2023年4月30日日曜日

『AKA』

アルバン・ルノワール主演のアクション映画、

『AKA』(2023)

をネトフリで見てみました。


特殊工作員である主人公が呼び寄せられ、
テロを阻止するため、
マフィアへの潜入捜査を命じられます。
捜査はうまくいくかに見えましたが、
ボスの子どもがライヴァルに誘拐され事情は一変。
また、追い詰めていったテロリストには、
実は背後にある人物がいて……
というお話。

映画自体はまあ「ふつう」でしたが、
設定として興味を引かれたのは、
そのテロリストとされていた人物が、
今ニュースで話題となっているスーダンからきたということです。
(フランスの有力政治家が呼び寄せたのです。)
そして彼は言います、
80年代、フランスに助けられたが、その後は……と。
WWⅡ以降のスーダンについては、
安定した時期が長続きしないまま、
今日まで来てしまった印象もあります。
その背後には、フランスに限らず、
「国益」を追求するヨーロッパの国々がいるんだろうと思うのは、
まあ「ふつう」の感覚なのでしょう。
なんならついでに「私益」も。

アルバン・ルノワールは、
やっぱりこれが一番印象深いかな。

2023年4月29日土曜日

『森と湖のまつり』

内田吐夢監督の、1958年の作品、

『森と湖のまつり』

をDVDで、院生と見てみました。
原作は武田泰淳です。


舞台は北海道。
語り手は東京からやって来た画家、雪子。
彼女は、アイヌ問題の研究者である教授に連れられてここまで来ましたが、
教授が大学に戻った後も、
実際には、最後まで、物語と併走します。
で、
その物語の主人公は一太郎(高倉健)。
彼は、アイヌの「純血」を掲げ、
差別を受けているアイヌ民族の再興を(やや暴力的に)目指しています。
そこに関わるのが、事業者である大岩。
彼ら一家は、アイヌという出自を隠し、
「しゃも」(非アイヌ)として成功しています。
一太郎は、それが気に入らない。
出自を明かし、アイヌの人たちを雇え、というのです……

テーマは、
民族的アイデンティティーと「血」の関係、
自然の中での狩猟採集生活と、産業社会の相克、
Cultural Appropriation文化的簒奪、などで、
それらが複数の視点から描かれていて、「現代的」です。
また、映像的には、
明らかに西部劇の影響、
特に『シェーン』(1953)の雰囲気が色濃く感じられ、
不思議な感じでした。
またラストに近い決闘シーンは、
まつりの場面とのクロス・カッティングで描かれており、
約15年後の、『ゴッドファーザー』的な緊張感がありました。

有名な作品とはまったく言えないと思いますが、
こんな映画もあるんだなあと、感心しました。

『ザ・ディプロマット』

ネトフリの新作ドラマ、

『ザ・ディプロマット』

の全8エピソードを見終わりました。
一言で言うと、
すごくよかったです。
洗練されたセリフ。
抑えた、しかも意味深い演技、
潔い人間たち、姑息な人間たち……
今年見た中では、
『ナイト・エージェント』とともに、
「ベスト」だと言えます。


中東の海上で、イギリス籍の軍艦が爆破されます。
そんな時、アメリカの外交官として、
中東などの紛争地で活躍してきたケイトは、大統領直々に、
アメリカ大使としてロンドンに行くよう命じられます。
ただこれは、テストでもありました。
副大統領になるのにふさわしいかどうかのテストです。
またケイトには、
以前大使として活躍していた夫がおり、
彼とは離婚話が進んでいます。
ただ、この夫も一緒のロンドンに行くことに。
というのも、大使は基本、
カップルとして相手国の機関と関係を結ぶものだからです。
そしてケイトは、
イギリス、イラン、ロシア、そしてもちろんアメリカの、
駆け引きの渦の中に投げ出されることになります……

ケイトと夫の関係は、
とても不思議で、なんとも言えずリアル。
ケイトを取り巻く公使、秘書たち、
イギリス側の外務大臣、首相、
みなそれぞれに魅力的な存在に見えるのは、
ドラマが成功している証でしょう。

