日日曜日

『フューリー 闇の番人』

主演が Lina El Arabi で、
相手役が Marina Foïs で、
しかもどうやらアクションものらしいという、
意外な組み合わせが魅力的な、

『フューリー 闇の番人』(2024)

をネトフリで見始めました。
が……

つい最近見たAlphonse 同様、 
なんというか、ちゃちな感じ。
設定も馬鹿馬鹿しいし、
アクションなのかもわからないし、
そもそも、脚本も浅はかなのが致命的……

どうもこのところ、
「フランスもの」はハズレに当たることが多いです。
たまたまなのか、
わたしの選び方が悪いのか、
わたしの見る力が足りないのか、
フランスもののレベルが低いのか、
この中のどれかだとは思いますが、
どうなんでしょう?

Lina El Arabi は、これらが印象的でした;



後者の主演も彼女です。



JUDITH BUTLER - CONTRE L’ANTISÉMITISME

ジュディス・バトラーのインタヴューがありました。

https://twitter.com/ParolesDHonneur/status/1766370563461652710


YouTube にはインタヴューの全体があります。


総合芸術系には、「総合芸術特論」という、
オムニバス形式の授業があるのですが、
わたしの担当回では、
改めて、パレスチナ問題を取り上げて、
改めて、『オマールの壁』を見ようと思っています。

それはともかく、
1日も早く、
イスラエルが自らの愚行に気づくことを祈っています。
(あるいはバイデンのアメリカが、はっきり気づかせるか。)

2024年3月7日木曜日

Alphonse

アマプラに登場しているフランスのドラマ、

『アルフォンス』(2023)

を(途中まで)見てみました。
主演はジャン・デュジャルダン、
その妻役にシャーロット・ゲンズブールと、
配役は豪華です。
ヴァンサン・マケーニュや、
わたしの好き なLubna Azbal も登場します。
(彼女については、これを;

さて、
このドラマのアマプラでの公開は、
そもそも問題含みでした。
というのは、監督の Nicolas Bedot が、
セクハラの訴訟を抱えていて、


しかもこのドラマ自体、
金持ちで高齢の女性たちの相手をする男娼が主人公だからです。

とりあえず予告編を;


ジャン・デュジャルダン演じるアルフォンスは、
マザコンで、
父親に恨みを抱き、
今は妻に抑圧されています。
この彼が、父の後を継ぐような形で、
男娼稼業に乗り出してゆくのです。

今、全6話中2話しか見てないんですが、
なんだか、見続けてもなあ、という仕上がりです。
キャスティングを見て期待したんですが……

2月に予定されていた判決は、
9月に延期されたようです。

2024年3月6日水曜日

『Code 8』

トロントを舞台にしたカナダ映画、

『Code 8』(2019)

を見てみました。
(「2」がネトフリに登場したので、
ますは「1」をアマプラで見たわけです。)


少しX-Men と似ていて、
少数の超能力者が迫害される社会を舞台にしています。
となると、
この「超能力者」はなんの比喩なのか、
とつい考えてしまいますが、
明確に「これだ」と言えるような描写は見つけられませんでした。

おもしろくなくはないんですが、
X-Men に比べるとかなり小粒で、
物語も単線的。
主人公の最大の葛藤は、
母親の病気の治療のためのお金がない、ということなんですが、
これって、江戸落語の設定にさえよくあったやつですね。
そういう意味ではかなり古めかしいです。
なので、印象がB級なのでしょう。

でもわたしは、
手から電気を出す、
みたいな映画が好きなので、
OK とします!

『スポットライト』

もう10回以上は見た『扉をたたく人』。
その監督であるトム・マッカーシーの

『スポットライト』(2015)

を久しぶりに見てみました。
ドラマ『プレス』の中で言及があったのですが、
イマイチちゃんと思い出せなかったからです。


全米、いや、全世界に広がっていた、
聖職者による、小児に対する性的虐待。
その長く隠蔽されてきた構造を、
ボストンの新聞社が暴く物語です。

演出はむしろ淡々としたもので、
もっと「感情的」にするのは簡単だったでしょうが、
その辺はストイックな作りになっています。

アカデミー賞を取った映画だし、
悪くはないともいますが、
映画としては、まあまあ、くらいだと感じました。
(で、あまり印象に残ってなかったのでしょう。)

ちなみに、これもトム・マッカーシーです。

『人類の深奥に秘められた記憶 』

2021年のゴンクール賞を獲得した小説、

La plus secrète mémoire des hommes


を読んでみました。
日本語訳もしばしば参照しました。
それが、昨秋刊行された、

『人類の深奥に秘められた記憶』

です。
訳者は野崎歓さんですが、
いつもながら素晴らしい訳でした。
最後の解説も必要十分という感じで、完璧でした。
(解説に書かれていたことは、
わたしが感じたのとほぼ同じで、
何かちょっと安心しました。)

あらすじを書くのはなかなか至難なので、
Amazonの紹介文をコピペします;

********************************************

なぜ人間は、作家は、“書く”のか。
根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!

セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、
気になる同郷の作家がいた。
1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、
「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。
しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、
ほぼ忘れ去られた存在となっていた。
そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、
内容に感銘を受けたジェガーヌは、
エリマン自身について調べはじめる。
様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。
時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、
そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。

***********************************************

まあ、これもまたわかりやすいとは言えませんが。

わたしは一般に、
小説家の出てくる小説、
演出家の出てくる芝居、
映画監督が出てくる映画、
は面白くないと思っています。
どんな形にせよ、
(つまり素直であれ歪んだものであれ)
そこには自己愛が横溢しているのが常だからです。
で、
この小説もそれに該当するので、
どうかなあ、とやや不安な気持ちで読み始めたのでが、
これがなぜか読んでしまうんですね。
主人公は、確かに、いわば昔風の「文学青年」なんですが、
大きいのは、さまざまな相対化がなされている点でしょう。
このおかげで、自己愛ズブズブにはならず、
むしろ引っ張られるように読み進めていけます。

……というようなわけですが、
それにしても、
久しぶりに読んだ強烈な小説なのは間違いありません。
1990年生まれの若い作家が、
ここまでのものを書くということに、
驚きを禁じ得ません。

