2012年12月31日月曜日

よいお年を

今年もあと、6 時間ほど。

今朝は食事をしながら、
昨夜録画したNHK の旅番組を見ました。
われらが友香さんが、イスタンブールを訪れるのです。

魅力的な街ですね、イスタンブールは。
いくつかの番組でこの街が紹介されるのを見てきましたが、
今回が1 番よかった、かな。
(アジア側にはいかなかったけれど。)
ただ途中、友香さんが料理教室に参加する場面があるのですが、
その参加者の中に、1人フランス人がいらしたので、
友香さんに一言、Bonjour ! と言って欲しかった!
(それとも、言ったのだけど、編集されてしまったとか?)

実は昨日見たAmerica America でも、コンスタンチノープルの場面は長くあり、
また『移民』の中でも、
ちらりとコンスタンチノープルの名前が登場し……
なんとなく、奇遇だなあと思ったのでした。

さて、もうすぐ西暦2013年です。
(イスラム歴なら、明日は1434年2月18日で、11月4日には35年に。)
みなさんにとって、よい年になりますように!

2012年12月30日日曜日

傑作

で、見てみました、America America。

一言でいうなら、これは傑作です。
すばらしい。
見始めてから気づいたのですが、
実は3 時間弱の長尺です。が、
飽きるところ、間延びするところ、一切なし。
貧しさ、厳しさ、狡さ、激しさ、温かさ、弱さ、後悔、希望、愛……
3 時間かかるのもやむなしです。

この映画、もとはと言えばエリア・カザン自身が書いた小説の映画化。
トルコからの、ギリシャ系移民という、自らのルーツと向き合った、
監督が50 歳過ぎた頃の作品で、
まあ若い監督には撮れない気がします。
話の内容はまったく違うけれど、
ヴィスコンティの『若者のすべて』を思い出したりもしました。

goo 映画の「あらずじ」をコピペしますね。
ちょっと長いですが、まあ3 時間ものですから。
でもこれだけでも、すごそうなのは伝わると思います。(一部改変)

1896年のトルコでは、ギリシャ人やアルメニア人が政府の弾圧に苦しめられていた。
ギリシャ人の青年スタブロスは、
親友のアルメニア人バルタンからアメリカの話を聞き、
そのきらびやかで自由な国アメリカに対して異常なまでの憧れを持つようになっていった。
そんなとき、親友バルタンが、トルコの圧政に反抗したために殺された。
スタブロスの自由への渇望は爆発し、彼はアメリカへ行く決心を固めた。
その頃、素足を引きずりアメリカを目指して旅するアルメニア人ホハネスと出会い、
スタブロスは靴を与えてやった。
スタブロスの父親は、息子のアメリカ行きを許すことにした。
息子が成功し、家族を一人ずつ呼び寄せること、
これ以外にこの家族が託せる希望はなかったからだ。
家族の全財産を託されたスタブロスは、
まずコンスタンチノープルで敷物商を営むいとこのオデッセのもとへ。
しかし道中スタブロスは、悪賢いトルコ人アブダルに貴重品をまきあげられてしまう。
オデッセは、無一文のスタブロスを、町の金持ちの娘トムナと結婚させようとする。
が、独力でアメリカに渡ろうとするスタブロスはこれを断り、港の運搬夫となって働く。
アメリカへ行くという目的が、彼をどんな重労働にも耐えさせた。
そんな彼の口ぐせから、スタブロスは“アメリカアメリカ"と呼ばれるようになった。
しかし、そんな苦労をしてためた金も微々たるもの。
再び金を盗まれたスタブロスは、ついに金持ち娘トムナとの結婚を選ぶ。
彼は自分の意図を隠し続けるが、ついにはトムナに本心を打ち明け、
持参金のかわりに渡航費をもらい、アメリカに向かって出発する。
船中スタブロスは、靴みがきの一団に加わってアメリカに向かうホハネスに再会する。
ホハネスは、正式な手続をしていないスタブロスがアメリカに上陸できないことを知り、
肺病で先の短い我身を海に投げて、
スタブロスを自分の身がわりとして上陸させるのだった。
そしてアメリカの街の片隅で、懸命にブラッシを使うスタブロスの顔は、明るく輝いていた。

ここで「金持ち娘」と簡単に片づけられているトムナですが、
彼女はとてもやさしい娘さんです。
(時代や場所を考えると、自立心がない、という批判をする気にはなれません。)
そして彼女がいい人だからこそ、スタブロスは、
「アメリカに行ったって、君みたいな人には二度と会えないだろう」
と言うのです。ただそれでも、
彼はアメリカ行きの船に乗ります。
それはもちろん、家族が、
妹たち、弟たち、母、父が待っているからです……

英語版(吹き替え? オリジナル?)で、
字幕はフランス語ですが、
大傑作だとわたしは思いました。

2012年12月29日土曜日

America America

エリア・カザンと言えば、
『欲望という名の電車』や『波止場』、
そして『エデンの東』で知られる監督ですが、
彼の1963年の作品に、『アメリカ アメリカ』があります。

この映画、わたしは見たことがないのですが、
今日読んでいた記事に登場し、ぜひ見たくなりました。
ところが探してみると、有名監督の作品なのに、
日本版のDVD もVHS もないんですね。
で、まずはアマゾン・フランスで見ると……
あるんですが、現在入手不可。
で、やっぱりアマゾン・USAはと見ると……
やっぱりありました。
なにしろ、『アメリカ アメリカ』ですからね。
しかも送料込みで、17ドル。
でも待てよ、もしかして……
なんと、ありました、YouTube に!

http://www.youtube.com/watch?v=3hnI-nKoJug

この作品は、いわゆる「移民映画」(というグループがあるとするなら)に
分類されるようです。
そういえば、Amerrika もまた、移民映画でした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/11/amerrika.html

そしてこれもまだ未見のNous York。

http://tomo-524.blogspot.jp/2012/12/blog-post_1311.html

これはフランス映画ですが、
『アメリカ アメリカ』の遠い木霊とも言えるだろうと、
見る前から確信しているのでした。
(明日に続く)

2012年12月28日金曜日

Merci mille fois.

昨日あたりからそういう報道もありましたが、
ついに松井選手がユニフォームを脱ぐんですね。
彼のプレーに、何度も一喜一憂しました。
ずいぶん、楽しませてもらいました。
超一流の選手だと、(みなさん同様)わたしも思います。
今思えば、ファンだったんだなあ、とも。
ほんとに、気持ちのいい選手でした。

小学校の頃、最初に好きになった選手は、
ドラゴンズの中暁生でした。
やわらかくて、しなやか。
それから、いかつくてごつい江藤慎一。
そして江夏、藤田平、平松、近藤雅、ワンポイントの平岡……
と並べても、あまり通じない、かな?

      
         ◆

年末なので、
なにか静謐なものを読みたい気がして、
本棚を眺め……、選んだのはゼーバルト。  
久しぶりに『移民』を読み始めました。



2012年12月26日水曜日

マラウイ

北国の方には笑われること必定ですが、
今日の東京は風が冷たくて、外にいると、
寒い! と感じる日でした。が、
それでも午後、近くの(大きな)公園を散歩していると、
池のそばの芝生に座り、ラジカセを響かせている3 人組が。
どうやら3 人ともアフリカ系のようです。
音楽はズークのリズム。

で、彼らの脇に通りかかると、
「コンニチハ! サムイネ!」
と、気の良さそうな1人が声をかけてきました。
話してみると、彼はマラウイから働きに来ているそう。
「洗い場、タイヘンヨ」
とニコニコしながら話します。
残りの2 人は、あんまり日本語ができないらしく、
あとは英語で。
(ただ訊いてみると、わたしが加わる前に3 人が使っていたのは、
チェワ語、だそうです。
今 wiki で見たら、チェワ語は国語だということで、
それなら当たり前ですね。)

気のいいお兄さんが、
おれはこの近くに住んでるんだけど、
この2 人はオレに会いに来たんだよ、
と言うので、わたしは、
それはずいぶん遠かったでしょ?
と言うと、3 人ともポカンとしています。
でもないよ、2 人は厚木に住んでるから。
なんだ、わざわざアフリカから会いに来たのかと思った!
で、みんなで笑い合うという、
じつに他愛なくて、でもちょっと楽しい雰囲気でした。

アラウイは南アとも近い関係ですから、
『ツォツィ』のことを尋ねてみると、
やはりよく知っていて、
「ツォツィ」っていうのは、theif のことなんだよ、と。
(ただ以前調べた印象では、
もう少し強い(=悪い)意味でしたが。)

そうそう、彼らが聞いていたのは、
ザンビアのミュージシャンの曲だということでした。
名前は、忘れちゃったよ! だそうです。

Nice to meet you. と言い合って、
それぞれと握手して別れた午後でした。

2012年12月24日月曜日

『日本美術全集』、第1 回配本!

今日本屋さんに寄ったところ、
レジのすぐ脇のワゴンに、
なにやら立派な本のサンプルが。
その名も、『日本美術全集』。
第1回配本の、「法隆寺と奈良の寺院」でした。

http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%85%A8%E9%9B%862-%E6%B3%95%E9%9A%86%E5%AF%BA%E3%81%A8%E5%A5%88%E8%89%AF%E3%81%AE%E5%AF%BA%E9%99%A2-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%85%A8%E9%9B%86-%E5%85%A820%E5%B7%BB-%E9%95%B7%E5%B2%A1/dp/4096011029/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1356354202&sr=8-1

なにしろ1冊 15,750 円、しかも全20 冊ですから、
おいそれとは買えないシリーズです。が、
それでもちょっと揃えたくなるのは確かです。
カヴァーしている範囲は、「創世記」からなんと「未来」まで!

実はこの小学館から出ているこの全集、
編集長は大学時代からの友人です。
で、彼から、この壮大な全集については聞いていたのですが、
今日初めて、書店で本物を見た、というわけです。

でもこのスケールになると、
編集長としても、ほとんどワイフ・ワークに近いのでしょうか。
いい全集になることを祈念しています!

2012年12月23日日曜日

La Vérité si je mens ! 3

今年の興行成績 TOP 10 in France です。

http://fr.cinema.yahoo.com/blogs/actualite/films-les-plus-vus-au-cinema-en-2012-100836069.html

Top 10 : les films les plus vus de 2012 en France

1. Skyfall
2. L'Âge de glace 4 : La Dérive des Continents
3. Sur la piste du Marsupilami
4. La Vérité si je mens ! 3
5. Avengers
6. The Dark Knight Rises
7. Twilight - Chapitre V : Révélation - 2e partie
8. Astérix et Obélix : Au service de Sa Majesté
9. Madagascar 3 : Bons baisers d'Europe
10. Le Prénom


第4 位は、これ。

http://www.youtube.com/watch?v=pxQ4Et2_-BM

シリーズの「1」は、
『エキゾチック・パリ案内』のなかでも触れた『原色パリ図鑑』。
これは国内版(VHS 版ですが)があります。
「2」は、フランス版DVD のみ。
そして実は、「3」もすでにDVD が出ています。

フランスにおけるユダヤ人社会、が舞台であるこの映画、
やっぱり日本では、公開されにくいのでしょうか。



2012年12月22日土曜日

2012年12月21日金曜日

一応ほっと

今日をゴールと思っていたわけではないのですが、
大学関連の授業や会議が終了した今日は、
やはりすこしほっとした感じがあります。
なんとか乗り切れてよかった!

