2015年3月30日月曜日

「沖縄の孤独な戦い」

沖縄での新基地をめぐる問題。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150329-00000010-okinawat-oki

そして、ル・モンド。
「沖縄の孤独な戦い」。

http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2015/03/25/int-au-japon-le-combat-solitaire-d-okinawa_4600787_3216.html

なぜ孤独なのか、
なぜ沖縄なのか。
「基地を受け入れようという県が、ほかにどこにもないから」。

日本の多くのマスメディアの取り上げ方は、
ル・モンドよりずっと表面的に感じられます。

琉球新報はこちら。

http://ryukyushimpo.jp/

N'oublie pas que tu vas mourir

今日は、

N'oublie pas que tu vas mourir

という映画を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=FgwCDsmhE44

1995年の作品で、
監督は、グザヴィエ・ボーヴォワ。
彼の作品としては、これがありました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html

タイトルのN'oublie pas que tu vas mourir は、
「メメント・モリ」のフランス語訳だそうです。(wiki)
メメント・モリは、
メメントが「覚えておきなさい」(「覚える」の命令形)
モリが「死ぬこと」(「死ぬ」の動詞原形)
で、これは繰り返し、
いろいろな作品のモチーフとなってきたわけですね。

今回の作品は、わたしとしては、
ロシュディ・ゼムが出演しているという一点で見たのですが、
ちょっと、評価しにくい作品でした。

1990年代、主人公のブノワは、
美術史を研究している学生です。
彼は、徴兵されるのが嫌で、
招集された宿舎で仮装自殺を試みます。
で、いろいろ検査されたところ、
彼がHIV 陽性であることが判明。
映画は、彼がその後、現実から逃避し、
また破滅へと向かう過程をとらえています。
もちろんそこには、エイズ、そしてクロアチア紛争という、
90年代的背景があります。

ゼムの役どころは、麻薬の密売人。
彼とブノワは、留置所で知り合い、
一緒に麻薬の運び屋をつとめます。
ただその後、ブノワはローマに行き、
そこである女性と恋に落ちるのですが、
そこに安住することができないブノワは、
クロアチア紛争の前線を目指します……
(結局、あれほど嫌だった戦場に赴くわけです。)

ゼムが演じたオマールが語る、
麻薬ディーラーであるアリのエピソードがおもしろかったです。
マグレブ移民アリは、
111フランと、水1瓶、サンドイッチ1つだけもって、
マルセイユに到着します。
でも、そのまま船に、3日間閉じ込められてしまいます、
大量の鰯と一緒に!
その後マルセイユに上陸したアリに、
40匹もの猫がつきまといます。
警察に目を付けられたくない彼は、
走って逃げるのですが、
するとさらに、多くの猫があつまってきて……というのです。
オマールは、100フランほどを持って国を離れる男こそ、
尊敬に値する人間だ、と言います。

静けさは感じられるし、
おもしろくなくはないのですが、
主人公のわがままな甘さが、
ちょっとウザクもあったのでした。

忘れ物

今日の日曜日、
ふだんはサラリーマンでいっぱいの、
ちょっときたなくてかなりにぎやかな、
近所の焼き鳥屋へゆきました。
で、
けむたおいしかったのですが、
直前に出店で買った「堂島ロール」を、
テーブル下の荷物置きに忘れてきてしまいました。
でも、5分ほどで気づき、
取りに戻ると、
なんと、
ちゃんと冷蔵庫に入れておいてくれました!

嬉しいですね、こういうの!

2015年3月28日土曜日

Sauve-moi

2000年に発表された映画、Sauve-moi を見てみました。

http://www.dailymotion.com/video/xpwase_sauve-moi-bande-annonce-vf_shortfilms

舞台は北フランス、ベルギー国境に近いルーベです。
そこの街には、多くの移民たちの姿がありますが、
メディ(ロシュディ・ゼム)もまた、
数人の仲間に囲まれて暮らしています。
といっても、彼らの生活は極めて厳しく、
たとえばメディは、白タクをしたり、
日雇いのきつい仕事をしたりしています。
グループの中には、マルクの恋人であるセシルがいますが、
実は彼女の気持ちは、メディに移っています。

