2022年12月31日土曜日
『海炭市叙景』
2022年12月30日金曜日
「朔太郎と歩く」
これはきみの群集ではない
私はいつも都会をもとめる
都会のにぎやかな群集の中に居ることをもとめる
(「群集の中を求めて歩く」)
米粒をはらはらと膝に散らしながら
倦み果てた若い人は
半ば閉ざされた目蓋の裏に映写する
遠き東京の明らむ街路
その日陰に陶然とたゆたう群集の浪に
爪先立ちで
溺れ込んでゆく甘い夢を
聖なる売淫はしない
(私の魂は空席じゃない)
植民地に君臨する神父はいない
(群れの「方角」は知らない)
浪は街路を塞いで横たわる
春の腫れぼったい海星にも似た
ヴィジオネールな巨体となって
まだ明るんだままの空の下
半透明なその輪郭と二重写しになった
うつろな女たちが
うろんな男たちが
ほの白く火照る街路の底を
言葉の形で歩いて行く
美しい東京
家郷を憎むものとして
西欧の異都に降り立てなかったものとして
若い人はやわらかい指を弄びながら
街の夜に裏切られる
もつれた足で凭れた真っ青な扉は
廃れた暗い廻廊に続き
じめじめした胎内めぐりのその果てにこそ
家郷はうずくまっていたのだから
米粒を膝に散らせ
食慾は口中を濡らす
桃色に輝く若い歯茎に指先が触れたとき
滲み出た血の味が舌を刺したとき
若い人の内に沸き上がってきたものは何か?
それをこそ聞きたかった
聞いてみたかったのに
さあ
これが二十一世紀
スクランブル交差点の宙空には
今夜も稲妻がひしめく
(軋む音が聞こえるだろう)
傾ぐ突端に堰き止められたものたちは
見えない竜巻が吹き上がる谷底へと
一斉に鎖を解かれる
渋谷の谷を旋回する靴音
影と影は翻り
透過しては交じり合う
(色彩の海が生まれる)
孤独は
ささやき声の火花のように騒ぎ立つ
あるいはチェンバロの
息もつけないフーガのように
影たちは動き続ける
とりどりの花弁を体内に宿して
その背中で燃えている声
呼び寄せる声
(遠くから、ここへ)
とめどなく湧き出るものたち
押し寄せてくるものたち
殺到してくるものたち
見よ
これはきみの群集ではない
さざめきではなく叫びだ
微光ではなく熱波なのだ
群集の背に乗って
渋谷川を渡れば
もう家郷は見えない
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
『そこのみにて光り輝く』
2022年12月29日木曜日
『息の跡』
2022年12月28日水曜日
『シー・ハルク:ザ・アトーニー』
2022年12月26日月曜日
『クルエラ』
2022年12月24日土曜日
『キャン・ユー・ヒア・ミー』saison 2終了
2022年12月22日木曜日
『オーバー・フェンス』
『マイレージ・マイライフ』
2022年12月19日月曜日
Presque !
2022年12月18日日曜日
「ジェンダー格差の改善を阻むものとは」
2022年12月17日土曜日
2022年12月16日金曜日
激突!
2022年12月15日木曜日
Douce nuit
Douce nuit
Douce nuit, sainte nuit
Dans les cieux ! L’astre luit.
Le mystère annoncé
s’accomplit.
Cet enfant sur la
paille endormi,
C’est l’amour infini
! C’est l’amour infini !
Saint enfant, doux
agneau !
Qu’il est grand !
Qu’il est beau !
Des bergers
conduisant leurs troupeaux
Vers son humble
berceau ! Vers son humble berceau !
C’est vers nous qu’il
accourt,
En un don sans retour
!
De ce monde ignorant
de l’amour,
Où commence
aujourd’hui son séjour,
Qu’il soit Roi pour
toujours ! Qu’il soit Roi pour toujours !
Paix à tous ! Gloire
au ciel !
Gloire au sein
maternel,
Qui pour nous, en ce
jour de Noël,
Enfanta le Sauveur
éternel,
Qu’attendait Israël !
