2020年4月28日火曜日

『アジョシ』

朝鮮族が(何らかの形で)登場する韓国映画は、
今までにこれだけ見ました。

『新世界』
『犯罪都市』
『コインロッカーの女』
『哀しき獣』
『アシュラ』
『ミッドナイトランナー』

そして今日見たのが、

『アジョシ』

です。
(今年見た韓国映画、55本目。)


臓器売買や麻薬を手掛ける、朝鮮族マフィア。
その組織に連れ去られた幼い少女を救うため、
元特殊部隊で、今は質屋をやっている青年が立ち上がる、
という物語です。

傷ついた幼い少女、
やはり心に傷を負った青年、
彼らをとりまく希望なき世界……と、
フィルムノワール的な要素は揃っています。
ただ、
主演はウォンビンなので、
彼をカッコよく見せなければならない、
という制約が、
画面の端々から感じられました。
エンタメとしては、

問題なく最後まで見ていられますが、
とてもいいかと言えば……
そしてこの映画の残虐な犯罪組織が、
朝鮮族なんです。

それにしても、
韓国の「ワンダーウーマン」は、
いつ登場するのでしょう?
「ワンダーウーマン」が、
家父長的ホモソーシャル集団を痛快にやっつける映画は?

『ミッドナイトランナー』

Zoom で動画を取るには、
当然カメラがいるわけですが、
なぜか、
デスクトップのそれよりも、
ノートのそれの方が写りが鮮明なので、
そちらを使っています。
ただ、
ノートの方はDVDドライブがありません。
で、そろそろDVDを見せる授業に入るため、
外付けのドライブを引っ張り出したところ、
動きません!
まあ、安いやつだったから……
というわけで、
新しいものを注文し、
それが来るまではちょっと休憩!
と決めて、
きょうはお休みの日にしました。
で、最初は、

『ミッドナイトランナー』

を見始めました。
警察大学に通う二人のセイネンが、
たまたま見かけた誘拐事件を追い、
失敗を繰り返しながらも、
なんとか解決にたどりつく、というお話です。

https://www.youtube.com/watch?v=LKawaEeLikI

この映画、
なぜか、いま一つ乗れませんでした。
学生が、なんだかヤバイくらいのワル組織を追い詰めるという展開が、
あまりに現実感がないからでしょう。
また、
(例によって、という言い過ぎですが)
女性たちがあまりにひ弱で搾取される弱者として描かれているので、
(たとえそれを救うという物語でも)
抵抗がありました。
たしかに、警察学校に一人、
自立した感じの厳しくきれいな女性教授がいるのですが、
バランスを取るまではいってない感じでした。

ただ、この映画は有名です。
というのも、ワル組織のアジトが、チャイナタウン、
つまり朝鮮族の集住する地域にあるのですが、
公開当時、
この映画があまりに「朝鮮族=ワル」の構図を押し出したために、
朝鮮族の人たちの複数の組織が、
上映禁止運動をしたのです。
見てみるとたしかに、
「こんなところがあったんだ」とか、
「ここは治安が悪いから……」とかいうセリフがありました。
これは日本でも広がっている誤解ですが、
外国人労働者が入ったからと言って、
犯罪率が上がるということは基本的にないようです。
それは、このソウルのチャイナタウンでも同じなのに、
あたかも犯罪の巣窟のように描かれ、
名誉を棄損された、というわけですね。
たしかに、一理あります。

わたしが見た韓国映画の平均水準には、
達していないと思いました。

2020年4月27日月曜日

『フラ語入門』

先日も、アマゾンのことをちょっと書きました。
その時、『フラ語入門』は、
「一時的に在庫切れ」
と表示されていて、
もうすぐ「在庫あり」になるはずだと書いたのですが、
今見たら、なんとそれどころか、
中古品のみ!
の表示になっていました。
これだと、まるで絶版本みたいです!

繰り返しますが、
白水社には(送料がかかりますが)在庫あります。

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b472214.html

アマゾンも、
いろいろ大変だとは思いますが、
書籍のほうも、
どうぞよろしくお願いします。

『目撃者』

パワポとZoom、
やっと一段落したので、
ひさしぶりに韓国映画です。
仕事後で、あまり集中力がないので、
分かりやすそうなやつを、
ということで、

『目撃者』(2018)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=iYSv8j8Ayak

中年夫婦と幼い娘。
彼らは、郊外に買った念願のマイホームに引っ越したばかり。
それは複数の棟で構成されるニュータウン風の土地です。
比較的「いい階層」の人たちが住んでいると言われています。
で、ある夜、飲み会の後、
午前二時ごろ帰宅した夫は、
女性の悲鳴を聞きます。
窓辺によって外を眺めると、
まさに、女性が殺されるところでした。
震えあがった彼は、けれども、
警察に通報しませんでした。
それどころか、警察の聞き込みにも知らんぷり。
巻き込まれるのはイヤ…… そう思っているわけです。
でも、実は犯人は、
この夫に見られたことを知っていて……
というお話。

この小心でわがままな主人公には、
けっこうイライラさせられますが、
それも制作側の狙い通りなんでしょう。
現代韓国における、他者への無関心。
なにかにコミットすることへの拒否。
関心があるのは自分の資産だけ……。
こうした傾向を告発するわけですが、
それはまあ、単純と言えば単純な内容です。
それがどこから来たか、などは説明されません。

イ・ソンミンは、
いつもはナンバー2的な役が多い印象ですが、
今回はバリバリの主演。
小心な感じはよく出ていた、かな。

よかったのは、彼の妻を演じるチン・ギョンです。
彼女は、『マスター』での、いい女風のワルや、
『監視者たち』での、
きわめて頭脳的なチーム・リーダーなどの印象が強いですが、
今回は、
(『ベテラン』の時とちょっと似ていて)
主人公の妻と言う役どころ。
でも、しっとりして、パリっとしていて、
いい感じでした。

映画としておもしろくなくはないんですが、
やっぱり、ちょっと厳しい点がいくつかあった気がします。
まず、刑事役のキム・サンホですが、
あまりぱっとしない気がしました。
それから犯人の人間性の描写がほとんどなく、
最後に、言い訳風に付け足していただけなのが、
ちょっと弱い、かな。

でもまあ、やっぱり映画は楽しいですね。

2020年4月25日土曜日

466億

例のマスク、回収騒ぎになってます。

で、
ネット上の書き込みに、
466億円あったら、
全国 466 の医療施設などに、
1億円ずつ配れたのに……
というのがありました。

ほんとにねえ……

2020年4月24日金曜日

重版!!

去年の9月に、

『フラ語入門 わかりやすいにもホドがある!』改訂新版

つまり、「アプリ版」が出たのですが、
早くも重版の連絡がきました。
使っていただいているみなさま、
ありがとうございます!
少しでもお役に立っていれば嬉しいです!

アマゾンでは、
「一時的に在庫切れ」が続いていますが、
重版は、在庫が切れる前にするものです。
ですからもちろん今も在庫はあり、
ただアマゾンの入荷システムが、
通常通り機能していないだけです。
すみませんが、少々お待ちください!!

