2012年10月30日火曜日

The namesake

2007年に日本公開された映画、
『その名にちなんで』
を見てみました。
女性監督であるミーラー・ナーイルは、
『モンスーン・ウェディング』のあとに、
この作品を撮ったことになります。

http://movies.foxjapan.com/sononani-chinande/

http://www.youtube.com/watch?v=Z-27dshhQl0

アメリカ映画は、
それはカー・チェイスも、宇宙人も、宇宙生物も、
それをやっつける女性も、金属性の生物も、
なかなか死なない男も、軍服の男たちも、女たちも、
マフィアも、クモ男も登場しますが、
それですべてというわけでもありません。

amerrika のことを書いたのは、
1年位前です。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/11/amerrika.html

もちろんこれもアメリカ。
そして『その名にちなんで』には、
インド系移民の夫婦、その子供であるNY生まれの兄妹が登場します。
言うまでもなく、これもアメリカですね。

主演のタブーという女優さんは、
わたしよりだいぶ若いですが、誕生日が一緒で、
個人的に親近感が湧きました。

http://fr.wikipedia.org/wiki/Tabu

映画としては、
飽きることはまったくありませんでしたが、
それでもやや説明的かと感じられる部分もありました。
大河小説の映画化の場合、
往々にして起きることだと思います。
(『ハリー・ポッター』でさえ、そう感じられます。)
でもトータルとしては、十分楽しめました。

監督はインタヴューで、

「私は米国でも、今だに冬に靴下を履きません。
綿のサリーに夫のコート、
サイズの大きすぎる手袋を身に付けたAshima(本作品に登場する妻)は、
足に何を履けばいいのか分からず、
雪の降るニューヨークで洗濯物を運びます。
この光景は私が米国で30年の間見てきたものですが、
スクリーンに登場したことはありませんでした」

これはおもしろいですね。

でもこうなると、久しぶりに、
『モンスーン・ウェディング』が復習したくなってきました。



2012年10月27日土曜日

『100の神話で身につく一般教養』

「伝説によると、セミはかつて人間であり、
ムーサイ(文芸を司る九人の女神)が生まれる前に存在していた人びとの仲間であった。
ムーサイが生まれて、
この世に歌が現れたとき、
当時の人間のうちある人びとは、
あまりに衝撃的な楽しみを知ったため、
食べたり飲んだりするのを忘れて歌いつづけ、
気づかずに死んでいった。
続いて、この人たちから蝉という種が生まれた。
蝉たちはひとたび生まれると、
いかなる栄養も必要としないが、
すぐに歌い始め、
いまわの際まで飲まず食わずで歌い続ける、
という特権をムーサイから賜った。」

↑ は、最新刊のクセジュ文庫(白水社)、
『100の神話で身につく一般教養』
に引用されている、プラトンの一節です。
もう、詩ですね。

「100の神話」の中には、
「ウェルキンゲトリクス」、「骰子の一擲」、「さまよえるオランダ人」、
「ドン・ファン」から、
「モナリザ」、「ミッキーマウス」、「ビン・ラディン」まで!
クセジュだけでしょう、こんな本!

2012年10月24日水曜日

今道先生

今日そのニュースを知ったのですが、
先週、哲学者の今道友信先生が亡くなりました。
学生時代、印象に残った先生たちが何人かいらっしゃいますが、
今道先生はそのお一人です。

授業は確か、「芸術哲学」を1年、「美学」を1年、だったでしょうか。
先生は東大から非常勤でいらしていたのですが、
わたしの出ていた授業の中では、ダントツに緊張のみなぎる授業でした。
私語なんてもってのほか、というか、
とてもそんなことができる雰囲気ではありません。
先生の語り口、語る内容、眼光、
どれをとっても、ほとんど畏怖の念を起させるものでした。
もちろん、遅刻などは問題外です。

ある芝居の幕開きの場面、
最初に発せられる言葉は、
「門を開け!」
なのですが、これはオリジナルはフランス語で、
Ouvrez la porte !
そしてこの最初の [ u ] の音が、
門が開いていくゆっくりした動きと一致し、
それはまた物語を扉を開く動きでもある……
空間芸術と、時間芸術の出会い、
というような話の流れだったと思います。

そうそう、ヨーロッパに暮らしていらっしゃった折、
友人だったアラブの王子様が、
これ誕生日に、と、
小象(!)をくれた話にも驚かされました。
あわてて返した、とおっしゃっていましたが。

そして先生は、芸術には、超越的なものへの怖れが必要だ、
とも繰り返されました。
(ただし、「芸術」は誤りで、「藝術」と書かなければ
意味が通じないのだ、ともおっしゃっておられました。)

それにしても、今気づいたのは、
この今道先生だけでなく、
村上陽一郎先生、阿部良雄先生、
印象に残った先生は、
東大から出講してくださった非常勤の先生たちが多かったことです。
やはりさすがと言うべきなのでしょうか。

今道先生の、ご冥福をお祈りいたします。

2012年10月23日火曜日

この時期の

風邪気味、から風邪に移行。
まあ寝込むほどではありませんが、
薬を飲んでいるのでややぼ~っとします。
話を聞くと、割と風邪の人もいるようですね。
どうぞお気を付けください!