特に今週は風邪気味で、
ちょっと心配だったのですが、
休講するところまではいかずにすみました。

そして今日は、大学にクリスマス・カードも届きました。
(Merci !)
なんでも今年は、
東京でもWhite Christmas になるかもしれないとか。
でもまあこんなこと、雪の多い地方の方から見れば、
「苦笑」というところなのでしょうけど。

そういえば今日は、
北海道出身で、ロシア語を選択している学生が、
年末の挨拶によってくれました。
そういうのも、うれしいですね。

2012年12月20日木曜日

待ち受け


このところのPC の待ち受けには、
あのKUSAMA の絵(?)を使わせてもらっているのですが、
先日朝日新聞の夕刊に、
建畠哲によるこの草間ブームの分析が掲載されていました。

その中の一節で、
ああ、なるほど、と思ったのは、
彼女の作品が、いわゆる「近代的な自我」なんていうものを超え、
いわば宇宙的なものへの回路を開いているから、
というものでした。
(このままの言葉ではありませんでしたが。)

そうなんですね。
そういうものを感じていたんだと思います。
たとえそれが、アーティストの極私的隘路から、
不可避的に湧き出たものであっても、
あるいはだからこそ、
超える、ということが起きているのかもしれません。

人気があるのは当然ですね。

『朗読ダイエット』

朝日新聞の人生相談コーナーでその名を見かけると、
必ず読むことにしているドリアン助川さんの新刊、

『朗読ダイエット』(!)

http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%97%E8%AA%AD%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3-%E5%8A%A9%E5%B7%9D/dp/490350087X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1355970130&sr=8-1

相当の効果があった実例が紹介されているのですが、
まずはなんといっても、
絶対安全 & 副作用ゼロ、は間違いないですね、朗読ですから。

しかも読んでみると、タイトルに反して、
「ダイエットそのものは目的ではない」(!)と書かれています。
朗読を通して、

「古今東西の文芸作品に触れること。
あるいはオリジナルの作品を書き上げること。
自分の声で物語を再構築すること。
理想的な声を得ること。」

背景にあるのは、
「脳は脳だけで生きるにあらず」。
という視点です。
(そういえば、スーフィーである「イブラヒムおじさん」も、
こんなこと言ってましたね。)

さ、やってみますか?

http://www.youtube.com/watch?v=OaRL95rYt1g

巻末には、朗読用のフランス語のテキストもついてます。
そうか、フランス語でもいいわけですね!
(もちろん何語でも!)

ドリアンさんは、これで仏検4 級取得したそうです。
朗読恐るべし!

(そしてこの本の表紙で、
可愛らしい女性が手にしている本は……)

2012年12月18日火曜日

B & B で会いましょう!

『エキゾチック・パリ案内』の刊行を機に、
港千尋さんとおしゃべりをすることになりました。
年明けの、1月8日です。

http://bookandbeer.com/blog/event/20130108_paris/

港さんの『パリを歩く』については、
「ふらんす」で書評も書いたし、
ここでも触れました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/08/blog-post_15.html

このブログを書いたときは、
こんなこと考えてもいなかったので、
不思議&新鮮です。

よろしければ!





Bon anniversaire, Janick !

昨日の夜は、神保町のワインバーで、
ジャニックさん(ともう一人のフランス人女性)の(合同)誕生会でした。

40人ほどもいたでしょうか、
8 割ほどがフランス人で、とても賑やかな会でした。
ロシア系、アフリカ系の人たちもいて、いい感じ。

中に1人、ジェーン・バーキンとも仕事をしていた、
フランス人女性歌手が。
彼女が仕切って、
まあずいぶんたくさん歌を歌いました。
輪唱の曲では、3 パートに分かれて。
フランス人がこんなに歌うの、初めて見ました!

わたしにとっては、
久しぶりにNHKの人に会ったり、
またなかなか会えない先生たちにも会えたりして、
+α の楽しみもあり。

ただ……
実は昨日から風邪気味です。
なんとか明日を乗り切らないと!

2012年12月15日土曜日

リツイート

リツイートします。

http://twitter.com/quikion

小熊英二
自民圧勝を避けたいなら、当面の方法は一つ。
「選挙区内の非自民候補で一番勝てそうな人」に入れること。
現状なら自民は得票率3割で圧勝できる(比例区の得票率はその程度)。
残りの7割が分裂していて、選挙協力もせず、みんな共倒れするからだ。
脱原発支持の世論が7割以上でも選挙結果はそうなる。


2012年12月14日金曜日

未来の

新潮社の本が、kindle から引き上げられている、
という報道がありました。
詳細はわかりませんが、
なんらかのトラブルがあったようです。

電子書籍については、
多くの人が多くのことを語ってきたし、そのなかには、
なるほど! という内容もありました。

たとえば、「電子書籍は友達に貸せない」。
紙じゃないので、その通りですね。
(つき昨日も、紙の本を同僚から借りました。
ああいう風に、気軽に貸し借りできないんですね。)

あるいは、「本棚に並べられない」。
もちろん画面上では並べられますが、
そういうことではないんですね。
この物言いの背景にあるのは、
本棚という存在についての理解そのものです。
つまり、本棚とは、読んだ本を並べる場所ではなく、
これから読もうと思う本を並べる場所、
それを読み終わっている自分になりたいような本を並べる場所、
だというわけです。
だからこそ、日々その前を通ることで、
ああ、これを読まなくちゃな、と思うのでしょう。
電子の場合、わざわざ先に買っておかなくても、
「実際に読むときに」買えばいいわけですから、
未来の本棚にはならないわけです。

Mmmm、
たしかにわたしの本棚にも、
これを読み終わっていたい本、
見終わっていたいDVD が、
たくさん列をなしています。
冬休みこそ!

まじめな

昨日は1限から3コマ授業があり、
その後数時間開いて18 時から会議を1.5 時間、
さらに同じメンバーで駅前の焼肉屋に移動し、納会。
なかなか長い1日でしたが、
焼肉屋さんが期待以上においしくてラッキーでした。

その店でわたしが座った大きなテーブルは、
計7人で囲んだのですが、
事務の方が3人、物理、応用化学、情報科学の先生が各1名で、
ふだんとは違う話題で盛り上がり(?)ました。
理系の先生たちって、基本、素直を言うか、まじめと言うか、
すれてないというか、そういう方々であるという印象です。
(何も文系教員が、その反対だというわけじゃありません!)

年の瀬ですねえ。

2012年12月11日火曜日

現代詩年鑑 2013

今年もこの時期になりました。
現代詩手帖12月号は、恒例の「現代詩年鑑」。
もちろん「2013」ということになります。

http://www.amazon.co.jp/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E8%A9%A9%E6%89%8B%E5%B8%96-2012%E5%B9%B4-12%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00A7BI5VS/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1355233467&sr=1-1

安くはないけれど、
詩人たちの「今年の1作」が収められていて、
全然気づかないうちに発表されていた作品も少なくありません。
今年の1月に亡くなった新井豊美さんの詩もあります。
(来年は、ないんですねえ……)

まだ全部読んだわけではないのですが、
木坂涼さんや川口晴美さんのやわらかな詩も、
粒来哲蔵さんのようなギュッとした詩もいいです。

 腐ったまま菌類の餌食と変わり果てた巨木の骸の洞から、
どうかすると当の蔓の新芽の葉先が、木漏れ日を浴びてう
ねうねと体をくねらせながら、なおも新たに身を委ねるのに
適わしい頃合いの樹幹を探索する姿勢を見ると、それは
もはや妄執としか言いようがない。見るがいい。新芽の葉
先はまるで光る舌のようだ。もしかすると、巻かれ巻かれ
て巨木は喜悦のうちに倒壊したのではあるまいか。
                           (粒来哲蔵「妄執」より)

さすが。

そしてもちろん、われらが管啓次郎さんの作品も収録。
しかも4 篇。
ぜひ!

2012年12月9日日曜日

朝日・紹介

今日の朝日新聞の書評面、
の「新書」コーナーで、
『エキゾチック・パリ案内』が紹介されています!

http://book.asahi.com/reviews/column/2013012700001.html?ref=rss2&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

このコーナーは、
ふだん自分でも毎週チェックする場所です。
だから、というわけでもないのですが、
この「新書」紹介コーナーで取り上げてもらえることが、
目標(というのも変な言い方ですが)の1つでした。
それが、発売から1か月も経たずに取り上げてもらって、
感謝感謝です。
多くの方が手に取ってくださいますように……

保存のためにコピペします。

***********************************

パリのユダヤ、アラブ、アフリカ、アジア、インド人街を取りあげ、豊富な写真や地図と共にパリの歴史の奥深さを紹介している。読みすすむほど、パリのざわめきや匂いが伝わり、街中を歩いているかのような気持ちとなる。

 ユダヤ人街のロジエ通りには「アディダス・オリジナル」がある。特別なお店がなぜこの通りにあるのか。それは創業者のダスラーがドイツ系ユダヤ人だから。アラブ人街のバルベスのマルシェ(市場)は、パリで最も活気があり、また物価が一番安いところで、著者はその混沌とした様子を「眩暈(めまい)」と表現する。ヨーロッパ最大の中華街がある13区は、様々な経緯を経てやってきた中華系移民のうねりが集結した魅力ある場所だ。“オシャレで洗練”ではなく“ダイナミックで壮大”な文化がある。

 おいしそうなイディッシュ料理店、クスクス料理店、アフリカ料理店などが紹介されるのもうれしい。よそ者たちがパリに溶け込み文化の華を咲かせた。その種が実らせたエキゾチックな果実を味わえる本だ。

2012年12月8日土曜日

多謝!

若き友人中村さんが、
書評を書いてくれました。

http://mangrove-manglier.blogspot.jp/2012/12/blog-post_7.html

パリでも、ほんとに中村さんにお世話になりました。
中村さんがいなかったら、この本はできなかったかも。
(本文中に、13区のガブリエル・フォーレ高校の写真があるのですが、
これは、わたしが撮り忘れてしまい、
あとで中村さんがわざわざ撮りに行って、送ってくれたものです。)

多謝!!

2012年12月6日木曜日

子供たちの子供たちの子供たちのために

選挙の季節です。
世論調査によれば、自民党圧勝、なのだとか。

自民党と言えば、最近話題は、国防軍、でしょうか。
早稲田大学の水島朝穂教授(憲法学)によれば、

「国防軍になれば、必要最低限の力という憲法解釈上の制約からも解き放たれる。
軍隊なのだから、あれもこれもできて当たり前という論議が起きるだろう。
核武装も、徴兵制も、という話が出てきてもおかしくない」

ということだそうです。

国防軍、わたしは賛成できません。
それに今投票権を持っていない人たちは、
やがて自分が徴兵に取られることを、
望んではいないでしょう。

見に行きた~い!

11月07日公開、だそうですが、
早くDVD にして!

http://www.youtube.com/watch?v=f_fl8uDiDmI

軽そうですけど、
これって実質 Tout ce qui brille 『きらきらしてる』の続編ですね。

物語の始まりは、(メディの実家のある)ナンテールのようです。
そこから、移民系フランス人たちが、
NY に繰り出すわけですね。
郊外フランス人の星であるオバマのTシャツを着て。
(彼らがこのTシャツを着るのは、
単に「おのぼりさん」的状況を示しているだけではないのですね。)

なんでも

今日、通勤の途中で聞いていたラジオによると、
「アクチュアルに本を買う人」、
つまり月に何冊か本を買い続けている人は、
おそらく10万人程度だろうという説があるそうです。
(昔はよく買った、という人は含まれません。)

でも待てよ、ベストセラーって、100万部??

これはつまり、普段は本を買わない層まで買った結果だ、
というのです。
まあ、言われてみれば当たり前という気もしますが、
もしこれが本当だとすると、
いわゆる固い本は、おいそれとは売れないわけですね。
出版社がどこも苦労するはずです……

子供のころから、本があるのが当たり前、
という生活になるような教育が、期待されます。
ただその場合、わたしが思うには、
「名作」である必要はないと思うんです。
子供のころに「名作」を押し付けられたばかりに、
本そのものに対して敬して遠ざける感じが身についてしまうなら、
それはモッタイナイと思うからです。
最初は、楽しく読めるものなら、なんでもいいと思うのです。

一夜

というわけでジュンク堂のセッションでは、
なかなか楽しいひと時を過ごせました。
翻訳者である管さんのフランス語原文朗読、
それに続く、金沢碧さんのしっとりした訳文朗読。
いいものです。

金沢碧さんは、
わたしが高校生の頃見たイメージを、
品よく保っていらっしゃいました。
あの頃、こんな風な形でご尊顔を拝する日がこようとは、
考えられるはずもないですねえ。

そしてイベント後は、
初めて『エキゾチック・パリ案内』の読者だとおっしゃる方とお話したり、
テレビを見てくださっているという、
こちらはジュンク堂の若い担当者の方とお話したり。
こうして、リアル世界に読者や視聴者がいてくださることがわかるのは、
やはり励みになります。

2012年12月3日月曜日

明日!

