2023年8月31日木曜日

Thaï Nam

タイ料理に詳しいわけでも、
すごく頻繁に食べてるわけでもありませんが、
わたしの狭い経験からの印象だと、
タイ料理は、
東京よりパリの方がおいしい店が多い気がします。
特にこの店はお気に入りで、
毎回行きます。


小さな、いわば路地裏の店ですが、
混む時はすごく混みます。






生春巻き、
パパイヤのサラダ、
パッタイ、
と定番が3つ。
で、みんなおいしいんですね。

今回は早めの時間にいったので、
席は空いてました。
ただ、テイク・アウトのお客さんが次々にやってきては、
けっこうたくさん持って帰っていました。
たまたまでしょうけど、
全員ヨーロッパ系の人たちです。

Marché des Enfants-Rouges

お馴染みのアンファン・ルージュのマルシェ。
ここでカリブ料理を食べるのが好きだったんですが、
今回は人気のアラブ料理に挑戦。
いつも並んでいるので避けてたのもあるんですが、
なかなかうまいシステムで、
たいして待たずに食べられました。


これは、ラムのクスクスに、
メルゲーズを追加したもの。
おいしいです。
モロッコ・サラダはお馴染みの味。

話は戻りますが、
ここは、列に並んで、
順番が来たら注文します。
で、それを中でそれを温めている間に会計(飲み物はここで注文)して、
できあがってきたところで、
お兄さんが現れ、
適当な席にまで運んでくれます。
お客さんは、ここで初めて、
めでたく着席することになります。

会計の女性が、
「ラシッド!」
とお兄さん(というか、ほとんど少年)を呼んでいたので、
案内してくれたときに、
Merci Rachid !
と声をかけると、嬉しそうに笑ってくれました。

それにしても、
ぜんぜん回し者ではないんですが、
下北の クスクス・ルージール、
パリのクスクス店と比べてもまったく遜色ないと感じます。
日本の値段としては安くないですが、
パリの値段としてならふつうでしょう。

2023年8月30日水曜日

Tartare de boeuf et Moules marinières

Au Pied de Cochon のテラスことはもう書きましたが、
せっかくなので、タルタルとムールの写真も挙げておきましょう。
(まあ、見かけはまったくふつうですけど!)




ここのタルタルは、
肉のたたき方が浅めで、
わりと「肉感」が残ってます。
で、ピクルスなども効いていると。
ムールは、
この店に行った知り合いは、
量が多かった、と言ってましたが、
わたしは、ビールを飲んで、ポテトもつまんで、
一人で悠々完食しました。

あとこの店は、
お通しみたいにして、
リエットのようなものが出てくるんですが、
これもおいしいです。
でもゆっくりしていると、
傷むから早めに食べちゃって、
という指導が入りました。
すぐに食べきりました!

そうそう、
ここでは、morilles(編み笠たけ)を敷いた、
volaille も食べたんですが、


これ、見かけと違ってとてもあっさりしていて、
軽くて上品。
おいしかったです。

というわけでこの店はとてもおいしかったんですが、
まあ、自分の好みのものを注文しているというのも、
当然あります。
隣にいた、お金持ちそうなアラブの家族(若夫婦と、おそらく男性の母親)も、
反対側にいたアメリカ人の若いカップルも、
シャンペンと魚介の盛り合わせ(fruit de mer)を注文していて、
これも文句なくおいしそうでしたが、
わたしは、友人が何人も、
パリで生牡蠣にあたって苦しんでいるので、
旅行中に食べるのはためらってしまうんですよね。
(日本人の胃腸との相性もあるんでしょうか。)
もちろん、値段の問題もあります!

タコス

物価、とりわけ食費が高いパリにあって、
14ユーロちょっとでランチのセット(フォルミュール)が頼めるのが、
この店。


フォルミュールは、
6種類のタコスから、
好みのものを3つ選べるんですが、
全種類頼むとこうなります。





これに、ライムをよく搾って食べるわけですが、
おいしいです。
牛肉のやつ、鶏肉のやつ、キノコのやつ、
インゲンとカッテージチーズのやつ、豚のリエットみたいなやつ、とか。

ぜんぜん立派な店じゃなくて、
これ?
ってくらいのところですが、
こういう店がおいしいのがパリらしいです。
実は、たまたま隣に、パリ在住の日本人の夫婦がいらして、
その方のお知り合いが手伝っているお店なんだと言ってました。
でも自分たちは初めて来たんだけど、と。

ヴェジタリアンらしいカップルは、
インゲンやキノコのやつを頼んで、
それはそれで楽しそうでした。

また、あとからやって来た、
いかにもメキシカンな男性二人は、
エクストラのライムを注文して、
もう雨のように降らせて食べてました。
それもまたおいしそうでした!