2020年4月23日木曜日

今は

キャンパスに入れなくなり、
もう、3週間くらい大学に、
当然研究室にも行ってません。
家で、
オンライン授業のための準備を、
粛々と(?)進めているわけです。
今日が何曜日なのか、
分からなくなりがちです。
で、
この授業準備を始めてから、
全然映画を見たりする時間も、
気持ちの余裕もなくなっています。
(よく言えば、集中してる、となるでしょうか!?)
で、
会議も多くは中止になってるんですが、
会議はなくとも、
決めなきゃならないことはもちろんたくさんあるわけで、
そうした資料が、
大量に(メールで)送られてきて、
これに目を通すのがなかなか大変です。
というのも、
会議をやってくれれば、
まあ、ふつうに聞いていて、
お、ここ大事!
という時は集中して聞く、
というふうになるわけですが、
会議なしで、資料だけ送られてくると、
まずは、どこが大事か探さなければなりません!
これが、時間かかるわけです。

大学への通勤はないんですが、
明らかに、仕事量はかなり増えています。
そもそも、
通勤して、研究室に行きたいわけなので、
通勤はなくなってくれなくていいんです!
研究時間が取れないよ~、という、
先生たちの声を耳にします。
その通りだとは思いますが、
今はとにかく、
質のいいオンライン授業をすることが、
自分ができることの優先順位1位!
と考えることにしています。

2020年4月21日火曜日

初めて買ったレコード




ジャッキー吉川さんの訃報を聞いて、
思い出しました。
小学生の頃、
初めて、自分で選んで買ったレコード。
それは忘れもしない、
ジャッキー吉川とブルーコメッツの、
このアルバムでした。

よく聞きました。
当時は、
アルバムに入っているすべての曲が歌えるくらい。
で、小学校のお楽しみ会などで、
友だちと一緒に、
ブルコメを熱唱したのでした。

なんと、半世紀以上前のことなんですね!

2020年4月20日月曜日

「一時的に在庫切れ」

アマゾンでは、
『フラ語入門』が、
数日前から「一時的に在庫切れ」となっています。
実は、3週間ほど(?)前にも、
同じ表示が出ていたのですが、
その時は、
1週間ほどで「在庫あり」に戻ったようです。
今回も、
おそらくそんな感じになるだろうとは思います。

で……

複数の出版社の人から、
今アマゾンは、
日用品の販売が急増していて、
そちらに人員を回しているようで、
書籍の発注は後回しになっていて、
だからなかなか「在庫あり」にならない、
で、出版社から電話しても、
全然つながらない……
という話を聞きました。
たしかに、買おうと思った本が、
「一時的に在庫切れ」になっているケースが、
このところ何度かありました。
そういうことなんでしょうか?
日用品はもちろん大事ですが、
本もまた大事……

それでも、『フラ語入門』のように、
定期的に入荷してもらえる本はまだいいのだそうです。
そのうち順番が回ってきますから。
問題は、そうじゃない本で、
出版社には在庫があるのに、
アマゾンでは、ずっと
「在庫なし」
にされてしまうことがあるようです。
だから、アマゾンに在庫がない場合は、
各出版社のHPで、
オンラインで買えないか確認するのもいいと思います。
実際わたしも、
それで買えたこともあります。

ギターだった……

この曲、
ヴィラ=ロボスのギター曲を集めたCDで何度も聞いたし、
好きな曲でさえあるんですが、
なんというか、
実際に弾いているの動画を、
今日たまたま初めて見て、
ああ、ギターだったんだなと、
あらためて発見したような、
不思議な気がしました。

https://www.youtube.com/watch?v=PTCwf9bPGfY

以前リュートのこと書きました。

http://tomo-524.blogspot.com/2019/01/bach-luth.html

ギターは、
リュートほどは聞いていません。
(ヴァイオリンほども、ピアノほども、
またオーボエほども、聞いてないかも。)
でも動画が新鮮だったので、
とりあえず、
最近聞いていないヴィラ=ロボス、ギター曲集、
探し出してみます!

2020年4月18日土曜日

パワポ全開

そろそろ
(といってもまだ10日あるんですが)
オンラインに授業内容をアップできる日が近づいてきて、
本番モードになってきました。
明治では、とりあえず、
春学期の前半はオンライン授業、
と決まったので、
最低6回(+補講分2回)分は作ることになります。
もう、
Zoom 収録もしてみて、
まあまあいいんじゃないかとも思ったのですが、
計8回作ることが決定したので、
もう一度初めから、
まずは数回分のパワポを作ってしまってから、
Zoom 収録に移ろうと思っています。

でもこうなってくると、
なかなか本を読んだり映画を見たりできなくなるのですが、
なんとか、
パワポや Zoom に楽しみを見出したいと思っています!






2020年4月16日木曜日

『コンフィデンシャル/共助』

キム・ソンフン監督の他の作品を、
と思って見てみたのが、

『コンフィデンシャル/共助』(2017)

です。

https://www.youtube.com/watch?v=UYMmP9etTwM

北朝鮮の軍人、イム・チョルリョン。
彼は、ある作戦中、
妊娠していた妻を上司に殺されます。
そして偽札の金型を持って逃走した上司を追って、ソウルへ。
そこで、南の刑事カン・ジンテと出会い、
上司の跡を追います……

この監督の大きな特徴は、
ストーリー・ラインがとても明瞭なこと。
見ていて、混乱することがまったくありません。
こんな風にストーリーを語れるというのは、
大きなメリットでしょう。

構図は、タイプの違う二人の刑事が、
最初は牽制し合い、警戒し合いながら、
やがては信頼関係に至るという、
まあ、星の数ほど実践例があるパターンを借りています。
で今回はそれが、
北の、ルックスのいい(とされる)、運動能力の高い、妻を喪った刑事と、
南の、ルックスが悪い(とされる)、うだつの上がらない、家族持ちの刑事、
という対比です。
もちろん、ここに南北が入ってくるのが、
韓国映画ならではです。
(無口なチョルリョンが、
ジンテの家族の前で初めて言葉を発した時、
ジンテの妻と妹は、
驚いて言うのです、
「北の人ですか?」
わたしにはまったく分かりませんが、
それほど、言葉にも違いがあるんですね。)

このタイプのフランス映画で、
わたしが真っ先に思い出したのは、これです。

http://tomo-524.blogspot.com/2013/09/lunion-sacree.html

ユダヤ人とアラブ人、という対比です。

それから、こんなのもありました。

http://tomo-524.blogspot.com/search?q=Les+keufs

で、話を『コンフィデンシャル』に戻すと、
これは十分見ていられるし、
エンタメとしては完全の合格点だと思います。
ただ……
カン・ジンテの妻は、
「口が悪」く、夫を邪険に扱いますが、
一方では、夫の身を案じ、
しかも、夫が望むなら、
彼が危険な場所に赴くときも応援するという、
なかなか「よくできた妻」です。
で、もちろんここが問題です。
映画は、例によってホモソーシャルな世界を舞台としています。
その中に、この妻のイメージを挿入すると、
それは一見、
女性の強さ、深さを描いているように見えながら、
実際は、そのホモソーシャルな世界から排除されたまま、
その世界を信奉する、という役割を振られていることになる気がします。

優秀な韓国映画群の、
わりと頻繁に出会ってしまう傷のように、
わたしは感じました。

2020年4月15日水曜日

台湾の



知り合いのお友だちのお子さんです。
前からお噂は聞いていましたが、
今日、朝日新聞に登場しました。

いいなあ、こういう政治家がいるところって。

2020年4月14日火曜日

「責任のアウトソーシング」

中島岳志さんの言葉を用いるなら、
「責任のアウトソーシング」
が、露骨に、露骨に、
見える今日この頃です。
彼らは、責任を取りたくない。
(そう宣言してましたね。)
だから、自治体や、企業や、学校や、商店主や、個人に、
責任を押し付けようとする。
自分から判断・決定して、
責任を追及されるのがイヤだから。
そんなにイヤなら、
さっさと退場して、
家でコーヒーでも召し上がっていらしたらいいのに。