明日、池袋ジュンク堂にて、こんなトークセッションが。

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20121204_talk

Mmmm...
金沢碧さんと言えば、やはり「俺たちの旅」をまぶしく思い出します。
高校生の頃、毎週見てました。
そして、それを知った国語の先生も見てみたらしく、
ある日授業で、
「あれは刹那主義だ」
と言い切りました。
刹那主義という言葉を知ったのは、その時でした。

2012年12月1日土曜日

新宿の

昨日の夜は、新宿で、
『エキゾチック・パリ案内』を担当してくれた若手編集者と、
打ち上げをしました。
といっても、総参加者は2名ですが。
楽しい一夜でした。

彼女とは、もう色々だべってきたはずなのですが、
それでも、思わぬところで繋がりがあることが発覚したりして、
やっぱり世間は狭いなあ、と思わざるを得ませんでした。
たとえば、わたしがパリでとてもお世話になった中村隆之さんが、
平凡社新書のかつての編集長、
つまりかつての直属の上司と知り合いだったとか。
まあ編集長ともなると、
もちろん知り合いはとても多いのでしょうけれど。

それにしても、夜の新宿は、
わたしが1番よく知っている1975年頃、
つまり35年以上前と、
ほぼ同じにおいがします。
(これが60年代、50年代まで遡ると、
そこにははっきりした差があるのでしょうか?
たぶん、ないのだろうと思います。
新宿のにおい、でしょうか。)
そして、やや「文学」的に言うなら、
あの雑踏の中に、
かつての自分がいそうな気さえしたのでした。

明日の土曜は、学内業務のため出勤です!

2012年11月29日木曜日

安全だったら

27日の東京新聞夕刊に掲載された論壇時評(佐藤卓己)で、
こんな引用がなされていました。

「格差のない平等な破滅」(山崎正和)

今選挙運動が盛んですが、
経済人たちは、今も「成長」を追い求めているように見えます。
その「発展史観」の向かう先は…… というわけです。

そしてもう1つ。沖縄の空を飛ぶオスプレイについて。
メディアを通して伝えられるのは、
安全かどうか、ということが中心ですが、

「安全だったら飛ばしていいのか」(親川志奈子)

この問題は、もちろん、「琉球の軍事化」の一部でもあるわけです。

新聞広告

今日の朝日新聞の2 面に、
平凡社の半五段広告が掲載されています。
新書の新刊広告もあるので、
『エキゾチック・パリ案内』もまぜてもらっています。
(『パリのインテリア』という新刊もあり、パリ物は2 点あります。)
こうして、
こういう本が出てますよ、
という告知がされるわけですね。(って当たり前か!)

(ちなみに、3 面にはNHK出版の、こちらは全五段の広告がありますが、
『フランス語初級卒業講座』の紹介はありません。
というか、NHK出版の方針なんでしょう、
語学書は1冊も扱いなし。がんばれ語学書!)

2012年11月28日水曜日

Chaos

先日、チョー人数の少ないあるクラスで、
『女はみんな生きている』を見ました。
考えてみたら、この映画を授業で見たのは初めてかも。

http://www.youtube.com/watch?v=TTyHwHC3cJs

監督は『ロミュアルドとジュリエット』のコリーヌ・セロー。
カトリーヌ・フロとヴァンサン・ランドンという芸達者2人が夫婦役。
原題は Chaos 「カオス」です。
となると第一感、ずいぶん飛躍した邦題だなあと思いますが、
でもこれはこうした「超訳」タイトルの中では、
まじめと言うか、ピントがよく引き絞られたものだと思います。

ある夫婦、ある夜クルマで出かける途中、
彼らの前に若い女性が悲鳴をあげながら飛び出してきます。
彼女はアラブ系、見た瞬間に娼婦とわかります。
そして彼女を追ってくる、人相の悪い男たち。
夫はクルマの窓をロックし、状況との関わり合いを拒否。
血まみれの女性を残し、走り去ります。
この「エピソード」は、ここで終わるはずでした。
妻が、翌日この女性を探しはじめ、病院にいることを突き止めると、
彼女の介護を始めたりしなければ。

枠組みとしては、2つの家庭が対立的に(と言っていいか?)描かれています。
一方は夫婦を中心とする、アッパーミドルの白人家庭。
もう一方は、娼婦が育った、アルジェリア系移民のムスリム家庭。
これら2つの家庭は、それぞれの仕方で崩壊しています。
けれども女たちは、やはりそれぞれの仕方で、生きる、というか、
生き直そうとする、そういう話です。

ただ、ここまで書いて気づきましたが、
登場する女性たち「みんな」がそうするわけじゃない。
なんというか、見えない檻の中で、
あるいは苦しげに、あるいは嬉々として、生活し続ける女性たちもいます。

じゃあ男たちは?
男たちは、あらくれか、甘やかされたボンボンか、
父権的で浅はかか、そのどれかです。
まともな男は出てきません。

でもトータルでは、痛快な映画だと思います。

2012年11月27日火曜日

Attention !

今日は富士山がきれいでした。
そしてわたしはと言えば、ほぼ12 時間大学にいて、
授業と会議と会議の合間に、
来年度の時間割にかかわる用事をじわじわこなし、
さらに明日の小テストの問題を作り、
いくつかメールし、昼寝はせず、という1日でした。
1日って、元気なら、けっこう色々できるものですよね。

だいぶ寒くなってきました。
かぜ注意!

2012年11月25日日曜日

COEDO


決してお店の回し者ではないのですが、
今日、友人からもらったビールを飲みました。
わたしは初めて味わった、COEDO という銘柄です。
埼玉県川越市(=小江戸)の地ビールとかで、
どこでも買えるというわけではないようなのですが、
これがなかなかおいしい。
こういうのを、雑味がない、というのかな、と思いました。

瓶の形状は、ちょっとベルギーのシメイを思わせます。
ささやかな、そして嬉しい一口でした。

2012年11月24日土曜日

感想御礼・ 3

今の時代、
本はそう売れるものではないけれど、
一方でネットのおかげで、
じかに感想を見ることができて、
それは素直に、この本を作れてよかったなあ、
という気持ちに繋がります。

また1つ、感想を発見してしまいました。

http://d.hatena.ne.jp/xijiao/20121121/1353684192

これらの You Tube は、
もちろんわたしも何度も見たものです。
なんだか嬉しいです。
(ストリート・ヴューを見ながら読んだ、
という声もあり、それ最高かも。)

どうもありがとうございました!

2012年11月22日木曜日

感想御礼・2

なんだかしつこくて申し訳ないですが、
『エキゾチック・パリ案内』の、
とてもとてもありがたい感想を載せたブログを発見してしまったので、
一部をコピペさせてください。

******************************

私の知らないパリがここに紹介されていました。
ここでは、
ユダヤ人街→アラブ人街→アフリカ人街→アジア人街・インド人街
が紹介されています。
もちろん街の風景だけではなく、
なぜこういう人たちが移民としてパリに流れてきたのか
その宗教的背景、植民地支配を含む歴史的背景を説明し、
街角に残る歴史的痕跡を教えてくれます。
そして、これが著者清岡智比古の真骨頂でもありますが、
彼がもつ、現代フランスミュージックと映画の蘊蓄を
歌詞とシーンをからめて、これでもかと披露してくれるのです。
これは単にパリの街案内ではなく、
異文化がぶつかり合い響きあう事によって新しい文化が生まれているところ、
それがパリだと著者は言いたいのです。
********************************

これを書いてくださったのは、
長くフランスにお住まいになった方のようです。
どうもありがとうございました!!

郊外

今日は、土曜日にご紹介した日仏のイヴェントに行ってきました。

テーマが「郊外」(パリの。東京の。)なので、
普段やっていることにとても近くて、
こんなことがテーマになることもあるんだなあと、
変な感慨がありました。

客席もほどよく埋まり、
わたしの斜め前には、M.フェリエ先生の姿も。
そして対談自体も、とても興味深かったです。

以下、印象に残ったやりとりを、
備忘録風に書いておくなら……

・ラシュディさんが描こうとしたのは、ふつうの郊外。
つまり、暴動のイメージが張り付いた郊外、ではなく。
(これは『きらきらしてる Tout ce qui brille 』の時の監督の発言と同じ。)

・最近、郊外に共同体主義が生まれ、
それがかえって郊外を孤立させている、という見方がある。

たしかにパリにはいろんな共同体(communauté)があるけれど、
実は「イスラム」の共同体はない、という研究もある。

そしてその研究後から10年経ち、
今また新たな研究の時期か。

・(ラシュディさん)
「『アイシャ』は知っているし、
ヤミナ・ベンギギの仕事には大いに敬意を払っている。
特にドキュメンタリーについては。
ただし、フィクションである『アイシャ』は、
あまりに戯画化が過ぎるのではないか?

・『アイシャ』におけるアイシャは、
ペリフを越えてゆくことに、
とても大きな価値を見出していた。
それは、「郊外」が表すすべてからの脱出だった。
もちろん、宗教的な共同体からの脱出を含めて。

しかしラシュディさんにとって、
場所は問題にならない。
それは、どこででも成功はできるから。
ペリフのどちら側ででも。
彼は郊外育ちだが、今はまた、
育ったのとは別の郊外に住んでいる。

そして彼にとって、宗教的な共同体の問題は、
まったく個人的な問題だ。
ただ少なくとも、今わたしは自由だ。

……というところでしょうか。

そして彼が「文学」という言葉を口にする時の、
ほとんど無邪気ともいえる熱は、
とても眩しいものに感じられました。
バルザックを愛読したという彼は、
正統的な「文学」の流れに身を置こうとしているようにも見えたのです。
だからこそ、「郊外文学」というジャンルに閉じ込められるのはごめんだ、
と発言していたのでしょう。

2012年11月18日日曜日

『エキゾチック・パリ案内』、感想御礼

発売して2 日。
早くも「つぶやき」に、『エキゾチック・パリ案内』の感想が。
その1・その2、そのままコピペします。

*******************************

『エキゾチック・パリ案内』読了。面白すぎる。
10年くらい前に浅野『パリ二十区の素顔』を読んで、
パヴェ通りのシナゴーグ、タン兄弟、TATIを、
ただの物珍しさで見に行った。
また見に行こう。
前回とは少し違う感覚で街を見れるかもしれない。

「わたしたちのパリ巡りもまた、
「自分自身を」解体した上で新たに「取り戻す」ような経験になれば、
旅に出た甲斐があったことになるのでしょう。」
これこそ旅の醍醐味。

********************************

とても嬉しい感想です。
ありがとうございました!!


『日本人のためのアフリカ入門』

新刊の時、
つまり1年以上前に買って、
ずっと「積読」だったこの本、
おもしろかったです。

http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%85%A5%E9%96%80-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%99%BD%E6%88%B8-%E5%9C%AD%E4%B8%80/dp/4480066012/ref=sr_1_cc_1?s=aps&ie=UTF8&qid=1353246942&sr=1-1-catcorr

前書きで言っているように、
概説書風のタイトルでありながら、
そうではなく、
新聞記者としてのアフリカ滞在4 年から見えてきたもの、
という感じ。
メディアの内部から、そのメディアの弱点、
特にアフリカ報道の場合の罠を指摘したりもします。
語り口も読みやすいです。
アフリカについては、
『世界中のアフリカへ行こう』という名著がありましたが、
それとは違う味わいの、勉強になる新書だと思います。

それにしても、
日本の自殺者の比率が、
紛争地域であるソマリアの戦死者の比率より高いとは。

素因数分解

これ、
ちょっとすごいんじゃないでしょうか?
それにしても、
こんな「果て」あたりでも、素数ってあるんですね。

http://www.datapointed.net/visualizations/math/factorization/animated-diagrams/

2012年11月17日土曜日

LE PETIT MALIK

最近、『郊外少年マリク』(集英社)という翻訳本が出ました。
オリジナルは、LE PETIT MALIK、
つまり、プチ・ニコラのアラブ版、なんですね。
(Malik ですから、これはもうアラブ系なんですね。)

http://www.amazon.co.jp/%E9%83%8A%E5%A4%96%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AF-%E3%83%9E%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%87%E3%82%A3/dp/4087734811/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1353154495&sr=8-1

あっという間に読み終えてしまいます。

そして来週、著者が登場します。

http://www.institut.jp/ja/evenements/12331

これはおもしろそうですね。


面出し御礼

今日は近所の「丸善&ジュンク」をのぞいてみました。
壁面いっぱいに設えられた「新書・今月の新刊」コーナー、
ここではすべて新刊新書が面出しになっていて、
その1番上の左端に、ありました、『エキゾチック・パリ案内』登場です。
赤い帯が、目を引きます。(と思います!)