買い物へ

今日もまた、
結局午前中は寝ちゃったんですが、
昼食後、
ドラッグストアとスーパーに行ってきました。
(もちろんしっかりしたマスクをして。)

熱はもう昨日からないし、
咳もほとんどでないし、
痛いところもないんですが、
なんというか、
「やる気」
が湧いてきません。
せめてドリンク剤でも買ってみようか、
というわけです。
あんなに入り浸っていた馴染みのカフェにも、
それほど行きたくないし。
(というか、長く本を読めるとも思えないし、
そもそも、長時間座っていられるかどうかもわからない……)

でも、そんなことばかり言っていても仕方ないので、
まずはできそうなことから。
というわけで、
旅行中に食べたものをまとめてみましょう。
(次の投稿から)

そろそろ

発熱5日目。
もう37度を超えることはありませんが、
まだ36.8だったりはします。
で、やはり「ふつう」の状態ではありません。
でも、午後過ぎからは、
だいぶ「ふつう」に近づいてきました。
夕食も食べられたし、
サノスと牧のホームランも見たし。

なんだか、かなり多くの時間を無駄にしてしまった気もしますが、
まあ、仕方ないでしょう。
明日こそ、
朝から「ふつう」にいけますように!

2023年8月28日月曜日

なんとか?

発熱も今日で4日目。
さすがに、
最初の頃のように38.5とかはなりませんが、
微熱は続いています。
でも、今、この夜になって、
ちょっとマシになってきたようにも感じます。
熱は平均4日程度、
とネットにありましたが、
まさにそんな感じなのかも。
今は、明日の朝、
またあの火照ったようなだるさが戻ってこないことを祈っています!

コロナは風邪だ、
と言ったりもしますが、
やっぱりならないに越したことはないです。
前期授業の期間、
教室でもカフェでも、
一度もマスクしなかったのに、
コロナとは縁がありませんでした。
にもかかわらず、
フランスでいきなりコロナとは。
(まあ、確定したわけじゃないんですけど。)

2023年8月27日日曜日

帰国後

おかげさまで、無事帰国しました。
長いフライト中は、
「ジャック・ライアン」をひたすら見て、
なんとかやり過ごしました。
で、元気に帰ってきたところまではよかったのですが、
なんとその翌日から発熱。
38.5くらい出てますが、
ibuprofène を飲むと37度台前半まで下がります。
で、切れる頃にまた上がる、また飲む、やがてまた上がる、
を繰り返しています。
まあ、調べてませんが、コロナ濃厚な気が……

ただ、旅行中じゃなくて、まだよかったです。
(この状態で15時間のフライトは、かなりきつそう。
とても機内食を食べられる感じじゃないし……。)

しょうがないので、
起きていられる時間帯は、
またもや「ジャック・ライアン」の続きを見ていますが、
30~40分もすると、座っていられなくなります。
今、その谷間に、急いで書きました!

2023年8月24日木曜日

イムディーナ


泊まったのは、
イムディーナと呼ばれる、こじんまりした城塞都市の中のホテル。
このイムディーナは、
『進撃の巨人』の城壁のモデルではないか?
とファンの間では囁かれているようです。
(ほんとかどうかは……?)

街の感じは、
ゴルドにも、
なんならマルセイユにも少し似ているなと思ってたんですが、
たまたまイムディーナの中で結婚式があって、
それを眺めていたときのこと。
隣にいたフランス人たちとおしゃべりしたんですが、
彼らが、グルノーブルからとマルセイユからだったので、
後者の女性に「似てない?」と聞いてみると、
たしかにそうね、という返事でした。
地中海世界、ということなんでしょうか。

ちなみにマルタは、マルタ語と英語。
マルタ語は、
(これもドライバー情報ですが)
70%がアラブ語由来だそうです。
(実際、イムディーナという街がサウジにあるとか。)
そしてマルタの英語は、
わたしには、音の響きが、
アメリカ語にもイギリス語にも似てないと感じられました。

