2011年6月29日水曜日

ケベック

今日はケベックの話でしたね。

わたしはケベック・シティーには行ったことがなくて、
ただケベック州のモントリオールは、一昨年行きました。
その時の様子は、↓ を、少し下にスクロールしてくださいませ。

http://tomo-524.blogspot.com/2009_07_01_archive.html

愛すべき、いい街でした❤

Gozo, ciné


今日は生田で、吉増剛造さんの特別講義でした。
素晴らしかった…… 感動しました。

http://monpaysnatal.blogspot.com/2011/06/blog-post_9770.html

詩を書くこと以外は、生活力が乏しかった朔太郎。
神経衰弱で死んだ朔太郎。
その朔太郎の極限の悲しみを、
吉増さんはアメリカに連れ出します。
そこで、新たな出会いがあり……

そしてゴッホの、芭蕉の、
特異な極限を再現、追体験し、
それがそのまま極限の更新であるような、驚異的作品……

それに加えて、吉増さんの熱い語り。
やられました。

今日の講義を聴けた学生は、ラッキーでしたねえ。

Love you, ちび王子❤

待ちに待った新刊、
管啓次郎訳『星の王子さま』が、
ついにベールを脱ぎました!
見てください、この表紙;


なんでしょ、この人!
この人こそ、われらが「ちび王子」です。
おちびちゃんは言います;

「だめ! だめ! ボアのおなかの中の象なんていらないよ。
ボアなんて危険すぎるし、象は場所をとりすぎ。
おれんちって、すごくちっちゃいからさ。
羊がほしいんだよ。羊を描いてくれってば」

「よく見てくれよ……これって羊じゃないね、山羊(やぎ)じゃん。
角があるし……」

どうですか、このおちびちゃんのこと、
もう愛したくなってきたでしょう!(Moi aussi !)


『星の王子さま』は、大学時代、フランス語劇をやったことがあります。
(なにかしらフランス語劇をするのが、学科のならわしだったのです。)
でももちろん、子供の頃にも読んだし、
高校時代は、(全部じゃないけど)英語でも読みました。
でも……
一番感動したのは、今回のこの本かも。

こういうことってあまり思わないほうなんですが、
やっぱりいい作品て、読む年代に応じて、
違う表情を見せるものなんですね。
それだけ、著者の眼が細部まで入り込んでいるということなんでしょうか。

とにかく、この機会に、ぜひ一読を。
西原理恵子の絵も、もちろんオモロイです!
そしてこの「角川つばさ文庫」版には、
ルビも付いています。
プレゼントしたい子がいらっしゃるかたは、幸運です!

(そうそう、フツーの角川文庫版もあります。
こちらには、「つばさ」とは違う解説が付いています。
なんなら、両方行くか!?)

2011年6月27日月曜日

満員御礼

今度の日曜日に迫った「言葉のポトラック」、
予約は満席に達したそうです。
予約してくださったみなさん、ありがとうございました。
ほんとに、申し訳ないほど微力ですが、
みなさんと集えることを楽しみにしています。

2011年6月26日日曜日

OVNI


OVNI(オヴニ)という新聞、ご存知ですか?
フランス語を勉強している人たちの間では、
とっても有名なフリー・ペーパーで、
語学学校とか、フレンチのレストランなどに置かれています。
(月2回発行)

このOVNIの6月15日号で、
「テレビでフランス語」が紹介されています。
これ、ネットでも読めます;

http://www.ovninavi.com/700_nhk

よろしければ!

吉増剛造さん、生田に!


http://monpaysnatal.blogspot.com/ から(ほぼ)引用します。

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来週水曜日(29日)、吉増剛造さんを
明治大学生田キャンパスにお迎えすることになりました。
管啓次郎さんが同僚の波戸岡景太さんとともに担当している
理工学研究科の授業「新領域創造特論」のゲストです。

近年は映像作品制作に集中している吉増さんの、
映像最新作を見せていただけそうです。

時間は13時から14時半まで。
明治大学生田キャンパス中央校舎6階のメディアホールにて。

外部からの見学も歓迎しますが、
その場合、くれぐれも遅刻されないようにお願いいたします。
生田駅からは徒歩10分以上かかります。
汗もかきますが、丘の上は風が吹きわたる気持ちのいい場所です。
 
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なんてビッグなゲストなんでしょう!
わたしもぜひ行きます。

2011年6月24日金曜日

行き先は


唐突ですが……

Vous allez bien ? は、「お元気ですか?」ですね。
でも直訳は、「あなたはよく行くか?」です。
どうしてこれが、「元気ですか?」になったのか、
そもそも「行く」って、どこに行くのか……?