そしてそこに、ルーマニア出身の「渡り鳥」、アガタがやってきます。
彼女を白タクに乗せたことで、
メディは彼女の世話をし始め、
すぐにグループにも紹介されます。

ただその後、そんなに大きなストーリーはないのです。
みんな、お金が欲しい。
そこでメディは、ペイのいい仕事、
借金の取り立て屋の用心棒になりますが、
これは観客の予想通り、
長くは続きません。
自分と似た境遇の人たちの戸口をたたき、
強引に貯金箱を奪ったりするわけですから。
最後は取り立て屋と殴り合いになってしまいます。

また、アガタをメディは半ば恋人関係になっていき、
メディは、自分も彼女と一緒にこのルーベを出たい、
とさえ思うときがあります。
けれど、それはできないのです。
彼の人生は、この土地と深く結び合っているからです。

「渡り鳥」は、やがてオランダへと出発します。
オランダ行きのトラックのドライバーに頼み込んだのは、
メディです。
そして彼は、セシルのところに帰るのです。

ルーベという地味な街の、
小さな移民コミュニティーを描く、
やはり地味な佳作だと思いました。

いいお別れ

3月は、別れの季節。
昨日は大学の卒業式&大学院の修了式。
そして今日は、退職なさる先輩の、送別会でした。

修了式では、20数人の若者が、
晴れて、学位を取得しました。
(おめでとう!)
これから社会に出てゆく人、
博士課程に進む人、
どちらも応援しています。

修了式後は、2人の修了生と、
その後輩1人、そして写真の倉石先生とわたしで、
ささやかな修了お祝い会をしました。
いろいろ話しましたが、
倉石先生が美術のことをいろいろ教えてくれるので、
とても勉強になりました。
学生3人も、勉強になったはず。
(ですよね、アっちゃん、ユーくん?)
わたしも、倉石さんの学生になりたかったかも!

そして今日は、とってもお世話になった、
水野先生の送別会です。
先生は、ドイツ語がご専門ですが、
最近はフランス語の勉強もされています、
しかも、とても情熱をこめて。
学生思いで、
包容力のある水野先生が、
わたしたち総合文化教室のスタッフを離れられるのは、
大きな痛手&さびしいことですが、
先生の選択を尊重するしかありません。
応援する、なんて生意気なことは言えませんが、
お元気でいろいろ活動なさることを、祈っています。

ちなみに今日の送別会の後、
某駅前で、お見送りする15人全員で、
水野先生のために、
「贈る言葉」を斉唱しました。
みんな、心をこめて歌ったのでした。

水野先生、ありがとうございました!!

2015年3月27日金曜日

まいフラ(L.24)

ついに最終回!

まずは、

Dix mois plus tard,
c’est le grand jour pour nos deux héros
et aussi pour vous chers auditeurs : le jour de leur mariage !

そして

Wang et Eva mariés ! Quelle histoire !
Ces trois mois sont si vite passés !
Je n’arrive pas à croire que c’est déjà fini…
.....ça va nous manquer tout ça.
Merci à tous de nous avoir suivis.

やっぱりハッピーエンドはいいですね。
ありがとうございました!

まいフラ(L.23)

最初が

De retour à Tokyo,
Eva s’empresse d’annoncer la nouvelle à sa mère
en lui passant un appel vidéo.

でエンディングが

Je me demande ce que je vais faire samedi soir…
-Justement ! Je voulais te proposer une petite fête.
Ça te tente?
-Pourquoi pas ?! J’ai envie de sortir un peu !

2015年3月25日水曜日

画像アップ!

『パリ移民映画』、
アマゾンに画像がアップされました。


Mmmm、
さすが、プロの仕事ですね。
帯に落ちている影も絶妙だし。
タイトルのフォントも、このために作ってくれたそうです。
デザイナーに、感謝。

2015年3月24日火曜日

まいフラ(L.22)

まずは


Eva est à Shanghai pour les vacances.
Pour sa dernière soirée,
Wang a décidé de lui faire une surprise
et l’emmène faire une promenade au bord de la rivière.

スキットは

Marine, tu as très bonne mine aujourd’hui !
Mon mari m’a preparé le dîner hier soir. C’était super !
Ah, il doit être vraiment fou de toi !

彼は君に首ったけにちがいない!

2015年3月23日月曜日

「卒業写真」

今日発売の「週刊現代」、
そこには「熱討スタジアム」という、
70年代のもろもろの何かを取り上げ、
それを振り返って掘り下げる、
というコーナーがあるのですが、
今週のお題は、
ユーミンの「卒業写真」です。
で、
その歌詞について、
短く(500字程度)コメントしました。
よろしければ!

