2015年1月31日土曜日

「雪が降りはじめるとしたら」

東京でも、昨日、
雪が降りました。
横浜の詩人、北村太郎。
彼の「一月の部屋」には、
こんな希望が書かれています。

*************************************

ガス・ストーヴの青い炎はとっくに消えていて
それでも
ちょうど快い寒さだ
もうじき午後もなかばになろうとし
皿に
スプーンが、かちゃり、と鳴り
「荒い呼吸」
雪が降りはじめるとしたら
二月
空の静脈が見える夕方がいい


************************************





    

「やめなきゃ。さもないと、ひどい不幸にみまわれるよ」

『タクシー』のドライバーとして知られるサミー・ナセリ、
彼が、シャルリー・エブドの事件に関して言ったのが、
この言葉。

 "Il faut arrêter, sinon un grand malheur arrivera !"

これは、シャルリー・エブド紙の風刺画について言っているんですね。

https://fr.news.yahoo.com/samy-naceri-%C3%A0-propos-caricatures-charlie-hebdo-faut-174825655.html

彼は、フランス人の母と、
アルジェリア系移民の父の間に生まれています。
だからなんでしょう、
彼も、お兄さんのビビ・ナセリも、
青い瞳です。

ビビが『アイシャ』に出演したときは、
かつてフランスに協力したアルジェリア系(アルキ)の子孫、
という役でしたが、
それは、
このヴィジュアルと無関係ではなかったでしょう。

      ◆

なが~~~くかかったシャルリー・エブド事件に関する原稿、
やっとできました。
うえの記事でもそうですが、
まだ、どんどんいろんな情報が入ってくるので、
それもなかなか終われなかった理由の1つですが。
(まあ、読んだ記事の大半は触れませんが、
9枚の原稿に対して、少なくとも40枚は書いたと思います。)
で、
締め切りは昨日(!)なんですが、
まあ、土日を挟んでいるので、
日曜の夜に送ればOK のようです。
勉強になりました!

2015年1月30日金曜日

トドロフ

このところのシャルリー・エブド関連で、
ついでと言ってはなんですが、
これも読む価値があると思います。

http://courrier.jp/blog/?p=18993

それから、あのトドロフの、
表現の自由にかかわるコメント。

≪une liberte sans bornes ne saurait être legitime≫

「制限のない自由は、正当ではありえないだろう」

http://m.la-croix.com/Actualite/France/Charlie-Hebdo-une-liberte-sans-bornes-ne-saurait-etre-legitime-2015-01-14-1267126


ストップ・ジハーディスム

今日の朝日新聞にも紹介されていた、
フランス政府による、
「イスラム国」のネガティブ・キャンペーン。

動画には、やや残酷なシーンも含まれています。
ご注意ください。

http://www.stop-djihadisme.gouv.fr/

「ユダヤ人のいないフランスは、もはやフランスではない」

これ、ヴァルス首相の発言なんですが、
もとは

"La France sans les juifs de France n'est plus la France"

なので、正確には、

「フランスのユダヤ人がいないフランスは、
もはやフランスではない」

となるでしょう。

今回のシャルリー・エブド事件では、
表現の自由、とか、
テロ、とか、
イスラム過激派、とか、
はしばしば話題になりますが、
アラブ/ユダヤ の問題は、
言及される機会が(日本では)少ないようです。

立て籠もり事件のほうでは、
もちろん、そこがユダヤ食料品店(イペール・カシェール)
だったのがポイントです。

こういうときはいつでもそうですが、
イスラエルは、ユダヤ人たちの受け入れを表明します。
いやむしろ、歓迎する、と。

こんな映画もありました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/02/la-petie-jerusalem.html

だから、この映画の一家のように
フランスにいるユダヤ人たちがどんどんイスラエルに去ってしまったら、
それはもう「フランス」じゃないよ、
と、首相は言っているわけです。
彼にとっての「フランス」のイメージには、
ユダヤ人が含まれていることになりますね。
ヴァルス首相、
大統領よりも期待できそうな印象が……

で、これを伝えるニュース、フランス語(L'EXPRESS)はこちら。

http://www.lexpress.fr/actualites/1/societe/valls-et-des-milliers-de-personnes-devant-la-superette-casher-ou-ont-peri-4-personnes_1639414.html

英語(New York Times)はこちら。

http://www.nytimes.com/2015/01/14/opinion/after-paris-attack-many-jews-question-their-future-in-france.html?_r=0

で、この英語版を訳してくれているのが、

http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/50e29a0e5f677c4a92fb6c4d95e16619

まいフラ(L.8)

スキット前は……

Dans l’épisode précédent,
Eva et Kaori se sont échangé des messages.
Kaori a conseillé à Eva de laisser tomber Wang
qui semble ne pas voir les avances répétées de la jeune fille.
Dans cet épisode, Eva reçoit un nouvel appel de Wang.