そして語学書のコーナーでは、
『初級卒業講座』、ありがたいことにこちらも面出しです。

本屋をぶらぶらしてたら、
結局3 時間も経っちゃいました!

2012年11月15日木曜日

新刊 2 冊、「在庫あり」!

2 冊の新刊、
ついにアマゾンに入荷、
「在庫あり」となりました!



http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%BE%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AA%E6%A1%88%E5%86%85-%E5%B9%B3%E5%87%A1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%B8%85%E5%B2%A1-%E6%99%BA%E6%AF%94%E5%8F%A4/dp/4582856616/ref=sr_1_8?s=books&ie=UTF8&qid=1352622728&sr=1-8

これは平凡社新書のHPでも、
紹介されています。

http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/series.sinsho/

この帯は、
わたしがシャトー・ルージュで撮った写真を使って、
若くて優秀な女性編集者が作ってくれたものです。
この赤、実はあの三色旗の赤と同じ色に指定してくれたそうです。
そう言われると、どこかフランスっぽい「赤」ですね!?

写真&地図、満載で、
実際にパリの街角を歩いている感じを味わっていただければ、
という思いで作りました。
もちろんその街角は、「エキゾチック」なもので、
エッフェル塔やシャン・ゼリゼは出てきません!

もちろん、ただ歩くだけでなく、
たとえば「なぜパリ13区に中華街があるのか?」という、
素朴でダイナミックな問いにも、
できる限りの答えをご用意しました。
そこが分かると、
パリ歩きの味わいが、より一層深くなるのはまちがいありません。

そして、これ。



http://www.amazon.co.jp/%E6%B8%85%E5%B2%A1-%E3%83%AC%E3%83%8A%E5%BC%8F-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%AA%9E%E5%88%9D%E7%B4%9A%E5%8D%92%E6%A5%AD%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E2%80%95%E6%96%87%E6%B3%95%E3%81%8C%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B1200%E5%95%8F-%E6%99%BA%E6%AF%94%E5%8F%A4/dp/4140351144/ref=pd_sim_sbs_b_1

これは基本的には、
レナさん渾身の問題集です。
しかもただ問題が並んでいるだけではなく、
ちょいちょい出てくる「初級卒業のために」というコーナーで、
大事な点はじっくり復習、
しかも他の項目との「チガイ」や「つながり」を、丁寧に説明しています。
まさに、「初級卒業」のための1冊です。

どちらも、お役に立てば嬉しいです!!

2012年11月14日水曜日

到達点

この時期になると、
いくつかの版元から、
来年度用の教科書見本が送られてきます。
わたしは、こうした教科書を眺めるのが嫌いではないので、
とりあえず他の先生方の試みを拝読します。

ただ、今回の新刊見本の中には、同業者として、
「?」という思いを抱かざるを得ない記述もありました。
たとえば、ある文法用テキストでは、
リエゾンとアンシェヌマンを扱う個所で、

ア:~単語末の発音される子音字の……
リ:~単語末のふつうは発音されない子音字の……

と説明があるのですが、これはどうでしょう。
アンシェヌマンで問題になるのは、「子音字」ではなく「子音」です。
ここを混同しちゃダメダメ! と、
授業で言っているところです。
(elle a はアンシェヌマンですが、「発音される子音字」どころが、
母音字で終わっています。
ここは、「子音」で終わっている、と説明すべきところでしょう。)

これは、決して重箱の隅ではなく、
多くのテキストではクリアされているところです。
編集者が気づいてもよかったかもしれません。

そうかと思うと、素晴らしいデキの新刊もありました。
これは、大学の授業で使うことを想定して作られているので、
独習には向きませんが、
一応その書名を挙げるなら、

http://www.sanshusha.co.jp/text/isbn/9784384210439/

この本、『ディアグラム』は、
日本で出版されたフランス語文法の教科書としては、
1つの到達点だと言えると思います。
生意気なことを言うようで申し訳ありませんが、
この教科書の良さがわかるには、
教員としての経験が、10年くらいは必要だと思います。
この教科書の中心著者が、たとえばラジオ講座でも担当すれば、
相当充実したものを作ってくださる気がします。
以前、大阪市立大学の福島先生が作った番組を聞いてみたいと書きましたが、
この渡辺先生の番組も、ぜひ聞いてみたいです。

というわけで、
改良の余地があると思われるものもあれば、
素晴らしいものもある、
見本教科書の秋です。

2012年11月12日月曜日

Pink SUBARU

日本人監督による、イスラエルを舞台にした映画、
『ピンク・スバル』を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=UnSfvJm1-BU

解説によると、かつてイスラエルで自動車需要が高まっていた時期、
この国にクルマを売ろうとするディーラーはなかったそうです、
富士重工以外は。
それはもちろん、イスラエルと取引すれば、
アラブ諸国から出入り禁止にされてしまうからでした。
その結果イスラエルでは、クルマの80%がスバルという事態が発生たようです。

そしてパレスチナでは、
それに輪をかけてクルマが少なく、
勢いクルマ泥棒が増え、解体屋が儲かる、ということになり、
この映画の主人公もその犠牲となってしまうわけです。

ただ注意しなければならないのは、
映画の舞台となったタイベという街は、
「アラブ人」の居住区だということです。
(主人公の妹の名は「アイシャ」です。
これは「アラブ」ですね。)
で、
主人公たちはパレスチナ側に入り込みますが、
つまりこれは、
アラブ人がアラブ地区に入っている、ということであり、
基本ユダヤ人の影は差してこないのです。
そういう意味では、
イスラエルのアラブ社会、がテーマだということもできそうです。

そう、これは映画では触れられていませんが、
フランス語版のwiki によれば、
イスラエルにおける「スバル」の位置づけは、
「アラブのクルマ」ということのようです。
その証拠に、ある連続テレビドラマの中で、
スバルに乗っているだけで警官に止められるシーンがあるとか。
彼はその後、より値の張る「ユダヤ人のクルマ」を買うことになります。
『ピンク・スバル』においても、
このあたりまで踏み込めば、
さらに複雑な味わいが出たかもしれません。

2012年11月11日日曜日

シャモワゾー来日

シャモワゾーが来日します。
早くも明日には、新宿に登場予定。

講演会は4回。
以下の通りです。

http://mangrove-manglier.blogspot.jp/ からコピペします。)


******************************************************

(1)《対談 パトリック・シャモワゾー×大江 健三郎 「文学の力」 》(司会:堀江 敏幸)
■日時 2012年11月12日(月) 18時30分開演(18時00分開場)    
■会場 紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店 新宿南店7階)
■料金 1,200円(全席指定、税込) ※同時通訳付き
■電話予約、お問い合わせ先
 紀伊國屋サザンシアター TEL 03-5361-3321(受付時間10:00~18:30)
■前売取扱い ※チケット発売は、10月12日(金)より開始
 ・キノチケットカウンター
  (紀伊國屋書店 新宿本店5階 受付時間10:00~18:30)
 ・紀伊國屋サザンシアター
  (紀伊國屋書店 新宿南店7階 受付時間10:00~18:30)
■共催 在日フランス大使館、紀伊國屋書店
(2)《パトリック・シャモワゾー講演会 「戦士と反逆者 クレオール小説の美学」

日時:20121113日(火)19時-2030
場所:東京大学本郷キャンパス 法文2号館2階 文学部1番大教室
進行:星埜守之、塚本昌則
同時通訳付き
 聴講自由、事前予約は不要
 お問い合わせ先:フランス語フランス文学研究室
 Tel : 03.5841.3842  futsubun@l.u-tokyo.ac.jp
 
(3)《パトリック・シャモワゾー講演会 「カタストロフィと正義」

日時 2012年11月15日(木) 17:00 ~ 19:00
場所 立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム 京都市北区等持院北町56-1
モデレーター:ポール・デュムシェル(立命館大学先端総合学術研究科教授)、
        中川成美(立命館大学文学部教授)
同時通訳あり、入場無料
 
お問合せ:立命館大学国際言語文化研究所事務局Tel.075-465-8164
料金:入場無料 

(4)《パトリック・シャモワゾー+吉増剛造 「口承性とエクリチュール」(司会:ミカエル・フェリエ)

日時:20121117日(土)19時-2100
場所:アンスティチュ・フランセ東京 〒162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15

    Tel:03-5206-2500  Fax:03-5206-2501
    JR飯田橋駅西口より徒歩7分 : JR総武線

料金: 入場無料

*********************************************************

そして、

http://www.institutfrancais.com/fr/feuilles-d’automne-au-japon

の1番下の Expand をクリックすると、
シャモワゾーの紹介本の和訳が読めます。
塚本昌則&中村隆之訳です。
 

2012年11月9日金曜日

見本出来!



発売まで1週間となった2冊、
今日、同時に見本が到着しました。

どちらの本も、優秀な編集者の助けなしには、
ここまで来られなかったでしょう。
感謝です!!

2012年11月8日木曜日

灰と頬:メランコリア1

この夏「青森合宿」に行ったとき、
仲良くさせてもらったアーティスト、
富田俊明さんの個展が、
表参道画廊で開催中です。

http://www.omotesando-garo.com/expo/index.html

表参道のA2 出口からなら、5 分ほど。
お近くをお通りの際は、ぜひのぞいてみてください。
1つの部屋全体が作品であり、
そこは、命が吹き込まれた空間になっています。


一夜

というわけで昨夜は、
先日ご紹介したイベントに行ってきました。
対談者である管さんの感想を;

http://monpaysnatal.blogspot.jp/2012/11/blog-post_8496.html

若々しく、自信にあふれた好青年で、
とても眩しかったです。
これからの作品にも、注目していきたいです。

また、会場になったセルバンテス文化センターは、
スペイン語教室なども併設されていて、
オーラ! しか知らない身には、
完全にアウェーな感じで、
ただそれもまたちょっとオツでした。

会場には、翻訳本の版元である白水社の人たちもいらっしゃって、
久しぶりに顔を合わせて、嬉しかったです。
みなさん、お変わりなくて。

ここは、市ヶ谷と四ツ谷のやや市ヶ谷寄り。
ただ昨日は時間があったので、
大学時代に通って馴染みのある四ツ谷から行くことに。
そして軽い夕食をと歩いてみると……

「しんみち通り」は相変わらずにぎやかで、
30年前に何度も行った店もいくつかは健在でしたが、
なくなってしまった店のほうがやはりずっと多いのでした。
まあ、当然? でしょうか。

そして駅前をさっそうと歩く若いサラリーマンやOLさんたち。
もし彼らが20歳代だとするなら、
わたしが四ツ谷駅前の大学を卒業したころ、
彼らはまだ生まれてなかったことになります。

光陰矢のごとし。

2012年11月5日月曜日

monsoon wedding

というわけで、久しぶりに見てみました、
『モンスーン・ウェディング』です。

http://www.youtube.com/watch?v=sjQjw-UyAX0

監督は、パンジャブ人のリアルな姿を描きたかった、
と言っていて、
なるほど生気にあふれたその暮らしが映し出されています。
ヒンドゥーの結婚式は、
1週間ほど続くそうで、その間に遠方からも人々が集まり、
クライマックスに向かって進んでいくわけです。
花嫁が昔の彼氏に会いに行ったり、
幼女を狙う金持ち中年男がいたり、
自分を生きようとする独身女性がいたり、
シェフになりたいと言う息子と、
男らしい男になれと言う父親がいたり……
つまりヒンドゥーの世界も、
わたしたちの世界と地続きです。

この映画の中では、
いわゆるカーストについてははっきりとは描かれていませんが、
ただ1か所、
結婚式のコーディネーターであるやり手の男性が、
金払いの悪い雇い主をこき下ろして、
「身分もくそもあるか!」
と仲間たちに言い放つ場面があるくらいです。

(ここの英語字幕は、
The one-rupee era is over !
なんですが、
「1ルピー時代」とは何なんでしょう?)