『黒いスーツを着た男』

という映画を見てみました。

実際に見たのは、フランス版の

Trois mondes

なんですが、このDVDのジャケットは、

なので、
まさに『3つの世界』ですね。
というわけで、
日本版とは、
見る前の気持ちから、ずいぶん違っています。

予告編

http://www.cetera.co.jp/kurosuits/trailer.html

というわけで、
映画は「3つの世界」を提示しようとしているわけですが、
それらをつなぐ、あるいは貫く、串刺しにするのは、
1つのひき逃げ事件です。
その犯人、
被害者の妻、
目撃者の女性、
これが「3つの世界」です。

ただもう少し厳密に言うと、
犯人は、勤め先の社長令嬢との結婚を控えており、
それが達成されて初めて、
ブルジョアの「世界」に入れるわけで、
現状の彼は、まだその「世界」の入り口に並んでいるにすぎません。

被害者とその妻は、モルドヴァからの移民であり、
サン・パピエです。
モルドヴァ系のコミュニティー内で生きています。
彼らは、バルベスの、ミラ通り68番地に住んでいます。

目撃者の女性は、恋人(大学教員)の子供を妊娠中。
でも、ちょっとすれ違い気味です。
事故コーナー現場であるローミエール通りが、
プティ通りと交差する角のアパルトマンに住んでいます。

コルシニ監督は、
いわゆる女性問題を扱うことが多かったのですが、
この映画でも、
それが生かされている部分があると感じました。
特に、移民の妻であるヴェラと、
医学生ジュリエットの関係においてです。

事件が事件だけに、
少し重い部分もありますが、
3つの世界を描くという監督の意図は、
共感できました。

ただ、今回、被害者が移民なわけですが、
これが逆で、
移民がフランス人を轢き逃げしたのだとしたら、
だいぶニュアンスが変わるかもしれません。

でも、なかなか深みのある映画だと思います。

*Reda Kateb
    犯人の仲間の一人を演じた、レダ・カテブ。


彼は、この2作にも出ていて、印象的でした。
注目していきたいと思います。

『預言者』:
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/blog-post_5304.html

『愛について、ある土曜日の面会室』:
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/02/blog-post_5.html

2015年3月21日土曜日

Une Séparation(『別離』)

日本でも、
ちょうど3年くらい前に公開された映画、
『別離』
を見てみました。

(もうずい分前、
日本版DVDが出ていなくて、
フランス語版だけが出ている期間にそれを買って、
なぜか長~く「つんどく」にしていたのを、
やっと見たのでした。)

http://www.betsuri.com/cast/

まず、これはテヘランが舞台で、
登場人物は全員イスラムの人です。
(先日見たサウジの様子とは、だいぶ違いますが。)
2つの家族があって、
どちらも夫婦と子供がいます。

ただ一方では、夫の父親がアルツハイマーであり、
娘の人生のためにイランを出るかどうかで、
夫婦は鋭く対立しています。
ミドルクラスの、娘の人生を第一に考えたい妻と、
病気の父親を置いていけない夫。
ヴィザはあと4か月切れてしまうので、
出発するならそれまでにしなければなりません。

もう一方では、夫が失業中で、借金を抱えています。
けっして楽な暮らしではありません。
しかも妻は妊娠中です。

この映画、引き込まれるんですが、
見ているのがつらい。
おもしろくないという意味じゃなく、
なんというか、明らかな悪意は存在しないのに、
登場人物全員が苦しんでいる。
それは、
人間というものがもともと苦を背負わされているからであり、
また、イラン社会が、そして世界が、
そうした苦を生む装置となっているからでもあります。
そう、これはたしかにイランの特殊事情もあるでしょうが、
その程度の特殊さなら、
どの社会にもあるものでしょう。
つまり、イランだから、ということではありません。

まじめな、いい映画だと思いますが、
同時に、なかなか技巧的で、
観客を引っ張ってゆく術にたけていると感じました。
この脚本家(=監督です)なら、
小説も書けるでしょう。
たった1つ問題なのは、
見ていて、胃が痛くなったことです。

2015年3月20日金曜日

フランコフォニーのお祭り

この時期には、
やっぱりこれ。
メインは、3 / 28ですね。

http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/journees-de-la-francophonie-2/

N'Zassa musicね。

それから、
これはもちろん、
カッコつきの「パリ」なんですが、
これはこれで、
もし通りかかったら、
ちょっと覗いちゃうでしょうね。

http://madamefigaro.jp/25th/event/







まいフラ(L.21)

まずは

Dans cet épisode,
Eva est à Shanghai pour quelques jours de vacances.