行き先は、「トイレ」だという説があります。
「ちゃんとトイレに行く」ことは、健康の証、ということらしいんです。
Mmm、説得されちゃいそうです!

2011年6月23日木曜日

第7局


名人戦は、森安九段が勝ちましたね。
今回は特に、熱い対戦でした。
(画像は、森内九段の封じ手・51手目▲5三桂左成まで。)

このレベルの将棋は、
その深さをきちんと感得することなど到底できませんが、
その自分の「できなさ加減」がしみじみと伝わってくるところが、
魅力でもあります。
それはたとえば、大リーグなんかでもそうですが。

NHK教育テレビで、毎週日曜の昼、
11:45~12:15まで、将棋と囲碁を隔週で取り上げる番組があります。
この前の日曜は、名人戦の第6局の解説があったので、
昨日一昨日の第7局が、とても待ち遠しい感じでした。
タイムリーな話題を提供してくれる番組なので、
なんというか、週刊誌感覚で楽しんでいます。
(といっても解説部分はかなり本格的なんですけどね。)

そういえば、那珂太郎さんの詩に、囲碁をモチーフにしたものがあり、
とても魅力的だった記憶があります。
碁盤に打ち込んだ碁石が、盤を突き抜けて地球にめり込むのです。
すごい!

12課


第12回、いかがでしたか?

結婚していないカップルから生まれる子供、
フランスでは54%とありましたが、
パリだけに限れば、たしか80%近かったはず。

それからイタリア。
こちらはやはり教会のお膝元ですからね、
結婚してる人が多めでしたね。

キリスト教徒の絡みでいえば、
たとえばフランスで離婚が簡単に認められないのは、
そもそも神に誓った約束を、
人間の理由で反故にしていいのか、
という発想があったからだとも聞きます。
そんなもんなんでしょうかね。

(その点PACSはもともと人間同士の契約ですから、
「解約」も問題ないわけですね。)

ナポレオン法典は、
いろんな国で、近代的な法の見本になったと言われます。が、
この法典、家族法については、
はっきり男女差別がありました。
結婚すると、女性は自分の持参金さえ、
夫の許可なく使えないとか。

70年代から改正されたというのは、
そうした点を是正したということなんですね。

2011年6月22日水曜日

Ain't nothing like the real thing


今日ラジオでたまたま聞いて、
これはすごいと思ったパフォーマンス、
Ain't nothing like the real thing のカバー曲です。

オリジナルはマーヴィン・ゲイ&タミー・テレル。
残念ながら動画が見つからないので、
ここは黄金コンビのもう1つの名曲、
Ain't no mountain high enough、いきましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=l8IYJBbPEHE&feature=related

ああ、タミー。
彼女は20代で亡くなりました。
しかもステージ上で、マーヴィンの腕の中に倒れこみ、
そのまま……
マーヴィンはそのあと、しばらく戻ってきませんでした。

Ain't nothing like the real thing は、
最近ではビヨンセとティンバーレイクもカバーしてましたけど、
こっちのほうがずっといいと思います。
特にフランク・マッコムのほうが。これです;

http://www.youtube.com/watch?v=QHdAU3Km8-Y&feature=related

「スティーヴィーの再来」と言われた歌手はたくさんいましたが、
たしかに彼なら、そう言いたくなりますね。

2011年6月20日月曜日

ヒット・パレード(往年編)


ちょっと暇ネタです。

「ラストダンスは私に」という、往年の大ヒット曲、
ご存知でしょうか?
歌手はもちろん「コーちゃん」でしたね。

以下の事情はかなり知られているとは思うんですが、
You Tube 時代にはやっぱり並べたくなりますね。

この曲が面白いのは、原曲がアメリカ発で、
間にフランスに挟み、日本までたどり着いたことでしょう。
まずは原曲、Save the last dance for me

http://www.youtube.com/watch?v=n-XQ26KePUQ

これが1960年の全米N.1 になりました。

そしてご存知フランス版。
Garde-moi la derniere danse です;

http://www.youtube.com/watch?v=FJuJp9xjRh8

そうです、ここで主人公(1人称)が、男から女へと移しかえられています。
これも1960年。

で最後が日本版。紅白です!

