2013年7月31日水曜日

il y a 30 ans

昨日は、四ツ谷にあるビルの望めのいいレストランで、
食事をしました。
(めったにないことですが。)
で、
遠くにはスカイツリーも見えるんですが、
近くには、ああ、あれは30年前に通った大学です。

あれらの現代の学生たちは、試験期間中なんでしょうか?
みなさんが生まれる前に卒業したOB は、
ぼんやり生きてしまった30年を思いながら、
今こうして、昔なじみの校舎を眺めていますよ。

2013年7月28日日曜日

相良匡俊先生

かつて、法政大学の社会学部で非常勤講師をしていたころ、
当時の専任教授だった加太先生や相良先生には、
とてもお世話になりました。
その相良匡俊先生が、先日亡くなられました。

今わたしの本棚には、
労働階級と危険な階級―19世紀前半のパリ 』
という、シュヴァリエの残した大著があるのですが、
相良先生はその共訳者の一人です。
また、
あるときのおしゃべりで伺ったところでは……

そう、これはもう書いたのでした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2012/01/blog-post_07.html

これは相良先生に伺った話でした。

ご冥福をお祈りいたします。
ありがとうございました。

2013年7月26日金曜日

『歌う女、歌わない女』

1976年公開の映画、

『歌う女、歌わない女』

を見てみました。
監督はアニエス・ヴァルダです。

http://www.youtube.com/watch?v=pRkrhF3Cbuc 

(ボビニー裁判所前のシーン)

この映画は、2人の女性の自立・解放と、
彼女らの間の友情を描いていると言っていいでしょう。
ただし、見てすぐ気づくのは、
「中絶」が大きなテーマになっていること。
そして中絶合法化へのきっかけとなったと言われているのが、
1972年の「ボビニー裁判」です。
そう、『アイシャ』の舞台であるあのボビニーです。

以下は、http://hello.chikyumaru.net/?day=20080310
からの引用です。
もちろん、フランスの話。

***************************

女性が夫の同意なしに、自分の財産管理をし、
銀行口座を開き、職をもつことができるようになったのは、
驚くなかれ、1965年のことだ。

 1972年には、ボビニー裁判というのがあった。
これは、レイプで妊娠した未成年の少女が、
母親の同意を得て非合法の中絶をして訴えられた事件だ。

「私の娘が悪いのではないでしょう、ムッシュー、
あなたたち男性が作った法律で女性を裁くのがまちがっているんです」

****************************

wiki に、この母親のセリフが出ていました、

« Mais, monsieur le juge, je ne suis pas coupable !
C'est votre loi qui est coupable ! »

http://fr.wikipedia.org/wiki/Proc%C3%A8s_de_Bobigny

「私の娘」ではなく、「私」のようですが、
実質は同じでしょう。
というのも、このとき容疑者になったのは、
娘だけではなく、
母親、ヤミ中絶師、紹介者、の計4人だったわけですから。

またwiki には、こんなスローガンも出ています。

« L'Angleterre pour les riches, la prison pour les pauvres ! »

「金持ちはイギリスへ、貧乏人は監獄へ!」

これは当時、(そこそこの)お金持ちたちは、
イギリス(やスイスやオランダ)で、
合法的に中絶手術を受けていたという背景があります。

でもなぜ「そこそこの」と付けたのかというと、
実は『歌う女、歌わない女』の主人公もまた、
そんなにお金持ちではないけれど、
アムスで手術を受けたからです。
(中絶ツアー、があるのです。)

はっきり言って、やや冗長な映画だと感じます。が、
歴史的な価値はやはりあると思います。

Defenseur des Droits vs. アバクロ

以前から、こういう指摘はありましたね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130726-00000023-jij_afp-bus_all

http://lci.tf1.fr/economie/entreprise/discrimination-abercrombie-fitch-dans-le-viseur-du-defenseur-8197641.html

ただアバクロって、
高級ブランドではない、と思っていましたが、
こんなこともあったんですね。

http://www.afpbb.com/article/entertainment/fashion/2820844/7651685?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Fri_r1

デザインなどは別として、
企業としては、あまり好感が持てませんね。
金やるから着るな、とはね。

2013年7月24日水曜日

ネット上に提出のこと

前期の授業は昨日で終了。
で、今日は採点。
フランス語のクラスについては、
90点前後の学生が結構いて、
それはよかったです。

昨日は、ワールド映画ゼミの最終発表もありました。
1年生の前期の場合、
あんまり高いレベルのものを要求するのも酷ですが、
中には、おもしろい発表もありました。
自分が組み込まれているシステムに気づかない、気づけない、
とはどんな場合なのか。
それを2つの映画を題材に語ってみたり。

このゼミは、毎年メニューを変えてもいいのですが、
わたしは性格的に、
あるメニューが一応完成されたと感じるまで、
続けたくなります。
このゼミは、もうずいぶんこなれてきたのですが、
今年は、レポートを(大学の)ネット上に提出する形をとりました。
こうすると、コメントも書くのも楽だし、
出したかどうかも間違いがありません。
(期限を遅れると、「もう送れない」or「送れるが赤くなる」
が選べます。わたしは後者の設定です。)