そして

-Marine, ça va? Tu as l’air fatiguée.
-Je suis crevée.
Mes voisins se sont disputés toute la nuit
donc j’ai très mal dormi.
-Je vois. Plus que deux jours avant le week-end !
-Tu as raison.

ですね。

『撤退』

アモス・ギタイ監督の『撤退』、
見てみました。

予告編:https://www.youtube.com/watch?v=ZQbt2F6BZdw

F2の紹介ニュース:https://www.youtube.com/watch?v=v3o_tZdG6ts

以前見た、ギタイ監督の『フリーゾーン』は、
イマイチぴんとこなかったのですが、
この『撤退』は、なかなかいいと思いました。

この映画、2005年の、ガザ地区からの、
ユダヤ人入植者の「撤退」を題材としています。
ちょっと調べたところ、
種子島ほどの面積のガザには、14万のパレスチナ人が住み、
ユダヤ人入植者は8000人しかいませんでした。
ということは、このまま入植を続けても、
人口比的にユダヤ人優勢になるのは困難。
で、イスラエル国家は、入植者たちに国に戻るよう
命じたわけです。
でも、
もう長くその土地にくらし、
あるいはそこで生まれ育った者たちは、
そう簡単に「自分の土地」を捨てられません。
で、イスラエル軍が投入され、
変な話ですが、イスラエル軍が、
イスラエル人を、
ガザ地区から強制的に連れて帰ったわけです。
この事情が、
映画の大きな背景です。


(ちなみに、この入植について、
おもしろい記事がありました。
たしかに、「成功」している人たちは、
入植なんてしませんね。
で、儲かるのは……
http://www.diplo.jp/articles06/0608.html


物語のほうはというと、
これは監督も言うとおり、
相当にメロドラマ。
正直言って、
かなり無理をしてガザの状況にはめ込んだ物語です。

フランスのアヴィニヨンで、
ある国際法を教えていた元教授が死にます。
子供は二人。
離婚しそうな娘アンナ(ビノシュ)と、
イスラエル軍に属している養子の息子ウリです。
(ウリの母親と教授は結婚して、
連れ子であるウリを養子にした。)
葬儀で、二人は久々の再会。
でも遺言によると、
アンナが数十年前に捨てた娘ダナが、
ガザ入植地に住んでいて、
実は教授は、アンナに知らせることなく、
ほぼ毎年ダナに会いに行っていたのでした。
で、アンナは、ダナに接触して、
遺産を渡さねばならない……

フランスにいるときのアンナは、
なんというか、退屈したブルジョワの風情。
それが、
ガザの現状を見るにつけ、
表情が変わってゆきます。
ガザ入植地(キブツなのか、キブツ的なだけなのか)
の描写は、とても新鮮。
(どこまで事実なのか、わかりませんが。)
だから全体としては、
間違いなく興味深い映画でした。

弱点は、やはり物語。
まず、アンナがダナを「捨てた」経緯が、
ほとんど不明。
弁護士(ジャンヌ・モロー)の言葉から推し量るに、
どうもアンナは、かつてキブツにいて、
そこで頼る人もなくお金もなく、
ダナをおいてきてしまった……という風に受け取れますが、
あいまいです。
また、この母子は再会するのですが、
そのときの二人の反応も、
いい場面なんですが、
ほんとに? という感じも残ります。
これは、ラストのアンナの様子についても同じ。
さらには、ダナやウリはもちろん、
アンナもその父もユダヤ人だと思うのだけれど、
そのへんも少しあいまい。
(アンナは、父が話せたヘブライ語が話せないので、
彼女だけは違うのかも。
ウリは、フランス語を話したがりません。)
つまり、
おもしろいしいい映画だと思うけれど、
わたしには弱点と感じられる部分もはっきりあった、
というところでしょうか。

そういえば、
冒頭の数分だけ、
ウリが、
行きずりの女性(ヒアム・アッバス)と会話する場面があります。
このシークエンスは、とってもよかったです。
ヒアム、さすが。