でエンディングですが、
この絵がヒントです!


Marine, ça te dirait d'aller boire un café ?
Je voudrais...
Arrête ça, si tu ne veux pas te prendre de râteau.





2015年1月29日木曜日

Pogba !

Pogba !

https://vine.co/v/OTAnXAVAKqw

まいフラ(L.7)

スキットの前説は、

Un mois est passé depuis le premier appel de Wang à Eva.
Kaori ,
n’ayant pas revu cette dernière depuis le concert de juillet,
vient aux nouvelles.
Eva et Kaori s’échangent des textos.

そしてエンディングは、

Marine, tu sais nager le papillon ?
Le papillon, non.
Alors je pourrais t’enseigner le papillon ? Moi, je ...
Laisse tomber ! Je n’aime pas la natation !
Ah bon ? Alors...
Au revoir. A bientot.

savoir +動詞原形は、(能力的に)「~できる」。
papillon は「蝶」ですが、
ここでは、泳ぎの「バタフライ」のことです。






今日も

う~ん、
今日も同じ原稿、たった9枚を書いています。
こんなに時間かけるの、初めてかも。
まだ終わってないし……。
考えることが多すぎるんです。
といっても、
まあ、そのうちの90%は使わないんですが……

2015年1月28日水曜日

書く

このところ、
例のシャルリー・エブド事件についての原稿(9枚)
を書いているのですが、
これが、なかなか……
書けないわけではなくて、
実際出だしの5枚程度は、
3パターン書いたのですが、
どうも……
言いたいことを書く場合と、
こういう背景も紹介したほうがいいかなと思って書く場合とで、
ほぼまったくちがうものになってしまうのでした。
たぶん、後者のほうがいいのでしょうが、
今回は、わりと感情的にも反応するところもあったりで、
つまり、両方書きたいんですが、
これが、スピーチレベルが合わないというか……

というわけで、(楽しく)苦労しています!

2015年1月25日日曜日

『「言論の自由」原理主義者の偽善にはもう、うんざりだ』

ムスリムであるジャーナリストによる、
シャルリー事件後のフランスへのコメント。
これは読む価値があります。

http://www.huffingtonpost.jp/mehdi-hasan/charlie-hebdo_b_6476358.html

このジャーナリストのファーストネームは、
フランス語風に発音すれば、「メディ」ですね。

ちなみに、文中に出てくるクリチヤーヌ・トビラ大臣は、
この方です。

http://www.ambafrance-jp.org/article5622

彼女を「猿」として描いたシャルリーの絵は、

Christiane Taubira Charlie Hebdo

で画像検索すると、すぐでてきます。
品がない絵なので、貼るのはやめておきます。

リバティ、ラスト!

後期も開講していた、
リバティ・アカデミーのフランス語講座、
めでたく昨日、
最終回を迎えました。
で、
みんなで持ち寄りプチ・パーティーを開催!
まあ、この講座はいつも楽しくやらせてもらってるんですが、
今回はドイツ語の先生などもゲスト参加していただき、
いっそう楽しい打ち上げとなりました。
後期だけでも10回。
前期から通算すると19回もやっていて、
人数も総勢15人ですから、
どうしても仲良くなっちゃいますね!
勉強が好きな人たちと一緒に勉強するのは、
心が安らぎます。
参加してくださったみなさんには、
un grand merci を送ります!

2015年1月24日土曜日

まいフラ語(L.6)

6課です。

スキットの紹介は、こんな感じ。

Dans l’épisode précédent, Eva, Wang et Dong étaient au restaurant.
Dans cet épisode, Eva reçoit un appel vidéo de Wang.
Surprise, elle hésite quelques secondes et finit par répondre.
 
で、エンディングは、
Marine, tu prends quoi le matin ?
Du pain de mie, bien sûr.
Pas de croissants ?
Non… pas souvent. C’est un produit de luxe au Japon !
Alors en general ?
Des tartines avec du café.
Ça coute moins cher.
 
 
3行目は、
 
Tu ne prends pas de croissants ?
 
のことですね。
 
 
 
 



2015年1月22日木曜日

まいフラ(L.5)

今日のエンディング、こうでした。

Marine, tu aimes quelle musique ?
Moi ? J’adore le metal !
Le metal ? C’est un genre de rock, non?  Ce doit etre bruyant.
Bruyant !? Ça dépend du genre !
Il en existe plusieurs !
Le nu métal, le métal symphonique…
(ではみなさん、さようなら。)                                     
Le métal progressif, le metalcore, le black metal, le heavy metal…

こんなに言ってはなかったかな!?