ただ1つ不満なのは、
続編が来年にならないと来ないらしいこと。
どう見ても終わってないので、
早く続きが見たいです。

2023年4月24日月曜日

「維新的なものの勝利」の時代

この記事、とても勉強になりました。


特別寄稿・「価値」を入れ替える政治に転換せよ 

「維新的なものの勝利」の時代に野党に求められること

=白井聡〈サンデー毎日〉


2023年4月23日日曜日

『UNSEEN ~名もなき存在』

南アフリカを舞台にしたドラマ、

『UNSEEN ~名もなき存在』(2023)

を見てみました。


「清掃係」をしている女性、ゼンジ。
彼女の夫は服役中で、
その間に息子も射殺されています。
悲しみの中で生きる彼女の元へ、
ついに夫が釈放されて戻ってくる、はずでしたが、
夫はそのまま行方をくらまし、
マフィアもまた、彼を探し始めます。
ボスの罪を被って服役していた彼は、
組織が、彼の家族を守るという約束を守らなかったことを恨んでいるからです。
そしてゼンジは、夫を捜し回るうち、
意図せず殺人を重ねることになります。
けれども、彼女はなかなか捕まりません。
黒人清掃係であるゼンジは、
多くの人にとってunseen、つまり「見えない存在」だからです……

南アフリカの作品と言えば、
わたしにとってはまず『ツォツィ』です。
で、この映画でもそうだったように、
今回のドラマでも、
南アの言語状況はきわめて複雑なので、
「意味」は字幕で分かっても、
誰がどの言語を話しているのか分からないのが、
とてももどかしいです。

そしてまさにその『ツォツィ』に出ていた俳優が、
少なくとも二人、
このドラマにも出ていて、懐かしかったです。
作家役を演じたMothusi Magano と、
マフィアのボス役のRapulana Seiphemo です。
前者は、かつての勉強ができる不良(ボストン)で、
後者は成功したビジネスマンでした。
演技にも配役にも、
共通性を感じました。

先日見たばかりの『トリとロキタ』も、
「見えない存在」を描いていたと言えるでしょう。
わたしたちの「ふつう」の生活からは見えない彼ら……。
ただ、2作の「見えない」感じは、まったく同じではありません。
目の前にいるのに見えないゼンジと、
そもそも(麻薬を買う人以外には)ほんとに見えないトリとロキタ。
そして『トリとロキタ』では、
彼らがその社会的背景とともに描かれていたわけですが、
Unseen のほうは、その「見えない」という点をエンタメに展開し、
物語を作っているわけです。

そう言えば『サンバ』もまた、
見えない労働者を描いていましたね。

2023年4月22日土曜日

『トリとロキタ』

ダルデンヌ監督の新作を見てきました。


舞台は、ダルデンヌ監督ではお馴染みのリエージュ。
そこで暮らす少年トリはベナン出身。
そしてトリと大の仲良しのロキタはカメルーン出身で、
彼女には滞在許可証がありません。
で、許可証を持つトリの姉だと偽って申請するのですが、
これは……
でロキタは、アフリカで待つ母親と兄弟たちに送金するため、
麻薬の運び屋をやったり、時には性的な虐待を受けたり。
しかもその後、偽造パスポートと引き換えに命じられた仕事は、
それまでとは違う恐ろしさがあり……

ダルデンヌ監督らしい、と言っていいのか、
ドキュメンタリー的であり、
でも決定的にドキュメンタリーではない映画です。
カメラは対象を「追う」ので、
観客は終始、
その場に立ち会っている緊張感の中で画面と向き合います。

これは「見えない存在」の物語です。
わたしたちにはもちろん、
リエージュに住んでいる「ふつう」の人たちにさえ、
「見えない」物語だと言えます。
まっさきに思い出すのは、『サンバ』です。
あの映画も、
「ふつう」にパリに暮らしているだけでは、
決して会わない人たちを描いていました。
サンバは、「見えない」労働者なのです。

小さめの映画館でしたが、
お客さん、そこそこ入ってました。
まだまだ上映中です!

2023年4月20日木曜日

<『最強のふたり』とフランス語も少し!>

去年も参加したASF。
今年も参加させていだくことになっています。
で、
その詳細(というほど込み入ってません!)が、
アップされました。


どなたでも参加頂けます。
(オンラインはありません。)
『最強のふたり』を見ておいてくださると、
より楽しめるかと思います。

無料です!
Vous êtes tous invités !