シリアの子どもたちを

セーブ・ザ・チルドレンが行っている、

―シリアの子どもたちを「失われた世代」にしないための署名活動―

です。

https://www.savechildren.or.jp/petition/peti01.php?ptid=syriaML

2015年3月19日木曜日

親子丼

今朝、たまたまテレビで見かけて、
おお、これはなかなかおいしそうだ、
と思って、さっそく今日作るという、
若々しい行為に及んでしまいました。

http://cookpad.com/recipe/3072940

たしかに、なかなかおいしかったです!
(わたしは、やはりモモ肉を選びました。
また、「つゆだく」派なので、
つゆは分量より多めにしました。)

2015年3月18日水曜日

こんなニュース

東電2015年3月期の見通し。

「経常利益は、
連結で2,270億円程度、
単独で1,790億円程度になるものと見込んでおります」

『少女は自転車に乗って』

という映画を見てみました。
これ、よかったです。

http://shoujo-jitensha.com/trailer/

この映画は、サウジアラビア映画なんですが、
このサウジには、映画館がない。
だからこれは、初めてのサウジ映画で、
しかも監督はサウジの女性、
主人公もサウジの少女、ワジダ、というわけですから、
これは見る前から、
エポック・メイキングなのはすでに決まっているようなものです。

サウジという、イスラム圏でも戒律が厳しい国で、
元気な10歳の女の子が、
この社会で女子に課されたさまざまな不条理の中で、
なお元気さを失わないで生きる話です。
で、その象徴が、自転車。
イスラム圏では、そしてフランスのムスリム社会においても、
女性にとって車の免許は、ある「自由」の象徴だといえるでしょう。
それがここでは、自転車なのです。

でも、決して暗い映画ではなく、
長編映画初出演の、ワジダの母親役の女性も存在感があるし、
特にワジダの友達の少年アブドゥラは、かわいくて、いい感じ。
(もちろんワジダもいい感じ!)

いつか「ワールド映画ゼミ」で見せたいと思います。


2015年3月17日火曜日

本、というもの

電子書籍というものが出始めた頃、
これからは電子だ、
なんといっても場所も取らないし、
だから何千冊も持ち歩けるし、
検索もできるし、
安いし、
いいことづくめじゃん!
という意見がある一方、
やっぱり、本でしょ、
なんといっても、目の前に在るし、
紙の手ざわり、
判型、組、フォント、印刷のインク、
つまりそこにはデザインというものがあるし、
持ち運べるし、
抱いて寝られる(!)し、
スクロールなんかしなくてもパラパラできるし、
なんなら破ることだってできるし、
どうしてこれが捨てられようか!
という意見もありました。
両方、そう思います。

でも……

原稿があって、
レイアウトされて、
そこに目次がついて、
章立てがはっきりしてきて、
図版が入り、註が確認され、
紙とインクが決まり、
カバーデザインが全体を包み込むと、
なんとそこには、
無から有機物が生まれるように、
ひとつの世界、
「本」という生命体が出現するのです!

というわけで、
わたしは「本」派です。
(今日も、それを実感しました。)

2015年3月16日月曜日

一段落

というわけで、
先週から今日にかけて、
追い込みのために集中していましたが、
そろそろわたしは一段落です。
ただ編集のMさんは、
おそらく明日まで、
気を使う仕事が続くと思われるので、
わたしばかりのんびりする気にもなれないんですが。

そして考えてみると、
卒業式まであと10日ほど。
年度の終わりが、いよいよ近づいてきました。
なんとなく、「12月」的な気分もある、
今日この頃です。

    ◆

今日ラジオを聞いていて流れたこの曲、
「パリが目覚める」
ご存知でしょうか?
これはカヴァーですが、
単純にいいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=cZOEmigHwY0

『パリ、ジュテーム』など、
いろんな映像がモンタージュされています。

まいフラ(L.20)

スキット前は

Suite à la mutation de Wang,
nos deux amoureux vivent séparément depuis déjà quatre mois.
Dans cet épisode, Wang appelle Eva après son travail.

エンディングは

Marine, tu as l’air fatiguée aujourd’hui.
Si tu savais, j’en ai bavé toute la semaine.
Comment ça ?
J’ai dû faire beaucoup d’heures sup.
Je vois. Profite du weekend pour te reposer. 

ああ、もう20課なんですねえ!