ちなみに、ディクテにも登場した「ホラー映画」は、

les films d'horreurs
 
ですが、 この場合、
 
d'horreurs
 
の部分は、「(具体物である)AのB」
「Aの」というより、
1つの形容詞のように(抽象的に)働いています。
こういうとき、

horreurs

には冠詞が付きません。
「やや難」ですね。

2015年1月20日火曜日

『エキゾチック・パリ案内』を、ここで!

宣伝です。

どなたかが tweet してくださっていました、
今のパリの、例の事件を理解するための本のリストに、

『エキゾチック・パリ案内』

を加えるといいんじゃないか、と。

実はわたし自身も、そう思っていたのですが、
自分からは言い出せず(!)、
どなかたの意見に乗っかる形で、
でも結局宣伝することにしました!
できれば書店でも、
そういうコーナーに置いていただけたら、
と思う今日この頃です。

発表

今日は「ワールド映画ゼミ」の最終発表。
とてもいい発表もあり、
そうでもないのもあり、
でも総じて、
この授業を受ける以前に比べれば、
多少は視野が広がった、と信じたいところです。
実際、いい発表については、
そうとうセンスが良くて、
理系に置いておくのはもったいない(!?)くらいでした。

      ◆

仏検2 級を受ける学生が、
今週末の面接対策について、
相談にきました。
まあ、なんでもいいから、
コミュニケーションを成立させよう!
というようなことを話しました。
実際それがいいのかどうかはわからないのですが、
やっぱり、それは基本ですよね。
にこやかに、よく聞いて、
落ち着いて、はっきり話す、笑顔で。
まあ、それでいいでしょう!

それにしても、この学生もまた、
理工学部です。
理工で 2 級ですから、
なかなかやりますね!
がんばれ!

2015年1月19日月曜日

『サンバ』

以前ここに予告編を貼り付けた『サンバ』、
やっと見ることができました。
(昨日の体調不良を思うと、
今日行けたのは驚きです。)

おもしろかったし、
パリの色々な場所が出てきて、
単純に好きでした。
わたしには、たとえば、
『アイシャ』のボビニー、
『愛と戦争のカンケイ』のバニョレ、
バルベス国立オーケストラのバルベス、
『きらきらしてる』のラ・デファンス、
『サンドイッチの年』のオーベルヴィリエ、
『チャオ・パンタン』のスターリングラード、
と感じられました。
これ以外にも、モンソー公園や、
サン・マンルタン運河なども。

主人公の男女は、
なかなかtutoyer せず、
でもあるとき肩をマッサージしていて、
その気持ちよさに、
彼女は思わず Vas-y, continue !
と言ったあとに、あわてて Continuez. と言い直したりして、
なんというか、いじらしい感じでした。

一方サンバとウィリアムの場合は、
いきなりtutoyer から始めていたのですが、
ここには、階層、というものも関係しているのでしょう。
『最強のふたり』との共通点もいくつかあるのですが、
この階層を超えた人間関係というのが、
その最大のものかもしれません。
オマール・シーのフランス語は、
『最強』のときとは違って、
アフリカのアクセントでしたが、
これももちろん、階層と関係あるわけですね。

個人的にちょっとだけ辛かったのは、
「燃え尽きた」アリスのあやうさです。
薬漬けでも眠れない元ワーカホリックの彼女の姿は、
見ていてちょっと辛かった。

でもこれは、
今後「ワールド映画ゼミ」のリストに加わること、
間違いありません。

挿入歌で使われた曲の中では、
これとこれが好きなやつでした。

https://www.youtube.com/watch?v=zc7rxcjwwYs

https://www.youtube.com/watch?v=8WQVb_nuKvs

もちろん両曲とも、
映画のテーマに接しています。

満員必至

これはもう、
早い者勝ち、ですね。

http://bookandbeer.com/blog/event/20150211_a_toritachi/

2015年1月18日日曜日

「同じ船に乗って」

せっかくの土日なのに、
頭痛のせいで無駄に過ごす羽目になっています。
今はやっと、座れるようになりましたが、
まだ痛いです。
まあ、それはともかく。

このニュースには、
希望があると言えるのでしょう。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/12/lassana-bathily_n_6460288.html?utm_hp_ref=japan&m=true

続報によれば、
彼にはフランス国籍が与えられるようです。
ということは、
彼はサン・パピエだったのでしょうね。
(「国籍を与える」という形で報いることが、
美しいかどうかはまた少し別の問題でしょうが。)

2015年1月16日金曜日

まいフラ(L.4)

今日は、er 動詞を使った質問がありましたね。

Vous aimez les chats ?
……Oui, j’aime les chats.