セネガル出身の、
超優秀なワカモノにとっての、
パリのポスト・コロニアルな状況。
これはまだ古い問題ではないのでしょう。
この辺りは、特に力がこもっていると感じました。

テクニックとして、
いったいこれは誰のモノローグなの?
と思うことが何度かありました。
つまり、
ある人の視点からの文章の中に、
それとは違う視点の文章が投げ込まれているのです。
これは、おもしろい手法だと思いました。
その匙加減も絶妙だし。
(つまり、迷うけど、分かるわけです。)

でも結局最後まで読まされてしまうのに、
最も力を発揮したのは、
彼の物語ることのうまさなのでしょう。
400年前の『ドン・キホーテ』もそうでしたが、
突如挿入される「物語」が、
それ自体魅力的なのです。

オススメします。
















2024年3月3日日曜日

『プレス』

 アマプラにあるイギリスのドラマ、

『プレス』(2018)

を、同僚からオススメされたので、見てみました。
全6話のミニ・シリーズです。


結論から言えば、かなりおもしろかったです。
(回を追って、じわじわおもしろくなるタイプ。)

ロンドンの、2つの新聞社。
ヘラルドとポスト。
前者は良識派で、でも売り上げは上がらず、資金もない。
後者は扇情的なタブロイド紙で、資金もコネも十分。
この構図の中で、
2者で働く人たちの揺れを描いてい行きます。
まあ、ジャーナリズムものですから、
いわゆる報道の倫理のほうなものも、
強く問われています。

人物の配置は、分かりやすく対照的です。

     ヘラルド             ポスト
編集長  アジア系女性           ヨーロッパ系男性
副編集長 ヨーロッパ系女性(主役)     アジア系男性
若手記者 ヨーロッパ系女性         アフリカ系男性

コアなメンバーについて言うなら、
ヘラルドは全員女性で、ポストは全員男性です。
(もちろんチームは大きいので、
そこまで含めればもっと複雑です。)

印象に残ったのは、
二人の編集長です。
ポストの編集長ダンカンは、
実質的な主役とさえ言えるかもしれません。
なぜなら彼が、もっとも多くの屈折を抱えているからです。
(それに比べると、表面上の主役であるホリーは、
行動派で思慮も深いけれど、
とても分かりやすい人物として描かれているように感じます。)
ダンカンは、首相とも対等な権力者で、
仕事中毒で、
離婚し、
愛する子供にはなかなか会わせてもらえず、
美しい愛人がいます。
お金もあります。
そして彼の仕事上の非情さは、
息子への悲しい愛と矛盾しているように見えます。
ここに、ダンカンという人間がいるようです。

小さなことですが、
ポストの副編集長は映画ファンらしく、
映画に関わるセリフが何度かあります。
笑ったのは、
鉄鋼王のスキャンダルについて話しているとき、
ダンカンに、その man of steel は誰なんだ、と訊かれた時です。
副編集長は、
「クラーク・ケント?」
と答えるのです。
これですね。


もちろんダンカンは、うんざりした表情をするわけです。
イギリスだなあ、と感じたのでした。

2024年3月1日金曜日

Moi, chef.fe d’orchestre ?

もう5年以上前ですが、

マルケスの 

について書きました。

https://tomo-524.blogspot.com/2016/01/danzon-no-2.html

で、このヴィデオの指揮者である、

アロンゾ・デラ・パーラが登場しているインタヴューがありました。

https://www.youtube.com/watch?v=SYE6OaZw91s&t=851s

これはおもしろかったです!


2024年2月28日水曜日

『パイン・ギャップ』

ネトフリのドラマ、

『パイン・ギャップ』(2018)

を見てみました。
全6エピソードで、あっと言うまでしたが、
なかなかおもしろかったです。
オーストラリアの中部、
アリス・スプリングにある米豪共同の軍事施設、
パイン・ギャップを舞台にしたドラマです。
1つ知っておく必要があるのは、
このアリスという土地は、
アボリジニの1グループである、
Arunta people が「6万年前から」(←ドラマ内のセリフ)居住していた土地だ、
ということです。
(英語版の wiki には、「少なくとも3万年前から」とありました。)


パイン・ギャップ、
米豪共同施設なので、当然、
オーストラリア人も、アメリカ人もいます。
アメニカについて言えば、
CIAも、NSA(安全保障局)なども関わっています。
米豪は「同盟国」としてやってきたわけですが、
21世に入り、
オーストラリアと中国の関係が密接になり、
オースロアリアは、アメリカとの同盟を重視しながらも、
中国ともうまくやっていく必要があります。
エネルギー輸入の95%を中国に頼り、
小麦等の輸出先としても中国が1位なのです。
戦争などせずとも、中国はオーストリアを潰せるの、
と、パイン・ギャップのオーストラリア人女性副司令官は言うのです。

そんなパイン・ギャップのものすごいコンピュータ・システムの一部に、
マルウェアが見つかります。
内部の犯行です。
この犯人探しが、ドラマの縦糸です。
(もう1つ、アフリカ系アメリカ人男性と、
セルビア系オーストラリア人女性の関係もまた。
彼女は、コソボ解放軍に両親を殺されているのですが、
この軍をトレーニングしたのはアメリカなのです。)
そして横糸は、容疑者となった6人と、
犯人探しをする上司たちとその家族の人生です。
(米豪の間で起こる小競り合いもまた。)

犯人探しの中で、こんなセリフがありました。

裏切る動機は4つ。
M  is for money.
I    is for ideology.
C  is for compromise「妥協」 or coertion「強制」
E  is for ego.