http://www.youtube.com/watch?v=zcieCSa6xRM

この歌が発表されたのは、61年。
そしてこちらも、女性が1人称です。
この日本版が元「シャンソン」だと思われがちなのは、
この辺のことが関係あるのかもしれませんね。

ヒット・パレード


This video was filmed in Japan
one week before the earthquake and tsunami.
Our thoughts and prayers go out
to all the people of Japan.
We love you.
                                                           Black Eyed Peas

http://www.youtube.com/watch?v=OrTyD7rjBpw

この曲、フランスでもしばらく1位でしたね。
J. Lo の新曲も、上位にいました;

http://www.youtube.com/watch?v=t4H_Zoh7G5A&feature=fvwrel 

そして「フランス語」組では、これ;

http://www.youtube.com/watch?v=c3yf3eThEQQ

元気です、Magic System。
以前に比べると、ずいぶん洗練された気がします。

共通するのは、単調さ、でしょうか。
(なんなら、グルーヴと言ってもいいのかな?)
どれだけ魅力的な単調さを組み上げられるか、
それが問題なんでしょうか?

2011年6月19日日曜日

7 月号、発売です


さて、「テレビでフランス語」、7月号の発売日です。
今月も、イケテルテキストになった、かな?
(本屋さんで、
イケテルテキストカナイケテルテキストカモイケテルテキストスキ! と、
5 秒以内に言えたら、なんとテキスト1冊プレゼント!
なんてことはありません。)

今月もまた、新しい動詞が4 つ登場するんですが、
それらは4 つとも、<共通活用語尾グループ>に属しています。
まあ、―er 動詞に比べると、使用頻度は落ちますが、
そうは言っても、たとえば英語の take にあたる prendre もこのグループで、
しかも今月登場します。
take ですからね、これは使えそうですよね。

7月からは後半戦です。
とにかく、とにかく9月一杯までは見て頂いて、
その後は、さらにテレビの後期シリーズに挑戦するのもいいし、
なんなら今度はラジオで、
ビシビシ(自分にね)やってみるのもいいし。

そういえば、これは実はけっこう重大ニュースだと思うんですが、
9月あたりから、NHKラジオがネットで聞けるようになるようです。

http://b.hatena.ne.jp/articles/201103/3009

試験的に、ということですが、
実現すれば、画期的ですね。
ラジオ講座も、ぐっと身近になりそうです。
ぜひ実現しますように!

2011年6月17日金曜日

芋づる


昨日の午後は、2人の人物(日本人とフランス人)のことを調べていました。
以前昼ご飯中に、
その日本人のほうのインタヴュー記事を読んだなあ、たしか毎日新聞で、
と同僚の1人が言ってたのを思い出し、
とりあえずそのインタヴューを探すことに。

大学の外部データベースを使って探すと、ありました。
しかも、大幅加筆されて本にもなっています。ラッキー!
さっそくアマゾンで注文します。1500円也。

で、ついでですから、毎日新聞のデータベースから、
2人に関する記事をピックアップ。
役に立ちそうなものが3つ、4つ。
その中に知らない名前を1人発見し、
調べてみると、関係あるかもしれない本を訳しています。
とりあえず保留にしておきましょう。

そしてさらについでに、朝日新聞のデータベースも覗いてみます。
するとその中に、とっても気になる記事を1つ発見。
でも残念ながら、たまたまその記事だけ、閲覧不可になっています。
しょうがない、図書館へ行きましょう。

そして徒歩3分。大学の図書館に到着。
地下2階の書庫に行って、どこかなどこかな?
ありました、紐で縛られただけで、積み上げられている新聞が。
(司書のみなさんに感謝。)
そこから目指す日付のものを引っ張り出すと…… Voilà !  これです。

図書館でコピーし、研究室に戻って読んでみると、
記事の中に知らない名前が2つ。
とりあえずその名前で検索です。
するとその内の1人が、
とっても気になる記事をある雑誌に書いていることが判明。
でその雑誌のHPに行くと、よかった、2006年のバック・ナンバーも買えます!
でさっそくこれも注文。送料込みで710円也。

午後だけでしたが、それにしては、なかなか収穫がありました。
本が着くのが楽しみです。

2011年6月16日木曜日

7月3日、@渋谷


来る7月3日(日)の13時から、渋谷の「サラヴァ東京」で、

「ことばのポトラック vol.3 ~ことばという橋をわたって」

が行われます。

http://www.saravah.jp/tokyo/schedule/log/20110703.php

わたしも参加させていただける予定なので、
なにか、心をこめて、と思っています。

入場料(ランチ付き)から最低限の経費を差し引いた金額を、
震災の救援活動をしている、信頼できるグループに寄付することになっています。
(もちろん出演者はノーギャラです。)

それにしても……

できるなら、言葉が発せられる最初の地点まで引き返したいと思うのですが、
それはもう、ぜんぜん簡単じゃない、というか、
ほんとにそんなことが可能なのか、どうか……

言葉なんて、虚弱で、ちっぽけで、ふわふわ得体のしれないものなのに、
やっぱり、そこから出発するしかないんですね。

11課


というわけで11課、いかがでしたか?
誰も、せんとくんに会えるとは思っていなかったでしょう!?