Tu danses avec moi ?
……Oui, je danse avec toi.

Vous achetez des tomates ?
……Oui, j’achète des tomates.


Vous regardez souvent la télé ?
……Non, je ne regarde pas souvent la télé.

Tu utilises ton ordi ?
……Non, je n’utilise pas mon ordi.

Tu manges du gâteau ?
……Non, je ne mange pas de gâteau.

そしてエンディングは

Et Marine, tu viens d’où ?
Je viens de Pau.
Pau ?
Oui.
Où ça ? En France ?
Quelle question ! Bien sûr !
C’est dans les Pyrénées-Atlantiques.
 
どうぞ地図でご確認ください!

 
 

2015年1月15日木曜日

電子号外

琉球新報、電子号外。

http://ryukyushimpo.jp/uploads/img54b72facaaf8f.pdf

まいフラ(L.3)

今日は第3回でした。
で、
エンディングは、こんな感じ。

Et Marine, tu as quel âge ?
Moi ? J’ai 17 ans.
17 ans ? C’est vrai ?
Oui, je te jure ! J’ai 17 ans ou presque ! 
Presque ? Alors, moi aussi, j’ai 17 ans…ou presque !
N’importe quoi !

今日の「くだけた表現」のコーナーでも取り上げた、
n'importe quoi
が使われています。
「(もう)バカなこと(言って!)」
という感じです。
放送でも言いましたが、
会話では、
この「バカなこと」っていう意味で、
けっこう頻繁に使われます。
以前わたしも、
辞書的に「なんでも」だと思っていたので、
なんだかピンとこなかったんですが、
「バカなこと」だとわかって、
すっきりした覚えがあります。
(もちろん両者は、大いに繋がりがあるわけですが。)

若者言葉は、
それを使うためというより、
映画や小説などで出てくるので、
その表現そのもの、
そしてその表現のスピーチレベルを知っておくことが、
大事なんですね。
言葉は、いろんな層が積み重なっているので、
この層は興味がない、とかじゃなく、
さまざまな層を楽しみたいですね!

2015年1月14日水曜日

「犯人はユーモア失っていた」

「犯人はユーモア失っていた」 仏紙風刺漫画家

http://www.asahi.com/articles/ASH1G01DPH1FUHBI03J.html

フランス語はこうですね。

« les gens sont intelligents.
On fait confiance à l'intelligence et au second degré.
Les gens qui ont commis cet attentat,
c'est tout simplement des gens
qui manquent d'humour et de second degré ».

http://www.20minutes.fr/medias/1516415-20150113-video-luz-propos-charlie-hebdo-mahomet-avant-tout-bonhomme-pleure

le premier degré 「第一の意味」といえば「文字通り」。
le second degré 「第二の意味」といえば「裏の意味」。

これに対しては、こんなコメントもありました。

https://twitter.com/tako_ashi/status/555274778013995009

Chrlie 最新号の表1のキャプションは

Tout est pardonné

これについては、この文章が重要です。

http://synodos.jp/international/12340





2015年1月12日月曜日

Monteverdi

Les Arts Florissants による
Monteverdi の les Madrigaux  (livre VI)。

http://concert.arte.tv/fr/les-arts-florissants-interpretent-le-sixieme-livre-des-madrigaux-de-monteverdi

フランス語字幕付き!


370万人

今日は成人式で、
夕方に散歩に出たとき、
たくさんの着物姿の御嬢さんたちを見かけました。
きれいですね。

(先日の朝日新聞には、
17歳で両親を殺され、
そのままその組織の一員にさせられた、
中央アフリカ――旧フランス植民地――の
20歳の男の子の話が紹介されていました。
その組織は、やがて政権をとり、
その後の権力闘争の中で、
少年は解放されたそうです。)

       ◆

フランスでは、計370万人によるデモが行われたそうです。
「表現の自由」を守れ、というわけですね。
アッバス議長も、ネタニエフ首相も、
メルケル首相も、キャメロン首相も、
参加していました。

(先日の朝日新聞には、
セーヌ・サンドニ地区の
イスラム協議会事務局長のコメントが紹介されていました。
「(……)ほとんどのイスラム教徒は、
今回の襲撃を肯定しない。
だが、預言者を戯画化することは、
「表現の自由」の問題ではない。
宗教への批判はかまわないが、
預言者や神を馬鹿にすることは許されない。
私たちへの挑戦を意味するのだ。
過激派以外のイスラム教徒も、
預言者を戯画化することを許容しているわけではない。
ただ、仕方がないと受け止めている。(……)」)