これはその場にいた3人が、
変わるがわる発言して、
1つの流れをなすように脚本されています。
なかなか巧み。
そして6人はそれぞれ、
このどれかに該当しているようなのです。

ドラマも映画も、人物が魅力的なら、
それは作品の魅力にもつながると思いますが、
このドラマを見終わって、
特に印象に残ったのは二人、
まずはさっきも触れた、オーストラリア人女性副司令官キャシー。
若い研修生と浮気した夫を捨て、
厳しく堂々と、しかも理知的に仕事を遂行しています。
ただもちろんある種の空虚も抱えていて、
それは彼女が可愛がっている猫のブルースによって象徴されているようです。
(実は同僚である元夫は、
この猫の所有権を主張して裁判を起こしています。
家はいらない、猫をよこせ、というのです。
でもキャシーは、ゼッタイに、ブルーシーを渡そうとはしません。
それは彼女の精神の、最も柔らかい部分なのでしょう。

もう一人は、物語の発火点を作る人物で、
アメリカ人のPC&ゲーム・オタクの男性です。
彼は、ごく少数の人と以外、
同じチームのメンバーとも会話もしないようなタイプです。
(悪意を持って、彼を
bog-standard single guy nerd 「ごくありふれた独身のオタク男」
と呼ぶのは、キャシーの元夫です。)
そんな彼に、とても意外な出会いがあります。
この淡く、感情的な出会いとその帰結は、とても印象的でした。

というわけで、
こうして色々書いていると、
自分がおもしろかったと思ってるんだなと気づかされます。
ただ、
終わってないんですよね。
謎が残ってるし、
サスペンデッドな状況が複数あります。
シーズン2の話はあるようですが、
ぜひお願いしたいです。

とにかく、アメリカとオーストラリアの関係という、
ふだん考えたことのない視点が感じられて、
それだけでも新鮮でした。

2024年2月26日月曜日

ドラ1

今日のスポーツ・ニュースでは、
広島カープのドラフト1位の投手が、
調整が遅れていてキャンプ後は2軍へ回る、
という情報がありました。


ああ、でも読んでみると、

大学の卒業試験のため1月の自主トレを十分にできず……」

とあります。
有名スポーツ選手に対しても、
厳しく試験やレポートを課してるわけなのでしょうか。
もしそうだとしたら、
ちゃんとした大学だなって感じます。
246沿いの、あの大学ですね。

2024年2月25日日曜日

猛スピードで

先日、同僚がコロナ陽性になりました。
珍しく飲み会の予定があったのですが、
再調整となりました。
どうやら、第10波というものが来ているようです。
(もうピークは超えたと言いますが。)
まだ、無視できる存在ではないですね。
(わたし自身は、マスクはしていませんが。)

「ふらんす」の連載の仕事、
猛スピードで進んでいます。
何しろ、4月号の発売まで1ヶ月切ってますから!
そしていずれはこの連載をまとめて、
それをベースに別の形に、とも相談しているので、
そちらの方も進めています。
3月は、この仕事がメインになりそうです。
(読んどくべき本も溜まってるんですけど……)

2024年2月21日水曜日

確定申告

 



これね、ほんとにこう返事したい気持ち。

画像の引用元は:

https://www.tokyo-np.co.jp/article/309964

2024年2月18日日曜日

『ドン・キホーテ』

なんだか書いたような気がしていましたが、
書いてないことに気づきました。
今更ですが、
去年読んだ本の中で、
一番印象に残ったのは、

『ドン・キホーテ』

でした。
岩波文庫で全6巻。
前編3巻の刊行が 1605年で、
後編3巻の刊行が 1615年とされているようです。
とにかく、17世紀初頭の小説です。

わたしには、おそろしくおもしろかったです。
400年以上前に、
こんなに自由で、
さまざまなジャンルの要素が入っていて、
メタな部分もたくさんある小説が書かれていたなんて、
驚きでした。

ドン・キホーテは、
中世に流行った騎士道文学に入れ込み、
その荒唐無稽なフィクションをすべて現実だと思い込みました。
そして、
騎士道精神を「現代」に復活させるべく、
自ら「遍歴の騎士」となり、
冒険と栄誉を求めて、
まさに「遍歴」の旅に出るわけです。
彼の狂気は滑稽で、
周囲の人も呆れてしまい、
場合によっては彼を信じたふりをして揶揄うわけですが、
ドン・キホーテの狂気は揺るぎもせず、
その様子は、戦慄的でさえあります。
滑稽で旋律的。
これが『ドン・キホーテ』なのだと感じました。

なにしろ6巻もあるので、
読み始めるのにちょっと勇気が入りますが、
翻訳はとても明晰で読みやすく、
ぜんぜん辛くありませんでした。
ナチの迫害を避けてアメリカへ向かう船旅の際、
トーマス・マンもこの小説を読んだそうです。

とても素晴らしい小説でした。

(シェークスピアの『リヤ王』は、
初演が1606年だそうです。
1年違いですね。)




Titans

ネトフリのドラマ、

Titans

を見ていると書きましたが、
あっという間にシーズン1を見終わりました。
が!
ぜんぜん終わってなくて、
しかも、最終話は話が飛んでいて、
(実は飛んでなかったんですが、
どう見ても最初は飛んでるのかと思う展開)
しかも(2回目)、後半はイマイチ「動き」が少なく、
失速気味だったので、
シーズン2に行くかどうか迷ったんですが、
ちょっと調べてみると、
シーズン2の第1話で、
シーズン1が解決するとあったので、
そこまで見ました。
最後はあっけなかったですが、
まあ、Anna Diop のスターファイヤーが良かったので、
ヨシとしましょう。
(でも、シーズン2以降はまたいつか!)

2024年2月17日土曜日

The Book of Clarence

今、シーズン1の終盤まで来た

ドラマ『タイタンズ』

ですが、
中で一番目立っているのが、
赤い髪に紫のドレスの、Anna Diop です。


かっこいいですよね!

で、
彼女のことをちょっと調べたら、
新作が公開されたところでした。
そしてなんと、オマール・シーと共演してるのでした。


舞台は、紀元33年のエルサレムだそうです。
どうも、偽イエスが登場するようです。
見たいですね!
 


2024年2月16日金曜日

ありきたりでOK

今週は、月曜日にZoom会議が4つありましたが、
それ以降は……、
何をしていたか分からないうちに、
金曜まで来てしまいました。
まあ思い出すと、
テニスはした(3回!)し、
カフェには(ほぼ毎日!)行ったし、
来年度に関わる学生関連の重要な書類も提出したし、
舌平目(←スーパーで30%引きでした!)のムニエルも食べたし、
スマホのバッテリーも変えましたが、
それくらいかな?