2023年4月15日土曜日

『ブルゴーニュで会いましょう』

アマプラで無料だったので、
さくっと見てみたのが、

『ブルゴーニュで会いましょう』(2015)

です。
ジェラール・ランヴァン、
ジャリル・レスペール、が出ています。


ブルゴーニュでワイン農家を営むフランソワは、
3年前に妻を亡くして以来やる気を失い、
今や農家は破綻寸前。
このままでは広大な畑が競売にかけられてしまいます。
そんなとき、
15年前に農業を嫌ってパリに出て、
今や有名テイスティング家となった長男が、
散々迷った末、
この農家を引き継ぐ決心をします。
これで、銀行からは、
1年の猶予が与えられるからです。
ただこの父子は、仲が悪い。
なのでワイン作りは簡単には進まず……というお話。

まあ、甘く言って、70点くらい?
ブルゴーニュの畑の景色は美しいですが、
あとは、ややムリのある、ベタな話です。
そしてこの映画を貫いている「思想」は、
伝統を重んじる「よきフランス人」にとって、
アメリカと日本は相容れない敵であり、
そうした文化に染まったフランス人もいるから、それにも注意すべき、
そして「フランス人」こそは、
ローマ以来の伝統を引き継ぐものなのだ、
というところでしょうか。
実はフランソワの畑の隣には、
ライヴァルである醸造家がやはり広い畑を持っており、
その家の娘は、いったんアメリカ人と結婚するのです。
でも、1年で離婚。
懐かしの畑に戻ってきます。
「フランス人」にとっての原風景である、
ブドウ畑の中に。
そして日本は、フランソワが息詰まったとき、
その畑を買い取ろうとしゃしゃり出てくる役目です。

そしてこの、フランスの魂とも言えるワインを扱う映画には、
アフリカ系も、アラブ系も、アジア系も、
影も形もありません。
見事に全員ヨーロッパ系白人です。
フランス映画が、一般にドメスティックに見えることに、
この映画も貢献しています。

主役であるジャリル・レスペールは、
この映画が印象に残っています。
彼が主演でした。


こんな作品もありました。


これはネトフリに、『ブラザー 若者たちの掟』
というタイトルで挙がっていました。

また、この映画ではバスの運転手でした。


それからジェラール・ランヴァンですが、
彼はやっぱり、
やさぐれ刑事かなんかの方が、
似合うと感じました。

『シッカー・ザン・ウォーター』終了

8エピソードで完結の

『シッカー・ザン・ウォーター』

見終わりました。
前半の1~5話までは、
まあ「75点」といった感じでしたが、
6~8 話は「90点」と言えると思いました。
つまり後半、やっと物語が動き始めると同時に、
緊張感もスピード感もアップします。



舞台は、パリのTV局、
そしてそこでキャスターを務めるファラの家族がいる、パリ郊外です。
物語の中心にいるのは、あるマグレブ系の家族。
第一世代である母親。
信仰心に篤く、子どもたちが生きがいです。
第二世代である兄弟たち。
長女のスイラはいつもイスラムのスカーフを被り、
モスクにも足繁く通っています。
彼女の娘が、17歳にあるリナ。
リナには新しくカレシができるのですが、
スイラは夜遊びする娘を厳しく管理し、
リナはそれに激しく反発します。
(いつもスカーフ被ってる、ママみたいな人生なんかイヤ!)
そして次女のヤスミナ。
市役所で15年働いていますが、
夫はゲーム三昧で、妻を振り向かず、
二人の息子たちはともに「肥満児」です。
ヤスミナは、結婚して増えたのは借金だけ、だと言います。
三女は、この家族で唯一の大卒で、
TVキャスターとして華やかに働くファラ。
彼女は未婚です。
最後に末の弟、セリーム。
麻薬業界の末端にいて、大きなミスをしでかし、
それが、結果として、
この家族全員にとっての悪夢となっていくのです。