2015年1月11日日曜日

ジャニックさん


ジャニックさんの twitter から。

<Je suis Charlie>
だけで終わらないところが、
すばらしいと思います。
特に、最後の行が。
さすがジャニックさん。

<わたしはシャルリーであり
警官であり
ユダヤ人であり
イスラム教徒だ>

『セブン・デイズ・イン・ハバナ』

この映画は、
(今過去ログを確認したところ)
去年の7月に見たようです。
そうそう、
『ゾンビ革命』関連の「ハバナ・ミニ特集」で見たのでした。
で、今日、もう一度見てみました。
明後日の「ワールド映画」ゼミで、
このオムニバスの中から、
1~2本見せるつもりだからです。
キューバとアメリカの国交回復は、
学生も、
その歴史的経緯をおさらいしておいたほうがいいと思ったからです。

https://www.youtube.com/watch?v=vvdmPFNVeiY

最初に見たとき同様、
個人的には、
「セシリアの誘惑」に惹かれました。
若い二人の、
脱出への希望、そして同時に恐れが、
とても凝縮した形で描かれていて、感動的です。

でも、若い日本の学生たちには、
ある程度説明しないと、
ピンと来ないだろうと思います。
それは能力の問題ではなくて、
彼らが育った環境と、
ハバナの若者たちのそれが、
根本的に違っているからです。
(社会主義国ですから。)
ハバナのふたりが交わす会話には、
「マイアミ」や「マドリード」が、
未来の似姿として登場します。
そして前者は野球と、
後者は歌と結びついています。
どういう反応になるでしょうか?

「日本人の家計貯蓄が初マイナス」

去年の暮れに読んだベストセラー、
『資本主義の終焉と歴史の危機』、
気になって、もう一度復習してみました。
やっぱり、いい本です。
(こんなにいい本がベストセラーになるなんて!)
無理やりフランス語に引き付けると、
たとえば「非人称表現」の中の時刻の表現。
主語の il は、いわば「神的なもの、超自然的なもの」を
指しているのでしょうが、
これはキリスト教の文脈における、
「時間」とは神のものだ、
という把握とパラレルなんでしょう。
だからこそ、
(本書が言うように)
「利子(を取ること)」(=「時間」の金銭化)は、
神の所有物の人間化であり、
そしてそれこそ、
資本主義の発生の1つの契機である……
(あまりに無理やりなので、
うまくつながってません!)

さて、これは「スルー」できない数値だと思われます。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156243

2015年1月10日土曜日

ou pas

今日は、CD収録のため東銀座へ。
ここはもう、何度も来ているところで、
スタジオの人とも顔見知りになりました。
久しぶりにレナさんにも会えて、
楽しい収録でした。
仕事ではありますが、
レナさんは、会うのが楽しみな人です。
いつも元気だし!

      ◆

フランスでの事件、
日本でも大きく報道されています。
そして
<Je suis Charlie>
という合言葉が生まれたと言われますが、
一方では、
<Je ne suis pas Charlie>
という立場も表明されています。

http://www.lemonde.fr/societe/article/2015/01/10/a-saint-denis-collegiens-et-lyceens-ne-sont-pas-tous-charlie_4553048_3224.html

このテロが、
さらに大きな対立を生むことだけは、
避けなければなりません。
「文明の衝突」なんて言い回し、
非生産的だと思います。




2015年1月9日金曜日

Reuters より

ロイターの記事、
参考になりました。


同じ記事の英語版は;


フランス人が、
自国民の31%が移民だと考えている、
という調査結果、
初めて見ました。
これは実数(といっても推定ですが)の約4倍。
それだけ印象が強い、
という解釈でいいんだと思います。
それにしても、
メルケル首相はちゃんとしてますね。

まいフラ(L.2)

今日のエンディング、
これは聞き取れたでしょうか?

こんな感じでした。


Oui, oui., c’est la vérite ! Tu ne le savais pas ?

Non, でも、知ってたらなあ……

Alors, au revoir. A la prochaine !

Si j’avais su...

最後は、この後に、条件法過去がくる形ですね。
(= If I had known...)

2015年1月8日木曜日

イヤド・エル・バグダディ


まいフラ(L.1)

まず、オープニング曲ですが、
われらが Abd al Malik の、

https://www.youtube.com/watch?v=06S7oMLvl2w

そしてエンディング曲は、
わたしの大好きな、これ。

https://www.youtube.com/watch?v=HjTEGFLEbz0

また、これはこうです。

「ローマは1日にしてならず」

Rome ne s'est pas fait en un jour.

代名動詞 se faire 「作られる」の、
複合過去ですね。

そしてエンディング、
マリーヌはこう言ってました。

Oui, ces 15 minutes sont passées en un clin d’oeil !
 
これらの15 の分は、ひとつの瞬きのうちに過ぎた、
つまり、
15分、あっという間でしたね!
ですね。

明日もよろしく!