マルタ、好きになりました。

武漢から



美しいマルタで最初に乗ったウーバー・タクシーのドライバーは、
アジア系の男性でした。
英語が下手ですみません、
と言っていた(実際はかなり上手)彼は、
聞いてみると、
2年前、
妻と3歳の娘を連れて移民してきたそうです。
そう、あの武漢から。

もちろんコロナのこともあったそうですが、
それよりも、根本的に、
中国は暮らしにくいと言うのです。
それは、強烈な競争社会で、
就職してからも仕事漬けで、
娘と過ごす時間さえない。
自分もイヤだし、
娘にもこんな人生は送って欲しくないし、
マルタで英語を身につければ、
きっと可能性が広がるだろう、というわけです。
英語ができなくて、
最初の6ヶ月はかなりきつかったけど、
今は安定してる、
5歳になった娘と過ごす時間もある、
と語ってくれました。
途中、中国の改革開放に関連して、
鄧小平の名前も出ましたが、
彼はよく知っていました。
(以前、パリの中国系の、もっと若いドライバーと話していたとき、
彼が鄧小平の名前を知らなかったのが記憶にあったので、
ちょっと聞いてみたかったのでした。)
でもなぜマルタなのか?
それは、気候もいいし、
お金を出せば、長期間の滞在許可証がもらえるから、
だそうです。

下りる間際、
お嬢さんの写真見せてくれる?
と頼むと、
とてもいい笑顔になって、
スマホのアルバムをず~~っとめくって、
おそらく写真館で撮っただろう、
とても可愛い写真を見せてくれました。

マルタへ



今回はちょっと用事があって、
帰国する前に、マルタ島に来ました。
パリから約3時間です。

マルタ島の歴史は、複雑というか、とても重層的。
もちろんそれは、苦難の歴史とも言えるわけでしょう。
たびたび、さまざまに占領されてきたということですから。
ナポレオンが1週間滞在した建物もありました。
ただし今は、イギリス連邦からも離脱した、
れっきとした独立国です。
写真は首都ヴァレッタ。
かなりにぎやかな、古い街(世界遺産)です。


2023年8月21日月曜日

Au Pied de Cochon



ブラッスリー、Au Pied dは Cochon と言えば、
どちらか言うと観光向きの有名店で、
今まで足を向けたことがなかったのですが、
今回、ちょうどお腹もすいていて、
テラスのいいテーブルも空いていたので、
ちょっとトライしてみました。
なんと、とても良かったです!


タルタル・ステーキは、ピクルスなどが多めで酸味が強く、
暑い日にビールと一緒に食べるには、打って付け。
エスカルゴもムール貝もふつうにおいしいし、
ヴォライユもいい感じにあっさりしていて、好きな感じ。
それに何と言っても、
テラス席はレ・アールの緑が目の前だし、
この店の庇は張り出しが大きいので、
その分影もゆったりしていて、
とても居心地がいいのでした。

こんな店が、東京にもあれば!
 

カメルーン&コートジボワール


パリで、
タクシーの運転手さんと喋るのは、
いつでもなかなか興味深い経験です。
今回一番楽しかったのは、
1977年生まれだという男性でした。
彼の父親はカメルーン、
母親はコートジボワールの人で、
彼は以前オランダ人女性と結婚していて、
国籍もオランダで、
ただし今は離婚し、
今度はカメルーンの女性と結し、
今は奥さん&3人の子供とパリで暮らしているのだそうです。
ちなみにお母さんは今もコートジボワールにいて、
フランスへ移住する手続きを進めているところで、
妹さんは、
バーミンガムの病院で働いています。
(ロンドンは住居費が高すぎるから。)

彼はPSGの大ファン。
レ・ブルー(フランス代表チーム)よりPSGの方がずっと好き、
だそうです。
で、PSGのチケットは取りにくいのですが、
それはスタジアムの広さが足りないからだと。
で、PSGを所有するカタールの投資会社が、
スタジアムの土地をパリ市から買い取り、
拡張工事をしようと計画したものの、
パリ市が、外国の会社に土地は売れないとこれを拒否。
で、拡張工事離されないままなんだ、
というのが彼の説明でした。