責任、responsabilité。
(répondre「応じる、反応する」+ able「できる」+名詞語尾)
(状況・ものごとに)反応することができるということ。

『トンネル 闇に鎖された男』

ハ・ジョンウ主演の映画、

『トンネル 闇に鎖された男』(2016)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=xo_VYTWClO0

話は、おそろしく単純。
あるクルマのセールスマンが、
仕事先からの帰宅途中、
長いトンネルを走っていると、
突然、トンネルが崩落、
彼はクルマもろとも瓦礫の下敷きになってしまうのです。
救出は可能なのか……というわけです。

驚いたのは、
こんなに単純な設定で、
動きも出しにくい物語なのに、
とてもよくできていたことです。
単なる「ヒューマン・ドラマ」ではありません。
鈍感な人間たちへの、
現代社会のあり方への、
辛辣な物語でもあるのです。
また、孤独な主人公の相棒として、
犬が現れるのもナイスでした。
『狼たちの午後』を思い出す、
と言うと、
さすがにそれはほめ過ぎですが。
(ただ一点、
主人公の妻の位置づけがやや難しい。
映画は、その辺を、
あえて曖昧なままにして終わっているように見えます。)

ハ・ジョンウも素晴らしい。
甘さも不安も恐怖も、
巧みに表現していると思いました。
オ・ダルスもいい役で出ているのですが、
彼はほんとにしょっちゅう見かけます。
監督としては、彼のような脇役がいれば、
安心なんでしょう。

キム・ソンフン監督の作品は初めて見ましたが、
これは、ほかの作品も見ないとですね。

2020年4月13日月曜日

『受取人不明』

今年の韓国映画、
キリのいい50本目なので、
満を持して(?)この映画、

『受取人不明』(2001)

を見てみました。
監督はキム・ギドクです。

https://www.youtube.com/watch?v=aI8rUnjhFc8

(←実際の画質は、こんなに荒れていません。)

実は、先日見た『殺されたミンジュ』のなかで、
ワルを追い詰める寄せ集めの集団が、
(こけおどしの)軍服を着ているシークエンスがあったのですが、
なんとその制服には、
<U.S. Army> 
の軍章があったのです。
つまりその私設の集団は、
ひとつには「アメリカ(軍)」なわけです。
勝手にやってきて、
勝手に裁くが、
自らも暴力的システムに侵されている……

で今回見た『受取人不明』は、
はっきりと「アメリカ」が前面に出ている映画です。

時代は1970年代。
韓国はまだ豊かではなく、
朝鮮戦争の記憶が残っている時代、ということでしょう。
場所は特定できませんが、
山に囲まれた田舎で、
米軍基地を擁しています。
そこで、3つの家族が暮らしています。

まず、母と息子が、
米軍の払い下げなのか、
バスで生活しています。
実は息子チャングクの父親は、アフリカ系の米兵で、
母親はアメリカに渡るべく、
帰国した夫に手紙を書き続けていますが、
それはいつも「受取人不明」で戻ってくるのです。
「ハーフ」とからかわれるチャングクは、
犬を残忍に殺しては、その肉を売りさばく男の下で働いています。
そしてこの男は、
かつて米軍のもとで働いた経験があり、
チャングクの母親の愛人でもあります。

2つ目の家族は、
父親と息子チフムです。
父親は、朝鮮戦争で敵(=同じ民族の人間)を3人弓で殺し、
自分は勲章を与えられるべきだと言い続けています。
チフムはおとなしく、また弱々しく見えます。
(キム・ヨンミンが演じています。
『殺されたミンジュ』ではもちろん、
『The Net』でも、
彼は印象的でした。)

3番目の家族は、
母親と、働かない息子と、18歳の娘ウノクです。
父親は、朝鮮戦争で殉死し、
勲章を受け、彼の遺族年金で、
3人は細々と暮らしています。
(が、途中で、
実は父親は戦死したのではなく、
北に逃げたのだと判明します。
家族は、監視対象に置かれます。)

つまり、それぞれの家族に子供がおり、
チフムとウノクは魅かれ合っており、
チャングクは弱いチフムを守ろうとします。

そしてここに絡むのが、
一人の若い米兵です。
マザコンである彼は、
異国の地での生活に耐えられず、
ウノクに近寄ります。
そして、基地内で目の手術を受けさせてやることと引き換えに、
恋人になることを求めます。
ウノクは、チフムの反対を振り切り、承諾します……

物語はシンプルで、
分かりにくい箇所はないんですが、
解釈は、かなり複雑になりそうです。
「アメリカ」を求め、受け入れられない家族、
「アメリカ」の内情に通じ、犬殺しを続ける男、
「アメリカ」とともに戦い、同胞を殺した父親、
「アメリカ」によって、見えなかった片目が見えるようになった娘、
自らの弱さから、韓国の少女に言い寄る「アメリカ」。
「犬」や「目」や「弓」が、
象徴的なものであるのは感じますが、
この象徴は単純ではなく、
それ自体多層的であるように感じます。
そしてまた、
それをきれいに切り分けることはできない気もします。

20年近く前の作品であり、
まだ煮え切っていない部分もあるのかもしれません。
音楽も、ジムノペディが流れたりして、
ちょっと意味が取りにくいと感じる箇所もありました。

わたしが見た範囲では、
キム・ギドク作品として一番いいのは、
『The Net』だと感じます。

『守護教師』

マ・ドンソクは人気者ですが、
わたしも好きです。
極端にマッチョな体型と、
あの風貌のアンバランスな感じが、
見ているだけで微笑ましい(?)というか。
どんなチョイ役でも、
すごく目立つし。

で、彼が主演した

『守護教師』(2019)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=LwFZ4NDmfAk&t=23s

マ・ドンソク演じる、
元東洋チャンピオンのボクサーだった男が、
田舎の体育教師の仕事にありつき、
その町に引っ越します。
するとそこでは、
まさに彼が赴任した女子高校の生徒が一人、
行方不明になっています。
選挙中にスキャンダルになるのを恐れ、
学校も警察も動かない中、
その少女の親友と、
もちろんわれらがマ・ドンソクが、
その「事件」を追う……というお話です。

まあなんと言うか、「小さな」映画で、
とりたててどうということなないんですが、
それなりにちゃんと構図もあるし、
なんといっても「動き」があって、
最後までスムーズに見られました。
突っ込みどころもあるけれど、
まあ、マ・ドンソクが好きなら、
十分OKなんじゃないでしょうか。
(もちろん、
『犯罪都市』
のときのインパクトにはだいぶ負けますが。)

ひとつ、ちょっと残念だったのは、
最初とても「生意気」でいい感じだった少女が、
途中から、
ただ守られるだけの存在になってしまったこと。
前半の流れなら、
ここで行動に出るだろう、
というところで、
委縮して動けないのです。
ほんとは女は弱い……という、
「男性」的願望が透けて見えた気がしました。
(そのほうが、
「守護」教師になるには好都合、
という事情もあるでしょうが、
そもそもその事情が、ね。)

2020年4月12日日曜日

「パリ映画ゼミ」の新候補

明治大学の理工学部には、
理系の学部であるにもかかわらず、
「総合文化ゼミナール」
という、
文系教員(だけではありませんが)が、
自分の専門分野を、自由に、少人数で、
ゼミ形式で行う授業があります。
今年度わたしは、
「パリ映画ゼミ」と、
「ワールド映画ゼミ」を開講する予定です。
が……

