2018年7月21日土曜日

『クロッシング ウォー』

昨日見た L'Étrangère がよかったので、
同じ Feo Aladag 監督の作品を(AmazonPrimeで)見てみることにしました。
(オーストリア出身の女性監督です。)
これです。

クロッシング ウォー(2014)

この映画は、アフガニスタンを舞台に、
タリバンから自らを守ろうとする村民たちと、
彼らを応援するドイツ軍の活動を描いています。

https://www.youtube.com/watch?v=7XbRcCPRpFY&t=41s

背景事情としては……

911 直後の2001年10月、
アメリカとイギリスはアフガニスタンに侵攻すると、
タリバン政権を倒し、
傀儡的なカルザイ政権を擁立。
けれどもアフガニスタンの状況は安定せず、
ついに2006年、
アメリカとイギリスはNATOに協力を要請し、
それに応えたドイツは、2500人を派兵。
これが、ドイツにとっての、悪夢の始まりでした。
というのも、このあと11年間に、
ドイツは結局 85000人を派兵し、
54人の犠牲者を出すことになるからです。

(以上は、田中宇この記事から。
https://tanakanews.com/100207afghan.php )

戦争ものですが、
ハリウッド的な戦闘シーンはありません。
それは、現地の人たちの状況を描きこんでいることと、
裏表の関係にあるでしょう。
この点は、L'Étrangère に似ているかもしれません。
どちらか一方の視点からだけ描くことはしていません。
(この映画の場合なら、
ドイツ軍兵士の視点をキープすれば、
ヨーロッパの観客は「くつろいで」見ることができるでしょうが、
アフガニスタン村民の視点が入ることで、
くつろいでばかりもいられなくなります。)

L'Étrangère ほどのデキではないように思いますが、
それでも、悪くない映画だと思いました。