W杯では、
カメルーンとコートジボワールを応援するよ。
でもし負けちゃったら、
まあ、フランスを応援するかな!
この辺はね、
アルジェリア系もチュニジア系もみんな同じだよ。

もちろん、
ドログバやエトーの話も盛り上がりましたが、
1つ「なるほど」と思ったのは、
彼が、オランダ語はほとんど(Ex.とメールするとき以外!)使わないので、

ça part

なんだと言ったことです。
だんだん忘れるということだろうとすぐ分かりますが、
わたしには新鮮な表現でした。

とても楽しい時間でした。

2023年8月20日日曜日

BNF



ちょっと歩き疲れてきたので、
フランス国立図書館で一休み(!?)。
ここにある本が無料で読み放題って……
まあ、図書館なんだから当たり前でもあるんですが。

たまたま見かけた『モザイク』という本をパラパラ見ていたのですが、
とても感心してしまいました。
モザイクって、こんなに可能性があるって、
知りませんでした。
たとえば、


そしてもっと抽象的なものも。
驚きました。

LES ARÈNES DE MONTMARTRE


パリに出発する前、
なんとなくネットを探っていて見つけた、
モンマルトルでの、
夜の野外コンサート。


思わず予約してしまい、
ちょっと雨が心配でしたが、
結局天気は問題なく、
なんというか、
とても深く記憶に残る一夜でした。

曲目は知らされていなくて、
終わった後、
セットリストがメールされてきました。
最後の一曲が……、みんな意表を突かれたようで、
でも考えてみたら、
ほんとにぴったりの曲で、
アフリカ系の女性歌手もぴったりで、
演奏者たちも楽しそうでした。

一夏に10回ほど開催されているようです。
もしタイミングが合うようなら、
お勧めします。
(席は来た順なので、開場前に並びました。
やや上の方にある椅子席に座ったんですが、
この位置は多分最高でした。
上にあげた写真のように見える位置です。)

ちなみに、Hector Berlioz のLe Spectre de la rose。
歌詞はゴーチエです。

Wolfgang Amadeus MozartQuatuor pour flûte No. 1 : I. AllegroWolfgang Amadeus MozartQuatuor pour flûte No. 1 : I. Adagio

Camille Saint-SaënsIntroduction et rondo capricciosoVincenzo Bellini « Eccomi in lieta vesta... Oh ! Quante volte »Vincenzo Bellini« Se Romeo t’uccise un figlio »

« Sorge nell’alma mia » 

Georg Friedrich HaendelSarabande 

Sergueï RachmaninovConcerto pour piano no.3 : III. Finale – alla breveFrédéric ChopinFantaisie Op.66Vittorio MontiCzardasHector BerliozLe Spectre de la roseGiacomo Puccini« Chi il bel sogno di Doretta » 

George Gershwin

Summertime

2023年8月18日金曜日

狩猟自然博物館


こちらもまた改装の終わった、
狩猟自然博物館。
わたしはここを訪れたのは初めてでした。
先日見たピノー・コレクションの企画展が、
「エコシステム(生態系)と人間」をテーマにしていて、
それならこちらも行ってみよう、
直接、動物と人間の関係がテーマになっているに違いないし、
と思ったわけです。

で、かなり興味深かったです。


ここでも、たくさん写真が紹介されていました。


わたしとしては、
やはり現代アートの作品が特におもしろかったです。
そしてこの博物館を見た後では、
たとえば、猫のモチーフのお皿や洋服を見ても、
それが、人間と動物の関係の表現の歴史の、
最前線なのだな、と感じられるました。
最初にあげた写真も、
見た瞬間は違和感がありますが、
ここにも、動物と人間の関係の、
一つの形があるのでしょう。

ちなみにこれは、全部ダンボールでできた森。
とても繊細に作られていて、
素晴らしかったです。

カルナヴァレ美術館


大改装を終えたカルナヴァレ美術館、
どう変わったのか、見に行ってみました。

とはいえ、前回行ったのはもう10年も前で、
はっきり覚えているわけではないのですが、
たしかに、みた記憶のないものも多く、
だいぶ厚みが増したように感じました。
もちろん、
「パリの歴史」
という、
あまりに巨大なテーマを掲げているので、
飛び飛びだし、
必ずしも多層的でもないですが、
まあ、東京で、このテーマで、
ここまでのものが見られる可能性はほぼゼロでしょう。
その意味では、やっぱり貴重です。
(しかも無料!)