……と書いていて思い出しました。
カフェで、詩を書いてたんですね。
これにとても時間かかりました。
(しかも完成してないし。)
それからもう1つは、
例の連載のための内容を、
レナさんとやりとりしながら、
詰めていました。
あとは、
『世界はラテン語でできている』という新書を読んで、
(著者の「ラテン語さん」のX、時々見てました。)
『バットマンvs,スーパーマン』
が面白くなかったので途中でやめて、
『デューン』も面白くなかったので途中でやめて、
(ティモシー・シャラメは、人気があるようですが、
わたしの好みのタイプの俳優ではありません、)
でも、新しく見始めたネトフリ・ドラマ、
『タイタンズ』
これは今のところけっこうおもしろくて、
毎晩楽しみにしてます。

というわけで、
ありきたりですが、
まあ、楽しい今週でした。

2024年2月11日日曜日

「行き過ぎ」

イスラエルによる戦争犯罪は続いています。

https://twitter.com/UNIC_Tokyo/status/1755879218599047459

戦争前からの国際法違反行為も、
今だに続いています。

そしてついにバイデン大統領も、
イスラエルは「行き過ぎ」だと。


彼にはあまり期待はできないけれど、
それでも、
アメリカの大統領の他に、
イスラエルを止められる人はいないのでしょう。
もっともっと強く。早く。

「ふらんす」連載します!

日本で唯一のフランス専門雑誌といえば、
白水社の「ふらんす」ですが、
4月号から、
レナさんと一緒に連載することになりました!
(パチパチパチ!)
テーマは「会話」で、
初級から始めて、
だんだんニュアンスをつけた表現までいければと思っています。
で、今日も、
レナさんと、いつもお世話になっている担当のMさんと、
三人でZoom打ち合わせをしました。
ほんとに頼もしい二人です!

どうぞお楽しみにしてください!

『マン・オブ・スティール』

『ジャスティス・リーグ』がおもしろかったので、
そもそもなぜスーパーマンは死んだのだろうと思って、
『バットマンVS.スーパーマン』
をみ始めたのですが、
これを見るなら、その前に

『マン・オブ・スティール』(2013)

を見て、
スーパーマンが何をしたのか見ておく必要がありそうだったので、
こちらを先に見ることにしました。


この『マン・オブ・スティール』、
わたしはなぜか、とてもおもしろく感じました。
こういう映画を楽しんでいると、
子供に戻ったような気がしてきます。
アメリカ軍に花を持たせる部分もありますが、
結局は、アメリカ軍の、
そして人間の無力さ、卑小さ、が滲み出ていたのも、
好感を持った理由です。

監督はザック・スナイダー。
彼は『ジャスティス・リーグ』の監督でもあります。


二人

わたしのお気に入りの映画である、
『キラキラしてる』(Tout ce qui brille)


については、
ここでも何度か触れました。
ほぼすべてのシーンの撮影場所にも行ってみたし。
(でも論文は書けずじまいになってますが!)

この映画の主人公は二人。
ユダヤ系のジェラルディン・ナカシュと、
アラブ系のレイラ・ベクティです。
パリ郊外に住む二人は、
「パリ」への憧れを共有し、
喧嘩もしますが、
友情を育みます。
そしてその友情は、
ユダヤーアラブ間の友情でもあるわけです。
パリ郊外に、小さなパレスチナがある、
ただしこちらは、友情で結ばれたパレスチナです。

昨日、
ガル・ガドットがイスラエル擁護の立場にあることに触れました。
で、
そういえば、(もっと早く気づくべきでしたが)
ジェラルディンとレイラは、
どんな立場にいるのだろうと思ってちょっと検索すると、
すぐにこれがヒットしました。


ジェラルディンは、
彼女に意見を言えと迫ってくる、
メディアからのプレッシャーについて語っています。
そしてもちろんそれが、
自分が俳優だからと言うより、
「ユダヤ人」俳優だからだという点を指摘しています。
(実際そうでしょう。)

...on se demandait si on était invitées en tant qu’actrices, 
jeunes actrices, jeunes tout court, 
ou finalement comme juive et musulmane ? 
(…) Oui c’est vrai, je suis juive, Leïla est musulmane

一方レイラは、はっきりこう言っています。


ほんとにその通り。

日本では、
例えば俳優が、
ガザ問題についての立場を問われることはないのでしょう。
けれどもフランスでは、
おそらくアメリカでも、
そういう質問を避けることはできないのでしょう。
(そう言えば数年前、
それまで沈黙していたテイラー・スイフトが、
初めて政治的立場を鮮明にした時には、
大きな話題になっていました。)

今朝テレビで、
ある評論家が、
「中東問題はわからない。
勉強し直してもなかなかわからない。
宗教問題だから」
と発言していました。
評論をしてお金をもらう立場の方が、
この位置にいるわけですね。

2024年2月10日土曜日

『ジャスティス・リーグ』

アマプラにオススメされた映画、

『ジャスティス・リーグ』

を見てみました。


地球が危機に瀕し、
死んだスーパーマンを甦らせるべく、
バットマンやワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュ、
などが集合する総花的映画です。
でも、ジャンル映画としては、
なかなかおもしろかったです。

ただ、
ワンダーウーマンのガル・ガドットはイスラエル出身で、
元イスラエル軍の軍人でした。
(女性も兵役があるので。)
そして、まあ想像通りではあるんですが、
彼女は10/7 以降、
パレスチナでの死者数が1万人を超えた昨年末の段階でも、
イスラエルを支持していて、
一部からは批判も出ています。

わたしも、彼女の態度にはややがっかりしましたが、
だからと言って、
彼女の出演作をすべて否定するなんていう気もありません。
こうしたことは、単純ですが難しい問題で、
個別のことはそれぞれになんらかの態度を取れるでしょうが、
なかなか一般論に至りつきません。

2024年2月6日火曜日

『アリータ』メイキング

2019年の映画なので、
何を今ごろ、
と思われるでしょうけど、
ヒロインであるアリータの表情の現れ方が、
今まで見たどのCGとも違っていた気がして、
メイキングを探したら、すぐに見つかりました。


このヴィデオのタイトルにある通り、
製作者の一人は、

1つのフレームの中での「実写とCGIの「完全な融合」

を達成できたと言っています。
「完全」かどうかはともかく、
たしかに、今までとは違うぞ、と感じました。

また、これほど練習してたんですね。


もっと早く観ればよかった!