まいフラ(L.19)

スキット前は

Eva travaille dans une école de français depuis le mois d’octobre.
Tout semble réussir à notre jeune couple
mais la roue du destin tourne à nouveau
et nos amoureux vont devoir faire face à une nouvelle épreuve…

エンディングは

-Tomohiko, tu es toujours d’accord pour ce soir ?
-Tu vas me détester mais…je dois encore annuler.
-Encore ?! Je rêve !
-Non, je rigole ! Il n’y a pas de problème pour ce soir !

ラスト・スパート

『パリ移民映画』、
最後の最後のスパート中です。
仕事は少なくないですが、
テンションが上がり、
集中して進めています。
そしてもうすぐ、手を離れそうです!

2015年3月14日土曜日

だけ

ここ数日、
朝から0時過ぎまで、
ゲラ直しだけをしています、
散歩にも行かず!

でも、あと少し!

2015年3月10日火曜日

東京大空襲から

東京大空襲から、今日で70年。

毎日新聞の今日の記事です。

http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20150310org00m040007000c.html

この最後に出てくる清岡美智子は、
わたしの伯母です。

http://www.japanairraids.org/?p=1547

そして、

https://www.youtube.com/watch?v=5yJLhZescY8

B29、300機。
焼夷弾、1700トン。
死者、10万人。

(もちろん日本軍も、
中国で、オーストラリアで、
空襲を行いました。)

2015年3月9日月曜日

D.I.

「シャルリ・エブド事件を考える」の中で、
エリア・スレイマンの話が出てきました。
そういえば、ずいぶん前に『D.I.』を見て、
うまく楽しめなかったのを思い出しました。
で、
もう1度トライです。

https://www.youtube.com/watch?v=eFR8XcKg3k4

イスラエルの、
パレスチナ自治区とイスラエル占領地の間の検問所、
そこを通過するクルマのナンバープレートは、
黄色と白があるのですが、
前者はイスラエルで、後者はパレスチナで登録されたものだそうです。
そこが1つの鍵、なんですね。

絶賛している批評も少なくないのですが、
そして前回よりは今回のほうが、
たしかに楽しめたのですが、
これをシュールな「コメディ」として深く楽しめる域には、
わたしはまだ達していないようです。
もちろん、
「パレスチナ人イスラエル市民」を、
いわばその内部からとらえた作品は
(わたしの知る限りは)これだけですから、
貴重なのは言うまでもありません。



111位!

なんだか、
同じ話題を繰り返してすみません。
でも、
とてもうれしいので、
つい書きたくなってしまいます。

「シャルリ・エブド事件を考える」

が、今、19:41現在、
アマゾンで、なんと 111位!
この注目度の高さ!

もちろんわたしも、
すべてのページのすべての行を読みました。
知らないことがたくさんあったし、
気づいていなかった視点も多くありました。
事件そのものへの関心はもちろんありますが、
それは、
事件を通して考えるべきさまざまなことへの興味と、
直接つながります。
そしてこの特別号は、
その思いに十二分に応えてくれます。
しかも、999円!
「ふらんす」、がんばりました!


*わたしが担当した部分で引用したもののURLです。
     ご参考になれば。

ル・クレジオ:
http://www.lemonde.fr/livres/article/2015/01/14/lettre-a-ma-fille-au-lendemain-du-11-janvier-2015-par-jmg-le-clezio_4556225_3260.html

Luc Besson:
https://www.facebook.com/notes/europacorp/tribune-de-luc-besson/10152999917982641

Reportage:http://www.reporterre.net/L-enfance-miserable-des-freres

トドロフ:
http://m.la-croix.com/Actualite/France/Charlie-Hebdo-une-liberte-sans-bornes-ne-saurait-etre-legitime-2015-01-14-1267126

『パリ移民映画 ––都市空間を読む  1970年代から現在』

刊行はあと1か月くらいですが、
早くもアマゾンに登場しました!

