2023年10月27日金曜日

『一日半』

スウェーデン映画、

『一日半』()

を、ネトフリで見てみました。


離婚することになっており、
まだ3ヶ月の赤ん坊がいる男と女。
男は、アルバニアからの移民で、
女は、医師。
ある日、元妻との約束をすっぽかされた男は、
彼女のいる病院を訪ねますが、
受付で彼女との面会を断られます。
すると彼は、突然銃を取り出し、
元妻を連れてこいと暴れ出します。
そして、元妻を人質にし、
赤ん坊の元へと向かわせます……

「事実に基づいている」というこの映画、
それがどの程度のことなのかは分かりませんが、
男の、小さな選択の誤りが、
やがて巨大なものへと膨れ上がっていってしまう過程が、
うまく描かれています。
そして、当初はなまけもので乱暴者に見えた男が、
哀れなさみしがり屋でもあり、
医師である女性が、
さまざまなものを抱えこんで苦しんでいることも分かってきます。
このあたりはスリリングで、
おもしろいです。

この二人のクルマでの逃避行のドライバーを務めるのは、
中年の警官です。
彼もまた、プライヴェートでは、
妻や子どもとの問題を抱えていました。
この辺のサブ・ストーリーの出し方は、
ややベタな感じもなくはないですが、
「物語」としてはアリなのだろうと感じました。
(この刑事を演じているファレス・ファレスが、
脚本・監督も務めています。
彼は、レバノン系スウェーデン人だそうです。)

そうそう、
人質を取る男を演じているアレクセイ・メンヴェロフは、
『ジャック・ライアン』で、
ロシアの国防大臣を演じてもいました。
彼は、ロシア系の母と、クルド系の父を持つ、
スウェーデン人のようです。