2011年3月10日木曜日

日比谷焼打ち事件


学生の頃はそれなりに読んだ文芸誌、
最近は読む機会がだいぶ減っていますが、
そんな中、今週発売された「文学界」の4月号は、
なかなかお買い得感があります。

上の画像から分かる通り、
ばななさんの小説があり、
内田樹さんの「最終講義」があり、
柄谷×山口の対談があります。

ばななさんの小説はまだ読んでませんが、
もうすでに元とった感があります。というのも、
たとえば対談のほうで言えば……

日本の民主主義というと、「大正デモクラシー」から、という話になるけれど、
実はこの「大正~」そのものが、
日露戦争後の、賠償金もっとよこせ! という、
日比谷焼打ち事件から始まっていることに、注目すべきだ。
それは19世紀末、資本主義に行き詰まったヨーロッパが、
新たな労働者(にして消費者である人たち)を求めて国外へ向かったことと、
相似形をなしているからだ。
そしてその前提には、グローバリズムとは、結局、
弱者をこちらの土俵に引っ張り込んで搾取すること、
つまり新植民地主義にほかならない、という認識がある。

決してこの通りに書いてあるわけじゃないのですが、
わたしの関心を中心に切り張りすると、まあこんな感じです。
『東京詩』に関して調べている時も、
日比谷焼打ち事件の影響の大きさを感じていました。

そして!
この4月号の冒頭には、木坂さんの新作詩が。
じ~んと、感動しました。

これで950円。安い!