2021年6月29日火曜日

『孤独なファイター』


4月にネトフリで、
『イージー・マネー』というドラマを見ました。


これは、スウェーデンのストックホルムが舞台でした。
で今度は、北欧作品・第2弾として、
デンマークのコペンハーゲンを舞台にしたドラマ、

『孤独なファイター』

を見てみました。

邦題はなんだかベタですが、
原題も、「戦士」のようなので、
まあそんなには変わりません。
ただ、第1話の冒頭を見たときに流れてきたテーマ音楽が、
(これもぜんぜんヒネリとかはないんですが)
「影」を感じさせて、
つい見始めてしまったのでした。

主人公 CC は元軍人で、
戦地では、親友でもあった部下ピーターを失った過去があります。
しかもこれは、CC 自身が出した命令の結果でした。
もちろん悪いのは戦争なんですが、
彼は自責の念から逃れることができません。

幼い息子とともに残されたピーターの妻。
彼女は、コペンハーゲンの刑事であり、
ながくマフィアのボスを追っていますが、
なかなか捕まえられません。
そこで、思い切ってスパイを送り込むことにするんですが、
きわめて危険なこの仕事には、適任者がいません。
で彼女は、この仕事を CC に依頼するのです。
CC は、ピーターの妻の頼みなら、すべてを受け入れるからです。
こうして始まった潜入作戦は、
しかし予想以上に危険でした……

「ノワール」の定型通り、
この物語の冒頭には、「喪失」があります。
決して取り返すことのできない喪失。
たとえ作戦が成功しようとも、
何が起ころうとも、
この喪失は物語全体の「影」を作るわけです。

とりわけ素晴らしい、ということはないですし、
マフィアのマッチョぶりはやや戯画的でもありますが、
トータルとしては、
決して悪くはありませんでした。

そうそう、デンマークらしさということで言えば、
あるギャングの、こんな台詞が挙げられるでしょう。

「俺たちデンマーク人はたたき上げだ。
天然資源は乏しく恵まれてもいないが、
不屈の精神がある。
最先端の技術を発明して船で海を渡り、
グリーンランド、ノルウェー、イングランドを征服した。
それなのに今や自信を失い、その力は衰えた。
10万人の奴隷を船で運び繁栄したこの街は、
笑えない状況に陥ってる……」

無論ギャングの発言であり、
無駄にマッチョなのは明らかです。
でもまあ、デンマークのマッチョは、
こんなことを言うわけなんですね。

2021年6月27日日曜日

1区の虎屋



パリ1区、おなじみの虎屋が、
CDI(正社員)を募集していますねえ。


あそこで正社員として働くのって、
どんな感じでしょう?

(いや、言うまでもなく、
「働く」っていうのは、
羊羹を食べるのとはちがいます。
だから現実は、
ぼんやり「夢想」するのとは、
まったく似てないでしょうけど……)

「極右に日本出身者」

今、院生のレポートを読んでいたら、
この記事に触れていました。



この、日本「出身」者候補の意見は、
あまりにナイーヴだと感じますが……。

それはともかく、移民系フランス人による、

「フランス人もフランスへの誇りを失っている」

という指摘は興味深いです。
ここで言う「フランス人」とは誰で、
「フランス」はなにを指すのでしょう?





『想い出の瞳』

ジャン・マレーを見るシリーズ、
先日は

『想い出の瞳』

を見ました。
(原題は Aux yeux de souvenirs 『想い出の瞳で』です。
目に映るあれこれを、「想い出の瞳」を通して眺めるわけです。)

映画としては、
まあ、それほど素晴らしいというわけでもなく、
申し訳ない言い方ですが、そもそも、
「ジャン・マレー」という俳優が「イマイチ」であることを
確認するために見たのでした。
ただし、ここで言う「イマイチ」とは、
俳優として、ということではなく、
今、院の授業で使っている仮説に基づき、
「フランス」という国の「フィアンセ」になるためには、
という意味です。
そしてジャン・マレーは、
見かけはよく、軽薄で、楽しげで、その分信用が置けず、
「フィアンセ」にはまったく不向きなのでした。
ジャン・マレーはこれで、
『悲恋』、『美女と野獣』、『想い出の瞳』を見たわけなんですが、
一応これで終わりとして、
次はジェラール・フィリップに移る予定です。