2015年1月7日水曜日

「まいにちフランス語」、明日開講!

 

というわけで、

まいにちフランス語・応用編
「そうだ、中級の準備をしよう! ~池袋から愛をこめて」

いよいよ明日開講です。
朝は 7:30 から。
再放送は14:30 から。
来週からはストリーミングもあります。
ぜひ、聞いてみてください!

*勉強モードのかたは、
  (テキストにも書いた通り)
    シャドーイングの練習をあらかじめしておいていただけると、
 
    効果が上がります!

『ザ・スパイ  裏切りのミッション』

2008年のフランス映画、
『ザ・スパイ  裏切りのミッション』
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=pZNeYXC9JFY

オリジナル・タイトルは  Espion(s) 、
かっこに入った s が、ちょっといいですね。

スパイ映画なんですが、
もともとは素人のヴァンサン(ギヨーム・カネ)が、
やむを得ずスパイを引き受けるという設定なので、
やや型破りなスパイであったのは、新鮮でした。
スパイ対象者の妻で、
ヴァンサンと接近するクレール(ジェラルディーン・ペラス)も、
憂いをふくんでいい感じ。
(クラピッシュ監督の、『パリの確率』で、
ロマン・デュリスの恋人役だった女優さんですね。)

静かな映画なんですが、
時間の流れも、展開も、いい感じ。
エンディングも、いい感じ。
実は、出演者の中にヒアム・アッバスの名前があったので見たのですが、
彼女の出番は1分足らず。
でも、拾い物、なんて言ったら失礼ですが、
思いがけずおもしろい映画だと思いました。
今年見たフィクションの中では、ベスト1です。
(ってまだ4本目ですが!)

2015年1月6日火曜日

『僕と未来とブエノスアイレス』

2004年のアルゼンチン映画、
『僕と未来とブエノスアイレス』
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=bGQh5OIBtgo

舞台はブエノスのユダヤ人街、オンセ地区、
その下町風商店街です。
そこでは、イタリア系、韓国系、リトアニア系など、
さまざまな
出自を持つ人たちが商売を営んでいます。
そして、ホロコーストを逃れてポーランドを離れた祖父を持つ主人公は、
経済危機にあえぐアルゼンチンを逃れヨーロッパ人になるべく、
祖父母の出生証明を利用して、
ポーランド国籍を取得しようとします。
(それは成功します。)
そしてその過程で、自分自身の出生の秘密が発覚し……
というお話です。

日本版DVDのパッケージには、
「ユダヤ人」の「ユ」の字もないので、
こんな話だとは思ってなかったのですが、
このユダヤ人街の描写は、なかなかおもしろかったです。
一方、縦糸ともいうべき、
パスポート取得と出生の秘密のほうですが、
これはどうも、ややゆるい印象が残りました。
この主人公のようなモラトリアム青年の話は、
おうおうにしてそうですが。
ただ、これが現代なんだと言われれば、
たしかにそういう面もあるわけです。

個人的には、ラビになるのが夢だったのに、
いまは怪しげな輸入販売をしている主人公の兄の生活と意見が、
気になりました。
彼には「生活」も「仕事」もあり、
モラトリアムというぬるま湯に浸かっているわけではないからです。
こちらをメインにして、
弟の話をサブに持っていけば、
もっと「リアル」なものになったのに、
と思ってしまいました。

『まなざしの長さをはかって』

イタリア映画、
『まなざしの長さをはかって』(2008)
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=VAJbFjKjn4w

(この予告、まるでホラーみたいですが、全然ちがいます。)

イタリア北部の小さな村、
そこに、代用教員として、
若く美しいマーラ(ヴァレンティーナ・ロドヴィーニ)が赴任してきます。
そして彼女を取り巻いて、
人間関係の変化が起こり……
というのは、まあベタな部類に入る展開なんでしょう。
この設定でイタリアとなると、
モニカ・ベルッチや、
(ちょっと違いますが)ラウラ・アントネッリなど、
「イタリアの魅惑の女性」の系譜が思い出されます。
で、たしかにそうした系譜にも連なっていると思います。
このヴァレンティーナ・ロドヴィーニという女優さんは、
たしかにチャーミングだと思いました。

わたしがこの映画を見ようと思ったのは、
そのマーラに恋するのが、
チュニジア系移民のハッサンだという紹介があったからです。
長男だった彼は、11歳の時父親が死ぬと、
「食べてゆくために」イタリアに渡ったのです。
今は小さな自動車修理工場を経営していて、
近くには、弟夫婦とその子供たちも住んでいます。
モロッコ人の親戚も、
近くのダイナーでシェフをしています。
(ただし彼は、クスクスが作れなくなっています。
ホームシックになるのがいやだから、ということのようです。)