2012年10月22日月曜日

Thanks

うまくしたもので、
昨日ゲラを発送した途端、
今朝から風邪気味です!
もちろん風邪は、
数日前に原因があるのでしょうけど、
気が緩むと症状が出るのは、
ありがちなことですね。

新書のほうの若き編集者M さんは、
てきぱきと「♪ ステキなタイミング」で、しかも緻密に仕事を進めてくれます。
この頃の若いもんは……なんて、
とても言えなくなくなる優秀さです。
NHK出版の編集のA子さんは、
考えてみるともう5 年の付き合いになります。
まあ、気心が知れているというか、
細かい統一などは、安心して頼ってしまいます。
そういえば、「テレビでフランス語」の担当であるE子さんにも、
かれこれ1年以上お世話になっています。
彼女もとても仕事がていねいで、
わたしが「まあいいか!」と思うレベルのことでも、
労をいとわず、ひとつひとつ直してくれます。
頭が下がります。

というわけで、
誠実な編集者のみなさんのおかげで、
なんとか仕事をさせてもらっている今日この頃なのでした。

2012年10月21日日曜日

発送

というわけで、
今日の午後に2 つのゲラを送り出して、
わたしの仕事は一段落となりました。

新書のほうは、口絵に使うカラー・ページの「色校」というものも出ていました。
きれいに色が出ていて、何も問題ありませんでした。

そして問題集のほうは、
これはまだまだフツーに直しがたくさんありました。
間違いを直すというよりも、
表の形を調整したり、解答欄の幅を変えたり、
フォント・サイズを大きくしたり小さくしたり、
イロアミをかけたり外したり、
別の項目との繋がりを註で付けたり、ですが。
そして明日には、NHK出版に、
レナさんが直したゲラとわたしが直したゲラが届き、
それと、編集のアキコさんが休日返上でチェックしてくれた分を合わせて、
1つの総合的なゲラをまたしてもアキコさんが作り、
明後日には、印刷所への入稿となる手筈です。
(今「にゅうこう」と入力したら、「入港」と変換されました。
Mmm、印刷所へ入港、それもいいかも?)
アキコさんは、まだこれから大変です!
(レナさんもわたしも、明日はいつ、
確認の電話がかかってくるかわからないので、
ケータイには注意が必要です、明日だけは。)

とはいえ、一段落です。
ちょっとほっとしました。

2012年10月20日土曜日

最後の

産みの苦しみ、
というと大げさですが、
この週末は、最後の最後のゲラ・チェックです。
どこへも出かけず、
ただゲラを見つめています……

でも、やっぱり嬉しい苦しさではあります。
少しでもいいものにしたいと思っています。

2012年10月17日水曜日

近刊! 『フランス語初級卒業講座』

今日は、天気予報がぴったり当たり、
しかもそれなしでは予想できなかった変化だったので、
やるな! という感じでしたね。

とはいえここ数日のツメツメ具合は続いていて、
今日もゲラ、明日もその続きのゲラが到着する予定です。
これは、11月に刊行を予定しているこの本のものです。

『清岡&レナ式 フランス語初級卒業講座~文法が好きになる1200問』

体裁:A5判並製 192ページ(オール2色)
発行日:2012年11月17日
定価:1500円+税
NHK出版

もちろん、レナさんとの共著です。
「問題集」ですが、一通りの解説も付いています。
そしてウリは、10個所ほど設けられた「初級卒業のために」です。
この、どこか「あしたのジョー」を思わせる(!)コーナーでは、
似たような項目のチガイが感じられるような、
そしてだからこそ初級卒業へと続くはずの、
たくさんの問題を用意しました。
そうです、コンセプトは、「脱・初級」! です。

なんの偶然か、この本、『エキゾチック・パリ案内』と、
ほぼ同日刊行になりそうです。
売れっ子の作家ならいざ知らず、
わたしなどの場合は、どんな形であれ、
年に1冊出せれば御の字なわけですから、
こんな偶然、最初で最後でしょう。

(ただ進行は「問題集」が遅れています。
今、猛然とスピードを上げて校正作業などが進んでいます。
間に合うか!?)

どうぞご期待ください!

デゾレ!

すみません、
明日以降、と言っておきながら、
今日は長~~~い会議に困憊し、
詰めの原稿も書かねばならなかったので、
また明日以降(!)、書きます。
デゾレ!