で……

この『想い出の瞳』のDVD、
アマゾンでは品切れで中古しかなく、
それが 15,000 円越え!
どうしようかと思いつつ、
ダメ元で、Joshin の通販で注文してみたところ、
最初は「在庫がないのでちょっと待って」と連絡があり、
ああこれはキャンセルされる流れだな、と思っていたら、
なんと3週間後に、
突然送られてきました。
まさか新品が定価で買えるとは!

2021年6月25日金曜日

リフォーム

先週から、リフォームが始まり、
やっと明日で終わる予定です。
キッチン、リビング……
全体にうまくいって、気に入っています。


これは、トイレの中の手洗い台。
物珍しそうにしているのは誰!?

2021年6月24日木曜日

3コマ

対面授業が始まって3日目、
今日は「フランス語」の授業が3コマありました……
って、別に何でもない、ごくごく日常的なことなんですが、
これが新鮮に感じられてしまう今日この頃です。

3コマのうち、2つは約50人、
1つは約30人のクラス。
もちろんこれは、語学のクラスの人数としては多すぎますが、
わたしが所属する理工学部の特殊事情から、
やむを得ないことでもあるので、
それに見合った授業を組み立てることになります。
(もう20年くらい前ですが、
東京工業大学で、初級フランス語=100人越え、
というクラスを担当したこともあります。
友人は、某観光系専門学校で、
フランス語会話=200人越え、を担当したと言ってました。
まあこれも、大昔のことですが。)

それにしても、
キャンパスにワカモノたちが戻ってきて、
やっぱり大学はいいなあ、と感じます。
そう、4月にも、
同じような思いを感じましたが、
あのときは2週間しか持たなかったわけですね。

今週からはじめて、対面でできるのは授業5回分。
これで、また最後の1~2回は「宣言」が出て、
オンラインに戻される、なんていうのだけは、
なんとしても避けたいです。が……

東京はズルズルまた感染者が増え始め、
何が起きるか分かりません。
秋には、TOKYO株が世界を席巻!
なんてことにならないことを祈ってます。
(というか、そもそも五輪開催は反対ですが。)

2021年6月21日月曜日

『すずしい木陰』の監督が

先日来ご紹介している、
わたしの研究室の院生たちが書いている「映画時評」 twitter;


この中の、第9回の映画時評、

『すずしい木陰』 ~映画を呼び出すということ

が、なんと守屋監督ご本人から retweet されました!
こういうことがあるのが、
SNS のいいところですね。

よろしければ読んでみてください!

2021年6月20日日曜日

やっと安心



実は先週から、
部屋のリフォームが始まっています。
ビビリのマノンにとっては一大事で、
もう、ず~~っと出てきません。
でも、
今日はやっと静かで、
やっとくつろげているようです。
こっちは本読んでたのに、
勝手に横に来て寝ちゃいました!

総合芸術系、twitter 登場

われらが総合芸術系でも、
ついに twitter を始めることになりました。
これです。


広報活動の一環なんですが、
今後、また新たな方法も導入する予定です。

ちなみに、こちらも再始動します。


わたしの研究室のふたりと、
さらに別の院生も参加してくれる予定です。
ぜひ読んでみてください!