オンライン授業になり、
せっかく映像が使える教室を使わせてもらえることになっているのに、
学生にDVDを見せることができません。
「パリ映画ゼミ」では、
これまで学生に、
あらかじめ指定した映画を見てきてもらうのではなく、
授業中に一緒に映画を見ながら、
この場面の意味はこう、とか、
この場所はここ(と言ってストリートヴューを見せる)、とか、
このセリフの背景にあるのはこういうこと、とか、
ここの字幕では訳されてないけど、
ほんとはこう言っている、とか、
この単語は「パリ郊外」的だとか、
これは差別語的だ、とか、
ということは彼はユダヤ人だ、とか、
細かなことをたくさん言うスタイルをとってきました。が、
今年はそれができそうもありません。
仕方ないので、
今回はまず(下調べした上で)学生に見てもらって、
さらにレポートを書いてもらって、
その後解説する、と言う感じになりそうです。

で……

どの映画を見せるかですが、
見てきてもらうとなると、
学生がアクセスしやすいものにしないとです。
で、たとえばAmazon Prime に上っているようなものに限ると、
予定していた映画の半数は見られません。
そこで試しに、Amazon Prime 限定で選び直してみたところ、
候補としては、

『最強のふたり』
『サンバ』
『黒いスーツをきた男』
『クロワッサンで朝食を』
『奇跡の教室』
『オーケストラ・クラス』
『メイド・イン・フランス』
『カミーユ、恋はふたたび』

(セネガル、モルドヴァ、エストニア、コートジボワール、アルジェリア……)

となりました。
まあ、悪くはないけど、
たとえばここで挙げた12本とは違います。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=hssfranse-001-16040001

でもまあ、
『サンバ』
が入っていてくれてよかったです。
あとは、
『戦争より愛のカンケイ』
があればよったんですが……

(ちょっとおもしろいのは、
『奇跡の教室』&『カミーユ』が入っていていること。
これらは両方とも、
パリ郊外クレテイユを舞台にしているんです。
クレテイユ、人気かな!?)

”L'Afrique n'est pas un laboratoire.”

数日経ちますが、
やっぱり無視できないので、
あげておくことにしました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200404-00372709-usoccer-socc

https://www.bbc.com/afrique/region-52160337

https://twitter.com/didierdrogba/status/1245797040245932032

「アフリカは実験室じゃない」

2020年4月11日土曜日

Zoom が開く新しい形

テレワークやらオンライン授業やらで、
このところよく名前を見かける Zoom。
アメリカでは、セキュリティーが問題となり、
使用禁止というニュースもありましたが。

で、オンライン授業です。
今、日本の大学教員の多くが、
付け焼刃で Zoom に挑戦中だと思います。
そしてわたしもその一人で、
今日、初めて Zoom で授業を「収録」してみました。
それはつまり、
一人でミーティングを開催して、
それをレコーディングする、ということです。

しゃべりの途中には、
簡単なパワポと、
教科書のPDFを(「共有」することで)映し出し、
教科書の音声も聞かせることができました。
初挑戦にしては、
うまくできた、かな?
でもまだ、画面の切り替えなどに、
もたつくこともあるんですが、
まあそれくらいは大目に見ましょう!?

少し問題だったのは、
今使っているデスクトップ PCの内蔵カメラ。
かなり画質が荒かったので、
ためしに Mac air でもやってみたら、
ノートなのに、
そっちのほうがきれいでした。
で、そちらを使うことに。

でも、
パワポを作って、
収録して、
さらに採点して、
レポートにコメントして、
となると、
かなりの仕事量にはなりそうです。
まあそれで、
通常の授業に近い学習効果が上がるなら、
なにも問題ないんですが。

若い先生の中には、
テレビ会議が好き、
と言う人もいて、
彼らにとっての「対面」授業の意味は、
わたしたちにとってのそれとは違うはずです。
今回のコロナ禍をきっかけに、
大学の授業のあり方は、
根本的に変わる可能性があると思います。
(社会の形も、働き方も。
そして願わくば、グローバル資本主義も。)
わたしも、
新しい授業の形においても、
いいパフォーマンスが出せるよう、
努力する所存です!

2020年4月10日金曜日

『パリに見出されたピアニスト』

先日見た『オーケストラ・クラス』も、
パリを舞台とした音楽映画でしたが、
もう1本、
パリの音楽映画を見てみました。

『パリに見出されたピアニスト』(2018)

です。
(なんだか凝った邦題ですが、
原題はシンプルに Au bout des doigts。
「指先に」なんでしょうけれど、
au bout du doigt と言うのとは違って、
「指」が複数なんですね。)

https://www.youtube.com/watch?v=tpanfgQ9Tpg

パリの郊外のワカモノが、
ある時、パリの北駅で、
いわゆる「駅ピアノ」を弾いていると、
それを聞いたパリのコンセルヴァトワールの先生がその才能に驚き、
本物のピアニストに育て上げようとする、
というお話です。
北駅、というところが、
「郊外」感があるわけですね。
(映画の中で、バイクで送ろうか? 
と主人公が訊かれる場面。
字幕では、
「地下鉄で帰る」
と答えているのですが、
フランス語では、RERで帰る、と答えています。
郊外なんですね。)
で、すごく細かいことを言うなら、
この駅が先生の生活圏にあるとは思えないんですけどね。

メインの曲は、
ラフマニノフのピアノコンチェルトの2番・第一楽章です。
もちろん名曲です。
(All by myself を聞くと、
つい第二楽章を思い出してしまいますが、
そうでもない?)

映画としては、
まあ、ふつう、かな?
ピアノの場面はいいんですけどね。

台湾

同僚の林先生が書かれた記事です。
ぜひ。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71732

なんだか、
政権を全とっかえしたくなります……

2020年4月9日木曜日

『殺されたミンジュ』

今日はあたたかくいい天気でしたが、
結局、外へは出ませんでした。
で、
今年の韓国映画48本目、

『殺されたミンジュ』(2014)

を見てみました。
先日見た『プンサンケ』が、
できはともかく「何か」を感じさせる作品だったので、
やっぱりキム・ギドクはすごいかも、と思って、
彼の監督・脚本の映画を選びました。
この映画は、
アマゾン・レヴューでは評価が低いのですが、
わたしはなかなかの意欲作で、
実験映画的な要素もあり、
見る価値は十分あると思いました。

https://www.youtube.com/watch?v=nkuf39S8v9U

映画の冒頭で、
ミンジュという少女がいきなり殺されます。
(彼女が誰なのか、どんなバックグラウンドを持っているのか、
それは映画の最後まで語られません。)
そして、この殺人事件の実行者たち、
それを命じた指揮系統の人間たち、が、
順に拉致され、
罪を自白させられます。
でもこの、彼らを拉致する集団は誰なのか?
それは、どうも公的機関ではなく、
さまざまな「不満」を抱く人たちの集まりらしいのです。
「ミンジュ」は殺されてはならない、
と考える人たち……

この映画について、
キム・ギドクはこう語っています。

映画の冒頭で殺される女子高生オ・ミンジュとは誰なのか?
観客それぞれの“殺されたオ・ミンジュ”が存在するだろう。
それがどんな人物であれ、観客はこの映画を見終えるために、