ちょっとおもしろかった(?)のは、
17世紀のパリの、畳1畳ほどもある地図の前での出来事。
フランス人の、わたしの変わらないくらいの年齢の夫婦が、
モンマルトルはどこ?
マレは?
などと言いながら、地図のそこここを指しているのですが、
まあ、全部間違ってるわけです。
というのも、
そもそも右岸と左岸を取り違えているから。
いつ気づくかなあ、と思ってしばらく聞いていたのですが、
これが全然気づく気配がなく、
どんどん話が変な方向に進むので、思わず、
「モンマルトルはここで、マレはこっちだと思いますよ」
と声に出てしまいました。
奥様は一瞬驚いた表情で、
でも、ここは?
それはポン・ヌフ。
ええ?
で、ここに、やがてバスチーユができるわけ。
え? ああ、そうか! わかった!
と言った後に、
どちらから?
日本です。
と聞くと、
あら私、日本人に教えてもらっちゃった!
と、周りの人たちにやや大きな声で言い、
するとその辺にいたお客さんたちが、
みんなが一斉に笑うという……

もちろんこの奥さんの言い方は、
ほんとにあらら、
という感じで、まったく差別的な印象はありませんでした。

そしてこの手の地図については、
何しろ授業でも使うので、
たまたまわたしは慣れているのであって、
決して、わたしが特に物知りということではありません。
それにしてもまあ、
ちょっとおもしろい感じではありました。

2023年8月17日木曜日

Pour l'Ukraine

パリでは、
メトロの構内や観光地などで、
いわゆるストリート・ミュージシャンと多く出会います。
今回は、でも以前ほどは多くない気もしますが、
それでもやはりそこここから音楽が聞こえてきます。

あるメトロの乗り換えでも、
やはり、どこか民族音楽風の曲が聞こえてきたんですが、
男性の声も、室内楽のような合奏も、
力強く、堂々としていて、
それでいてどこか悲しげな響きでした。

近づいてみると、
演奏していたのは、
中年以上の男性たちが10人ほどでした。
寄付はこの前には、

Pour l'Ukraine

ほんのわずかだけ協力しましたが、
彼らは静かに会釈をし、
決して微笑んだりはしませんでした。
彼らの置かれた状況の厳しさ、辛さが、
伝わってきました。

そして夕方、
今度はポンピドゥーの近くで、
デモ前の人たちに遭遇。


応援しています。

Elliott Erwitt Une rétrospective

マイヨール美術館で、
好評につき会期延長中という、

エリオット・アーウィット展

を見てきました。


なんと言うか、
古き良き時代の写真、なんでしょうが、
やっぱり、わたしのようは「大衆」は、
こういう写真に居心地の良さも感じます。
彼が愛したという犬の写真が多いのも、
好評な理由の1つでしょう。

中に、この写真がありました。


たしか学生の頃、
たしか雑誌「図書」だったと思うのですが、
その表紙に、
この写真がありました。
表2の解説は、
「果てしなき航海」
と題されていて、
とても強く印象に残りました。
数十年経って、
こんなところで再会するとは。

2023年8月16日水曜日



工事中。
しかも、かなり大規模。
痛々しいです……

ああ、あの!


ネトフリのドラマ、
「ザ・ディプロマット」
はとてもいいデキでした。


で、
ヒロインのアメリカ大使が、
パリで、
極秘にイギリス大使と会う場面があるのですが、
それが、この画像のカフェ。
せっかくなので行ってきました。
(まあ、行ったからとって、どうってことはないんですが。)

すると、後から二人の女性がやってきて、
ほぼ同じ場所を撮影し始めたので、
「もしかして、『ザ・ディプロマット』みたんですか?」
と訊いてみると、
「いいえ。でもなぜ?」
と言うので、
そこからドラマの説明を始め、この場所が重要で、
みたいなことを言うと、
最初は知らないと言ってたのに、
ああ、あの、妻が偉くなって落ち込む夫が出てくるやつ?
と言い出し、
彼女もまた見ていたことが判明。
で、
「ああ、ここが出てきてたのね〜。
おもしろい情報ありがと! いい午後を!」
と言い合って別れました。