2021年6月19日土曜日

トップたち

イスラエルでは、ネタニヤフに代わって、
ナフタリ・ベネットが首相になりました。
フランスのラジオ・ニュースでも連日報道されていたので、
この「ナフタリ・ベネット」氏の名前、
いやでも(って別にいやじゃないですけど)覚えちゃいました。
かなりあやうい基礎の上に立っているわけなので、
心配と言えば心配ですが、
まあ、前職より悪いと言うことはないと思います。
(ただ、ユダヤ人入植に賛成なのは、大きな問題ですが。)
ただ、オバマの時もそうでしたが、
対抗勢力が必死で足を引っ張るので、
それが問題ですね。
(民主党の時もそうでしたが。)
バイデン大統領には期待していましたが、
対イスラエルでは、
ちょっとがっかりな対応でした。
まあ、それだけアメリカのユダヤ・ロビーは強烈だということでしょうか?
ただ最近、駐イスラエル大使に指名されたトーマス・ナイズは、
ユダヤ人ではあるものの、
前任者よりは明らかにパレスチナ寄りで、
なんとか、ベネット首相とも連携して、
事態を落ち着かせて欲しいです。

で、イラン。
ライシ師、が大統領に選ばれたわけですが、
まあ、これは大方の予想通りで、特に驚きはありません。
それより、投票率が50%にいかなかった、というのが……
これは見慣れた光景で、
つまり、入れたい人がいない、まったくイヤになるぜ、
ということなんでしょう。
よくわかります。
とはいえ、対米強硬派が勝ってしまって、
先が思いやられます。
イランの、ふつうの生活を願う人たち、
アメリカの経済制裁は続くでしょうから、
彼らが気の毒です。
少なくともわたしはそう感じます。

2021年6月18日金曜日

「会計検査院のチェック、与党反対で見送り」

やっていることの意図が見え見えなわけですが、
それでも、
どんなに見え見えでも、
別に俺は気にしてねえし!
ということなんでしょう。


まあ、捨てたり、見つからないって言い張ったりする集団ですから、
驚きはしませんけど、
まあ、選挙民をなめてるわけね、とは思います。
こうしたことが、
日本全体のモラルを引き下げ続けているのもまた、
間違いないところでしょう。

かつてサッチャーが死んだとき、

Rust in peace !
(墓の中で錆びつきやがれ!)

という標語が踊ったのが思い出されます。

2021年6月17日木曜日

EURO !

ついに開幕している今回の EURO。
ご存じの通り、フランスは「死の組」と言われていますが、
まあ、どう見てもその通りで、
可哀想なのはハンガリーです。
がんばって欲しいですが……

というわけで、優勝候補のフランス、
ドイツ戦は相手のオウン・ゴールで勝ったわけですが、
これはまあ仕方ないというか、
触らなければムバッペが待ってましたから、
同じことでしょう。
というか、そもそもあそこにボールを出したポグバがすごい!
そりゃ、MOMですね。

「フランス」が好きなわけではありませんが、
フランス・チームが、見ていておもしろいのは間違いないですね。
まあ、上に上げた2人に加えて、
グリーズマンも、カンテも、ベンゼマまでいるんですから。
(パヴァールは大丈夫?)

そうそう、ポグバのヘイネッケン撤去(!)も話題になってますが、
わたしはわりとハイネッケン好きです(!?)

それにしても、やっぱりムバッペは速いです!

2021年6月15日火曜日

Édouard et Caroline

大学院のジャック・ベッケル特集、
今週は、

『7月のランデブー』(1949)
『エドゥワールとキャロリーヌ』(1951)

を見てみました。
前者はこれです。


これはスピード感のあるおもしろい映画です。
パリの中心部が何カ所か出てくるわけですが、
周辺への視線はありません。

で、後者。
これは物語は単純で、
エドゥワールとキャロリーヌの若い夫婦の、
喧嘩したり仲直りしたり、を描いています。


エドゥワールは、売れないピアニスト。
インテリなのでしょう、百科事典を大事にしています。
キャロリーヌは、大ブルジョワを叔父に持ち、
でも周囲の反対を押し切り、
「身分違い」の結婚をしているわけです。
若いし、ドレスも、おしゃれも、ポップスも好き。
ただ、フランス語を書くときに、
複合過去時制において、過去分詞を、
「間接」目的語に性・数一致させたりもします。
(すぐに気づいて直しますが。そしてこの部分、
字幕では一切説明がないので、
フランス語を勉強していないと、意味がわかりにくいでしょう。)