自分自身のオ・ミンジュを存在させなければならない。
それから、結末を受け入れるか、あるいは否定することになるだろう。
もし殺された者の気持ちを知っているなら、この映画を見る必要はない。
きっと理解してくれる人がいるだろうと信じて、この映画を撮った。
理解してもらえなくても、どうすることもできない。

これが現状で、現在の私たちの姿なのだから。

なるほど。
「ミンジュ」は象徴なのですね。
それは、ふつうに考えれば、
「理念」であるのでしょう。
自由なり、公平なり、民主主義なり、
あるいはもっと個人的な信条でもあるかもしれない。
ただおもしろいのは、
それを棄損した人的システムに報復する集団は、
それ自体、また理不尽なシステムに変質していってしまうのです。

森友事件の、赤木さんを思い出させるシーンもありました。
システムに蹂躙され、死へと追い込まれてしまうのは、
もっとも良心的な人なのでしょう。
厚顔な人間たちは、
のさばり、嘯くのでしょう。
ただ、彼ら自身も、
システムの正体は知らないのです……

2020年4月8日水曜日

『プンサンケ』

ユン・ゲサン主演の映画、

『プンサンケ』(2011)

を見てみました。
(「プンサンケ」とは、
北朝鮮の狩猟犬の一種の名称だそうです。
主人公が持っていたタバコの銘柄の名前でもあります。)
脚本はキム・ギドクです。

https://www.youtube.com/watch?v=MOASXHLctlI

主人公は運び屋です。
といってもただの運び屋ではなく、
彼は北朝鮮と韓国の間で、
手紙なりヴィデオなり、
場合によっては人までも配達するのです。
で、その彼の存在に気付いた韓国の情報局が、
試しに、北朝鮮からある女性を連れてくるように依頼します。
彼女は、すでに脱北している北朝鮮高官の恋人なのです。
運び屋は、
この不可能と思える仕事を、見事やり切ります。が、
情報局は彼を裏切り、捕えてしまいます。
ただもちろん、
そんな簡単に捕まったままでいる彼ではありません……

主人公は無口です。
というか、言葉は一言も発しませんでした。
その理由は分からないのですが。
いくつか、つっこみどころは確かにあります。
でも、わりといいとわたしは思いました。
恋愛映画としても見ても、
ちょっと初めてみるような演出もありました。
また、
南北の対立する人間たちが戦う場面では、
その虚しさというか、
「国家」というものの虚構性そのものが浮き上がり、
よかったです。

                                   *

今日の午前中、BS-NHKで、

激動の世界をゆく 「韓国 “隣人の素顔”を探して」

という番組(の再放送)を見ました。
そこで、ある脱北者のワカモノが、
「2018年には、
北でも、南北統一を歓迎する人たちが多くいた。
ただ彼らは、完全に洗脳されているので、
自分たちこそが、
韓国を迎え入れてやるんだとしか思っていない」
と語っていました。
また、
「南北統一を願っているが、
キム・ジョンウン政権で統一してもだめだ。
民主主義で統一して欲しい」
とも。

ムン・ジェインは革新派で、
統一を進める気は十分あるようですが、
一方では、
北朝鮮に気を遣うあまり、
脱北者の支援が不十分だと言われています。
この番組で紹介されたワカモノたちは、
そうした不平を漏らしてはいませんでしたが。

今韓国で、南北統一を願っているのは、
50%強です。
2018年には、60%近かったのですが。
これは単に二者の問題ではなく、
アメリカも、中国も絡んでいて、複雑です。
ムン・ジェインが言う、
2045年までに統一、というのは、
実現するのでしょうか?

刊行延期

パリの写真集、
実質、でき上っていて、
あとは印刷するだけ
(まあ、色校正は何度があるにしても)
なんですが……
ここしばらく考えて、
刊行を遅らせることにしました。
今は、なんとなく、ちがう気が……
(一方では、今こそ出すんだ、
という気持ちも、なくはないんですが。)

万が一、待ってくださっている方がいたら、
すみませんでした。
時機を見て、
踏み切りたいと思います。

ミロのヴィーナス

ちょうど、
200年前の今日!
エーゲ海のミロス島で、
「ミロのヴィーナス」が発見されました。

誰もが知っている像ですが、
ルーヴルでその前に立つと、
やはりオーラのようなものを感じますよね。

父親がこの像について書いた文章が、
今も、高校用の国語の教科書の一部に掲載されているようで、
時折、
「腕がないほうがいいってこと!?」
みたいな tweet を、見かけることがあります。

『怪しい彼女』

ハズミで、韓国映画、

『怪しい彼女』(2014)

を見てみました。
日本でもリメイクされた作品です。

https://www.youtube.com/watch?v=Ml9GiKK3jVs

口の悪い70歳ほどの女性が、
息子夫婦、二人の孫、と同居しています。
女手一つで息子を育て、
「出世」した彼を溺愛し、
かつては勤務先の「秘伝の味」をコピーした店を繁盛させたりと、
他人の気持ちを考えない、
ジコチューなトラブルメーカーです。
で、
家族は彼女を、
施設に入れようとするのですが、
そんな折、
(まあおとぎ話なので)
彼女は若返り、20歳の乙女の姿に変身します。
そして彼女は、
かつて果たせなかった、
歌手になるという夢を模索してゆきます……

エイジズム、という言葉があります。
教員である主人公の息子は、
冒頭、エイジズムについての講義さえしています。が、
この映画自体に、深いエイジズムが感じられます。
若いほうがいい、美しいほうがいい……
それは素朴な形で表現され、
素通りされていますが、
大きな違和感を感じます。
ラストの和解も、
そうなるとは思っていましたが、
やはり違和感が残りました。

"Ils enterrent des Pokémon"

もう3日前のことですが、
フランスBMFTV の司会者が、
中国での合同葬儀の映像が流れる中、

"Ils enterrent des Pokémon"
「彼らはポケモンを埋葬している」

とつぶやき、
その直後に謝罪した、
というニュースが流れました。
(日本のメディアでも伝えられました。)

https://fr.news.yahoo.com/enterrent-pokémon-présentateur-bfmtv-dérape-102222675.html

ポケモンは黄色いから、
黄色人種の(差別的な)比喩だそうです。
当の司会者は、
自分のマイクはオフになっていると思っていたと言いますが、
それって?

黄色人種の一人として、
怒るというより、
残念に思います。


2020年4月7日火曜日

『殺人者の記憶法』

『サスペクト 哀しき容疑者』に、
わたしはエンタメとして「100点!」を付けたのでしたが、
そうなると、
ウォン・シニョン監督の他の作品も見ておかないとですね。
で、

『殺人者の記憶法』(2018)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=MBDTKxn6K7I

主演は、『監視者たち』

http://tomo-524.blogspot.com/2020/03/35-2013-httpswww.html

で、主人公の上司を演じたソル・ギョングです。

とても風変わりな設定です。
主人公の初老の男性は、
かつての連続殺人犯であり、
今はアルツハイマーに侵されている、というのです。
で、彼の記憶はとぎれとぎれで、
観客は、いつ記憶が飛ぶか分からないので、
居心地の悪い緊張感を強いられます。
で、彼が、もう一人の殺人犯と出会うことで、
物語が始まります。

これは原作小説があるのですが、
わたしは読んでいないので、
それと比較はできないのですが、
結論から言えば、
とても意欲的な作品、
という印象でした。
すごくいいわけではないんですが、
基本的な力量があるので、
こんなチャレンジングな設定でも、
75点は取っているのでしょう。
ただどうしても、
主人公の記憶に連続性がないというのは、
見ているのはなかなか難しい部分もあると思いました。

おなじみのオ・ダルスも、
警官の役で出ていました。

まいにちイタリア語

まいにちイタリア語・初級編、
去年の10月から聞き始めて、
3月いっぱいまで「完走」できました。
とてもウォームな雰囲気の番組で、
講師の吉田先生も、
とても安定した心地よさで、
いい番組だなと思って聞き続けていました。
イタリア語を発音するのは楽しくて、
ちょっと元気さえ出る感じでした。

イタリア語の文法構造は、
(といってもあくまで初級の範囲ですが)
やっぱりフランス語に似ていました。
ここはフランス語と同じだな、
ここはちょっと違うわけね、
などと思いながら、説明を聞きました。
もちろん、いくつかのポイント、
たとえば「目的語」とかは、
どんな説明がなされるのか、注目(耳?)しながら。

楽しい番組をありがとうございました!!