Qu’attendait Israël !
cieux cielの複数形。詩的な表現。(意味は単数と同じ。)
luit < luire(輝く)
s’accomplit < s’accomplir (実現する、起こる)
Cet enfant sur la
paille endormi ←通常の語順ならCet enfant endormi sur la paille ここは、前の行と脚韻(
[ i ])を踏むために、語順が変わっています。
Qu’il est grand !
Qu’il est beau ! <Que +節 !>は、感嘆文。
Entendez résonner les
pipeaux 命令文。通常の語順ならEntendez les pipeaux résonnerで、<entendre +モノ+動詞原形>=「モノが~するのを聞く」。ここでは、les
pipeauxに、後に続く2行が全部かかっていて長いので、順番が入れ替わっています。
conduisant < conduire
の……?
C’est vers nous qu’il
accourt ←○○構文(c’est ~ que ... という形です。)
accourt < accourir(「(~の方へ)駆けつける、走ってくる」
En un don sans retour
! en は前置詞で、ここでは「~として」。
De ce monde ignorant
de l’amour ここは、2行下のRoi から繋がっています。Roi de ce
monde ... ということです。詩なので、音の数を合わせるために、語順が入れ替わっています。
ignorant もともとは動詞 ignorer の……?(今はもう形容詞扱いです。)
Où commence aujourd’hui
son séjour 通常の語順なら、Où son séjour commence aujourd’hui
Qu’il soit Roi pour
toujours ! <Que +接続法 !>で、祈願文です。soitは、êtreの接続法現在形です。
Roi ふつうにroiといえば「王」のことですが、ここは大文字で始まっているので、固有名詞です。(絶対的な)「王」という感じ。
Qui pour nous, en ce
jour de Noël, / Enfanta le Sauveur éternel
←pour nousと en ce jour de Noëlは、それぞれ挿入句なので、カッコに入れて考えてください。
Enfanta < enfanter(「(作品・子どもなどを)産み出す」)の単純過去形。訳としては、ふつうに過去でOK。文頭のQuiは関係詞。先行詞はciel=sein。(同じモノを言い換えているだけなので、単数とみなしています。)
attendait < attendre
の○○形。
Israël ここでは、古代のイスラエル王国のこと。ダビデ王、ソロモン王の後、良き王が現れなかったイスラエルでは、メシア(救世主)の到来が待たれていたました。
ただし、キリスト教において「イエスがキリスト(=メシア)であるのは、彼が王の権力をもってこの世を治めるからではない。自ら僕(しもべ)として苦難の道を歩み、十字架による処刑の死にまでわたされることによって、人間の罪を贖(あがな)い、罪からの解放、救いを人々に与えた。この点にキリスト教的メシア思想の特質がある。」(コトバンク)
2022年12月11日日曜日
「中央フリーウェー」
2022年12月9日金曜日
『キャン・ユー・ヒア・ミー』
『すずめの戸締まり』
見てる間はなかなか楽しめたんですが、
なにか言おうとすると、言いにくい感じがしますね。
それは1つには、ストーリーの曖昧さがある気がします。
一番分かりにくいと感じたのは、猫たちです。
どういう存在なのか? なぜ「猫」なのか?
また、白猫の視点でこの物語を見直すと、
けっこうきびしい悲恋ものですよね? それはどうかんがえればいいのか?
また、「常世」には、あらゆる時間が存在すると言っていて、
時系列を無効化してしまうのがちょっとビミョーな気も。
ロードムーヴィー的なところ、
冒頭、いきなり物語を始めるところ、
絵のクロースアップとワイドの切り替えがリズミカルなところ、
などは「いい」とは思うんですけどね。
2022年12月8日木曜日
しわす
2022年12月3日土曜日
2022年12月2日金曜日
デンベレ
総合芸術系「成果発表会」
『ホーム・フォー・クリスマス』シーズン2終了
2022年11月28日月曜日
『ホーム・フォー・クリスマス』
2022年11月26日土曜日
2022年11月23日水曜日
2022年11月22日火曜日
古川日出男『天音』、本日発売!
圧倒的な1007行。現代日本最大の小説家、初めての詩作品。
小説家・古川日出男が空白に挑戦した。