若い妻は、夫のために、
叔父にパーティーを開いてもらったようです。
そこに、叔父のブルジョワ仲間を呼び集め、
エドゥワールに演奏させることで、
今後彼に仕事が回るようにすることが目的です。
ただ…… この計画は頓挫しかけます。
エドゥワールが、喧嘩したままの妻のことが気にかかり、
演奏できなくなってしまうからです。
でも最終的には、
スペンサーと名乗るアメリカ人実業家が、
彼の窮地を救うことになります……

つまりこの映画は、
ブルジョワ階級と中間層が、
文化を基盤として協働を目指すも困難が多く、
それを、「アメリカ」が援助し、支えていく、
という構図だと読み取れます。
『7月のランデブー』では、
主に(広い意味での)文化を通して、
若者たちに広く浸透していた「アメリカ」が、
今度は、
資本として、
きわめて具体的で即物的な存在として、
目に前に現れる、という感じでしょうか……
というようなことを、
院生たちを話し合ったのでした。

ちなみに、エドゥワールを演じたのは、
『7月のランデブー』でも主役だった、ダニエル・ジェラン。
そしてキャロリーヌ役は、
後に『シェルブールの雨傘』で、
ヒロインの母親役を演じたアンヌ・ヴェルノンです。
彼女が演じるキャロリーヌは、とても魅力的です。

そうそう、『7月のランデブー』のほうで、
上手くいくカップルの男性を演じたのは、
なんとあのモーリス・ロネ。
『鬼火』で主役、
『太陽がいっぱい』では、
アラン・ドロンに殺される青年を演じていました。
この『7月のランデブー』が、
彼のデビュー作です。

2021年6月12日土曜日

Portrait de la jeune fille en feu などなど

日本版DVDが発売されたので、
また見てみることにしました。

Portrait de la jeune fille en feu 『燃ゆる女の肖像』


わたしは、かなり前からシアマ監督のファンだったので、
この映画で彼女が日本でもブレークしたのは、
うれしいと同時にさみしいという、
言ってみれば、インディーズ時代から追いかけていたバンドが、
突如メジャーになったときの感じ、がしていました。
ただ、そんなことはほんとにどうでもよくて、
これはやっぱり傑作だと思います。
とても映画的だし、
画も音も言葉も緊密で、
ボードレール的な美というか、
もう、1ミリも動かせないような美が体現されていると感じました。

シアマ監督作品で、1番好きだったのはこれ。


『ガールフッド』というタイトルで、
日本でも上映されたこともあるようです。


アデル・エネルのことは、
ここでも何度も触れました。
たとえば、


は印象に残っている作品です。

で、ノエミ・メルラン。
彼女は、まずはこれ、『奇跡の教室』。


生徒役を演じた俳優の中で、一番目立っていました。
それから、同じ監督の、これ。


これは映画としてもよかったので、
日本版出て欲しいです。

で……
『燃ゆる女の肖像』は、日本版が出て喜ばしいのですが、
やはり、字幕はオリジナルのフランス語とは違います。
(字幕っていうのは、誰が訳したか、という以前に、
もともとそういうものですよね。)
今回は、ストーリーが分かればいい、
っていうタイプの作品では全然ないので、
そうなると、やっぱり、フランス語のほうが味わいがあるのは、
仕方ないですね。
それから、細かいですけどジャケ写、
タイトルを英語で書くのは、あまり感心しませんでした。

秘書検定

グッド・タイミング(?)というのか……

つい3,4日前、
タリーズで授業の予習をしていると、
隣に座っていた若い学生風の女性が、
なにやら一生懸命勉強していて、
何冊が積み上げた問題集には、
「秘書検定」
と書かれていました。
ああ、この名前、久しぶりに聞くなあ、
と思っていたら今日、こんな記事がありました。


日本狭しといえども、
やっぱり社会は多層的なので、
相矛盾する需要や供給が駆け巡っていて、
この資格もまた、
そういう中で生き残っている1つなのだろうと思います。
(個人的には、こういう需要はありませんが。)

でも、
これを勉強してる人たちも、
「こういうワールドね」
と思いながら取り組んでいる気がします。
そんな、そのまま真に受けたりはしないでしょう。
若い子たちは、
そんなに「甘く」はないです!(je crois !)

