2021年12月31日金曜日
2021
2021年12月30日木曜日
『オスロの少女』
2021年12月29日水曜日
バッテリー
2021年12月28日火曜日
ラスト・テニス
2021年12月27日月曜日
今年の3作(2)
2021・女性刑事ドラマ、ベスト3
新しい時代の手触りは、女性刑事たちの造形の中にも見いだせるでしょう。凍てつくヘルシンキを生きる『Deadwind 刑事ソフィア・カルピ』。ポーランドが舞台の『泥の沼 97』のヒロインは、ロマの血をひくレスビアン刑事。『コラテラル』では、妊娠中のキップが、サウス・ロンドンの移民街を走ります。
『Deadwind 刑事ソフィア・カルピ』:夫を亡くし、仕事に打ち込むことで生きのびようとするシングル・マザー、ソフィア。有能ながら、麻薬を縁を切れない若き同僚ヌルミ。氷が押し寄せる海岸で事件が起き、そこにはソフィアの娘の影が。ヘルシンキとタリン(エストニア)の繋がりもかなり新鮮。
『泥の沼‘97』:レスビアンで、母親とは疎遠で、ロマ語も話すウィテク。不敵な笑みを浮かべる彼女は、ワルシャワを追放され田舎の町へ。そして洪水の後、町外れの森で少年の遺体と不審な骨が見つかります。かつてドイツに占領され、その後ソ連軍に解放されたこの森の深い闇に、よそ者刑事が迫ります。
『コラテラル』:サウス・ロンドンで不法就労する移民たち。その一人が殺害され、妊娠中のキップが担当することに。この移民地区には、労働党の幹部も、移民女性と暮らす女性司祭もいます。そして第一容疑者は、シリアでの戦闘後、PTSDに苦しむ誠実な女性大尉。彼女が受けたむごいハラスメントとは……
2021年12月25日土曜日
EXIT
今年の3作(1)
2021・映像作品、ベスト3
ベスト1は、スペイン・ドラマ『ペーパー・ハウス』。圧倒的なドライブ感と、人物たちの魅力。そして韓国ドラマの『ハイエナ』は、ヒロインの生き方も、隠れテーマも強烈。またご存じ『シャン・チー』は、力と力ではなく、新たな原理を生きる可能性を、萌芽的にせよ示したのではないでしょうか?
『ペーパーハウス』:「人を傷つけない」強盗団が、貨幣制度の権化である造幣局を占拠し、ボニー&クライドとは別のタイプの英雄になる物語。警察側も含めた群像たちは、偉大と卑小、歓喜と悲嘆、そして変幻する美の化身です。セリフもほろ苦く、パルチザンの音楽も嵌まってる。サイコー!
『ハイエナ』:地べたを這いつくばって生きてきた女性キムと、エリート判事の息子チュ。この二人の弁護士の、アンビヴァレントな恋の物語。それはとりわけ、キムの大胆な行動力によってドライブされるのですが、驚くのは、父親殺しのテーマ。父親たちが迎える「死」は、家父長主義の死なのです!
『シャン・チー』:帝国主義的で、所有と支配に取り憑かれた男と、自分の心身に耳を傾け、その希望を生きようとする女。この二人を親に持つシャン・チーは、暴走する「力」と向き合ったとき、行動原理の選択を迫られます。その答えは、これまでのマーベルとは違う地平を示しているように思えるのです
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