今回は出だしで、メディ、踊ってましたね。
彼はほんとに、踊りが上手、特に Moon walk は!

この前の収録の休み時間には、
70年代のソウルの話題で盛り上がりました。
メディ、若いのにあの時代のモータウンなんかが好きみたい。
コモドアーズとか、ミタクルズとか、クール&ザ・ギャングとか。
でもメディが特に好きなのは、J.B. だとか。

今度はぜひ、Get up! (Get on up !) と踊りながら、登場してもらいましょう!

2011年6月13日月曜日

総選挙と言えば……



さっき、注目のトルコ総選挙の結果が出ましたね;

http://www.asahi.com/international/update/0613/TKY201106130004.html

まあ大方の予想通り、ということなんでしょうけれど。

トルコは、ほかのアラブ諸国と違って、
政教分離の国です。
とはいえ、このAKP(AKB じゃないですよ!)は、今年の1月、
公共スペースでは24歳以下に酒を売らない、
という規制をかけようとしたそうです。
(結局流れましたが。)
もちろん、イスラム的ルールを「法」にしようとしたわけです。
分離しているはずなんですけどね。

一方世俗のCHP(DHC じゃないですよ! ←似てない)は、
今は強く求められてはいないようです。
トルコは経済好調なので、
OK. このままいきましょ、
ということなんでしょう。
当然、そうなるでしょうね。

このトルコのありようが、
チュニジアやエジプトの手本になるのか、
またトルコは、本当にEU に受け入れられるのか、
まだまだ目が離せません。

(知り合いのフランス人の中には、
トルコは入れない! その点ではサルコジに賛成、
なんて言ってた人も、いたなあ……)

2011年6月12日日曜日

フランス映画祭


今年も、「フランス映画祭」の季節が近づいてきました。
上映作品とその予告編です;

http://unifrance.jp/festival/2011/films/

今年は有楽町なんですね。
どうやら、すでに前売り券が売り切れている回もあるとか。
どれもロードショーされるわけではないので、
見たい場合はこの機会に!

ホッパー風に?


先日渋谷で仕事して、その帰り道にちょっと、
午後九時のオヤツを食べました。
その時の店内の様子は、まあこんな感じだったわけです。

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午後九時のFreshness Burger
広くはない矩形の店内
カウンター以外の3つの壁に席が巡り
中央の木製テーブルでは スタンドのライトが暖かく灯る
天井にはハロゲンライトがちりばめられ

最初の壁 
街路と背中合わせの長いベンチの 一番奥まった席で
二人は二人とも アースカラーのショートパンツ
空になったプラスチックカップに刺さるストローは
生まれたての出会いを立ち聞きする

隣の壁
通信ゲームに没頭するカップル 
スーツを着込んだ彼らの前では
丸められた紙ナプキンが じっと
何をかも知らないまま待ち続けている

2つの空席を挟んで向かい合うのは
ギターケースを携えた若いカップル
彼らはお互いの写真を撮り合うのだが
アグラをかいた女性の色白の膝に集まる光に
気づいているのか いないのか

第3の壁
たった1人
黄色いイヤホンを盾にして
ひたすらペンを走らせるカーディガンの女性

そしてわたしは第1の壁にいて
やっぱりプラスチックカップ入りのビールと
食べかけのチリドッグを見下ろしている
午後九時の腹ごしらえ
ビールのおかわりもできますよ
さっきキャップを被った店員は微笑んだけれど

速すぎるリズムの歌声が 店内に満ちている
観客のいないステージ

わたしの隣の隣に 若者が座った
パソコンを起動させるあいだ
大きなバッグから取り出したのは
『フランシス・ベーコン論』
ああ君も、歪んだ自我たちから目が背けられない一人なのか