時代は、動いていきますね。

2013年7月21日日曜日

'Trayvon Martin could have been me, 35 years ago'

今、投票を済ませてきました。
投票所に掲げられた速報の数字からは、
投票率、あまり高くなさそうな印象です。

         ◆

選挙とは関係ありませんが、
昨日の、オバマ大統領のこのコメント、
はっとしました。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130720/amr13072009480003-n1.htm

"You know, when Trayvon Martin was first shot,
I said that this could have been my son.
Another way of saying that is Trayvon Martin could have been me, 35 years ago,"

"There are very few African-American men in this country
who haven't had the experience of being followed
when they were shopping in a department store. That includes me,"

"There are very few African-Americans
who haven't had the experience of getting on an elevator
and a woman clutching her purse nervously
and holding her breath until she had a chance to get off.
That happens often,"

http://www.reuters.com/article/2013/07/19/us-usa-florida-shooting-obama-idUSBRE96I0XT20130719

Based on the ...

昨日見た『ゴー・ファースト』、
前半で行われる麻薬取引の場面では、
あの(=2005年に暴動が起きた)クリシー・スー・ボワの、
シテ・ら・フォレスティエールが舞台となっていました。
そして次の取引は、ボビニーで行われる予定で……

ところでこのGo- Fast、実在するのだそうです。
で、ちょっと調べてみたら、

http://www.leparisien.fr/hauts-de-seine-92/un-go-fast-intercepte-dans-le-sud-des-hauts-de-seine-13-07-2013-2980295.php

これって……1週間前!
めちゃめちゃ生々しいです!

2013年7月19日金曜日

Go Fast

今日は、またまたロシュディ・ゼムの、
『ゴー・ファースト 潜入捜査官』
を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=w55lo8RyC5U

DVDのパッケージ・デザインが、
(申し訳ないけど)ちょっとダサイ感じで、
あんまり期待はしてなかったんですけど、
これがなかなか拾い物で、
まったく飽きるところもなく、
話しもうまく整理されているし、
主人公の心理も伝わってくるし、
HLMでの麻薬取引の場面は緊迫感があるし、
ちょっとしたどんでん返しもあるし、
Mmm、おもしろいのでした。

ロシュディ・ゼムはアラブ系の刑事、
で、アラブ系にふさわしい職務を与えられます。
でも、アメリカから来た刑事が、彼について、
「あいつはアルジェリア人か?」
と訊いたとき、ゼムの上司は、
「彼はフランス人だ。優秀な警官だ」
と答えるのでした。

とにかく、このゼムの仕事を追っていれば、そこには、
フランス映画における移民の位置、みたいなものが、
どうしても浮き上がってくるのです。

http://gofast.asmik-ace.co.jp/index2.html

脚本のビビ・ナセリは、
おなじみタクシー・シリーズのサミー・ナセリのお兄さんです。

2013年7月18日木曜日

All Star

昨日はMLBのオールスター・ゲームでした。

子どもの頃、日本のオールスターをわくわくして見た一方で、
どこか空虚な試合であることも感じていましたが、
それはMLBにも認めたうえで、それでもなお、
感嘆させられる試合でした。

なんといっても、ピッチャーたちがすごい。
162キロのストレート、
150キロ台のスライダー、
まっすぐ沈むツーシーム……

こういう、なんというか、荒々しく激しい選手、
まだまだいるんですね。
ナショナル・リーグの試合、もっと見たくなりました。

2013年7月15日月曜日

4大学に、1000億円

これ、本当に有効に使えるんでしょうか?

http://biz-journal.jp/2013/07/post_2486.html

直接投資、というのは、
当たり前ですが、大きなリスクもありますね。
あるいは逆に、これを有効に使えるような大学になれ、
という、大学へのメッセージなんでしょうか?

2013年7月14日日曜日

入場制限

今朝は、暑くはあるものの、
北風が吹いていて、仕事部屋は北側なので、
窓を開けていれば風がここちよく感じられ……
たのは11時頃まで。
それ以降はやっぱり暑かったですね。

で、
ちょっと市民プールへ行ってみると、
なんと、入場制限中!
渡された整理券は2076番。
で掲示を見ると、今は「1880番まで」。
おや! まだ200番もあるの!?