宣言に

ついに宣言が出ました。
このところの政府の対応には、
言いたいことが山ほどあります。
ただ最近では、もう絶望感に近づいてしまって、
ああそれではいけない、
と思い直しているところです。
絶望してる暇はないですね。
(それにしても、
Go to travel だの Go to eat だの、
この期に及んでクーポン券の名称を検討しているって……。
できれば、コロナ禍後の世界のあり方を、
「検討」して欲しいです。)

明治大学は、明日から連休明けまで、
入構制限がかかり、
キャンパスに立ち入れなくなりました。
今回の措置は1か月程度とのことですが、
ふつうに授業ができるのは、
いつのことでしょうか?
まず、前期はムリでしょう。
最悪、2年くらいは授業がないことを覚悟しています。
(覚悟することにしました。)

From NY

「むっちゃこわいねん!」

https://www.youtube.com/watch?v=kRr_j2dq4lE&feature=youtu.be

こんな知事がいたら……

クオモ NY 知事の tweet。

I wish I could promise New Yorkers this will be over soon. I can't. 

Here's what I can promise. 

I will continue to give you the facts and I will make decisions 

based on science and data. 

New Yorkers deserve nothing less.

https://twitter.com/NYGovCuomo/status/1246800950272106496

これがすぐに終わると約束したいです。でもできません。
わたしに約束できること。
それは、みなさんに事実をお知らせし続けること、
そして、科学とデータに則って物事の決定をする、ということです。
ニューヨーカーは、そうしたことに値する人々だからです。

I wish we could have a Cuomo...

キリンとウイルス

ウイルスについて、
このところいろんな記事を見かけます。
なかでは、さすがに福岡先生のこの記事はおもしろかったです。

https://www.asahi.com/articles/ASN433CSLN3VUCVL033.html

で……

キリンの首はなぜ長いのか、というのは、
いわば進化論に関わる定番の質問ですが、
これがなかなか複雑です。
そもそも、
ダーウィンの適者生存説はトートロジー的だという指摘もあります。
つまり、
適者が生存する、
では適者とは誰か?
それは生存したものである……?
これでは、小泉純一郎の、
自衛隊が行くところは非戦闘地域だ、
では非戦闘地域とは何か?
それは自衛隊の行くところだ……
と変わりません。
まあ、それはともかく……

広く知られている通り、
かつて首の短いキリンがいて、
あるとき一斉に、
首が長いものに取って代わられた、といいます。
(一斉に、というのは、10万年くらい?)
首が中くらいのきりんの化石が出てないので、
徐々に伸びたわけではないというわけですね。
では、どうやって一斉に変わったのか?
突然変異した個体が「適者」となり、
しだいにそれが生き残っていったのか?
それは、第一感、違う気がします。
では?
そこで一つの仮説として出てくるのがウイルスです。
なんらかのウイルスがキリンの間に蔓延し、
そのDNAを一斉に変化させたのではないか、
というわけです。
(人間のDNAにも、ウイルス由来のDNAが含まれています。)

生物の「進化」は、
時間軸に沿って進んでゆきます。が、
ウイルスは、横断的に、
ある種に蔓延し、
その種に何らかの変更を迫ることがあるわけです。

今回のウイルスで、わたしたちは、
自分たちの世界の成り立ちを再考することを迫られています。
それは、ヴィジョンなきものがヴィジョンを持つために、
必要な苦しみでなのでしょう。
ただ、そうしたレベルだけではなく、
もっと生物学的な次元でも、
わたしたちが気づかないうちに、
なんらかの更新が進んでいるのかもしれません……

2020年4月5日日曜日

『サラは走る』

モントリオールを舞台にした映画、

『サラは走る』(2013)

を見てみました。
(原題は Sarah préfère la course です。)

https://www.youtube.com/watch?v=_qIRzTpHyz8

サラは20歳。
ケベックの郊外に住んでいます。
彼女は、モントリオールにあるマギル大学の陸上部から入学を誘われ、
行く気満々です。が、
母親は反対だし、お金はないし……。
そんなとき、バイト仲間のアントワーヌから、
実は僕もモントリオールに出ようと思ってた、
ルームシェアして一緒に住もう、少し貯金もあるし、
と提案され、サラはもちろんOKします。
そしてモントリオールに着くと、二人は結婚。
といってもそれはいわば偽装で、
夫婦用の奨学金をもらうためでした。
新生活が始まり、
サラは走ることに打ち込みますが、
ある日、彼女は心臓に痛みを感じます……

サラは不器用だけどまじめだし、
アントワーヌはいい子だし、
だから映画は和やかなんですが、
やや演出が冗漫なシークエンスがあった気がします。
「走る」映画ですから、
もっと、疾走感を感じる箇所も欲しかったし。
それでも、
サラというケベックの若い女性の肖像としては、
悪くはないと思いました。

フランス語は、
もちろん全編カナダ風のフランス語です。
それを聞いてみるのも、
おもしろいかもしれません。
欲を言えば、
モントリオールも街並みを、もっと見せて欲しかったです。

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

昨日見た『オーケストラ・クラス』に出ていたスリマン・ダジ。
彼の顔を見たら懐かしくなり、
もっと見たくなりました。
で、出演作を確認していると、中に、
ジム・ジャームッシュの、

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)

があるのを発見。
これは見逃していたやつです。
さっそく見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=B0gJszAzrSE

舞台はタンジールとデトロイト。
この離れた2カ所に住むアダムとイヴは、
もう何百年も生きていきた吸血鬼です。
そしてイヴが、
久しぶりに夫アダムを訪れるとことから、
物語は始まります。

彼らは吸血鬼なので、
この21世紀においては21世紀らしいやり方で、
血を調達しなくてはなりません。
で彼らは、彼らが「ゾンビ」と呼ぶ「人間」を利用して、
血の入手を図るわけです。
が、87年ぶりに姿を見せたイヴの妹は、
絵にかいたようなトラブルメーカーで、
彼らはデトロイトを去ることになり……

おそらく、もう言われつくしたことだと思いますが、
主人公二人はとてもいい雰囲気。
またカメラ、衣装、美術、どれも繊細でスタイルがあり、
少な目のセリフもいい感じで、
見ていて飽きません。

そしてこのタイトル。
かつて吸血鬼は多くいたけれど、
このアダムとイヴだけが生き残る、
ということなんでしょうか。
魅かれるタイトルです。

そうそう、スリマン・ダジですが、
彼はタンジールのカフェ Les Mille et une nuits の主人でした。
いつもの屈折した苦みではなく、
むしろ純粋さを示すような役どころでした。

こういう映画も、いいですね。

2020年4月4日土曜日

一律給付をしないのはなぜか?