仏教発祥の地でありながら、
8割ほどがヒンドゥー教徒であるインド。
(どうしてそうなったかは、
突き詰めると謎だと言われますが。)
インドが注目される文脈は少なくないと思いますが、
簡単にわかる世界だとは思えません。
でも、興味はありますねえ。

そういえば、ゾロアスター教徒もいるわけでしたね。

http://tomo-524.blogspot.jp/2010/09/blog-post_26.html

Tree

吉祥寺。
最近は年に数回しか行きませんが、
高校生のころからなじんでいる街の一つです。
当時は(そんなにおしゃれじゃない)ディスコもありましたし。

クリスマス・ツリーですね。

http://twitpic.com/baegj0

秋の

今日、
家の近くの公園を歩いていたとき、
パタパタパタ
と地面をたたく音がして、
見るとそこには今地面から跳ね返ったどんぐりの実が、
空中を滑っている途中で、
そのときまた風が吹いたらしく、
追いかけるように、
ふたたびあの固い打音が続いたかと思うと、
今度は広げた扇のような枯葉の波が、
ひらひらと身を翻しながら、
光を影を巻き込むようにして、
わたしの足元を浚っていったのでした。

2012年11月1日木曜日

『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』


最近の話題の本、と言っていいのでしょう、
これです;

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%AA-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF-%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%AA-%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%B9-%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%B3-%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%83%99/dp/4560090246

タイトルからして惹かれます。
帯の堀江さんの言葉もまた。

そして幸運なことに、
作家の言葉を聞く機会が、2 回もあるのです。

http://www.newspanishbooks.jp/events-jp/event-9780

1 のほうには、
翻訳者も登壇するのですね。

そして 2 のほうは、
管さんが登場。
これは期待できます!

今週末に読んでいけば、
これはいい体験になること間違いなしでしょう。

*2 の予約はこちら。

http://reservas.palabras.jp/ja/evento/257/%E5%87%BA%E7%89%88%E8%A8%98%E5%BF%B5%E5%AF%BE%E8%AB%87%EF%BC%86%E6%9C%97%E8%AA%AD%E4%BC%9A+%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%83%99

2012年10月30日火曜日

The namesake

2007年に日本公開された映画、
『その名にちなんで』
を見てみました。
女性監督であるミーラー・ナーイルは、
『モンスーン・ウェディング』のあとに、
この作品を撮ったことになります。

http://movies.foxjapan.com/sononani-chinande/

http://www.youtube.com/watch?v=Z-27dshhQl0

アメリカ映画は、
それはカー・チェイスも、宇宙人も、宇宙生物も、
それをやっつける女性も、金属性の生物も、
なかなか死なない男も、軍服の男たちも、女たちも、
マフィアも、クモ男も登場しますが、
それですべてというわけでもありません。

amerrika のことを書いたのは、
1年位前です。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/11/amerrika.html

もちろんこれもアメリカ。
そして『その名にちなんで』には、
インド系移民の夫婦、その子供であるNY生まれの兄妹が登場します。
言うまでもなく、これもアメリカですね。

主演のタブーという女優さんは、
わたしよりだいぶ若いですが、誕生日が一緒で、
個人的に親近感が湧きました。

http://fr.wikipedia.org/wiki/Tabu

映画としては、
飽きることはまったくありませんでしたが、
それでもやや説明的かと感じられる部分もありました。
大河小説の映画化の場合、
往々にして起きることだと思います。
(『ハリー・ポッター』でさえ、そう感じられます。)
でもトータルとしては、十分楽しめました。

監督はインタヴューで、

「私は米国でも、今だに冬に靴下を履きません。
綿のサリーに夫のコート、
サイズの大きすぎる手袋を身に付けたAshima(本作品に登場する妻)は、
足に何を履けばいいのか分からず、
雪の降るニューヨークで洗濯物を運びます。
この光景は私が米国で30年の間見てきたものですが、
スクリーンに登場したことはありませんでした」

これはおもしろいですね。

でもこうなると、久しぶりに、
『モンスーン・ウェディング』が復習したくなってきました。



2012年10月27日土曜日

『100の神話で身につく一般教養』

「伝説によると、セミはかつて人間であり、
ムーサイ(文芸を司る九人の女神)が生まれる前に存在していた人びとの仲間であった。
ムーサイが生まれて、
この世に歌が現れたとき、
当時の人間のうちある人びとは、
あまりに衝撃的な楽しみを知ったため、
食べたり飲んだりするのを忘れて歌いつづけ、
気づかずに死んでいった。
続いて、この人たちから蝉という種が生まれた。
蝉たちはひとたび生まれると、
いかなる栄養も必要としないが、
すぐに歌い始め、
いまわの際まで飲まず食わずで歌い続ける、
という特権をムーサイから賜った。」

↑ は、最新刊のクセジュ文庫(白水社)、
『100の神話で身につく一般教養』
に引用されている、プラトンの一節です。
もう、詩ですね。

「100の神話」の中には、
「ウェルキンゲトリクス」、「骰子の一擲」、「さまよえるオランダ人」、
「ドン・ファン」から、
「モナリザ」、「ミッキーマウス」、「ビン・ラディン」まで!
クセジュだけでしょう、こんな本!

2012年10月24日水曜日

今道先生

今日そのニュースを知ったのですが、
先週、哲学者の今道友信先生が亡くなりました。
学生時代、印象に残った先生たちが何人かいらっしゃいますが、
今道先生はそのお一人です。

授業は確か、「芸術哲学」を1年、「美学」を1年、だったでしょうか。
先生は東大から非常勤でいらしていたのですが、
わたしの出ていた授業の中では、ダントツに緊張のみなぎる授業でした。
私語なんてもってのほか、というか、
とてもそんなことができる雰囲気ではありません。
先生の語り口、語る内容、眼光、
どれをとっても、ほとんど畏怖の念を起させるものでした。
もちろん、遅刻などは問題外です。

ある芝居の幕開きの場面、
最初に発せられる言葉は、
「門を開け!」
なのですが、これはオリジナルはフランス語で、
Ouvrez la porte !
そしてこの最初の [ u ] の音が、
門が開いていくゆっくりした動きと一致し、
それはまた物語を扉を開く動きでもある……
空間芸術と、時間芸術の出会い、
というような話の流れだったと思います。

そうそう、ヨーロッパに暮らしていらっしゃった折、
友人だったアラブの王子様が、
これ誕生日に、と、
小象(!)をくれた話にも驚かされました。
あわてて返した、とおっしゃっていましたが。

そして先生は、芸術には、超越的なものへの怖れが必要だ、
とも繰り返されました。
(ただし、「芸術」は誤りで、「藝術」と書かなければ
意味が通じないのだ、ともおっしゃっておられました。)

それにしても、今気づいたのは、
この今道先生だけでなく、
村上陽一郎先生、阿部良雄先生、
印象に残った先生は、
東大から出講してくださった非常勤の先生たちが多かったことです。
やはりさすがと言うべきなのでしょうか。

今道先生の、ご冥福をお祈りいたします。

2012年10月23日火曜日

この時期の

風邪気味、から風邪に移行。
まあ寝込むほどではありませんが、
薬を飲んでいるのでややぼ~っとします。
話を聞くと、割と風邪の人もいるようですね。
どうぞお気を付けください!



2012年10月22日月曜日

Thanks

うまくしたもので、
昨日ゲラを発送した途端、
今朝から風邪気味です!
もちろん風邪は、
数日前に原因があるのでしょうけど、
気が緩むと症状が出るのは、
ありがちなことですね。

新書のほうの若き編集者M さんは、
てきぱきと「♪ ステキなタイミング」で、しかも緻密に仕事を進めてくれます。
この頃の若いもんは……なんて、
とても言えなくなくなる優秀さです。
NHK出版の編集のA子さんは、
考えてみるともう5 年の付き合いになります。
まあ、気心が知れているというか、
細かい統一などは、安心して頼ってしまいます。
そういえば、「テレビでフランス語」の担当であるE子さんにも、
かれこれ1年以上お世話になっています。
彼女もとても仕事がていねいで、
わたしが「まあいいか!」と思うレベルのことでも、
労をいとわず、ひとつひとつ直してくれます。
頭が下がります。

というわけで、
誠実な編集者のみなさんのおかげで、
なんとか仕事をさせてもらっている今日この頃なのでした。

2012年10月21日日曜日

発送

というわけで、
今日の午後に2 つのゲラを送り出して、
わたしの仕事は一段落となりました。

新書のほうは、口絵に使うカラー・ページの「色校」というものも出ていました。
きれいに色が出ていて、何も問題ありませんでした。

そして問題集のほうは、
これはまだまだフツーに直しがたくさんありました。
間違いを直すというよりも、
表の形を調整したり、解答欄の幅を変えたり、
フォント・サイズを大きくしたり小さくしたり、
イロアミをかけたり外したり、
別の項目との繋がりを註で付けたり、ですが。
そして明日には、NHK出版に、
レナさんが直したゲラとわたしが直したゲラが届き、
それと、編集のアキコさんが休日返上でチェックしてくれた分を合わせて、
1つの総合的なゲラをまたしてもアキコさんが作り、
明後日には、印刷所への入稿となる手筈です。
(今「にゅうこう」と入力したら、「入港」と変換されました。
Mmm、印刷所へ入港、それもいいかも?)
アキコさんは、まだこれから大変です!
(レナさんもわたしも、明日はいつ、
確認の電話がかかってくるかわからないので、
ケータイには注意が必要です、明日だけは。)

とはいえ、一段落です。
ちょっとほっとしました。

2012年10月20日土曜日

最後の

産みの苦しみ、
というと大げさですが、
この週末は、最後の最後のゲラ・チェックです。
どこへも出かけず、
ただゲラを見つめています……

でも、やっぱり嬉しい苦しさではあります。
少しでもいいものにしたいと思っています。

2012年10月17日水曜日

近刊! 『フランス語初級卒業講座』

今日は、天気予報がぴったり当たり、
しかもそれなしでは予想できなかった変化だったので、
やるな! という感じでしたね。

とはいえここ数日のツメツメ具合は続いていて、
今日もゲラ、明日もその続きのゲラが到着する予定です。
これは、11月に刊行を予定しているこの本のものです。

『清岡&レナ式 フランス語初級卒業講座~文法が好きになる1200問』

体裁:A5判並製 192ページ(オール2色)
発行日:2012年11月17日
定価:1500円+税
NHK出版

もちろん、レナさんとの共著です。
「問題集」ですが、一通りの解説も付いています。
そしてウリは、10個所ほど設けられた「初級卒業のために」です。
この、どこか「あしたのジョー」を思わせる(!)コーナーでは、
似たような項目のチガイが感じられるような、
そしてだからこそ初級卒業へと続くはずの、
たくさんの問題を用意しました。
そうです、コンセプトは、「脱・初級」! です。

なんの偶然か、この本、『エキゾチック・パリ案内』と、
ほぼ同日刊行になりそうです。
売れっ子の作家ならいざ知らず、
わたしなどの場合は、どんな形であれ、
年に1冊出せれば御の字なわけですから、
こんな偶然、最初で最後でしょう。

(ただ進行は「問題集」が遅れています。
今、猛然とスピードを上げて校正作業などが進んでいます。
間に合うか!?)

どうぞご期待ください!

デゾレ!

すみません、
明日以降、と言っておきながら、
今日は長~~~い会議に困憊し、
詰めの原稿も書かねばならなかったので、
また明日以降(!)、書きます。
デゾレ!

