ジャケットからして、
いかにもなラブ・コメ、
Tricheuse (『いんちきする女』)
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=pvcieWqsIjE
これを見ようと思った理由はただ1つ、
いつもは名脇役であるジネディーヌ・スアレムが、
主演しているからです。
(全部調べたわけではありませんが、
彼が主演というのは、これだけかも。)
軽いラブ・コメですから、
いろいろ無理な設定があるのは覚悟の上です。
ヒロインは、仕事のこない若い弁護士で、
彼女が住むのは、窓からセーヌとノートル=ダム寺院を見下ろす、
グラン・オーギュスタン河岸の広々したアパルトです。
(とんでもない家賃のはず……)
一方スアレムは、ピアノの調律師ですが、
実は、アルジェリア時代は歌手で、
ただし今はサン・パピエ。
しかも、行方不明になった友人の、
娘二人を育てています。
彼の家はオーベルヴィリエです。
このスアレムが、
ヒロインに頼まれ、夫のふりをするうち、
だんだん仲良くなって……という、
まあ、ベタなお話しです。
個人的におもしろかったのは、
まずは、移民歴史博物館と、
その地下の水族館が出てきたこと。
(ブロンド女性とアラブ男性というカップルに、
関連付けているのでしょう。)
そして、ラ・グランド・モスケが併設するカフェが登場したこと。
そしてその出口付近で、
手押しオルゴールのオジサンが、
古めかしいシャンソンを演奏していたんですが、
このありえない光景の意味は、
これほど「フランス」と「アラブ」が溶け合ってる、
ということなのでしょう。
(ちょっとムリメでしたが。)
映画の出来はともかく、
スアレムの主演作が見られて、
なんとなく嬉しく思いました。
そうそう、劇中でスアレムが歌うこの歌、
なかなか良かったです。
フランス語とアラビア語が混じっています。
(映画は、ほんとはスアレム本人が歌ってはいないようです。)
https://www.youtube.com/watch?v=XfndAriojx8