の理由について、
堀茂樹先生はこう指摘;

①国民集団の単位が家族でなく個人だという認識を嫌っている
②「お上」の裁量による貧民救済の体裁を採りたがっている
③富裕層への給付を節約したいのではなく、
 階層と無関係に国民を平等に遇する事を嫌っている

なるほど。
特に①は、腑に落ちました。

Zoom

オンライン授業では、
Zoomとやらが使われるかもしれません。
知人が、スカイプみたいに使ったことがある、
とは言ってましたが、
わたしは未経験です。
で、東京外大の学長が、
学生たちにこんなメッセージを。

************************

オンライン授業には、主にZOOMを使います。
私たち教員は、今、にわかにZOOMの勉強中です。
実は、学生の皆さんの方がこういうことには強いかもしれない、
と思ったりもします。
困っている先生がいたら、
ぜひ、サポートしてくださいね。

***********************

ほんとに!

『オーケストラ・クラス』

カド・メラッド主演の映画、

『オーケストラ・クラス』(2017)

を見てみました。
原題は、La Mélodie です。
おもしろかったです。

https://www.youtube.com/watch?v=jiD8jPNS4q4

舞台はパリ。
(冒頭、カド・メラッド演じるシモンが、
駅のエスカレーターを上ってゆき、
外に出るシーンがあります。
そこは「お祭り広場」(Place des fêtes)に見えますから、厳密には、
パリ郊外、ではなく、
周縁ではあるけれど、「パリ」の内部でしょう。
『パリ、ジュテーム』の中に、
「お祭り広場」を舞台にした、
オリバー・シュミッツの作品がありましたね。
また、中盤で、
シモンとアーノルド少年が食事していたのも、
お祭り広場に面した店のようでした。)

シモンは、奥さんと別れ、一人暮らし。
15歳になる娘とも、うまくいっていません。
彼はヴァイオリニストなんですが、
今は、仕事がなく、生活のために、
小学校6年生の、音楽クラスの指導を引き受けます。
そしてその音楽クラスには、
コートジボワール系で音楽好きなアーノルド、
アラブ系のサミールやヤエル、サブリナ、
アフリカ系のムクタールやアブー、
またアジア系もヨーロッパ系もいます。

厳格なシモンの指導は、
最初、子どもたちとまったく合いません。が、
生活のこともあるのでしょう、
彼は「指導する」ということの意味に、
だんだん気づいていゆきます……

シモンと子どもたちは、
コンサートでの発表を目指して練習を重ねます。
けれど、さまざまなタイプの問題が起こり、
その都度克服していかなくてはなりません。
で…… こう書くと、
よくある子どもの成長物語に聞こえるかもしれませんし、
それは実際そうなのですが、
でもこの映画はおもしろかったです。
不思議なもので、始まって数分で、
映画に入り込めました。

劇中、何度か演奏シーンがあります。
それはメンデルスゾーンの協奏曲、
バッハの無伴奏パルティータ、などなんですが、
これが、いいんです。
とりわけバッハのほうは、
ここで!?
というところで出てきて、
バッハ好きとしては、グッときました。
そしてラストで子どもたちが演奏するのは、
なんとシェエラザード!
この曲については、
子ども同士の間のこんな会話があります。

(アラブ系のヤエルが男の子たちに向かって)
ーEt les gars, Shéhérazade, c'est rebeu ? 
ーC'est ta mère, la rebeu.
(シェエラザードってアラブ系でしょ?
おまえのかあちゃんだろ、アラブ系なのは。)

(rebeu ですから、ニュアンスとしては、
アラブ系の若い人、
パリでなら二世、三世、のニュアンスでしょう。)

で、
実は主人公シモンを演じるカド・メラッドも、
クラス担任を演じるサミール・ゲスミも、
生徒の父親を演じるスリマン・ダジも、
みんなアラブ系。
ケシシュの『身をかわして』に出ていたという監督、
ラシッド・ハミもまた、アラブ系なのでしょう。
つまりこの映画は、
とてもアラブ色が濃い作品だと言えるでしょう。

カド・メラッドは、いい俳優だと思います。

http://tomo-524.blogspot.com/2015/05/bienvenue-chez-les-chtis.html

http://tomo-524.blogspot.com/2015/06/superstar.html

サミール・ゲスミは、やっぱり

http://tomo-524.blogspot.com/2015/04/camille-redouble.html
(『カミーユ、恋はふたたび』)

これにも出てましたね。

http://tomo-524.blogspot.com/2016/07/gare-du-nord.html

そしてスリマン・ダジ。彼はなんといっても

http://tomo-524.blogspot.com/2015/07/rengaine.html

そして

http://tomo-524.blogspot.com/search?q=Chouf

http://tomo-524.blogspot.com/2017/07/debarquement-immediat.html

http://tomo-524.blogspot.com/2019/05/blog-post_31.html

などにも出てましたね。

アメリカの貧富の差

についての、10分弱のニュース。
大学が始まっていれば、
授業で見せることもあったでしょう。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20200403-00000313-nnn-int

2020年4月3日金曜日

『コンテイジョン』

Amazon Prime をぶらついていて、
「新型ウイルス」という言葉に引かれて
(というか導かれて)
見てみたのが、

『コンテイジョン』(2011)

です。

https://www.youtube.com/watch?v=fd8L-LC-QEM

で、見終わってからちょっと検索して見ると、
「今日の事態を予言していた」という感じで、
わりと話題になっていることを知りました。
そうなんでしょうね。
(先月見た、『フル 運命の36時間』も、
今、身につまされる部分のある映画でした。)

たとえば最近よく耳にする social distance という表現も、
すでに、この2011年の映画で使われていました。
そして今起きているのに近いことが、
次々に起こります。
(まだ起きていないのは、
「預金の引き出しパニック」です。)
過去のウイルスに対して、
ワクチンを作った薬品会社が大儲けした事実も指摘されます。
そして……

<ここからネタバレします。>

最後まで見ると、
このウイルス禍の発端は、
ある会社(=グウィネス・パリトロウが勤めてる)が行った、
森林開発であることが示されます。

もちろんれっきとしたフィクションなんですが、
全体のタッチが、
「何日目」と表示するなど、
モキュメンタリー的に作られていて、
その淡々とした感じは好感が持てました。

そして人間の描き方も、
悪くなかったと思います。
医師は、シカゴが封鎖される直前、
その極秘情報を妻にだけ教え、
シカゴから脱出させます。
つまり、家族だけ優遇したのです。
が、一方で彼は、
自分用だったはずのワクチンを、
知り合いの息子に与えます。
この一見矛盾した行為が、
彼の「人間」を伝えてきます。
また、妻を感染によって失くした男性は、
その妻が浮気していたことを知り動揺しますが、
少し落ち着いてくると、
たとえ裏切られたとしても、
日常を共にしていた愛する女性を失ったことに涙するのです。
またペテン師もいます。
ペテン師に騙される「大衆」もいます。

小さなことですが、
ジュード・ロウの英語がイギリス風に感じるんですが、
もしそうだとして、
どんなニュアンスが加わるのか、
よく分かりません……

「グローバル化というものに、実はウイルスがすごい勢いで便乗している」

「ウイルスVS人類 ~未知なる敵と闘うために~」

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2020107041SA000/index.html?fbclid=IwAR0FG7KDqG-VCW-qg5QndQWp-5-tydcn7UU0nzTyZI5QYqRNKlJ0_W0ErKM

