2017年11月5日日曜日

I, Daniel Blake

ケン・ローチ監督の、
なんと50本目の作品、

『わたしは、ダニエル・ブレイク』

を見てみました。

http://www.longride.jp/danielblake/

↑ 公式HP(予告編も)

ダニエルは、長年大工として働いてきた実直な男。
精神を患った妻を長く介護し、
彼女がなくなった後は「抜け殻」になり、
しかもその後、
彼自身が心臓発作にも襲われ、
医者から、働くことを禁じられてしまいます。けれど、
国は彼に、
働けない人たちのための「支援手当」を払おうとはしません。
で仕方なく、彼は求職者手当の申請を試みるのですが、
さまざまな書類、手続き、証明書……が要求され、
それは、ほとんど個人の尊厳を踏みにじるものでした。
そして、彼は言うのです。

When you lose your self respect, you are done for.
自尊心を失ったら、終わりなんだ。)

この映画のすべての背後にあるのは、
イギリス政府が進める緊縮政策です。
この映画は、たしかに「心温まる」ものかもしれません。
しかし、ちがうのです。
この、諸悪の根源とも言うべき緊縮政策こそ、
この映画のすべてが指さしているものだと感じます。

わたしは、とてもいい映画だと思いました。
ケン・ローチ監督の作品は、
もちろんいくつかは見てきましたが、
ちゃんと見直す必要がると思いました。