わたしは立ちあがる 
小雨が降り続く夜の通りの
切れ目ない流れに再び合流するため
形を取り始める出会いと
輝き続ける膝と
見えない電波と
止まらないペンの影と
厚い背表紙に見送られ
今カウンターの前で注文し始めようとする
ボーダーシャツの女性の肩をかすめて

*****************************

渋谷の街は、やっぱり若いですねえ。

2011年6月9日木曜日

とすると

東京新聞・本音のコラム鎌田慧氏から:

「菅首相は、原発運転を中止させ、
電力会社の発送電独占に手をつけようとしたばかりに、
虎の尾を踏んだように与野党から集中攻撃をうけ、
退陣させられることになった。
青森県知事選の勝利もあって、
日本経団連や電力会社の業界団体・電事連の鼻歌が聞こえそうだ。」

仮にこの延長で考えるなら、
大連立なんかやった日には、
つるんで原発の利権保持に走ることになるわけですね。

10課


2人のミッシェル、いかがでしたか?
いい感じのカップルでしたね。

そして「ウサギ」。
ここでは lapin でしたが、
そしてそれが一般的なのですが、
実は lièvre というのも「ウサギ」なんです。
ただしこちらは、「野ウサギ」。
いわゆるジビエとして食されるものです。
(場合によっては、クルマではねてしまった lièvre を、
家まで持ち帰って食べることもあるそうです。)

それから curry 。
これは発音だけで言うと、あの「キュリー夫人」のCurie と同じなんです。
(ま、だからなに? っていう程度のことですけど!)

そして最後に友香さんが言っていたセリフ、

Oui, je mange du curry.     (ある量の)カレーを食べます。
J'aime le curry.       カレー(というのも)が好きなんです。

うまく部分冠詞と定冠詞が使われていましたね。
友香さん、がんばってます!

2011年6月7日火曜日

Inch Allah


「雪が降る」で有名なアダモ、
彼のフルネームは Salavatore Adamo、
ということは、イタリア系かなあ…… 
という程度にしか考えていなかったのですが。

ある仕事関連で、まだざっと見てみただけですが、
彼はたしかにシチリア生まれで、
ただ子供の頃、炭鉱夫の父親、母親と一緒に、
ベルギーに移民しているんですね。
でそれがフランス語圏だったというわけです。

それ以降、念願かなって10代でデビューし、
数々のヒットを飛ばします。
そしてアダモには、実は政治的な歌の多いのです。
たとえばこの曲、その名も Inch Allah 「インシャラー」;

http://www.youtube.com/watch?v=1m0GHLyO6TA

この曲は67年、
イスラエルとエジプトなどが戦った6日間戦争(=第3次中東戦争)の際に、
作られた曲だそうです。
彼自身は、ムスリムというわけではないようなのですが。

アダモに関する本、日本では出てないようです。
フランス語では、自伝も評伝もあります。
やっぱり、フランス語圏では、スターなんですね。

2011年6月5日日曜日

シリア


「ワールド映画」ゼミは、今年も開講中です。が、
まずは震災の影響で、授業数が減りそうなこと、
そしてなんといっても、現実の世界が、
特に北アフリカや中近東で、動き続けていることなどもあり、
いつもとやや違う順で見ています。
といってもまだ4本だけしか見ていないのですが。

1)『キャラメル』
2)『シリアの花嫁』
3)『扉をたたく人』
4)『イブラヒムとコーランの花たち』

つまり舞台は、

1)ベイルート(レバノン)
2)ゴラン高原(イスラエル/シリア)
   *http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110605-00000066-mai-int
3)ニューヨーク(USA)
4)パリ(フランス)

というわけです。
この4本を並べたのは、
言ってしまえば、「シリアつながり」です。
(以下、ネタばれあり。)

ポイントは、3)でしょう。
9.11後の、アメリカの移民政策の激変を、
強制送還されるシリアからの移民青年を通して表現した映画です。
(といってもこの青年、子供時代からずっとアメリカ暮らしなんですが。)

送還される青年の母親は、パレスチナ移民で、シリア国籍です。
つまり彼女は、まずパレスチナから追放されるという経験をし、
シリアで受け入れてもらったものの、
その体制に嫌気がさして、アメリカに渡る、
けれども映画の最後では、
送還される息子を追って、シリアに帰るのです。
彼女もまた不法移民で、しかも何十年もアメリカに暮らしましたから、
現在のほうに照らすと、もう生きてアメリカに入国する可能性はありません。
つまり彼女はここで、2回目の追放を体験するわけです。

