2014年7月27日日曜日

『海も暮れきる』

来週、小豆島で行われる学会に参加する予定です。
小豆島は、初めてなんですが、
小豆島と言えば、尾崎放哉です。
わたしが放哉のことをはっきり知ったのは、
吉村昭の『海も暮れきる』を読んだ時でした。
かれこれ30年前です。

で、久しぶりに読んでみました。
細部はほぼまったく覚えていませんでしたが、
ただ1つ、
30年前に「いいなあ」と思って覚えた俳句、

火の気のない火鉢を寝床から見て居る

はやはり出ていて、
やはり「いいなあ」と思ったのでした。

肺病を患い、
酒癖が悪く、というよりほとんど酒乱で、
いやな奴で、
さみしがり屋で、
気位は高くて、
弱くて、
いい俳句を作ることだけに関心があり、
過去の俳句を本にするという気持ちがまったくない、
放哉という人。

彼が人生最後の8か月を過ごした庵が、
今は記念館になっているようです。
時間がどれだけ取れるかわかりませんが、
ここだけは行ってみたいです。
この庵から、海はどんなふうに見えるのか……