先日スリランカでテロがあった際、
思い出したのは『ディーパンの闘い』でした。
ただ、
この書き込みを読むと、
印象はそれほど芳しくなかったようです。
でも、
スリランカ関連で手元にある映画はこれだけだったので、
大学院のゼミで、
もう一度見てみました。
今回は、
うろ覚えながら、
だいたいのストーリーは知ってみているわけです。
今展開している物語や心理描写は、
やがてやってくる場面に収斂するように作られているのか、
という視点で見てみました。
その結果は、
完全にスッキリはしないのですが、
少なくとも前回見た時よりは、
ずいぶん印象が良くなりました。
そして……
今回見て思ったのは、
スリランカの内戦の現実と、
パリ郊外の社会的現実という、
たしかに両者とも「現実」には違いないけれど、
その質は大きく隔たるようなものを、
あえて1つの「映画」というまた別の「現実」で出会わせるという、
この映画はそうしたきわめて果敢な挑戦だったのではないか、
ということでした。
これは、
とても困難な道だと感じます。
そう考えれば、
ジャック・オディアールはかなりよくやってるんじゃないか、
と思えてくるのでした。
やっぱり、
1回見ただけでは、
なかなか分からないですね。