ヴァレンティーナ・ロドヴィーニがきれいだし、
映像もきれいなので、
見ていて飽きません。が、
後半、殺人事件が起きてからの展開は、
どうなんでしょう。
この映画に必要だったのか……?
ハッサンは、迫害されている様子など全くなかったのに、
唐突に、チュニジア人だから犯人にされた、
みたいな話になってゆきます。
前半の流れが、うまくこの展開に乗っていっていないように感じました。
また、
メイン・ストーリーとは関係ないところで、
アジア系の不法労働者たちが逮捕される場面もありました。
これもまた、
やや唐突な感じがしました。

2015年1月4日日曜日

『ミッドナイト・イン・パリ』

たぶん好きにならないだろうという予感が強くしていて、
それで今日まで見なかった『ミッドナイト・イン・パリ』、
でもまあたった94分のことだし、
どれくらい好きになれないのか確かめるのもいいかなと思って、
とりあえず見てみました。
1920年代のパリに心酔していたアメリカ人脚本家が、
大金持ちのフィアンセ(とその両親)と一緒にパリに滞在していたとき、
まさにその20年代にタイム・スリップする、という話です。

映画や本で、
あまり面白くなかった、と感じた時は、
基本、ここで取り上げることはしないのですが、
今回は、なんというか、
面白くなかったというのを越えていました。

いろいろ突っ込みどころはあると思うのですが、
特に気になったところは、まずは、
1920年代、と設定されていますが、
それは、ダダ宣言翌年の1920年なのか、
シュルレアリスム宣言のあった1924年なのか、
『アンダルシアの犬』が上映された1929年なのか、
さっぱりわからないのが、どうも……。
そのへんは、監督の好みでなんでもOK のように感じられます。
この1920年代の10年間は、
1つの時空に詰め込んでいいようなものではないと思うんですが。
また、このことと通じていますが、
ウディ・アレン監督が、
シュルレアリスムをまったく理解していないことも気になります。
にもかかわらず彼は、主人公が、
パーティーですれ違ったブニュエルに対して、
なんの脈絡もなく、
『皆殺しの天使』のアイディアを吹き込む場面を挿入します。
ここでブニュエルは、センスの悪いでくの坊という感じです。
これが面白いと、ウディ・アレンは思ったのでしょうか?
わたしにはそうは感じられませんでした。
また、ガートルード・スタインのパートナーである
アリス・B・トクラスがまったく登場しなかったことも気になりました。
ウディ・アレン自身ユダヤ人であり、
やはりユダヤ人カップルである
ガートルードとアリスのことを知らないはずはありえないし、
探偵役には、
フランスのユダヤ人俳優ガッド・エルマレを起用しているし、
モディリアーニは「ユダヤ人」だと映画内で言っているのに、
アリスはスルーっていうのは?
そしてなによりも、
映画全体を覆うブルジョア的価値観が、
好きになれませんでいた。
主人公の、なんともお気楽で浅い感じの生き方も、
オチが提示するベタな教訓も、
その教訓と矛盾する、この作品そのもの作りも、また。

一時あづけの

<佐藤佐太郎bot> より。


灯の暗き昼のホテルに憩ひゐる一時あづけの荷物のごとく  『天眼』


いいですねえ。

2015年1月3日土曜日

Queen + Adam Lambert

「クイーン+アダム・ランバート 
ニューイヤー・イヴ・コンサートのライヴ映像1時間
YouTube に」!

https://www.youtube.com/watch?v=zWCNokFWrrQ

「ボヘミアン・ラプソディ」は、44分頃から。
この曲、高校時代、よく歌いました!
(朝の通学路で、
バンド仲間たちと歌いながら通ったことも。
あれから……もうすぐ40年!)

毛布が上

この冬、
どこかで読んだ記事にしたがって、
掛け布団の上に、毛布を載せて寝ています。
つまり、掛け布団が体側で、
毛布は(いわば)天井側です。
これが、あったかい!
その記事は、
羽根布団について書いたあったのですが、
今「知恵袋」を見ると、
純羊毛布団でも同様だという書き込みがありました。
(寝具店の方だとか。)
わたしが使っているのは、
羽毛とはいえ、ニ*リで買ったもので、
高級品とは程遠く、
また毛布も綿毛布(←これが好き)なのですが、
それでも、この順序逆転の効果ははっきり感じました。
もしかして、すでに常識なんでしょうか?