ふだんなら帰るところですが、
もうクルマも駐車場だし……
で、待つことしばし。
やっと入ってみるとさすがに混んでるんですが、
付設されたサウナはすいてるし、
温まりようの(風呂のような)プールも混んでません。
ま、これならいいか。

というわけで、
プールなんだかサウナなんだか分からない2時間(600円)でした。

2013年7月12日金曜日

Tombés du ciel

『パリ空港の人々』という映画を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=peKTF6sKpW8

この映画、20年近く前に1度見て、その時は、
あまり印象に残りませんでした。
モントリオール空港で、パスポートも財布も盗まれた男が、
到着したシャルル・ドゴールで入国できず、
空港内のトランジット部屋に行ってみると、
そこには、親の迎えを待つギニア人の子ども、
国籍を剥奪されたラテン系の女性、
元軍人、などが「住んで」いるのです。

とてもおもしろそうな話ですが、
これが意外に、展開しない。
つまらないということはないですが、
なにかこう、足りない感じ。
大晦日の夜、
トランジットを抜け出して、
ギニアの少年に夜のパリを見せに行くシークエンスでも、
Mmm、ちょっと甘い&浅い? と感じてしまいました。

93年に作られていることを思うと、
なかなか新鮮なテーマに取り組んだというのは間違いないでしょう。
あとは、もう少し、緩急があれば……

2013年7月11日木曜日

2 枚

リュートは、好きな楽器の1つ。
ルネサンスの巨人、フランチェスコ・ダ・ミラーノの作品集を、
これまた名手ポール・オデットが発表しましたね。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%8E-divino-Francesco-Milano-ODette/dp/B00A6U5BYY/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1373504859&sr=8-7&keywords=%E3%82%AA%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88

たとえばこんな感じ。

http://www.youtube.com/watch?v=rsH1lw-ukr4

愛聴しているリュート奏者、ナイジェル・ノースは、
フランチェスコを録音してない様子(YouTubeにはあるんですが)なので、
とりあえず、こちらで聞くことにします。

 
そうそう、音楽ついでにもう1枚。
これは朝日の「視聴室」で、北中正和さんが推薦していたもの。

http://www.amazon.co.jp/Mon-Pays-Vieux-Farka-Toure/dp/B00C68SI6C/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1373504805&sr=1-1&keywords=mon+pays

YouTube は、

http://www.youtube.com/watch?v=RfLq4fc-sH4&list=PLezzYtHr9QL0GRM_ZHX8pfjP5crc0gYqi

いいですねえ!

それにしても、音楽は完全に素人ですが、
やっぱり楽しいですね。

2013年7月7日日曜日

Une Nuit

ロシュディ・ゼムは、これで何本目でしょう。
好きな俳優の一人です。
今回見たのは、これ。

『漆黒の闇で、パリに踊れ』

原題は Une Nuit 『ある夜』ですから、
まあ、なんと言いましょうか……
予告編です。

http://www.youtube.com/watch?v=bxk7y8-PRWU

たしかにこれは、フィルム・ノワールです。
1番の魅力は、美しく濡れた夜のパリ、かもしれません。
映画の前半は、正直言って、話が分かりにくい。
人間関係が込み入っていて、
また同じ人間を違う呼び方で表現することがあるので、
同じ人だと気づくまでは、戸惑います。
(文脈から即座に理解するというのは、ムリ。)

でも、そのもつれが溶けた後半は、
なかなか楽しめました。
オチもあり、それも悪くないです。

Piano Sonata No 14 C minor

好きな曲を、好きなピアニストが弾いています。
今までにもう、数えられないくらい聞いた曲ですが、
こうして、彼がこの曲を演奏するのを見るのは初めて。
見入ってしまいました。

http://www.youtube.com/watch?v=PFamIS44qaE

2013年7月5日金曜日

周辺国

エジプト、
めまぐるしい動きが続いていて、
まだまだ続きそうです。
(あと数年??)

周辺国の対応が違っているというニュース。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130705-00000129-san-m_est

まあ、自分たちの立場に近い方を支持しているだけ、
とも見えます。
逆に言えば、彼らの対応を見れば、
その立場が分かるというか。

アメリカは「クーデタ」政権は認めないそうですが、
となると、これはクーデタではない、
という話になるのでしょうか。

内田樹さんは、

なぜイスラーム諸国ではこれほどまでに内部対立が深刻化するのか。
国民国家とイスラームは「食い合わせが悪い」のかも。

とコメント。
なるほどねえ。

2013年7月3日水曜日

そういうゲームではない

1か月ほど前に、
1年生たちにブック・レポートを課し、
昨日それらに目を通したのですが……

ちゃんと時間をかけて読み、
丁寧に書かれたレポートももちろんあります。が、
中には、明らかに一部しか読んでおらず、
ずいぶん手を抜いたものもないわけではないのですね。
で、
今日は授業の途中で、
やんわりとではありますが、
彼らに伝えておきました、

今は「効率」が良いことが評価され、
それが追い求められる時代ではあるけれど、
大学で勉強して単位を取るということは、
最小の努力で最大の結果を出した人が勝ち! というゲームではない、
そうではなく、
たとえば同じ1単位をゲットするにしても、
敢えて遠回りしたり、迷ってみたりしながら、
わざわざ苦労する道を選んだ場合にこそ、
その単位は輝き始めるもの。
勉強(や仕事)は、効率とは相性が悪い……

まあどこまで伝わったかは疑問ですが、
聞いてはいたと思います。
遠回りがいいんだよ、若者たち!