2012年10月16日火曜日

アラブ・エクスプレス展


今日は神保町に出たついでに、
六本木の森美術館で、
「アラブ・エクスプレス展」を見てきました。
もう夏前から行きたかったのですが、
いつもながら、会期終了間近の訪問となりました。

これは、一言で言っておもしろいです。
個別にはまた明日以降に譲りますが、
とにかく、こういう展覧会は、またとない機会です。
お時間があれば、ぜひ。

ちなみに、
"I'm sorry." という模様(?)の飴ちゃんや、
グッとくる絵葉書も貰えます。
それらは作品の一部なんですが、
くれるんですね。

http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/index.html

2012年10月14日日曜日

筋書きのない

MLB、盛り上がってますね。

先日のイバニェスの連続HRにもしびれましたが、
今日の同点HRも、「信じられない」としか言いようのない一発でした。
9回、おそらくヤンキースを応援をしている誰もが、
イバニェスまで回して!
と念じていたと思いますが、
実際前のバッターが四球で、ほんとに回ってきましたが、
まさかHRとは。
たまげました!

でもヤンキース、こういう試合は勝たないと……
せっかくの「奇跡」が、引き立て役になってしまいます。
(ただ、恨み言を言うようですが、
1回も2回も、ヤンキースの3アウト目は、
判定ミスだったと思います。
つまりヤンキースには、あの時点で得点が入っていたはずで、
そうしたら、まったく違う展開になっていたでしょう。
つき物とはいえ……)

そしてなんと、ジーターが骨折! 痛すぎます。が、
明日も試合はあるわけで、
とにかく、いいゲーム、スリリングなゲームを期待します。

というわけで、
ゲラをテーブルに広げながら、
ついテレビに見入ってしまった日曜でした。
(それじゃだめじゃん!)

2012年10月12日金曜日

東京堂

今日は授業と会議(×2)のあと、
学内の資料室で同僚の先生たちとちょっと飲みました。
ある先生の、簡単な慰労会です。
会費1000円で、カワキモノと回転寿司(の持ち帰り用)という内容でしたが、
週末だし、なごやかないい雰囲気で、楽しかったです。
11月には、「遠足」にも行くことになりました。

さて、神保町の東京堂書店、
そのHPには、
「本のソムリエ〜プロのお薦め本〜」
というコーナーがあるのですが、
そこで『東京詩』を取り上げてもらっています。

http://www.tokyodoshoten.co.jp/

こういう風に紹介してもらえるのは、
とてもありがたいです。
せっかくなので、消えないようにコピペしちゃいます。

都市を生きることは、その記憶を生きること。
明治新政府が東京府を創設してから約140年。
東京は政治経済社会文化といったあらゆる領域で
自己を絶えず更新し続ける巨大なシステムであるが、
同時に一つの世界であり、器でもある。
詩人たちの眼差しが自らの生活空間を捉え始め、
東京の手触り、深い交感を捕まえようとした変遷がこの本の中にある。
数ある東京ガイド本の中にあっても決して埋もれない逸品。

やっぱりありがたいです!

2012年10月11日木曜日

古書

だいぶ涼しくなってきました。
大学の授業も、アクセルを踏み始めてから、
今やっと30k か40k くらいまでスピードが出てきた感じです。

今日は大学で、やや高価な古書を見る機会がありました。
パリに関する本なんですが、
まあ古い言い回しを使うなら、
喉から手が出る、という感じでしょうか。
200年くらい前の、状態のいいものでした。

古書を渉猟して、見つけ出し、手に入れる。
というようなことは、あまりやりません。
(全然やらないとは言いませんが。)
でもこういう本を目の前にすると、
手元においてじっくり読んでみたくなるのは事実です。

ま、あれもこれもやってみたいんですけどね!

2012年10月8日月曜日

『映画の瞬き』

ここでは、好き勝手に映画のことなどを書いていますが、
ちゃんとシネマ・スタディーズを学んだわけでも、
現場に参加していたわけでもないので、
多少申し訳ない気分もあります。
詩や、小説やを読むときと、映画を見る時を比べると、
奥の奥では、相当近いと思っていますが、
たとえば技術、つまり表現の方法などは、
もちろん別の世界の話です。

稀には、詩や小説が複数人で書かれることもあるでしょう、稀には。
けれども映画は、作品にもよりますが、
それでも一般的には100人以上が関わるのではないでしょうか。
共同制作、というのが、文芸との大きな差の1つでしょう。

そして映画制作スタッフの中には、編集者という人がいます。
まちがいなく、重要な仕事です。
有名な編集者としてすぐに思い浮かぶのは、
『地獄の黙示録』などを手掛けたウォールター・マーチでしょうか。
彼はこんな本を書いています。

http://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E7%9E%AC%E3%81%8D%E2%80%95%E6%98%A0%E5%83%8F%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E4%BB%95%E4%BA%8B-%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81/dp/4845908204/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1349623489&sr=8-1