Mes amis, mes amours

そして今日はもう1本、

Mes amis, mes amours

という映画も見てみました。
わたしが好きなヴァンサン・ランドンが主役で、
先日見た『もう一人の息子』に出ていたパスカル・エルベが相手役。
この配役なら、
なにか一ひねりあるのでは……
と思ったのですが。

https://www.youtube.com/watch?v=HTjRvz6wwnw

ひねりはありませんでした!
(ただ一か所、金曜日は「シャバット」で過ごす、
という冗談があるだけ。)

離婚し、小さな子供を育てているという、
その点ではまったく同じ状況にある友人同士が、
共同生活を始めるのですが、
マティアス(ランドン)のほうは、
女性関係が忙しく……というわけです。
まあ、(悪い意味で)フランス映画的とも言えるのでしょうか。
(その女性を演じるのは、ヴィルジニー・ルドワイヤン。
『きらきらしてる』ではセレブのレスビアン役でした。)

ただ、初めてで新鮮だったのは、
舞台がロンドンの「リトル・フランス」、
サウス・ケンジントンだったことです。
このあたり、再開発されて、
ずいぶん「フランス」風に整備されたようなんですが、
少なくともこの映画は、
ほぼ100%フランス語でした。
たしかにロンドンなんですけどね。

全体としては、印象の薄い作品でした。

2015年1月2日金曜日

『ミリキタニの猫』

1月2日。
今年最初に見た映画は、
山田太一も絶賛していたドキュメンタリー、
『ミリキタニの猫』です。

https://www.youtube.com/watch?v=ax9K9a0FS5U

路上生活をしているアジア系の老(自称)画家。
監督であるリンダ・ハッテンドーフは、
彼と路上で交流を持っていましたが、
9.11後、
具体的に彼の世話を焼き始めます。
そしてその過程で、
彼の人生が露わになってゆくのですが、
それは、ちょっと想像を超えるものでした。
カリフォルニア生まれの日系アメリカ人だった彼は、
戦争中、敵国人として収容所に送られ、
アメリカの市民権を放棄させられていたのでした……

単なる過去の発掘ではなく、
その「意味」を探ったところに、
作品の美点があると感じました。
淡々とした74分ですが、
その背後には激動の80年が横たわっています。
ミリキタニは、「三力谷」なのでした。

Thomas Piketty refuse la Légion d'honneur

『21世紀の資本』で話題のトマ・ピケティー、
今回彼は、
レジオン・ドヌール勲章シュバリエを断ったそうです。

ル・モンド
http://www.lemonde.fr/culture/article/2015/01/01/l-economiste-thomas-piketty-refuse-la-legion-d-honneur_4548309_3246.html#xtor=AL-32280515

Yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150102-00000015-jij-eurp

« Je refuse cette nomination,
car je ne pense pas que ce soit le rôle d'un gouvernement
de décider qui est honorable »

そうですね。
先月の選挙の時によく言われた通り、
選挙の争点を決めるのも政府ではないし。
(ちなみにこれはメディアでもないと思います。
選挙報道の度に、
「~が争点となっている今回の総選挙では……」
と、自民党の主張をそのまま連呼していたチャンネルもありましたが。)

もちろん、それぞれに事情があるわけですから、
もらった人を揶揄する気など毛頭ありませんが、
ちょっと目を引く話題でした。


2015年1月1日木曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いします。

というわけで、2015初日、
録画しておいたドラマ、
『ナイフの行方』(前・後)を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=cPiO6ReWcb4

2012年の『キルトの家』のときも書きましたが、
わたしは山田太一ファンです。
彼の書いたセリフ回しを聞いているだけで、
なにかが染み入ってくる感じがします。
もちろんこれだけファンがいるのだから、
同じようにお感じになる方々も多いのでしょう。

そして今回の『ナイフの行方』ですが、
もちろん、おもしろかった。
いくつものセリフにハッとさせられたし、
息が詰まるような瞬間もありました。
短くはないのに、もう、途中でやめることはできませんでした。
俳優陣も、脇役も含めて、達者だなあ、
と思いました。
(特に、合気道の先生役の男優さんなど。)

また構成も巧みで、
物語の時間は、
ナイフ事件を起点として約1か月。
そしてその起点で、
いわば交わるはずのなかったヴェクトルが交差するわけですが、
そのそれぞれは、
「尾」としての過去を引き連れています。
さらに、その一方の過去から、
物語の時間の中に呼び戻される人たちがいて……。
そう、時間の扱いが巧みなんですね。

ただ、
全体としてファンタジー的であることを差し引いても、
こういうバックグラウンドの人は、
こういう物腰でも、こういう物言いでもないはず、
と思うところはありました。
そう、主役の一人、「次男」君のことです。
もし「格差」や「階級」について意識的に語っているのだとすれば、
(もちろんそうなんでしょうけれど)
「次男」の存在は、きれいすぎるようにも思いました。

ともあれ、
またどこかで山田太一のドラマが放映されれば、
必ず見ます。