**********************************************

『パリ移民映画 –– 都市空間を読む 1970年代から現在』

<パリとはいかなる都市であるのか?
映画のなかの〈周縁からの声〉に耳を澄まし、
その神話化の成立と〈郊外〉の出現、
多文化的・多民族的社会の現実をあざやかに読み解く。>

           ◆

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%AA%E7%A7%BB%E6%B0%91%E6%98%A0%E7%94%BB-%E9%83%BD%E5%B8%82%E7%A9%BA%E9%96%93%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%80-1970%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E3%81%8B%E3%82%89%E7%8F%BE%E5%9C%A8-%E6%B8%85%E5%B2%A1-%E6%99%BA%E6%AF%94%E5%8F%A4/dp/4560084327/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1425827559&sr=1-2

***********************************************

この内容紹介は、
(それから副題も)
編集者のMさんがかんがえてくれたものです。
で、
わたしが言うのも(自画自賛めいて)バカみたいなんですが、
正直なところ、グッときました。
これを書きたかった! 
という感じ。
(ちゃんと書けているかどうかは、ともかくとして。)

このところ、Mさんにはお世話になってばかりですが、
ほんとに優秀なので、
つい頼ってしまうのでした。
優秀な若い人って、
見ていてまぶしいです!

そしてこの本は、
わたしの中では、
『東京詩』と対になっているものです。
そして、
『パリの神話』(アラゴン)を扱った修士論文や、
『エキゾチックパリ案内』にとっては、
兄貴分的な位置になりそうです。

「パリ」と「移民」と映画」、
このどれかに興味がおありでしたら、
どうぞよろしくお願いします!

2015年3月6日金曜日

retweet

「白水社・語学編集部」のつぶやきを、
retweet いたします。

https://twitter.com/hakusuisha_G/status/573748250064240640

https://twitter.com/hakusuisha_G/status/573743672623132672

Merci bien !

こんなこと言うとイヤがられるかもしれませんが、
白水社は、わたしにとって、
第二の故郷と言っても過言ではありません。

まいフラ(L.18)

スキット前は

Eva a emménagé chez Wang à son retour de France.
Aujourd’hui, elle retrouve son amie,
Kaori pour lui annoncer quelque chose.

エンディングは

Tomohiko, quoi de neuf depuis hier ?
Oh, rien de spécial. Et toi ?
Comme d’habitude, métro, boulot, dodo.
Je crois qu’on a besoin de vacances.


そういえば先日、新宿で、
マリーヌやNHKのスタッフの方と飲みました。
ビルの11階の焼き鳥屋さんで、
楽しい一夜でした。
その話の中で、
純粋な「日本人」なんていない、という、
当たり前と言えば当たり前すぎる事実が、
意外に学生とは共有されていない、という話題になった時、
それとの関連で、
1つおもしろい話を教えてもらいました。
これです。

http://ameblo.jp/kaoiwa55/entry-11041737444.html

なるほどね。

まいフラ(L.17)

スキット前は

Dans cet épisode, nous retrouvons Wang et Eva à l’aéroport de Narita.
Notre héroïne est de retour au Japon
après trois semaines de séparation avec son cher et tendre.

エンディングは

-J’ai réussi à réserver le resto dont je t’ai parlé pour demain.
-Ah ! J’ai oublié de te dire. Je dois annuler.
-Quoi ?! T’abuses !
-Désolé. C’est pour le travail.
 On remettra ça à plus tard.

期待以上(希望)

そしてなんと、
「シャルリ・エブド事件を考える」
と同じ日に発売されるのが、

『フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?』 CD付き・改訂版


です。
同じ日なんて、不思議な巡り合わせです。
(まあ、意味はないですけど!)

今回の改訂版、実は本文もけっこう手直ししてるし、
カタカナの表記も、
少し方針を変え、より原音に近づけたりしてるんですが、
なんといっても最大のウリは、
やっぱりCD です。
動詞の活用を読むだけのCD って、
ちょっと飽きる……とも思っていたのですが、
いざ吹き込んだものを聞いてみると、
これが意外に楽しい!
考えてみれば、活用形って、
聞いたことがないものがけっこうあるってことに、
このCD を聞いてみて気づきました。
レナさんが、リズミカルに読んでくれているので、
心地いいです!
そして実は、CD にはそれ以外にも収録されていて、
それは、わたしとレナさんによる、
動詞活用の全体図、の説明です。
そして特に、-er動詞はみっちり練習しています。
わたしが、ふだん、授業で練習する方法を、
ほぼそのまま再現しました。
これは、役に立てていただけると思います。

フランス語の動詞、特にその活用が、
なんとなく「壁」に感じてられている場合には、
ぜひ手に取ってみてくださいませ。
3/7 発売です。

2015年3月5日木曜日

期待以上

昨日、今日と、
ついに見本が届いた、

シャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集

を読んでいます。
この本……なんというか、
1ページも無駄がない。いや、
1行も無駄がない、というべきでしょうか。
30人が、みんな力を込めて書いているのが、
ヒリヒリと伝わってきます。
今わたしは、2/3ほど読んだところですが、
これ、まちがいなく、全ページ読むでしょう。
特集とはいえ、雑誌を全ページ読むなんて、
初めてかもしれません。
ちなみにわたしは、
赤ペンで線を引きながら読んでいます。

編集部によれば、
なんと、予約が殺到し、
発売前に重版がかかったそうです。
でも、予約してくださったみなさんにお伝えしたい、
正解です! 