やっぱりフランスの人は(と一般化するのは良くないですが)、
「いいえ」で終わらず、
「どうして?」と付け加えるので、
話が盛り上がるんですね。
わたしとしても、
現場で、
同じドラマを見ているフランス人と出会えて、
ちょっと嬉しかったです。
(場所は、シテ島からサン・ルイ島に渡ってすぐのところです。)

2023年8月14日月曜日

ピノー・コレクション




元のブルス・ド・コメルスが新しく美術館になっています。
ピノー・コレクションです。
通りがかりにあったので、早速行ってみました。
(この馬は、美術館前のオブジェ)

予備知識なしで行ったんですが、
高い入場料に見合う、充実ぶりでした。
特に、2本のヴィデオ作品は、見る体験としてすごい。
テーマは、どうしても環境システムと人間、
宇宙の生成、みたいなものを感じます。

新しい美術館を作る意味がわかった気がしました。

Paris




無事パリに到着しました。

行きの飛行機はAir France だったので、
もう乗る前の待ち合いの時から、
完全に「フランス語圏」な感じ。

隣に座ったおじさんは、
ヌメアで caviste をしているそうで、
色々ワイン関係の話を聞きました。
彼はなかなか物知りで、
文学、映画の話も、
移民の同化の話もしました。

飛行機の最後尾の「フリー・ドリンク」(?)コーナーには、
いつ行っても結構だべってる人たちがいて、
行くたんびに、つい話に参加してしまうので、
長くなってしまうのでした。

この便は、
ニューカレに遊びに行ってフランスに戻る人たちや、
ニューカレからフランスに向かう人たちがいて、
後者の若者の一人は、
首に「大吉」と刺青してあり、
それを切っ掛けに日本文化についてのカレの意見を色々聞きました。
とにかく、カレは日本大好き。
はっきり言って、買いかぶり! でしたけど。
カレとは、
女子ワールドカップサッカーの話もしました。

フランス語と日本語ができる、
T大学の修士にいるという若者はエンジニアで、
IT に進むんだ、と言ってました。
今、英語も勉強してるとか。
ほんとは研究したいのに、
授業の課題が多くて嫌だと言ってましたが、
いや、それは、プラットフォームを作るのが大事ってことだと思うよ、
と、教員の立場として、答えておきました。

これからパリで、
息子の結婚式に出るという女性もいました。
彼女は日本人なんですが、
かつて20年以上パリで暮らし、
子供達は皆パリにいるそうです。
彼女を含めて4人くらいで話していたんですが、
日本人同士なのに(周りにもわかるように)フランス語、
という感じでした。

というわけで、パリに着く前から「フランス語圏」なのでした!

2023年8月8日火曜日

古民家でMozart

パリへ出発する日が近づいてきたので、
いつもマノンを預かってくれる人のいる川口まで、
クルマで行ってきました。
Yahoo Map だと1時間ちょっとの表示でしたが、
中央道、特に山手トンネルが渋滞していて、
仕方なく一般道で行ったので、
ほとんど2時間かかりました。
それはともかく。

で、どこかでランチしようと流していると、
突然、街道沿いに、古民家風のそば屋さんが。
ここまではファストフッド的なチェーン店しか目に付かなかったので、
ここは迷わずこの店へ入ってみました。


(↑入ってから、この店と知る。)

特別おいしいとはいいませんが、
もちろんファストフッドとは段違い。
この店にしてよかったです。
お店の人も感じいいし。

この店、なんとなく不思議だったのが、
店内に、終始モーツァルトが流れていたこと。
最初は交響曲で、次はピアノ、次はピアノ・コンチェルト。
組み合わせが、1枚のCDという感じじゃなく……

で、精算の時にマダムに、
ぜんぶモーツァルトにしてるんですか?
と尋ねると、
モーツァルト専門の有線なんです、
とのこと。
そんなのがあるんですね。

それにしても、
古民家で蕎麦を食べながら聞くモーツァルトって、
なんか不思議~な感じでした!

『セントラル・インテリジェンス』

たまたま見かけた

『セントラル・インテリジェンス』(2016)

最初の1分を見たらおもしろくて、
そのまま最後まで見てしまいました。
まさに始まって1分で、
これはB級だってわかるんですが、
同時に、
よくできたB級の匂いがして、
まさに、その通り、
とてもよくできたB級映画だと思いました。


主演のドウェイン・ジョンソンは、
今ストを続行している俳優組合に、
100万ドルの寄付をしたというニュースがありました。
それはすごいことですが、
とはいえ彼は、1年に3億ドル(!)稼ぐそうなので、
大したことないんでしょう!