白熱

大会が始まったときから、
この試合がハイライトだと思っていたのですが、
(ま、ほとんどのテニス・ファンがそう思っていたと思いますが)
予想を上回る白熱の対戦でした。


なんどもため息が出ます。
これは、テニス史に残る試合なんじゃないでしょうか?

で、ほんとに些細なことですが……

わたしが行っているテニス・スクールでは、
グランドスラム大会になると、
「優勝者当てクイズ」
が行われます。
コーチたちも、ほとんどは「赤土の王者」の優勝を予想していたんですが、
わたしはあえて、

男子:ジョコビッチ
女子:その他(=上位シード以外の選手、ということ)

としてみました。
ジョコの前哨戦、負けはしましたが、そのときの感じがよかったからです。
もしかして、当たるかも!?

Elle dort...

 


手枕でも寝られちゃうマノン。

いい子です。

2021年6月11日金曜日

Black Space


ネトフリのミニ・シリーズ、

『ブラックスペース』

を見てみました。
なぜ見始めたのかと言えば、
まずは、これがイスラエルを舞台にしたドラマだから。
そして物語の始まりは、ある高校での銃乱射事件であり、
最初に容疑者として拘束されるのは、
3人のパレスチナ人だ、というのです。
これは、イスラエル以外では見られない設定ですよね。
授業でパレスチナ映画を扱っていることもあるし、
見ておこう、となったわけです。

全8話なんですが、
見ている間は、なかなかスリリングで、おもしろかったです。
ユダヤ教のお葬式ってこんなふうなんだな、とか、
ドアであれば、ピザ屋さんであってもメズーザがついているんだな、とか、
刑事の家がこんなに立派って、公務員の給料は高いんだな、とか、
高校生たちの男女関係はかなり活発なんだな、とか、
まあフィクションを通してですが、
細々したことも興味を引かれたし。

ただ、わたしにとっては、ラストがイマイチ。
用意された謎のうち、いくつかがクリアーにならないまま、
やや唐突な「オープン・エンド」となってしまいました。
途中はわりとずっとおもしろかっただけに、
そこがちょっと残念です。

ちなみに「ブラックスペース」というのは、
高校生たちが使っている古いメッセージ・アプリで、
メンバー以外は見られない、
ネットで検索しても出てこない、
というシロモノです。

2021年6月10日木曜日

『ザ・サーペント』

ネトスリとBBCの共作、
しかも主演がタハール・ラヒムとくれば、
見逃すわけにはいかないんですが……


実話に基づいたサスペンス、ということですが、
主人公(たち)は連続殺人犯で、
しかも、その動機も「?」としか感じないもので、
まったく感情移入できない。
またドラマの作り方としても、
時間を複雑に入れ替えることで、
もともと単調でしかない連続殺人に、
謎めいた雰囲気を与えようとするのですが、
これが裏目。
まあ、分からなくなると言うまではいかないものの、
付き合う気にはなれませんでした。
というわけで……
最後までいかずに「終了」しました。
(主人公の恋人がカナダのフランス語圏出身という設定なんですが、
彼女のフランス語があまりにたどたどしくて、
これも「?」でした。
イギリス人俳優なんですね。)

で、問題はタハール・ラヒムのはずなんですが、
やっぱり、作品に興味がわかないと、
俳優がどうの、という感じになりませんね。
インド人女性とヨーロッパ人の ”half breed” (←本人が言う)という役柄は、
今回が初めてだし、
たしかに、
今まで見たことのない雰囲気を出してましたが、
まあ、それだけというか。

次作に期待します!