このドラマでは、「父親」の不在が際立っています。
ファラたち兄弟も、
麻薬組織の地元のリーダーも、
父親がいません。
特に末弟のセリームは、
(家父長的世界の「男」ですから)
家族が食べていくために、
母親が売春婦になるよりは、
自分が麻薬ディーラーになるほうがマシだ、
という理由でその世界に入っていったのです。
また組織のメンバーの一人も、父親が母親を殺し、
12歳だった自分はそれから強盗になった、と言っていました。
(父親は子どもたちを捨てたのでしょう。)
物語上、「父親」や「男」にも、
かすかな希望は残されていますが、
あくまで「かすか」です。
それに引き換え女性たちは、みな懸命なのです。

このドラマには、
批判もあるようです。
たとえば、マグレブ系の男は全員ダメってこと? とか、
アラブ系もアフリカ系もステレオタイプばかり、とか。

ただ、フランスでの映画評を読んでいると、
この「人物がステレオタイプだ」というのが、
まさに批判のステレオタイプです。
もちろんそういうこともあるでしょうが、
気に入らないときはとりあえずそれ言っとけ、みたいな感じもあります。

ナウェル・マダニはそれに反論しています。


いろんな女性たちが輝いている作品を撮りたかった……。
そのココロは、
さまざまな女性たちを登場させることを、
ステレオタイプと言われても、ということなんでしょう。

そうそう、タイトルと『憎しみ』の関係についても、
こんなインタヴューがありました。

"Le titre a failli être "Ca va bien se passer". Le personnage d’Oumar le dit d’ailleurs plusieurs fois dans la série. Pratiquement tous les jours sur le plateau, mon mari me disait "Chaque jour suffit sa peine. Écoute moi, jusqu’ici tout va bien.". Il me disait ça à chaque fois que j’étais stressée. J’aime bien cette phrase. Elle peut être menaçante et surtout, on s’attend au pire quand on entend ça parce que tu sais qu’après c’est la merde. Donc, c’est lui qui a trouvé. Mais oui c’est un petit clin d'œil à La Haine, parce que ça a bercé notre jeunesse. On est fier de rendre hommage à ce film culte."

なかなかいい話ですね。

2023年4月14日金曜日

新学期

新学期、始まっています。
この季節の教員同士の挨拶はと言えば、

「始まりましたねえ」
「早いですねえ」

みたいな感じ。
早い、って言うのは、
この前まで入試だなんだって駆けずり回ってたのに、
もう新学期始まっちゃったよ!
というココロです。
もちろん口ではそう言いながらも、
同僚たちはみな、授業に向けて、
気合いの入った顔つきです。

勤務先である明治大学の理工学部の学生は、
なんだか、年々優秀になってきている感じ。
まじめでもあるし。
教員としては、まあ矛盾してるんですが、
たらたらしてれば「もっと真剣に!」と思うし、
かといってまじめすぎると、
「もっと自由に。もっと好き勝手に!」
とも思ってしまいます。
もちろん、まじめな学生相手だと、
やりやすいし、
やりがいもあるし、
それ自体はもちろん歓迎なんですが。

小さくまとまらず、
大きく育って欲しいです!
(by Kakefu)

2023年4月9日日曜日

『シッカー・ザン・ウォーター』

ネトフリに新登場したドラマ、

『シッカー・ザン・ウォーター』

を見始めました。


このタイトルは日本語にすれば「水よりも濃い」なので、
まあ、「血」のことを言っているわけでしょう。
ただし!
実はこれはフランスのドラマで、
オリジナル・タイトルは、

Jusqu'ici tout va bien

「ここまでは大丈夫」です。
これって、もちろん、
あの『憎しみ』の中で、何度も繰り返されたセリフです。
ビルの屋上から飛び降りた男が、
どんどん落ちていく中で、何度もつぶやくのです、
ここまでは大丈夫、と。
でももちろん最後は……



2023年4月8日土曜日

『てんやわんや』

アマプラで、

『てんやわんや』(1950)

を見てみました。
監督は渋谷実。
主演は佐野周二。
そして、淡島千景にとっては、映画デビュー作です。
(今気づいたんですが、ouTubeに全編版がありました。
アマプラでお金払う必要なかった!)