2012年10月16日火曜日

アラブ・エクスプレス展


今日は神保町に出たついでに、
六本木の森美術館で、
「アラブ・エクスプレス展」を見てきました。
もう夏前から行きたかったのですが、
いつもながら、会期終了間近の訪問となりました。

これは、一言で言っておもしろいです。
個別にはまた明日以降に譲りますが、
とにかく、こういう展覧会は、またとない機会です。
お時間があれば、ぜひ。

ちなみに、
"I'm sorry." という模様(?)の飴ちゃんや、
グッとくる絵葉書も貰えます。
それらは作品の一部なんですが、
くれるんですね。

http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/index.html

2012年10月14日日曜日

筋書きのない

MLB、盛り上がってますね。

先日のイバニェスの連続HRにもしびれましたが、
今日の同点HRも、「信じられない」としか言いようのない一発でした。
9回、おそらくヤンキースを応援をしている誰もが、
イバニェスまで回して!
と念じていたと思いますが、
実際前のバッターが四球で、ほんとに回ってきましたが、
まさかHRとは。
たまげました!

でもヤンキース、こういう試合は勝たないと……
せっかくの「奇跡」が、引き立て役になってしまいます。
(ただ、恨み言を言うようですが、
1回も2回も、ヤンキースの3アウト目は、
判定ミスだったと思います。
つまりヤンキースには、あの時点で得点が入っていたはずで、
そうしたら、まったく違う展開になっていたでしょう。
つき物とはいえ……)

そしてなんと、ジーターが骨折! 痛すぎます。が、
明日も試合はあるわけで、
とにかく、いいゲーム、スリリングなゲームを期待します。

というわけで、
ゲラをテーブルに広げながら、
ついテレビに見入ってしまった日曜でした。
(それじゃだめじゃん!)

2012年10月12日金曜日

東京堂

今日は授業と会議(×2)のあと、
学内の資料室で同僚の先生たちとちょっと飲みました。
ある先生の、簡単な慰労会です。
会費1000円で、カワキモノと回転寿司(の持ち帰り用)という内容でしたが、
週末だし、なごやかないい雰囲気で、楽しかったです。
11月には、「遠足」にも行くことになりました。

さて、神保町の東京堂書店、
そのHPには、
「本のソムリエ〜プロのお薦め本〜」
というコーナーがあるのですが、
そこで『東京詩』を取り上げてもらっています。

http://www.tokyodoshoten.co.jp/

こういう風に紹介してもらえるのは、
とてもありがたいです。
せっかくなので、消えないようにコピペしちゃいます。

都市を生きることは、その記憶を生きること。
明治新政府が東京府を創設してから約140年。
東京は政治経済社会文化といったあらゆる領域で
自己を絶えず更新し続ける巨大なシステムであるが、
同時に一つの世界であり、器でもある。
詩人たちの眼差しが自らの生活空間を捉え始め、
東京の手触り、深い交感を捕まえようとした変遷がこの本の中にある。
数ある東京ガイド本の中にあっても決して埋もれない逸品。

やっぱりありがたいです!

2012年10月11日木曜日

古書

だいぶ涼しくなってきました。
大学の授業も、アクセルを踏み始めてから、
今やっと30k か40k くらいまでスピードが出てきた感じです。

今日は大学で、やや高価な古書を見る機会がありました。
パリに関する本なんですが、
まあ古い言い回しを使うなら、
喉から手が出る、という感じでしょうか。
200年くらい前の、状態のいいものでした。

古書を渉猟して、見つけ出し、手に入れる。
というようなことは、あまりやりません。
(全然やらないとは言いませんが。)
でもこういう本を目の前にすると、
手元においてじっくり読んでみたくなるのは事実です。

ま、あれもこれもやってみたいんですけどね!

2012年10月8日月曜日

『映画の瞬き』

ここでは、好き勝手に映画のことなどを書いていますが、
ちゃんとシネマ・スタディーズを学んだわけでも、
現場に参加していたわけでもないので、
多少申し訳ない気分もあります。
詩や、小説やを読むときと、映画を見る時を比べると、
奥の奥では、相当近いと思っていますが、
たとえば技術、つまり表現の方法などは、
もちろん別の世界の話です。

稀には、詩や小説が複数人で書かれることもあるでしょう、稀には。
けれども映画は、作品にもよりますが、
それでも一般的には100人以上が関わるのではないでしょうか。
共同制作、というのが、文芸との大きな差の1つでしょう。

そして映画制作スタッフの中には、編集者という人がいます。
まちがいなく、重要な仕事です。
有名な編集者としてすぐに思い浮かぶのは、
『地獄の黙示録』などを手掛けたウォールター・マーチでしょうか。
彼はこんな本を書いています。

http://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E7%9E%AC%E3%81%8D%E2%80%95%E6%98%A0%E5%83%8F%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E4%BB%95%E4%BA%8B-%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81/dp/4845908204/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1349623489&sr=8-1

この本、翻訳も読みやすくて、
もちろん内容も面白いと思います。
たとえば、
監督が用意した素材があるとして、
その同じ素材を使って、別の人間が編集すると、
それはまったく違う作品になる、というのです。
そうだろうと思います。

編集が際立った個所として知られるのは、
『ゴッドファーザー』の最後の30分でしょう。
あの作品は、編集者が2人いたのですが、
そのうちの後半を担当したのは、ピーター・ツィナーでした。
彼は、Ⅱにも参加することになるわけですが、
彼のあの編集なくして、
『ゴッドファーザー』は『ゴッドファーザー』にならなかったでしょう。

時々、ディレクターズ・カットなんていう触れ込みを目にしますが、
それは必ずしも、ベストになるとは限らないのでしょう。

2012年10月4日木曜日

Don't cry ! You're young !

わたしにとっては初めてのことなんですが、
今手元に、3 つのゲラがあります。
というわけで今日は1日中、
そのどれかを見ている感じでした。

とは言うものの、
ヤンキース地区優勝のかかった試合は、
見逃すわけにもいきません!
イチローの2塁打もきれいでしたが、
グランダーソンの1本目、
まさに快音を残す、うっとりする打球でした。
球場にいたら、きっとこんな音なんだろうと想像しながら、
見ていました。

もちろん打球という点では、
カノーのあたりのほうが凄まじかったと言えるでしょう。
あのスイングの速さ。
ファウルになると思ったのに、
手首の返しを遅らせてるんでしょうか、
切れずにそのまま、それも特大。
新人の頃はエラーが多かったけれど、
最近はそれも少なくなり、
まさに一流プレーヤーですね。

そして辛かったのは、マツザカです。
KO されて、監督に肩を抱かれたときは、
明らかに涙をこらえている表情でした。
最終登板に、賭けるものがあったのでしょう。
もしかしたら、これがMLBでの最後の登板になるかもしれず……
でも、復活して欲しいです。

さ、ではゲラに戻ります!

2012年10月2日火曜日

サヨナラ、『パリ24時間』

 

フランス語の教科書は、今までに5 冊作りましたが、
その中の1冊、『パリ24時間』という教科書は、10課からなり、
たとえば朝8:30 のサン・ラザール駅とか、
午後4時のアンジェリーナとか、
それぞれが違う場所と時刻の組み合わせでできています。
最後の10課は、午後12時のエッフェル塔で、
まあこういう形で、「パリの1日」を表現しようとしたわけです。
ところどころに挟まったコラムには、メトロの歴史、
なんかも扱われています。というか、いました。

先日、この本の版元から一通の手紙が届き、
今後売れる見込みが立たないため、残部を裁断する、
と告げられました。

まったく仕方ないことだと思います。
ただ、やはりそこには、一抹の寂しさもないわけじゃないです。
表1(画像)のイメージを、イラストレーターと話し合ったのが、
懐かしく思い出されます。吉祥寺でした。

サヨナラ、24 heures, à Paris !

   
  
      ★

そしていよいよ明日、
「テレビでフランス語」の再放送が始まります。
今期は夜10:25 からです。
よろしければ!

2012年10月1日月曜日

『Agend'Ars 3 海に降る雨』



「足跡がつづいていた、という文の主語は何だろう
足跡はそれ自体決して主語になれない
それは動かない、そうではありませんか」

確かに。それは動かない。
だから「その答えはたとえば「きつね」
なのだし、そこにある人間、
歩き続ける人間の姿を嗅ぎつけることもできるでしょう。
「見えない道」を、「猟犬のように進む」のは、誰か。
彼/彼女が歩くと、「音楽が鳴り出す」
そして「たちまち風が起こり暗い雲が湧き
竜巻が起こりときおり稲妻がきらめく」
それにしてもなぜ、歩くのか?

歩くことそれ自体に祈りとしての価値があるのだ(……)

管啓次郎の第3詩集、『Agend'Ars 3  海に降る雨』。
この小さな本には、嵐が渦巻いています。

http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E3%81%AB%E9%99%8D%E3%82%8B%E9%9B%A8-AgendArs3-%E7%AE%A1-%E5%95%93%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4903500810/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1349067092&sr=1-1

この詩集を読むことは、
めくるめく、という表現が誇張ではないような、
一つの「経験」です。

この詩集を机に載せ、いつか、
体調のいい朝が巡ってきたとき、
深呼吸したら、本を手に取り、
向かい合ってみる、
それは1つの「経験」にちがいないのです。

横たわったまま次の航海を
おれはきわめて冷静に想像し計画する
おれがいま死んでいるこの島ではない島で
またいつか新しく死ぬために

2012年9月30日日曜日

Jaffa


テル・アヴィヴの南側に位置する港町、ヤッフォ。
この土地の名そのものをタイトルにした映画、
『ヤッフォ』
を見てみました。

DVD のパッケージ裏面には、
「中東のロミオとジュリエット」という宣伝文句が踊り、
さらには、
「今日のイスラエルで、
ユダヤ人女性はパレスチナ男性を愛することができるのか?」
とあります。
ただし、この現代版の「ロミオとジュリエット」は、
なかなかに悲痛な物語でした。

http://www.youtube.com/watch?v=bCKtnl5qG6c

ルーヴァン一家は、ヤッファで小さな自動車整備場を営んでいます。
父、母、息子メイール、そして娘のマリ。
ただこの25歳くらいに見える息子は、
働くのが嫌い。
だらしない、器の小さい男です。
彼はアラブ人差別主義者でもあります。

この整備場では、アラブ人親子、
ハッサンとトゥーフィクも働いていますが、
このトゥーフィクはとても働き者で、
いつかマリと恋仲に。

けれどもある日事件が起こります。
イラチのメイールがトゥーフィクに喧嘩を仕掛けます。
そしてメイールが倒れた拍子に、頭を強く打って……
トゥーフィクは可哀そうに殺人罪に問われ収監されますが、
実はこの時すでに、マリは妊娠していました。
もちろんトゥーフィクとの子供です。
彼女は、中絶の予約を取りますが、
結局、どうしてもそれはできません。

そして9 年後、
やっと出所できたトゥーフィクは、
マリに連絡を取ろうとします。
自分の子供が生まれていることなど、
まったく知らずに……

悲しい映画ですが、
胸に迫るものがあります。
先日の『ガザのブタ』もそうですが、
こういう作品がどんどん公開されると、
中東の理解も深まるのになあと思います。

ところでマリの母親役を演じているのは、
あのロニ・エルカベッツです。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/mariage-tardif.html

やはり、存在感は抜群でした。

Dans la vie

Dans la vie という映画を見てみました。
もちろん、In the life ということですね。

主役は、フランス南東部に暮らす2人の女性。
共通点は、おそらく60~70歳くらいであること、
そしてアルジェリア出身であること。
違いは、一人がユダヤ人(エステル)で、
一人がムスリム(アリマ)であることです。
エステルは車椅子生活で、看護を必要としていますが、
希望のなさからくるわがままのため、
介護するアシスタントが長続きしません。
そんなとき訪問看護に来たセリマは、
途方に暮れるエステルの息子に対し、
自分の母親、アリマを紹介するのです。
ここから、アリマがエステルを介護する日々が始まります。

http://www.allocine.fr/video/player_gen_cmedia=18798655&cfilm=127409.html

ユダヤ人とムスリム。
しかもテレビからは、ガザ地区での戦闘のニュースが流れ……
喧嘩もしますが、
結局二人は、人間的な深みのどこかで繋がることができます。

地味な映画です。
その最大の理由は、音楽が控えめなせいでしょう。
また画質も、2007制作にしては、明るさが足りない感じ。
しかも主演の二人は素人なのです。

でもトータルとして見れば、
悪くない作品だと思います。
なんといっても、アルジェリア出身の二人の女性、
ユダヤ人とムスリムを出会わせたという点が重要です。
そして、
アリマは年配なのに、
自分で働いてそのお金で巡礼に行きたい、
しかも目の前に困っている女性がいるんだから、
それを助けるのは当然のこと、
彼女がユダヤ人かどうかなんて、今は関係ない……
と主張します。
これは他の作品では、若い世代が言うセリフである気がします。
アリマが言うと、新鮮です。
たとえ近所のうるさがたが「ユダヤ人の金で巡礼かい?」と揶揄したり、
息子が「恥を知りなよ」なんて言っても、
堂々と自分の主張を展開します。