ジョンソンもよかったですが、
相手役のケヴィン・ハートもよかったです。


『シークレット・インベージョン』

Disney+ で配信が始まった、

『シークレット・インベージョン』(2023)

を見てみました。


アヴェンジャーズを組織した「ニック・フューリー」を主役にして、
全6話構成です。
地球の危機が迫っているんですが、
今回はアヴェンジャーズに助けを求めず、
地球に舞い戻ったニックが中心になって危機を乗り切る物語です。

まあ、
ニックがサミュエル・L・ジャクソンなので、
最後までそれなりに楽しく見ましたが、
見終わった途端に忘れていくような話ではありますね。
オリヴィア・コールマンが登場していたのが、
ちょっと嬉しかったです。

2023年8月6日日曜日

「キャンプのためのノート」

ソンタグが1964年に書いた文章、

「キャンプのためのノート」

を、久しぶりに読み直しました。(『反解釈』所収)
短いけれど、やっぱり読み応えがあるし、
全部はわからないんですが、
だよね、と思う箇所もわりとあります。
(これを彼女が書いたのは、
30代始めなんですよねえ……)

このエッセイ、1964年なので、
東京オリンピックの年に書かれたわけです。
70年経って、
もちろん状況は大きく変わり、
「キャンプ」自体のあり方も変わりました。
もう4年前ですが、メットガラもあったし。


そしてこれに関して、
あの小林幸子が登場したら、
と言っているのがこれ。


ほんとに、Sachiko Kobayashi の世界デビューになってたのに!

Belgian French VS French from France

この手の話は、
たいていいつもおもしろいですね。
le français de France「フランスのフランス語」
という言い方は、
カナダでもよく耳にしました。


「ブリュッセル」なんですね!


2023年8月4日金曜日

『ロミオ+ジュリエット』

バズ・ラーマン監督作品をもう1本。
今度は

『ロミオ+ジュリエット』(1997)

です。


ロミオとジュリエット、と言うと、
わたしの場合は、
やっぱり 1968年版の方を思い浮かべてしまいます。
わたしは、中一の頃見た記憶がありますが、
オリヴィア・ハッセー、輝いていました。


バズ・ラーマン版は現代物なので、
そのまま比較することはできませんが、
『華麗なるギャツビー』と比べても、
ちょっと混乱している印象がありました。
いいところもちょいちょいあるんですが。

わたしが驚いたのは、
ジュリエット役をクレア・デインズが演じていたこと。
彼女はわたしにとっては、
このドラマの主役です;


この『ホームランド』は、途中でとまっています。
クレアが精神を病んでしまうのが、
ちょっと辛いんですね。
でも、そろそろ見ようかなとも思っています。

『華麗なるギャツビー』

「キャンプ」な映画、
とされているらしいバズ・ラーマン監督の作品群。
そう言えば、『ムーラン・ルージュ』はそうだった気もします。
(ちなみにこの映画の挿入歌、
Voulez-vous coucher avec moi ce soir ?
は、動詞 vouloir が登場したとき、
授業で見せています。
あんまり授業向きじゃないんですけど!

で、ちょっと見てみたのが、

『華麗なるギャツビー』(2013)

です。


ギャツビー役はレオナルド・ディカプリオ。
「恋人」であるデイジーはキャリー・マリガン。
(こんなとこにもキャリー・マリガンが出てるの、
気づいてませんでした。)

なかなかおもしろいです。
たしかにキャンプな感じ。
で、構成としては、『ムーラン・ルージュ』に似ています。
つまり、
語り手が、過去の出来事「書く」という枠組みがあり、
実際の物語はその「過去の出来事」なわけです。
でもそれはあくまで「過去」なので、
かなり濃厚な無常感も漂うわけです。
(でその無常感が、物語の華々しさと、鋭く対立するという形。)

それにしても、
ギャツビーを置き去りにした「恋人」とその夫は、
まったく great とはほど遠い存在でした。
ただ、そのようであることこそむしろ「現実」なんだ、
と言っているようにも見えました。