この映画を見たのは、淡島千景を見たいがため。
ところが残念ながら、
そんなに出てこないのです……

気の弱い男性、犬丸は、
昔から世話になっている社長(志村喬)の「腰巾着」。
そして社長の(「妾」と言われている)秘書の花輪さんは、
なぜか犬丸との結婚を望んでいます。
そんな中、
社長に命じられ犬丸は四国へ。
東京に疲れていた犬丸にはちょうどいい仕事でした。
そしてそこで犬丸は、
四国独立を目指す小集団に出会ったり、
若い女性と一夜をともにしたり……
というお話。

淡島千景演じる花輪は、
いわゆる「アプレ」で、
一人だけ浮いています。
初登場のシーンは、ビルの屋上。
ストを決行してる社員たちを尻目に、ビキニで日光浴!
その後の犬丸への「アタック」の姿勢も、
超積極的で、行動的。
おもしろいキャラだと思いました。

1箇所、印象に残ったのは、
四国の山奥の家を訪ねた折、
その家の老夫が、東京から来た犬丸に質問があると言い出します。
そしてその質問とは、

「日本は、本当に、戦争に負けよりましたかいな?」

戦後まだ5年。
こんなことを考えている人も、
いないわけじゃなかっただろうと、思えてきました。

『スカイ・ロッホ』

すごくおもしろかった『ペーパーハウス』の、
脚本家を始め製作陣が関わったドラマ、

『スカイ・ロッホ』(3シリーズ)

見終わりました。
シーズン3の配信を待って、
一気に見ました。
タイトルの意味は「赤い空」。


もちろん、「おもしろい」レベルには十分達していると思います。
『マッドマックス 怒りのデスロード』
と同じ、
女性を搾取する家父長制度に対する、
女性の側からの反乱を描いています。
制作者たちも、そういうテーマであることに意識的だと、
見ていて感じます。
そういう意味で、
エンディングも、これしかないな、と思います。

そして、それはそうだし、
人身売買を続け娼館を経営する男(たち)に対抗する、
3人の魅力的な女性たち
(=それぞれの事情で売春婦に囚われている)
の、ちょっと危なっかしい行動も、
応援したくなるし、痛快な部分もあります。
ただ、しばしば登場する娼館の映像などは、
官能的すぎるというか、
あきらかな男性的視線が温存されていて、
ドラマのテーマと矛盾しているように感じました。
必要な部分ではあるでしょうが、
他にやりようがあったと思います。
それが、ちょっともったいなかったかな。

一箇所、ルー・リードのこれが流れます。
3人の女性たちの中で、
リーダー格といってもいい女性、コーラル。
彼女がなかなか薬物中毒から抜け出せず、
ラリって、プールに沈んでいく場面です。


ネット上に、
『トレインスポッティング』でも似た場面で流れていた、
という指摘がありました。
これですね。


(わたしは覚えてませんでした。
イギーの Lust for life の印象が強くて。)

2023年4月6日木曜日

『キャッシュトラック』

ネトフリでたまたま目にとまった、
ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムのコンビによる、

『キャッシュトラック』(2021)

を見てみました。
この邦題は、「現金輸送車」のつもりでしょうけど、
原題は Wrarth of man(男の憤怒)です。


ふつうに時系列に並べれば単純な話なんですが、
現在、3ヶ月後、5ヶ月前……
みたいな感じで展開するので、
ちょっと、話をこちらで整理しながら見る感じでした。
で、
話の分かれ目は、
たまたま同じ現金輸送車が、
2つの強盗グループに狙われるという点。
この可能性、なん%あるんでしょう?
まあ、サブスクじゃなかったら見なかったかも?

