2017年10月2日月曜日

『セカンド・ウインド』

あの『最強のふたり』には、
原作があります。
といってもそれは、小説ではなく、
自伝的エッセイで、

Le second souffle

というタイトルです。
これ、映画とはまったくちがっていて、
貴族出身で超がつく大金持ちの筆者が、
庶民とはまったくかけ離れた人生を42年間送ったのち、
趣味のパラグライダーの事故で全身麻痺となり、
その苦しみの中で18年間を過ごす、
その間のさまざまな思いを、
「文学」的につづった作品です。
映画に登場するエピソードに近いものは多少ありますが、
映画は、ほとんど創作と言えるでしょう。
とにかく、全体のトーンがまるで違います。

今日たまたま、
この原作の日本語訳の本(The second wind)を見る機会がありました。
なんだか、ずいぶん記憶と違う印象なので、
家に帰って原書と見比べると、
なんと、翻訳書冒頭に置かれた「悪童」という章は、
原書では第Ⅱ部の途中の章でした。
しかも訳書は、その「悪童」に続けて、
何の断りもなく第1章が置かれているので、
これではまったく繋がりが分からないのでした。
ちょっと残念!