浮いてる?

来年度のカリキュラムを確認せよ、
という連絡が来ました。
で、
確信したんですが、
今更ながらおもしろい(?)と思ったのは、
例えば、大学院の、後期の月曜2限の開講科目。

電磁波特論
システム工学特論
ソフトロボティクス特論
建築数理情報分析特論
文学と都市
データ化学工学特論
幾何学特論D
素粒子物理学特論B

どれとは言いませんが、
1つ浮いてるような!
とはいえ今年は、
総合芸術系以外の、
建築、情報、機械、などを専門とする学生も履修してくれました。
嬉しかったです。

4・36%

マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」の
国家公務員の昨年11月分の利用率が
4・36%だったことがわかった。
最も低いのは防衛省で2・50%だった。」
(朝日新聞)

つまり、100人中95人は使ってないと。

2024年2月5日月曜日

『アリータ:バトル・エンジェル』

やはり見逃していた、
ジェームズ・キャメロン監督の

『アリータ:バトル・エンジェル』(2019)

を見てみました。


特に期待もなく、
たまたま出てきたから見た、
というのも良かったのかもしれませんが、
なかなかおもしろくて、
一気に見てしまいました。
原作は、1990年代の日本のマンガ、
『銃夢』なんですね。

300年前の火星軍との戦争の結果、
今地球には、ザレムと呼ばれる空中都市と、
その廃棄物が積み上がる地上の街、アイアン・シティーしかありません。
そしてある日、サイボーグを治す医師が、
くず鉄の山の中から、
女性サイボーグの頭部を発見。
それがまだ生きていることに気づいた彼によって、
金属の肉体を与えられた彼女は、
アリータとして再生します。
記憶を失っていた彼女は、
何度か危機に襲われる中で、
「自分」を思い出してゆきます……

<以下、ややネタバレします>

サイボーグは心を持てるのか、
サイボーグと人間は愛し合えるのか、
など、古典的なテーマにも触れていますが、
見所はやはり、アリータのキャラなのでしょう。
彼女は、戦う少女から、
戦い愛する女性へと「成長」してゆきます。
時には、「父親」である医師の言葉を無視し、
自分の信念を貫くし、
時には、愛する人のあめ、
自分の命を差し出そうとさえします。
こちらが油断していた(?)せいもありますが、
アリータの涙にはグッときてしまいました。
また、善人と悪人、みたいな単純な構図ではなく、
ファルマコン的な人物もいるし、
例の「セイヴ・ザ・キャットの法則」
(弱っている猫を助けた人物に観客は好意を抱く)
をストレートに使い、
ただそれを反転させたりもしていて、
よく練られていると感じました。

ただ、この映画、誰が見ても「終わってない」んですよね。
もう4年経つのに、まだ続編は出てません。
公開されたら、劇場で見ます!





『バービー』

見よう見ようと思いながら今日まで来てしまった

『バービー』(2023)

やっと見ました。
直接のきっかけになったのはこの記事です。


マーゴット・ロビーの言葉が、
清々しくていいですね。

映画としては、
前半は快調で、
中盤過ぎもいい流れだと思うんですが、
後ろの1/3ほどが、
ちょっとまどろっこしかった、
つまり、説明的というか、理に落ちるというか、
着地地点をしっかり提示することにこだわりすぎた気がします。
ただもちろん、そうしたくなるのは当然だし、
なんなら、何か新しいパラダイムの萌芽くらいは示したい、
と思うのも当然なので、
そういう風になってしまうのは理解できますが。
ただ、とりわけ「アイデンティティ」というものの理解が単純なので、
深いという感じはしませんでした。
もちろん、おもしろかったんですが。

それにしても、
ライアン・ゴズリングは、
ライアン・レイノルズと似てますねえ。
まあ後者の方が、ちょっと陽気な感じだけど。
そしてふつう、
有名俳優に似てると、
かえって役がもらえないって聞きますけど、
そうはなってないんですね。

読書用ランプ

このところ、
選択の失敗が続いています。

『バッドランド・ハンターズ』
『ザ・キッチン』
『ベルリン』

どれもわたしにはイマイチでした。

マ・ドンソク主演の『バッドランド・ハンターズ』は、
まあ彼が出ていてば75点は固いだろうと思っていたのですが、
荒唐無稽で浅はかな脚本と雑な演出が目立ち、
20点くらいでした。
『ザ・キッチン』は、遅すぎる、と感じました。
このスピードでやるなら、もっと映像が魅力的じゃないと。
『ベルリン』は、
あの傑作『ペーパーハウス』のスピンオフなので、
これはエンタメとしては間違い無いだろうと思っていたのですが、
ハズレでした。
こちらも、浅くて単純。
舞台がパリなので楽しみにしてたんですが……

実はもう1本、途中で辞めている映画があるんですが、
これは、映画は悪くないというか、
主演女優はとても上手くてよかったんですが、
話の展開が苦手なパターンに入ってしまったので、
つい止めてしまいました。
実はこの長尺の作品、
最初の30分ほどは会話ばかりだったんですが、
それでも、
俳優の細かい演技と、脚本のおもしろさに引っ張られていたので、
残念でした。

話は変わりますが、
読書用の小さなライトを買いました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09J4QRFFB/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

リビングのソファのアームに置いてみたら、
とても本が読みやすくなりました。
これ、買って良かったです。

2024年2月1日木曜日

『偽りの銃弾』

ネトフリにお勧めされたイギリスのドラマ、

『偽りの銃弾』

を見てみました。
見終わってから知ったんですが、
ネトフリ内ではかなりヒットしているようです。

宣伝文句はこんな感じ;

殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。
2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、
2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。

続きが気になりますね?
8話なので、あっという間です。

ドラマは、映画と違う時間が流れています。


で、今回のドラマはというと、
(単なる印象批評になってしまうんですが)
いわゆる「ドラマを見てる」というより、
小説を読んでいる時の感覚に近かったです。
謎のある犯罪物の小説を読んでいるみたいな精神状態になりました。