そうそう、1点だけ。
この映画で使われている音楽、というか音響というか、は、
『西部戦線異状なし』のそれと通じる新しさがあるように感じました。
(流行なんでしょうか?)
『西部戦線異状なし』の音楽を担当していたのは、
ヒラリー・ハーンとの共作アルバムもあるフォリカー・ベルテルマン。
『キャッシュトラック』の音楽担当は、
ガイ・リッチーとのコンビが多いクリストファー・ベンステッド。
二人とも、この業界では大物ですね。

『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』

大学生の頃、わたしにとってのヒーローと言えば、
これはもうデヴィッド・ボウイがナンバー1でした。
そのデヴィッドの、ドキュメンタリー映画を見てきました。


基本、インタヴューとライヴで構成されているんですが、
間に、たくさんの映画の断片が散りばめられていました。
『アンダルシアの犬』から、『8 1/2』まで。
そう、メリエスの『月世界旅行』もありました。

おもしろくないわけではないし、
いい場面もありましたが、
やっぱり、もっとライブが見たかったかな。
それにしても、
80年代、あの「ヒーローズ」の時代について、ボウイは、
「ふつうのスーパースターになることを受け入れた」
と語っていました。
次元が違いすぎ……

そして映画の最後、
クレジット中に流れるのは、
やっぱり学生の頃、
親友とともに、
合言葉のようにしていた曲、
Changes
でした。
ボウイがもういないなんて、さびしいです。

オチは……

『最高の花婿』の「ファイナル」が公開されますね。
で、
こんな動画があって……


カリンさんも、ここは特におもしろかった、
とコメントなさっていて、
たしかにわたしも笑いましたが、
字幕を見ると、オチがちゃんと訳されていません。
最後、奥に座っているおじさんのセリフが、
「モーツァルトは?」
となっていますが、彼が言っているのは、

Et Mozart, il était Kabyle ?

ですね。つまり、
「で、モーツァルトはカビール人だった?」
で、このKabyle のところがおもしろいんです。

「カビール人」というのは、
アルジェリアの先住民族であるベルベル人の民族グループの名前です。
ジダンが有名ですね。

パリのあるお店で話した男性が、
自分はKabyleなので、「アルジェリア人」とはちょっと違っててね、
と言いながらにやっとしたことがありました。
先住民族と、後から来たアラブ系は違う、
ということだったのだろうと思っています。

2023年4月5日水曜日

無事終了!

というわけで、昨日のオンライン・イベント、
無事終了しました。
ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました!
今回は、対面ではなくオンラインだったこともあって、
わたしが担当したイベントの中では、
参加してくださった人数が一番多くなりました。
東京以外からでも同じように参加して頂けるので、
これはオンラインの効用だと思っています。
至らない点もあったと思いますが、
少しでも役に立てばうれしいです!

あのスタジオは、
実は六本木にあるSBクリエイティブのオフィス内にあるものです。
オンラインなので、
わたしは自宅から参加することもできたんですが、
やっぱり、スタジオを使わせてもらって、
技術の担当の方もいらして、
編集の斉藤さんもいてくださって、
六本木まで行ってよかったと、つくづく思いました。
とてもやりやすい環境を調えて頂き、
ありがとうございました!

そうそう、
イベント中に、上智での特別授業についてお話ししたんですが、
日付をまちがえて言ったかもしれません。
正しくはこちらです;

日時 2023.5.28(日) 11:00-12:30 

詳細は追って、だそうです。


よろしければ、お待ちしています!

2023年4月4日火曜日

4/4、になりました!

というわけで、
日付が変わり、
オンライン・イベントの当日となりました。
で、

視聴チケットの購入は当日の17:00まで。 一週間のアーカイブ視聴も可能です。

とのことなので、どうぞよろしくお願いします!


昨日今日と、
なにをしようかと考えてたんですが、
使えそうなUSBを探していたら、たまたま、
以前八重洲ブックセンターで行なったイベントの「感想集」が出てきて、
それをみると、やっぱり
「発音をやってくれてよかった」
というご意見が多いのでした。
明日は、対面ではないので、
そこまでうまく練習できるかどうかわかりませんが、
発音もやってみようと思っています!
(あとは、デモとか、ケシカスくんとか……)


2023年4月1日土曜日

4月1日はガイダンスの日

毎年この4月1日は、
総合芸術系のガイダンスの日です。
今年度の新入生は6名。
みなフレッシュで、やる気が感じられて、
授業で会うのが楽しみです。
(ただ残念ながら、
今年度、わたしの研究室には新入生がいません。
さびしいです!)

やや遅めのランチは、
同僚の倉石さん、山本さんと、
中野の「ねぎし」で。
写真批評の現状や、
アメリカのアカデミアの潮流について、
教えてもらいました。
勉強になります!