の中で、
五箇公一先生はかく語りき。

****************************************


(今回の新型コロナの遠因は)気候変動ですよね。
それを引き起こしているのは巨視的にみれば、
南北格差から始まる経済格差を埋めようとする中での工業発展という、
そういったものが途上国でものすごい勢いで、
その速度がかつての先進国以上に速い速度で起きていると。

そうすると
"生物多様性のホットスポット"と言われるエリアの真ん中で
そういうことが起こってしまう。
だから開発と破壊、森林伐採そういったものが急速に進む中では、
そこに閉じ込められていたウイルスたちが、
新たな住処として人間という住処を得て、
それが北と南がつながることで北の人口密集地に入り込むという図式が、
1980年代以降からずっと続いているわけですよね

気候変動を起こしている開発とそういったグローバル化というものに、
実はウイルスがすごい勢いで便乗しているという状況がある。

"南の人達が森を切らなくてもいいようにするにはどうしたらいいか
というのが大きな課題なんだけど、
いまだそこのゴールには到底たどりつかない。

そのしっぺ返しとして感染症の問題も起こっている。


こういったウイルスのような喫緊のクライシスに対しては、
当然科学技術で立ち向かわざるをえない。
やっぱり新薬の開発ですよね。
そういったとこに期待していかなきゃいけない一方で、
長期的に見ると、
こういったクライシスを繰り返さないためには、
自然共生という極端なライフスタイルの変換といったものを
考えていかなきゃいけない。

要は本当に我々は
手を出してはいけないところまで自然に対して侵食を果たしてしまったがために、
こういった問題が起きていると。
その中からこういったウイルスや、
あるいはそういった汚染といった問題が、
人間社会にリスクとして降ってくるという。
その悪循環を絶つためには、
そもそも自然の摂理に準じた自然共生っていう生き物は何かっていう議論を 
いまから始めないと持続性が保てないだろうということですよね。

このままいくと本当に
人間社会はもう崩壊しか筋道がなくなってしまうと
それくらい深刻に受け止めなきゃいけないっていうことが、
ようやくこの今回のコロナウイルスが教えてくれている気がするんですね。

*********************************


からコピペさせて頂きました。

2020年4月2日木曜日

V字、U字、あるいはL字

多くの「経済学者」、
あるいは証券会社回りの人たちが、
この期に及んでも、
経済はV字回復する、
との賜ってらっしゃる記事を見かけます。
もちろん、
(それほど急激ではない)U字回復だ、という意見も。
でも、
一庶民の印象としては、
(そうならないほうがいいですが)
L字の危険を感じます。

https://jp.reuters.com/article/column-kazuhiko-tamaki-idJPKBN21E0LD

何かが、
大きく変わり始めている、
いわゆる地殻変動が起こりつつある……
そんな気がしてくる今日この頃です。

ほんとに、こんな感じの落ち着かなさは、
人生で初めてです……

4月1日

今日は、
大学院(総合芸術系)のガイダンスの日、
だったのですが、
これはもうとうに中止となり、
なんだか変な感じです。
というのも4月1日は、
教員にとっては元旦のようなもので、
新入生と会ってはっぱをかけることで、
こちらも気合を入れ直す、
みたいなところがあったからです。

そして、今話題の(?)オンライン授業。

https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashiakiko/20200327-00169828/

アメリカや韓国だけでなく、
もちろん日本でも、
すでにいくつかの大学で導入が決まったようです。
実際問題、
もし対面授業を避ける必要かあるなら、
これしかないのかもしれません。

ほんとに最悪の場合、
これが数年続くことだって、
ないわけじゃない……
となると、
オンライン授業のスキルをアップさせることが、
教員たちの使命となってきますね……

2020年4月1日水曜日

『The Witch 魔女』

韓国映画、

『The Witch 魔女』(2018)

を見たんですが、
Mmm、わたしにはイマイチでした。
遺伝子操作されてスーパー・パワーを持たされた少女の話、
と言えば、
X-MEN(←好き)やアベンジャーズなどを思い出しますが、
そうした作品と比較すると、
雰囲気がおどろおどろしく、
かつ血の飛び散り方が激しい、
という特徴があるようです。
ただ、X-MENのような社会性が透けて見えないのが、
決定的な弱さでしょう。
『新しい世界』のパク・フンジョン監督の作品なので、
正直なところストーリーには惹かれないまま見たのですが、
残念でした。
(エンタメとしての評価はすごく高いようなんですが、
わたしは、エンタメとしても、
「B-」くらいの感じでした。

『あゝ、荒野』の後、
個人的にはアタリの映画にアタリません。
選び方に問題があるんでしょうか!?

La fête des mères

マリー=カスティーユ・マンシオン=シャールは、
監督としても脚本家としても、
注目している一人です。
彼女の前作は、とてもよかった。

http://tomo-524.blogspot.com/2017/07/le-ciel-attendra.html

で、
なんと今度の新作は、日本でも公開されました。
これです。

『パリの家族たち』(2018)

(原題は La fête des mères、
つまり「母の日」です。)

https://www.youtube.com/watch?v=kbDc5WaPdS8

パリを舞台に、
さまざまな母親が登場します。
赤ちゃんを産んだばかりの大統領、
その大統領の母親、
その母親がベビーシッターをしている家の母子、
その母親と彼女の母親、
そしてアジア系の街娼もまた母親です。

メインになる物語は一応あるのですが、
実際は、多くのエピソード集のような印象です。
そしてこれはわたしが期待しすぎたせいかもしれませんが、
あまりおもしろいとは感じませんでした。
一人街娼の彼女を除いては、
ほとんど全員がブルジョワだし、
要は「母親と言う地獄」を描きつつ、
でも、突き放し切れることはできない、
という状況を描くのですが、
その気持ちの揺らぎがピンときませんでした。
もちろん、分かりはするのですが。

せっかくのオドレ・フルロも、
クロティルド・クロも、
そういうわけで、あまり冴えませんでした。
次作に期待したいと思います。

そして今日も

コロナでみんな動揺しているときでも、
土砂は搬入されて続けているわけですね。

https://twitter.com/henokonow

Je peux plus le supporter, cet espèce de crétin.

“There really is such a thing as society”

と、ボリス・ジョンソンが言っています。
彼にして、この言葉。
今こそ、そしていつでも、「社会」は必要だと思います。

もちろんこれは、あのサッチャーの、

There is no such a thing as society.
(社会なんてものはない。)

を踏まえての発言でしょう。
政治家の言葉は、
社会があるかないかというより、
社会を作るつもりがあるのか、ないのか、
を指しているのでしょう。
社会がないと言った新自由主義者のこうした思想が、
今の格差社会の根源にあるのでしょう。

しわ寄せが行くのは、
いつもきまって弱者のところ。
1つの国の中でもそうだし、
世界、という単位で見てもそう。

日本はベッド数を減らす動きを止めないし、

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271187

あと100床で満床だっていうし、

https://twitter.com/tbs_news/status/1244650863051698179

都立病院などを独立法人化(→高額化)する動きも止めない。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57456730R30C20A3L83000/

もちろんここには、政治的な無能さも関わっていますが。

そして世界では、たとえばスラムで暮らしていれば、
そもそも水道が来てないから、手を洗うも何もない……。

新しいウイスルは、
歪んでいる世界の、
その歪みを先鋭化させもするのでしょう。

そして在日米軍も……

https://gendai.ismedia.jp/articles/amp/71457?__twitter_impression=true