でやはり、原作小説がありました。
人気作家、ハーラン・コーベンの小説で、
訳者はお馴染みの田口俊樹。
彼の翻訳、何冊読んだかしれません。
その感覚です。

ただどうしても違うのが、
役者の存在です。
たとえばヒロインのマヤ。
ドラマを見ていると、当然ながら、
マヤは、演じるミシェル・キーガンの容姿に見えていて、
それ以外の容姿にはどうしても見えません。
(ミシェルはきれいだし、かっこいいですが、
元特殊部隊には見えません。
小説だったら、
おそらくもっと逞しい、
スポーツ選手のような雰囲気の女性を想像していたでしょう。)

というわけで、
原作小説も読んでみたくなりますが、
読むべき本が高く積み上がっていて、
そこまでは無理かな……

2024年1月31日水曜日

2024年1月30日火曜日

PNL - Gaza (un jour de paix)

4年振りに、
PNL が戻ってきています。
しかも、こんな曲で。








2024年1月27日土曜日

土曜日に会議

今日はまず、
午前10時からマンションの自治会の総会がありました。
わたしは(順番で回ってくる)理事の一人なので、
欠席は不可。
で、これが12時まで2時間。

その後慌てて昼食を取って、
12:30から会議を連続で4つ。
終わったのは4時半くらいだったでしょうか。
つまりトータルで……、6時間も会議……
もちろん、そんなの甘い甘い、
もっと長く、もっと深夜まで、
という場合も多いのだろうとは思いますが。

で、
身動きできなかった状態から解放され、
とりあえずカフェへ。
気分的にもホッとします。
そしてなぜか、
(行ったのはスタバではないんですが)
「スターバックスはどこにでもあるから」
という1行が頭に浮かび、
詩を一つ書いてみました。
パリの、テルトル広場近くのスタバに行く話です。
なぜこんなのを書いたのか、
自分でもよくわかりませんが。

カフェと図書館、
要りますね。

「大量虐殺防止のためあらゆる措置を」

国際裁判所、「ジェノサイド」かどうかは判断せず、

とにかく「大量虐殺防止のためあらゆる措置を」と。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e58190f4724fc68bf4744807568f18269693b7bf 

ただし、イスラエルは聞く耳を持ってません。

イスラエルの印象、悪くなる一方なんですが。

2024年1月26日金曜日

結束バンド

結束バンド、ご存知でしょうか?
ホームセンターで売ってるアレじゃなく、
音楽バンドの方なんですが。

実はこれ、
学生のプレゼンで登場したバンドなんですが、
おもしろいのは、
このバンドはアニメの中の存在だということです。
コミュ障の女子高校生が主人公のアニメ『ボッチ・ザ・ロック』。
その中で主人公たちが組むバンドが結束バンドで、
彼女らが演奏する曲が、
アニメを飛び出して飛びだしてきかれている訳です。

結束バンドの実際のヴォーカルは長谷川郁美。
こんな感じです;


ちょっと懐かしい「バンド」って感じで、
サビのメロディーもまたちょっと懐古的。
とはいえ、このバンドがアニメから出てくるのはおもしろいです。

たとえばかつての「渋谷系」のように、
街は新しい「文化」を生み出していました。
けれども最近は、むしろそれはヴァーチャルな世界から生まれるのだ、
という指摘を読みました。
街派のわたしとしては、賛成したくないんですが、
でも、一理あるなあと思ってしまいました。

ちなみに、上の動画の「青春コンプレックス」の作詞は樋口愛。
そう、「悪魔の子」のヒグチアイです。
今マックに行くと、彼女のミニ番組が流れていますね。
(昨日、聞きました。)

『炎のデス・ポリス』

ネトフリで出会ってそのまま見たのは、

『炎のデス・ポリス』(2021)

ジェラルド・バトラーが出てるので、
まあ80点近くは行くだろうと思って見始めたのですが、
確かに平均点以上のアクション映画でした。

主な登場人物は4人。
若いアフリカ系女性警官、
追われている詐欺師、
殺し屋1、
殺し屋2、
です。
バトラーは殺し屋で、
殺し屋たちは二人とも、詐欺師の命を狙っています。
(理由ははっきりとは示されません。)
で、詐欺師は、殺し屋の追跡を避けるため、
わざと女性警官を殴って留置場に入る選択をします。
けれども殺し屋たちは諦めず、
1も2も、そこにやってきて、
実力と心理の駆け引きが始まります……
あえて言えば、女性刑事が主人公で、
彼女がアフリカ系で、しかも銃が
好きなようなので、
ちょっとブラックスプロイテーション的な雰囲気も感じます。
(なので、多くの人が、タランティーノ的、と評しているのでしょう。)

ある批評に、
新しものはないけど楽しめる、
というのがありましたが、
まあそんな感じ。
バトラーは、いつもの力んだ感じが薄くて、
わたしはいい演技だと感じました。

2024年1月23日火曜日

『オールタイム・ハイ』

ネトフリで見かけたフランス映画、

『オールタイム・ハイ』(2023)

を、サクっと見てみました。


まあ、話は分かりますが、
おもしろいのか、おもしろくないのか、
なんだかはっきりしません。
ただ、最後まで見たのはたしかです!

とにかく(見え見えの)嘘と吐きまくる男と、
やはり詐欺師の「美人じゃない(←と彼は言います)」女性との、
アクション・ラブ・コメディ、
というところでしょうか。

ちょっとおもしろかったのは、
アラブ系の主人公が、ブラジル系だと名乗るところ。
これって、『サンバ』のウイルソン/ワリドと同じです。
またこのアラブ系の主人公は、
まだ30代くらいなのに「ハゲ」でいて、カツラをつけています。
そしてそのカツラが落ちると、
「これじゃあブーテフリカになっちまう!」
なんて、いかにもアラブっぽい冗談を飛ばします。

この主人公を演じるのは、


に出ていたNassim Lyes です。
B級映画ですが、たまにはこんなのもいいです。


2024年1月20日土曜日

テニス復帰

年末に肉離れを起こして以来、
少しずつよくなるものの、
なかなかテニスができるところまで戻らなかったのですが、
やっと今週、
コートに復帰できました。

で、行ってみると、
テニス・スクールのカーペット・コートが張り替えられていて、
特に手出しの時などは、
バウンドの感じがかなり違っていて、
最初は戸惑いました。
回転がかかっている場合は、
バウンド後の変化も大きいし。

でもとにかく、
テニスは楽しいです。
(いつまで経っても上手くなりませんが!)