この本、翻訳も読みやすくて、
もちろん内容も面白いと思います。
たとえば、
監督が用意した素材があるとして、
その同じ素材を使って、別の人間が編集すると、
それはまったく違う作品になる、というのです。
そうだろうと思います。

編集が際立った個所として知られるのは、
『ゴッドファーザー』の最後の30分でしょう。
あの作品は、編集者が2人いたのですが、
そのうちの後半を担当したのは、ピーター・ツィナーでした。
彼は、Ⅱにも参加することになるわけですが、
彼のあの編集なくして、
『ゴッドファーザー』は『ゴッドファーザー』にならなかったでしょう。

時々、ディレクターズ・カットなんていう触れ込みを目にしますが、
それは必ずしも、ベストになるとは限らないのでしょう。

2012年10月4日木曜日

Don't cry ! You're young !

わたしにとっては初めてのことなんですが、
今手元に、3 つのゲラがあります。
というわけで今日は1日中、
そのどれかを見ている感じでした。

とは言うものの、
ヤンキース地区優勝のかかった試合は、
見逃すわけにもいきません!
イチローの2塁打もきれいでしたが、
グランダーソンの1本目、
まさに快音を残す、うっとりする打球でした。
球場にいたら、きっとこんな音なんだろうと想像しながら、
見ていました。

もちろん打球という点では、
カノーのあたりのほうが凄まじかったと言えるでしょう。
あのスイングの速さ。
ファウルになると思ったのに、
手首の返しを遅らせてるんでしょうか、
切れずにそのまま、それも特大。
新人の頃はエラーが多かったけれど、
最近はそれも少なくなり、
まさに一流プレーヤーですね。

そして辛かったのは、マツザカです。
KO されて、監督に肩を抱かれたときは、
明らかに涙をこらえている表情でした。
最終登板に、賭けるものがあったのでしょう。
もしかしたら、これがMLBでの最後の登板になるかもしれず……
でも、復活して欲しいです。

さ、ではゲラに戻ります!

2012年10月2日火曜日

サヨナラ、『パリ24時間』

 

フランス語の教科書は、今までに5 冊作りましたが、
その中の1冊、『パリ24時間』という教科書は、10課からなり、
たとえば朝8:30 のサン・ラザール駅とか、
午後4時のアンジェリーナとか、
それぞれが違う場所と時刻の組み合わせでできています。
最後の10課は、午後12時のエッフェル塔で、
まあこういう形で、「パリの1日」を表現しようとしたわけです。
ところどころに挟まったコラムには、メトロの歴史、
なんかも扱われています。というか、いました。

先日、この本の版元から一通の手紙が届き、
今後売れる見込みが立たないため、残部を裁断する、
と告げられました。

まったく仕方ないことだと思います。
ただ、やはりそこには、一抹の寂しさもないわけじゃないです。
表1(画像)のイメージを、イラストレーターと話し合ったのが、
懐かしく思い出されます。吉祥寺でした。

サヨナラ、24 heures, à Paris !

   
  
      ★

そしていよいよ明日、
「テレビでフランス語」の再放送が始まります。
今期は夜10:25 からです。
よろしければ!

2012年10月1日月曜日

『Agend'Ars 3 海に降る雨』



「足跡がつづいていた、という文の主語は何だろう
足跡はそれ自体決して主語になれない
それは動かない、そうではありませんか」

確かに。それは動かない。
だから「その答えはたとえば「きつね」
なのだし、そこにある人間、
歩き続ける人間の姿を嗅ぎつけることもできるでしょう。
「見えない道」を、「猟犬のように進む」のは、誰か。
彼/彼女が歩くと、「音楽が鳴り出す」
そして「たちまち風が起こり暗い雲が湧き
竜巻が起こりときおり稲妻がきらめく」
それにしてもなぜ、歩くのか?

歩くことそれ自体に祈りとしての価値があるのだ(……)

管啓次郎の第3詩集、『Agend'Ars 3  海に降る雨』。
この小さな本には、嵐が渦巻いています。

http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E3%81%AB%E9%99%8D%E3%82%8B%E9%9B%A8-AgendArs3-%E7%AE%A1-%E5%95%93%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4903500810/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1349067092&sr=1-1

この詩集を読むことは、
めくるめく、という表現が誇張ではないような、
一つの「経験」です。

この詩集を机に載せ、いつか、
体調のいい朝が巡ってきたとき、
深呼吸したら、本を手に取り、
向かい合ってみる、
それは1つの「経験」にちがいないのです。

横たわったまま次の航海を
おれはきわめて冷静に想像し計画する
おれがいま死んでいるこの島ではない島で
またいつか新しく死ぬために