頑なになったアメリカに対し、彼女はつぶやきます、
「シリアみたい……」と。

そして今、シリアでは大規模な反政府運動が起こり、
これは「中東の春」の文脈で語られることが多いと思います。
わたしもまた、そう思っていたのですが……

先日の朝日新聞のコラムで、高橋源一郎氏が紹介していた文章があります。
それは、カマール・ハラフというパレスチナ人作家の、
「はっきりと、シリアの体制を支持する」というコラムです。

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=22531

ハラフ氏は、シリアを支持しています。
自分たち難民を受け入れてくれた恩義は、
たしかに忘れられるはずもありません。
(この点では、映画の「母親」の見方と違いがあります。)
ただもちろん、恩義だけではないのでしょう。
シリアでの反政府派は、新イスラエルであることと彼は書いています。
もし本当にそうなら、「中東の春」どころではありません。

それにしても、
サイクス・ピコ条約、バルフォア宣言、フサイン・マクマホン協定、
イギリスを中心とした「大国」の罪は重いです。

染まる


つい最近、1年生のG君と話していた時のこと。
北陸出身の彼は、
「東京に染まりたくないです。
地元の友達に、おまえ染まったなって言われるのは、どうしてもいやです」
と言います。
それも1つの考え方、生き方ではあるのでしょう。
でもね……

もちろん押し付けるのではなく、
こんなことを想像してみたら、とわたしは彼に言いました。

「ケース1。それは東京の大学に来た男の子が、
一切東京に染まらず、なににも染まらず、
4年後、勉強だけして、元のままで地元に帰る場合。

ケース2。東京の大学に出てきた男の子が、
1年目は東京に染まりまくり、
でも2年目には少し物足りなくなって、
今度はNYにずぶずぶに染まり、
もうなにからなにまでNYじゃないと気が済まなくなり、
でも3年目には、少しおなか一杯になり、
今度はボルネオに夢中になり、
部屋には天狗猿のポスターも飾り、
でも4年目には、なぜかアフリカが恋しくなり、
特にチュニスがなくちゃ夜も日も明けなくなり、
そして…… 地元に帰る場合。
さあ、どっちの生き方がスケールが大きいと感じる?」

なんだか、あまりに図式的だし、
しかもどこかわたしが過剰反応してしまったようで、
G君はちょっと引いてたかも。
でもこれには理由があって……

昔、「木綿のハンカチーフ」という歌があって、苦手でした。
特に、田舎に残るらしい女性が、
都会へ行く男性に向かっていうセリフ、
「都会の絵の具に染まらないで帰って」
これを聞くたびに、ほんとにユーウツな気分になったものです。
それ以来、「染まる」という動詞は、
わたしにとってのアレルゲンと化しているようなのです。

G君にもこのことを話すと、
ああそれで、というような表情をしていたので、
やはりわたしが反応し過ぎだったのかもしれません。

G君は驚いたでしょうか。
すみませんでした!
でも彼は優秀な学生だから、
こういう考え方もあるんだということは、
分かってくれたと思います。

でもいいなあ、まだ18歳か……

2011年6月3日金曜日

6月3日


今日6月3日は、わたしの父親の命日です。
もう5年になります。

http://www.k5.dion.ne.jp/~kiyooka/

実は最近、「父の肖像」という短い文章を依頼されたのですが、
その締切日が6月3日だったので、ちょっと驚きました。
(その後、締め切りは1ヶ月先送りになったのですが。)

不思議なもので、書こうとすると、もうずいぶん思いださなかったことも、
それなりに色々よみがえりました。
この雑誌は、作品論を展開するような場所ではないので、
勢い日常の細々したことを、なんとか丁寧に積み上げるような文章になります。
だから一層、色々な断片が浮上してくるというわけです。

雑誌が発売になったら、またご報告させてください!

2011年6月2日木曜日

マグレブ特集


今日の第9課、いかがでしたか?
わたしとしては、特に好きな課です。
だってクスクスとタジンとハリッサとジャスミン革命! ですからね。
そりゃ興味ワクワクってもんです。

またこういうマグレブ特集の時は、
メディの存在が光ります。
「友だちのチュニジア人がね……」
なんてエピソード、しかもハリッサにからめてしてくれる人なんて、
なかなかいるもんじゃありません。
今夜見逃した方は、ぜひ再放送をご覧ください!

そして気が早いけれど、
実は来週の10課もおもしろいです!
これは期待してくださってかまいません。
お見逃しなく!