そういえば先日の会議で、
「体育」の授業が話題になったとき、
ある先生が、
「体育の授業では、
学生が経験を言語化する訓練も有用なんじゃない?」
と発言されました。
言わんとすることは理解できます。が、
わたしはむしろ逆で、
言語化されてしまったものを、
もう一度身体の側に奪還するのが体育の授業なんじゃないか、
と思いました。(で、そう言いました。)
これは、テニスからのわたしの実感です。

2024年1月18日木曜日

日本、2.3%

2.3% は、多くはないかもしれません。が、
0% でありたいと感じます。


そんなつもりじゃない、と言うでしょうけど、
技術者なら、
軍事転用できるかどうかなんて、
すぐわかるはず。
企業も国も、もっと神経質にならないと、と思います。

Nuit de la lecture 2024

明後日ですね。

Nuit de la lecture 2024 @ Institut français de Tokyo

https://culture.institutfrancais.jp/fr/event/ndl-tokyo2024 

Karyn Nishimura さんも登壇されるんですね。 


2024年1月17日水曜日

『バーバリアンズ・2』

大学の試験も、あと月曜を残すのみとなり、
すでに終わった試験の採点などを進めています。

そんな中、
ちょっとだけ箱根の温泉に行ってみました。
箱根は、自宅から行きやすくて、とても気楽。
ロマンスカーもあるし。
露天の岩風呂に入って、
ホワイト・ビールを飲んで。
本当は採点などがひと段落してからいけば、
もっとくつろげたんでしょうけど、
キャンセルによる空きを見つけたので、
風呂は急げ!
ということで行ってみたのでした。
(とはいえ、
滞在時間は20時間ほどで、
戻った午後はまた採点ですけど。)

そして箱根で、
『バーバリアンズ・2』までみ終わりました。
ローマ帝国のティベリウスが、
アルメニウスら「蛮族」と相対します。
そして歴史は、アルメニウスの妻、トゥスネルダが、
二人の子供と一緒にローマ軍の捕虜となることを教えていますが、
まさにその時点までが描かれていました。

全体のデキとしては、シリーズ1の方が上だとは思いますが、
それなりに面白かったです。
でも、明らかに「終わってない」ので、
シリーズ3を待ちたいと思います。

このドラマを見たせいでしょう、
ネトフリがやたらと歴史物を推してくるようになりました。
中に、その名もずばり『ローマ帝国』というドラマがあって面白そうなんですが、
英語なんですよね……
ちょっと興醒めるというか、ありえないというか、仕方ないというか。
こうなったら、日本語吹き替えで見てみるのもアリでしょうか!?


2024年1月9日火曜日

『バーバリアンズ』

先日見た

『パックス・マッシリア』

の中で、
パリから赴任してくる女性刑事を演じていたのは、
Jeanne Goursaud(ジャンヌ・グルソー)というドイツ系の新人女優でした。
クールで、大胆とも言える行動力があって、反権力的という、
とても魅力的な役柄を、
いい感じで演じていました。
で、
ほかに何に出ているのか調べたら、
ネトフリのドイツ・ドラマ、

『バーバリアンズ』

に、主役級で出ているのを発見。
早速見始めて、今シーズン1が終わったところです。
時代物は、基本的に好みじゃないんですが、
このドラマはなぜかおもしろく感じます。


素材となっているのは、
紀元9年に今のドイツで起こった「トイトブルク森の戦い」です。
これは、ローマ帝国軍と、
ゲルマニア(とローマ人に呼ばれた土地)に住んでいた諸部族との戦いです。
数の上では大きく上回るローマ軍は、大敗を喫するのです。
(ドイツのナショナル・アイデンティティの一部をなしているのかもしれません。)

ただこの戦いには、確かにドラマがあります。
というのも、
自分の利益を追求し半目しあっていた諸部族を統一したのは、
アルメニウス(←実在の人物)という人物なんですが、
彼は数奇な人生を歩んでいます。
彼は、ケルスキ族の族長の長男だったのですが、
ある時ローマ軍は、族長に対して、
まだ幼い息子を「和平の象徴」として差し出せと命じます。
族長は、一族皆殺しになるのを避けるため、息子を差し出します。
が、十数年後、成長したアルメニウスは、ローマ軍と共に戻ってきます、
総督ウァルスの片腕として。
けれど……
彼は結局ローマを裏切り、
かつての仲間たちをローマ軍を打ち破るのです。

さてジャンヌですが、とても良かったです。
彼女はアルメニウスの妻トゥスネルダ(←実在の人物)の役ですが、
と言っても、
彼女は戦う妻であり、
未来を見る予見者でもある(ことになっている)のです。
しかも、彼女がアルメニウスと結婚するまでには、
他にも色々障害があって……



ここまで見て、
事実を調べてみると、
このドラマにはかなり脚色があるのに気づきました。
が、まあ許容範囲なのでしょう。
もちろん、シーズン2も見るつもりです。








コロナ

今日大学で同僚たちとだべっていたら、
年末年始、コロナでかなり辛かった、
という先生が二人いました。
一人は「死ぬかと思った」というほど。

そして今回のコロナは、
どうも喉に来るみたいですね。
しかも肺に近い方、というか。
喉が焼けるようで、
アイスバーを突っ込みたかった、
とも言ってました。

またこのお二人とは別に、
知り合いが ICU に10日間入っていた、
という先生もいました。
コロナが広がった当初、
この ICU に入るという話が多く聞かれましたが、
まだまだなくなった訳ではないのですね。

また広く流行するのかも、怖いね〜、
と話し合ったのでした。

年明け初日

というわけで、大学の授業が始まりました。
今日の初日は、
いきなり(?)「パリ映画ゼミ」と「ワールド映画ゼミ」で、
それぞれ、
『奇跡の教室』と『ツォツィ』の解説がメインでした。
ただ「解説」と言っても、
何か教科書があるわけでもなく、
わたしがわたしなりに分析した結果を、
学生たちに説明するだけですが。
まあ、これが大学院のゼミなら、
そこからの展開もあるわけですが、
学部の1、2年生ですから、
今後の考え方の参考にしてくれれば、
ということろです。

『奇跡の教室』については、
だいぶわたしも見慣れてきました。
もう、20回くらいは見たでしょうか。
1つの大きなポイントは、
母親はたくさん出てくるのに、
父親は不在だということでしょう。
これは、実はなかなか気づきづらいことのようです。
(学部生には、何が「映っていないか」、
と考える習慣がまだないので。)
書こうと思えば論文も書けそうですが、
本当はもっとエッセイ的に書きたいです。
ただ、どちらも、需要がないんですよねえ……
(もちろん、需要なんかカンケイなく書けばいいだけのことですが!)