(ふつうこういう場合、この人の文章が特によかった、
と書くところなんでしょうが、
ほんとにどれもスリリングで、
1人を挙げることはできません。)

アマゾンは、3/7 に発売となっています。

最後に、リツイートします。

***********************************

『ふらんす』シャルリ・エブド特集号、落掌。
ウェルベックやル・クレジオなどのリアルタイムの話、
実に興味深い。
今後、移民や多文化主義を考える上で必須。
これだけ読みどころの類書は他に無いのでは?

***********************************

https://twitter.com/KoichiTaniguchi/status/572659384246910976

2015年3月4日水曜日

これは!

おなじみのB&B、
これは……

http://bookandbeer.com/blog/event/20150313_gaikokugo/

黒田さんの『寄り道ふらふら外国語』がおもしろかったのは、
ここで書いたことがあります。

http://tomo-524.blogspot.jp/2014/12/blog-post_26.html

まあ、黒田さんの場合は、
どの本も読ませるんですけど。

そして今回のお相手である小説家の林巧さんも、
まあ話はうまいし、話題は豊富だし、
特に相手の話を膨らませるのがとても上手なので、
このお二人の対談なら、
教養と笑いとやさしさに包まれること、
間違いないでしょう!

「言葉」に関心があるなら、ぜひ。

2015年3月3日火曜日

まいフラ(L.16)

遅くなってしまってすみません。
16課です。

スキット前は

Suite au tremblement de terre,
les parents d’Eva veulent qu’elle rentre en France.
Wang et Eva parlent de la situation.

エンディングは

Marine, je suis dégoûté.
Je ne peux finalement pas venir à la fête.
T'inquiète ! Ça sera pour une autre fois.




2015年3月1日日曜日

Barack Obama Singing

YouTube には、

Barack Obama Singing ~

というおもしろいシリーズがありますが、
このシリーズが、先日話題にした Uptown Funk を取り上げているのに、
さっき気づきました。
しかも!
これがとてもいいデキ。
というか、今まででサイコーのデキじゃ?
これです。

https://www.youtube.com/watch?v=wSnx4V_RewE

Une jeunesse comme aucune autre


イスラエル映画、

Une jeunesse comme aucune autre

を見てみました。(フランス語版)
タイトルは、
「他のどれのようでもない青春→ここだけの、特別な青春」
くらいなんでしょうが、
英語のそれは、Close to home
なので、ヘブライ語のオリジナルがどんな意味なのか、
はっきりしません。

https://www.youtube.com/watch?v=7g1rIREmj2Y

(←予告編ではないんですが、
どなたかが作成した、この映画のイメージヴィデオです。
うまくできてると思います。)

エルサレムに、二人の少女がいます。
スマダとミリットは、ともに18歳。
そしてともに、兵役についています。
そう、イスラエルでは、女子も徴兵されるんですね。
(「高校卒業時にあたる18歳から,
男性は3年間,
女性は2年間の兵役が義務づけられている(……)。」
外務省HP)

二人は、エルサレムの担当地区で、
通りかかったアラブ人の身分証を確認します。
それが、彼女らの仕事です。
でもそれは、ただつまらないだけでなく、
どこか理不尽で、歓迎されるはずもなく、
非生産的な行為です。
ミリットは、それでもまあ素直にパトロールをします。
けれども、奔放で規則に縛られないスマダは、
熱心ではありません。
でもそんな時、
ミリットの近くで、
テロが起きるのです。

2005年の映画なので、
もう10年前ということになりますが、
基本的には変わっていないのでしょう。
(もちろん、兵役拒否する若者も少なくないそうですが。)

エルサレムの日常がわかり、
街の雰囲気も伝わり、
二人の少女はそれぞれに魅力があります。
友情も、反発も、それぞれに誠実。
小粒ですが、好きなタイプの映画でした。