共生、と言ってしまえばそれまでですが、
「生活」のレベルで、それを体現する女性たちの話でした。

*小さなことですが、
映画冒頭、ある家庭を訪問したセリマは、
患者である白人男性から、
 « Je n’aime pas les gens comme vous »
と、「アラブ人」差別を露骨に表明されます。

また、セリマとエステルの会話の中で、
アルジェリアではユダヤ人とムスリムは仲良く暮らしていたことが確認されますが、
エステルは、
「でもわたしたちアルジェリアのユダヤ人は、
結婚だけは、自分たち同士でしかしなかった。
モロッコのユダヤ人とも、チュニジアのユダヤ人ともしなかった」
と発言します。
この点は、いつかどこかに繋がりそうな気がします。

2012年9月28日金曜日

KUSAMA


NHKスペシャル、「草間彌生」を見ました。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0928/

激しい、厳しい、たくましい、そしてかわいい。
見ていて、うなる場面が多い番組でした。

再放送は、10月3日 NHK総合/25:25~26:14

です。

Obama : musulman noir

マドンナ。
今度はオバマのことを、「黒人ムスリム」だと?

http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2903868/9582811

ただし 別のインタヴューを読むと、

「オバマがムスリムじゃないことは、もちろん知ってる。
それからこの国(アメリカ)には、彼のことをムスリムだと思ってる人が多いこともね。
でも、もし彼がほんとにムスリムだったらなんなの?
わたしが言いたいのは、いい人はいい人だってこと、
その人が誰のために祈っていようとね」

英語だと:

“Yes, I know Obama is not a Muslim -- though I know that plenty of people in this country think he is. And what if he were? The point I was making is that a good man is a good man, no matter who he prays to."

フランス語訳だと:

«Oui, bien sûr je sais qu'Obama n'est pas musulman, mais je sais que beaucoup de personnes dans ce pays croient qu'il l'est. Et qu'est-ce que ça ferait s'il était (musulman)? Ce que je voulais dire c'est qu'un homme bien est un homme bien, quel que soit son Dieu.........»

http://www.lefigaro.fr/musique/2012/09/27/03006-20120927ARTFIG00422-obama-musulman-noir-madonna-se-voulait-ironique.php

2012年9月27日木曜日

Le Cochon de Gaza


ガザ地区を舞台にしたコメディ、
『ガザのブタ』
を見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=vPEZUUQm6F0

ガザ地区は、パレスチナ人の土地であり、
アラブであるパレスチナ人が住んでいるわけですが、
ご存じのとおり、
イスラエルが入植していて、
高いフェンスでその土地を囲ったり、
あるいはパレスティニアンの家を武器によって接収したりしています。

そんな中、やはり2階をイスラエル側の兵士に使われている、
もう老年に差し掛かった夫婦がいます。
夫は漁師ですが、稼ぎが少なく、生活は苦しい。
そんな折、彼が釣り上げたのが、なんとブタだったのです。

これはまあ、おとぎ話なのか、リアルなのか。
(いや、リアルということはないんでしょうけど。)
で、彼を含むムスリムにとって、ブタは「不浄」。
そしてユダヤ人にとってもまた、事情は同じですね。
でも困窮している彼は、
なんとか少しでもこのブタでお金を作りたいと思うわけです。
そして最後に見つけ出したのが、
フェンスの向こうでブタを買う女性です。
彼は彼女にブタを売ろうとしますが、
彼女が欲しいの精子だけだと言います。
さあどうしましょう……
(ここまでで物語の25%くらい。)

この夫を演じるのは、『迷子の警察音楽隊』でも主演していた、
イスラエルの有名俳優、サッソン・ガーベイです。
彼はイラク生まれで、子供時代にイスラエルに移住したユダヤ人ですが、
この映画ではアラブ人を演じています。

コメディなんです。
でも最後には、やはり「平和」への祈りが込められていて、
「平和」というものが、抽象的な何かではなく、
今目の前で実現できる手応えのあるものとして意識されているのが、
よくわかりました。
ちょっと風変わりな、おもしろい映画でした。

2012年9月26日水曜日

芝生へ

授業も一周し、
早くもフツーの大学生活になってきました。

今わたしのいる建物の隣りの古い校舎を壊していて、
毎日見るたびに、少しずつ原形を失っていくのがわかります。
その2階建ての校舎では、授業をしたこともないので、
ほとんど思い入れはありません。
跡地はどうも緑地になるようなので、
そちらが待ち遠しい感じです。

そういえはMLBが大詰めで、
ヤンキースの試合もレンジャースの試合も、
いつの以上の緊迫感がみなぎっています。
そしてその球場の、芝生。
これは美しいですね。
街中で見かける小さな芝生の空間にも、
スタジアムのそれと繋がるものを感じます。

古いかもしれませんが、
やっぱりドームより屋根なし、
人工芝より自然の芝が好きです。

2012年9月24日月曜日

いい感じ

今日は久しぶりに新宿へ。
相変わらず、人は多く、うるさく、ごみごみしていて、
肌になじみ、ある種の深呼吸が可能な空間です。

で、目的は、打ち合わせ。
11月に予定している本の、
タイトルを考えたり、口絵写真を選んだり。
本文はもう(ゲラとして)印刷されているのに、
まだタイトルが決まらないのが、
わたしも少し不思議な気もしますが、
まあ考えてみるといつもこんな感じだった、かな?

それにしても今回は、
写真もたくさん、地図もたくさん入れてもらえて、
とても感謝しています。
文章の部分はともかく(?)、
地図と写真はとてもいいです。
どうぞご期待ください!

無題

引っ越し以来、
東京新聞も読み始めました。
スポーツの写真にしても、
小さなコラムにしても、
もちろん大きな記事でも、
たとえば朝日とは、やはり違いがあります。
そして、

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012092290070744.html



2012年9月22日土曜日

夏の

というわけで始まりました、新学期。
でこの時期は、やれ申請書だ、やれ報告書だと、
書類仕事が多めです。
授業のような、ある種のパフォーマンスのようなものではなく、
決まったフォーマットにちゃんと書く、というものです。
得意だとは言えませんが、
まあ、たいていの仕事には付き物、かな?

昨日の3 4年生相手の授業では、
初回のガイダンス代わりに、
各自1分ずつ、「夏の思い出」を語ってもらいました。
国内旅行とバイトの話が多かったですが、
目立っていたのは、やはり少数の海外組。
ルート66をレンタカーで5000キロ走ってきたグループ。
ガンジス川で、小舟に乗って現地の人と食事をしていたら、
真横を遺体が流れてゆくのを目の当たりにした学生……。

でもぜひ、
おもしろかった、すごかった、
では終わらせないようにね、
とわたしは言ったのでした。

2012年9月20日木曜日

明日初日

ついに! 今日から後期の授業が始まりました。
わたしにとっては、明日が初日です。

今年の夏休みは、
引っ越しがあったおかげで、
青森合宿以外はどこへ旅行するでもなく、
ひと夏東京で過ごしました。が、
来年はまた、(あるいはできれば春にでも)
どこかに行きたいと思っています。
死ぬまでに行ってみたいところはいくつかありますが、
たとえばモーリシャスなんかも面白そう。
マダガスカルもいいですね。
でもいざどこかへ、となると、
ついパリに行きたくなってしまうのは、
なぜなんでしょう?

左右社全点フェア

東京堂書店、神保町店3 Fで、
「左右社全点フェア」を開催中です。

http://sayusha.com/sayusha/events.html

お近くをお通りの際は、覗いてみてください。
わたしも「パリ本」を選びました。

2012年9月19日水曜日

Vincent Lindon


95年に発表されたフランス映画『憎しみ』は、
その時点でもセンセーショナルでしたが、
2005年のパリ郊外の暴動の後、
10年も前に予言していたとして、
再び注目されました。
今でも、もちろん見る価値のある映画だと思います。
まあ、それはそうなんですが。

物語の本筋とはそれほど関係なく、
パリでクルマを盗もうとしていた主人公3 人の前に現れる1人の酔っ払い(画像)、
訳のわからないことを喚いた末に、
けれども彼らを追おうとする警察の邪魔をし、
彼は3 人を助けることになります。
そしてこの酔っ払いを演じていたのが、ヴァンサン・ランドン。
『女はみんな生きている』の中年オヤジ、
『君を想って海をゆく』のやはり中年オヤジ、などを演じた彼です。

その彼が、なんと「もうすぐ引退するよ」!

http://www.gala.fr/l_actu/news_de_stars/quelques_heures_de_printemps_vincent_lindon_veut_arreter_le_cinema_272030

単純に同世代の俳優だし、
中年オヤジ仲間として親近感を持って見ていた俳優なので、
ちょっとショックです。
なんというか、不屈のジジイとなって、
スクリーンに立っていてほしい気がします。

でも、(根拠はないんですが)撤回することもあるだろうと思っています。
少なくとも、そう希望しています。

2012年9月18日火曜日

「テレビでフランス語」10月号


今午後11時過ぎ。
外は土砂降り。雷鳴が轟いています。

明日の東京の天気予報は、
午後は晴れて30度を越えると。
で、ふとパリの明日はと見てみると、
最高気温は……17度!?
うらやましいような、そうでもないような。

そして本日、「テレビでフランス語」10月号、発売になりました★

http://sp.nhk-book.co.jp/text/detail/index.php?textCategoryCode=06485

去年の春の講座の再放送ですが、
「文化コーナー」は差し替えらている週もあります。
どうぞお楽しみに!
(放送は10月3日から。)

それにしても、
季節の変わり目に差し掛かり、
そろそろ夏バテが来るころですね。
ご自愛を!

2012年9月16日日曜日

Délice Paloma


『アイシャ』の叔母さん役で、
抜群に目立っていたビウーナ。
とりわけその迫力のダミ声ときたら!