2024年1月6日土曜日

紅白、そして「ニューミュージック」

昨日、夜にそば屋に入ったときのこと。

店に入った途端、
そば屋には似つかわしくないと感じられる激しい曲が流れていて、
この店じゃなかったかな?
と思いつつ注文すると、
今度はエレ・カシの、
どこかで聞いたなあと思ったら、
紅白で歌っていた曲。
で次はあいみょん、さだまさし……
と来て、紅白を再現していることがはっきりしました。
それにしても、
「コスモス」から「津軽海峡」を経てフミヤに至る流れを聞いていると、
なんだか、昔の居酒屋にタイム・スリップしたかのよう。
中で「アイドル」だけは、
好き嫌いは別にして、やっぱり新しさが感じられます。

紅白については、
朝日新聞に
「バラエティー化し迷走、NHK紅白は続くのか」
という記事が出ていて、おもしろかったです。
インタヴューに答えているのは、
時々Xも見に行く増田聡先生。

紅白の分析もおもしろいのですが、
わたしが気になったのは、

――80年代に何が起きていたのですか

 「ポピュラー音楽の領域では、ニューミュージックの台頭がその変化をもたらしたといえます。日本では、60年代後半からフォークやロックといった英米の新世代による音楽ジャンルに親しむ若者が生まれ、その担い手たちは、歌謡曲を生みだす『レコード会社』『テレビ局』『芸能プロダクション』の空間の外側で活動しようとした。はっぴいえんど(69年デビュー)はしばしばそのような動向の象徴とされますが、既存の芸能界的な空間の外部で音楽を作り出そうとする志向が70年代には『ニューミュージック』と呼ばれ、80年代には若い人が聴く音楽の中心になっていく」

 「ニューミュージックはメインストリームの文化に対するカウンターカルチャーとしての意識をもっていました。そのカウンター性は、紅白を含めて『テレビに出ない』という形で表現された。80年代の若い世代の中心は団塊ジュニアで、マスとして相当な規模になる。世代的なセグメンテーション(区分)の力が強まり、紅白を支えた歌謡曲的な音楽ジャンルを支持する親世代との分裂が始まっていく」

というあたり。
「東京詩」の授業では、
「中央フリーウェイ」(76)が出てきて、
それの関連として、
YMOの「Technopolis」(1979)などにも触れているのですが、
それらを説明する際の肉付けになると感じました。

で、ついでに「ニューミュージック」を調べてみると、
これはいろんな人がいろんなことを言ってるんですが、
印象に残ったのはこの2つ。
両方とも wiki からの孫引きです。
まずはユーミン。

「ニューミュージックって言葉は嫌いなんだけど、
まあこういう音楽は私がはじめたわけでしょう。
私、ゼロからはじめたんだもの。
だから過去のものとは較べようがない」
「"四畳半フォーク"、"有閑階級サウンド"、"中産階級サウンド"も私の命名。
それを富澤一誠とかが使い出して、そのうち浸透した。
坂本龍一にそういったらテクノポップって言葉はぼくがつくったんだと言ってた。
インパクトのある言葉なら、すぐに浸透する。
吉田拓郎は名前しか知らなかった、
だんだん騒がれ出して(自身が) "女拓郎" とかいわれるようになったから聴いたが、
私のやったことは拓郎やかぐや姫とは違う。
私のつくった曲は今までにないまったく新しいもの」
『ルージュの伝言』1984)

そして、スージー鈴木さんは

「歌謡曲とニューミュージックの融合した先がシティ・ポップ。
独断の定義をするなら、
東京人による、東京を舞台とした、東京人のための音楽がシティ・ポップ。
それが乱暴すぎるとすれば、
京の横に「(註)横浜と湘南も含む」と付記する。
都会的で、大人っぽく、そしてカラカラに乾いたキャッチコピー的歌詞と、
複雑なアレンジとコードを駆使した音楽。
逆に言えば『田舎』と『ヤンキー』を仮想的とした音楽。
その生成の過程は1979年のソニー・ウォークマンの発売で、
音楽自体が街(=シティ)に出た。
同時期にブレイクしたYMOの『TOKIO』によって強く規定された。
東京の一極集中が進行しているのだから、
音楽も東京一極集中でいいじゃないか。
70年代フォークが偏愛した田舎のことなんて、
もういいじゃないか、という気分が蔓延した。
(……)
『田舎』と『ヤンキー』を仮想敵とした
音楽による『全国東京化計画』が進んでいった」
『1984年の歌謡曲』2017

と指摘しています。
おもしろいです。
規範としての東京を描いたテレビ・ドラマの場合と、
(時代はズレますが)似ているところがありそうです。
(YMOについて『TOKIO』と書いてありますが、
これは Technopolis のことだと思われます。)

2024年1月5日金曜日

報道

何か今回は、情報が少ない気がするんですけど……

これは分かりやすかった。

「9日に予備費使用の閣議決定」

時事通信の見出しは;

岸田首相は能登半島地震の物資支援のため9日に予備費使用の閣議決定を行うと表明した



というわけなんですが、
待てよ、9日? 
今日でも明日でもなく、9日??
つまり、
連休は休むと……。

水、食糧どころか、段ボールがないっていう、
「先進国」とは思えない状況になってるのに。
Dégueulasse.