大改装を終えたカルナヴァレ美術館、
どう変わったのか、見に行ってみました。
とはいえ、前回行ったのはもう10年も前で、
はっきり覚えているわけではないのですが、
たしかに、みた記憶のないものも多く、
だいぶ厚みが増したように感じました。
もちろん、
「パリの歴史」
という、
あまりに巨大なテーマを掲げているので、
飛び飛びだし、
必ずしも多層的でもないですが、
まあ、東京で、このテーマで、
ここまでのものが見られる可能性はほぼゼロでしょう。
その意味では、やっぱり貴重です。
(しかも無料!)
ちょっとおもしろかった(?)のは、
17世紀のパリの、畳1畳ほどもある地図の前での出来事。
フランス人の、わたしの変わらないくらいの年齢の夫婦が、
モンマルトルはどこ?
マレは?
などと言いながら、地図のそこここを指しているのですが、
まあ、全部間違ってるわけです。
というのも、
そもそも右岸と左岸を取り違えているから。
いつ気づくかなあ、と思ってしばらく聞いていたのですが、
これが全然気づく気配がなく、
どんどん話が変な方向に進むので、思わず、
「モンマルトルはここで、マレはこっちだと思いますよ」
と声に出てしまいました。
奥様は一瞬驚いた表情で、
でも、ここは?
それはポン・ヌフ。
ええ?
で、ここに、やがてバスチーユができるわけ。
え? ああ、そうか! わかった!
と言った後に、
どちらから?
日本です。
と聞くと、
あら私、日本人に教えてもらっちゃった!
と、周りの人たちにやや大きな声で言い、
するとその辺にいたお客さんたちが、
みんなが一斉に笑うという……
もちろんこの奥さんの言い方は、
ほんとにあらら、
という感じで、まったく差別的な印象はありませんでした。
そしてこの手の地図については、
何しろ授業でも使うので、
たまたまわたしは慣れているのであって、
決して、わたしが特に物知りということではありません。
それにしてもまあ、
ちょっとおもしろい感じではありました。