2021年6月7日月曜日

ルノワールからベッケルへ

月曜の大学院ゼミ、
しばらくジャン・ルノワールを見てきたわけですが、
前回からの主役は、ジャック・ベッケルです。
で、今日は、
ジャン・マレーの『悲恋』を通して、
「占領期のフランス」の雰囲気を思いっきり想像した後に、
まさに「戦後」らしい一作、
『幸福の設計』を見てみました。
こんな内容です。


院生たちとも言っていたのですが、
やっぱり、「戦後」の作品はとても近く感じます。
消費はすでに人々の心を捉えていて、
来たるべき「消費社会」の姿がはっきり予感できるようだし、
バイク、メトロ、クルマ、など、
速度を感じさせるモノも次々に登場します。
もちろん「文化」も。

この映画、わたしも院生たちも、
とても好きでした。
DVD は 1,100円です!

そして『悲恋』のほうですが、
これは映画としては、突っ込みどころが多く、
まあイマイチだった、かな?


特に、主役の叔父である城主の内面がほとんど見えないこと、
これは大きな弱点だと思いました。
(まあ、「トリスタンとイゾルデ」の翻案なんですでどね。)
で、
皮肉なことを言うようですが、
この作品の見所は、
そうした非現実感、そして(美しい)停滞感、なのでしょう。
それこそが、占領された国の人間が求めたなのだ、と感じてしまいます。
そしてもう1点大事なのが、「ドイツ感」。
見ていて、フランス映画というより、
ドイツ映画の雰囲気です。
そう、雰囲気も、風景も、お城も。
やはりこれも、ドイツに占領された国の人間が、
(無意識に?)求めたものなのでしょう。
まあ、多くのフランス人は、
この指摘をいやがるでしょうが。





2021年6月6日日曜日

<「独身」「既婚」「妊娠中」「年増」>

よく分からなかったんですが、
ここまでひどいとは。


「メディアの劣化」は、
東洋の島国だけの話ではないんですね。

大坂選手、ゆっくり休んで、
コートに戻ってくる日を待っています!

2021年6月3日木曜日

Jo-Wilfried Tsonga

全仏、西岡選手がツォンガに勝ちましたね。
ツォンガ(コンゴ系フランス人)は、人懐っこい雰囲気で、
フランスでもかなり人気があるようです。が、
もしかしたら今回が、最後の Roland-Garros になるかもしれません。
彼は言っています。

« À un moment donné, il y a l’envie et la réalité des choses. 
Si je ne gagne pas plus de matches d’ici là, 
la réalité va me rattraper, je ne rentrerai plus dans ce genre de tournoi 
et il sera temps de prendre des décisions : 
forcer un peu ou passer tranquillement la main. »



望みと現実……
厳しい世界ですね。


「文豪」からここまで

PC が、もう半年くらい不安定だったので、
壊れる前に新しいのに換えといた方が安心だよなあ、
とは思っていたのですが、
まあ日々動きはするのでそのままになっていたんですが、
別の用事で家電に行って、
ちょっと様子見していたところ、
さっそく気のいい店員さんに捕まって(?)しまい、
結局、その場で買うことになってしまいました。
まあ、30%以上安くなっているし、
すごくいろいろ教えてもらっちゃったので、
これからネットで値段だけ安いのを買うっていうのもしたくないので、
というわけです。
で、
今は、新しいPC で書いて(打って)います。
以前のものよりややストロークが深いので、
少し指が引っかかり気味ですが、
まあ、慣れるでしょう。

でも考えてみたら、これ、何代目なんでしょう?
とにかく、20数年前には、
「文豪」を使っていて、
その頃は、ある有名作家の、
もう数台の「文豪」を確保した、
だからPC に移行することはない、
みたいな試みが紹介されたりもしましたが、
彼はその後どうしたんでしょう?
「文豪」、足りたんでしょうか?

それにしても、
やっぱり新しいPC の設定はいつもストレスです。
かなりストレス。
(もう、お金出してでも、お店でやってもらえばよかった!)
でもやっと山は越えたので、
これから少しずつお引っ越しです。