で彼女のことが気になっていたので、
見てみました、ビウーナ主演の作品、
Délice Paloma
です。
このタイトルは、劇中に登場するおしゃれなカフェのスペシャリテの名前ですが、
その店で彼女がスカウトした若い女性にも、パロマと名乗らせます。

舞台はアルジェ。
ビウーナが刑務所から出所する場面から始まります。
かつて悪徳弁護士としてのし上がったビウーナは、
子供時代に過ごした大ホテル、「カラカラ浴場」を買い取り、
そして甦らせようとしたんですが……

http://www.youtube.com/watch?v=jzUT5UgwkpA

まあ言ってしまえば、B級なのかもしれません。
(パリ・マッチは、アルモドヴァル監督と比較していますが。)
ビウーナが元気なので見ていられますが、
それでも2時間9分はやや長いかも。
もう少し編集できたかもしれませんし、
物語の90%以上が回想ですから、
これはちょっと安易な構成と言わざるを得ないですね。

それにしても、フランスにいるビウーナしか知らなかったので、
高層マンションの最上階から、
港町アルジェを見下ろしている彼女の姿は、印象的でした。
彼女は、アルジェの出身なんですね。

2012年9月15日土曜日

Comme les autres


 いわゆる「homo 映画」を見る機会は、
そんなに多くありませんが、
今日見た Comme les autres (Like the others)はまさにそうした1本でした。

http://www.youtube.com/watch?v=I5nBNa8IMAo

主人公は40歳代の小児科医、マニュ。
彼はもう15年、カレシである弁護士フィリップと暮らしています。
もちろん周囲も、そういう彼を受け入れています。
というかマニュは、とても感じのいい、優しい人なので、
周りの人は彼が大好きです。
(マニュを演じるランベール・ウィルソンは、
その後『神々と男たち』で主演することになります。
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html

そしてマニュの最大の望みは、子供を持つこと。
でもフィリップは、そんな気がなく、
結局2人は別れざるを得ません。
でマニュは養子の道を探しますが、ゲイであることがばれて失敗。
(ゲイじゃなぜいけないのか、という根本的な問題も問いかけます。)

するとあろうことか、
交通事故を通して知り合った、アルゼンチンから出身の若い女性フィナに、
「白い結婚」を申し出ます。
不法滞在中の彼女にはフランス国籍を、
自分には子供を、というわけです。
もちろんフィナは怒り出します。
でも……

その後フィナがマニュのおかげで送還を逃れられたり、
彼の家の居候となったりする過程で、
フィナはあの申し出を引き受けることにします。
それはパスポートのためじゃありません。
彼女はマニュを愛し始めていたのです。

けれどここでまた問題が。
検査の結果、マニュは無精子症であることが発覚したのです。
落ち込むマニュ……
そしてフィナが提案したのは、
誰かに精子の提供を受ければ? ということでした。

マニュは考えます。
そしてたどり着いた結論は、
フィリップに頼む、ということでした。
フィリップもまた、最初は怒り出します。が、
マニュが子供を欲しがっていることを、
1番知っているのはフィリップなのです。
彼は結局OKします。
そして本当に、フィナは妊娠したのです。

やがて、マニュとフィナは結婚。
アルゼンチンから両親も駆けつけます。
でも、フィナの愛に応えられないマニュ。
僕はホモで、これからもずっとそうなんだ……
フィリップとよりを戻したマニュ。
フィナは姿を消します。

それから数か月後、
あらたな代理母を探しているマニュたちのもとに、
電話がかかってきます。
フィナは言います、生まれそうなの……

最後はハッピー・エンディングなので、
それほど驚いたりはしませんが、
そこに至る過程こそがこの作品だと考えれば、
これはとても魅力ある映画です。

そしてもう1つ興味を惹かれるのが、
マニュが住んでいるアパルトマンが、
ベルヴィル公園のすぐ北側にあること。
映画の冒頭も、ベルヴィルの多民族的な雰囲気が映し出されます。
マニュは、「だからベルヴィルで子供を育てるのは、いいことなのさ」
と言ったりもします。

homo 映画であることは確かですが、
彼らの存在が、まったく自然。
ベルヴィルという街が舞台に選ばれたのは、
偶然ではないですね。

Clean


東京では、オリヴィエ・アサイヤス監督の新作、
『カルロス』の上映が始まっています。

http://www.carlos-movie.com/theater.html

見る気はあるんですが、
いかんせんちょっと長い。
DVDまで待つか迷うことろです。

アサイヤスと言って思い出されるのは、
わたしの場合は『クリーン』です。
主演のマギー・チャンはジャンキーで、
自分が調達したクスリでロック・スターの夫を死なせ、
幼い子供にも会えなくなり……
なんとか「クリーン」になろうとするわけです。
舞台も、カナダのハミルトン、パリ、ロンドン、サン・フランシスコと、
自然に移動していくのがなかなかよかったです。

http://www.youtube.com/watch?v=FP_4aIenueM

ただ『クリーン』の場合は、
撮影監督のエリック・ゴーティエのカメラの動きが個性的で、
それが印象に残ったという面もありました。
技術的なことはよくわかりませんが、
なんというか、「フツー」よりも近すぎるか遠すぎる、という感じ。
パンの仕方も荒々しいし。
最近では、彼は『ミラル』を撮ってましたね。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/08/miral.html

海でおぼれかかるシーンなどは、
オオ、という感じでした。

2012年9月14日金曜日

Emotifs Anonymes


ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズには、
アルコール中毒から立ち直るための匿名の告白会が描かれています。
主人公マットその人が、まさにアル中だからです。

フランス(だけではないでしょう)には、
それと似たものとして、Emotifs Anonymes という会があります。
直訳すると、「匿名の気の弱い人たち」とでもなるでしょうか。
極端に気が弱い、臆病だ、などなど、
感情にかかわる悩みを持った人が、
その会合に匿名で参加し、自分の体験を話す、ということのようです。

フランスでヒットしたラブ・コメに、
この会の名前そのものがタイトルになっている映画があります。
(フランス映画祭では、『匿名レンアイ相談所』と訳されていました。)
気の弱い男女人の恋愛を描いたコメディーで、
男は小さなチョコレート工房のオーナー、
女性はそこに働きに来た才能あるチョコレート職人です。
(でも彼女は、そのことを隠しているため、
外回りの営業を担当することになるのですが。)

http://www.youtube.com/watch?v=oT2C2w_w6UI&feature=fvst

そして日本語字幕付きの監督インタヴューも。
これ、親しみが湧きます。

http://www.youtube.com/watch?v=jrAfzd_JHUw&feature=fvst

75分と、最近では短い映画で、
内容的にもかわいらしい作品です。
フランス人というと、一般的には、
おしゃべりで自己主張が強くて(失礼!)というイメージが、
ないとは言い切れませんが、
ここに登場する2人はほんとに気が弱くて、ハラハラします。
(まあコメディーなので、ハッピー・エンディングではありますけど。)

たまには、こんな映画もいいですね。

2012年9月12日水曜日

Les invités de mon père


『最強のふたり』の中で、
フィリップのアシスタント(?)として活躍していたイヴォンヌ。
彼女を演じた Anne Le Ny は、女優であり監督でもあります。
そして監督としての彼女の最新作が、
Les invités de mon père (『わたしの父の招待客たち』)です。

http://www.youtube.com/watch?v=lN1tyZS1qVc

引退した医者で、人道的活動を続けてきた「パパ」。
80歳になる彼が、ある移民女性を国外追放から逃れさせるため、
彼女と「白い結婚」をすると言い出します。
けれどもその女性、モルドヴァ出身の奔放な彼女に、
どうも「パパ」は本気で惚れているらしい……
という物語です。

「パパ」の子供たちは2 人。
弁護士の息子と、医者の娘。
それぞれ既婚の2 人は、最初は戸惑いながらも様子を見ますが、
「パパ」が遺産を放棄してくれと言ってきたり、
部屋の様子がどんどん変わっていくあたりから、
悩み始めます。

おもしろいと思ったのは、
「パパ」の行動をどう受け止めようか考える過程で、
特に娘のほうは、
「パパ」が自分に課してきた「教育」と、
モルドヴァ女性が身に着けているものが、
似ても似つかないことを発見するくだりです。
娘の悩みは、自分のアイデンティティーに移ってゆきます。
そして古いアイデンティティーを壊す第1歩として、
とりあえず同僚と浮気したりします。
この娘を演じるのカラン・ヴィアールは、
いわゆる等身大な感じで感情移入してしまいます。


また小さくて意味のあるエピソードとして、
モルドヴァ女性の小学生の娘と、
「パパ」の小学生の孫との、
淡い恋があります。
この恋が、エンディングに切ない影を落とします。

ただ結末は、ちょっと不満。
ブニュエルなら、「ブルジュア的」と言ったのではないでしょうか。

2012年9月11日火曜日

Intouchables


『最強のふたり』、
フランスで大ヒットしたこの作品、日本でもまたヒット中のようですね。
とても面白い映画ですから、当然でしょう。
まったく飽きないし、
スピードも明暗も遊びも深みもあって、
ここまで緻密な作品は少ないだろうという気がします。

ただいつものことながら、この日本語タイトルって??
原題は Intouchables ですから、
言うまでもなく、in  toucher  able 「不 触る できる」、
つまり「触れない」ですね。
わたしたちの世代だと、
アル・カポネと戦った「アンタッチャブル」を思い出します。
こちらも本当は複数形でしたが、
(誰も手を出せないほど恐ろしい)捜査チームの人たち、ということだったんでしょう。
「不可触民」と意味でも使われますね。

じゃあ今回はというと、やはりポイントは複数形でしょうか。
このタイトルについては、こんな解説があります。

http://pepecastor.blogspot.jp/2011/11/blog-post_10.html

なるほど。
触れない者たち、が複数になって、お互いに、というニュアンスが生まれるのでしょう。
だからこんなパロディもあったわけですね。


ということは、このタイトル、
どこか逆説めいた感じになりますね。
実際にはあんなに深く触れ合っているのに、
このタイトルなんですから。
たとえばWelcome(『君を想って海をゆく』)の場合も、
全然welcome じゃないのにこのタイトル。
肯定と否定の方向は逆ですが、
こういうタイトルのつけ方なんですね。
Intouchables を日本語にするのはたしかに難しそうですが……

わたしはDVDで見たので、
どんな字幕が付いているのか知らないのですが、
(だからトンチンカンなことを書くかもしれないのですが)
会話に登場したいくつかの固有名詞は、どんな風に扱われていたのでしょうか。
思い出すままに挙げるなら、
終盤、ドリスが就職の面接を受けているシークエンスで、
画家の「ゴヤ」を Chantal Goya に取り違えてみせる ところ。
彼女のヒット曲がオチのポイントでした。

http://www.youtube.com/watch?v=SrBQSFMA-Sw

それから、ドリスがオバマに似てると言われるあたりなどで、
何人かフランスの政治家の名が挙がりました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%B3

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B4%E3%82%A7

日本ではそれほど知られていない人たちでしょうから、
字幕が気になります。
(そして実際似てる! ので、
きっとフランスでは受けたのでしょう。)

また「受けた」という点では、
ポップスもクラシックも絵も文学者の名前も、
それぞれの世界では有名なものでしたね。
これはきっと、観客に疎外感を味わわせないための工夫なんでしょう。
ああいう場面でひねった選曲をするのは、プロっぽくないというか。
またドリスの語彙には、chelou やら pecho やら chier やら、
郊外言葉(?)が満載で、これも親しみが湧きます。

ただ敢えて言うなら、いわゆる「郊外問題」の解決にはつながらない、
むしろそういう問題を隠してしまいかねない、
という危惧もあります。
こんなパロディもありました。


とてもよくできた映画だけに、かえって、そうなるわけです。
とはいえ、おもしろくて好きな作品であるのは、
まちがいありません。

2012年9月10日月曜日

Inch'Allah Dimanche


シリーズ4作目のDVDが出た『アイシャ』シリーズ。
その監督であるヤミナ・ベンギギは、
それ以前社会派的なドキュメンタリーなどを中心に撮っていましたが、
フィクションも1本だけ発表していました。
それがこの『インシャラー・ディマンシュ』です。

http://www.youtube.com/watch?v=OWaJpEs4sWg

1976年、フランスはそれまで働く男性のみに限っていた移民たちに、
家族の呼び寄せを認めました。
物語は、この呼び寄せに応じてフランスに向かう、
母、妻、子供たちが、
アルジェリアの港を出発するところから始まります。
主人公である妻、ズイナは、
年老いた実母一人を置いてゆくことに、
心が引き裂かれる思いです。
でも知り合いたちから、子供のためにフランスへ、と諭され、
船に乗り込むわけです。

着いたのは、パリの北百数十キロ、サン・カンタンです。
彼女はここで、意地悪な姑、冷たいDV夫と一緒に、
しかも誰一人の知り合いもいない街で、
声も立てずに暮らします。が、いろいろ経験が積み重なるうち、
彼女の中の何かが、おずおずと目を覚ますのです。

思うのは、なんといっても『アイシャ』との落差です。
もちろん『アイシャ』にも、さまざまな宗教的、家族的、文化的束縛がありました。
が、それが比較にならないくらい、すさまじい状況なのです。
子供たちは父親から、
ここは他人の国だ、だからおとなしく、目立たないようにしていろ、
と命じられたり。
また妻も、口紅を持っていたというだけで、殴られたり。
一人で外出することさえままならないのです。
フランスでは「68年」より後ですから、
これはずいぶん差があるでしょう。

そして作品として見ると、
やっぱりきちんとしていると思います。
つらい話なのに、やめたくなるようなことは全然ないし。
さすがベンギギ、というところでしょうか。

最後に俳優たちですが、
母=『アイシャ』でのアイシャの母親
夫=『戦争より愛のカンケイ』でのヒロインの父親
妻=『きらきらしてる』での、リラの母親
です。
なじみの人ばかりです!