2018年7月6日金曜日

À mon âge je me cache encore pour fumer

かつて、『神々と男たち』という映画のことを書きました。

http://tomo-524.blogspot.com/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html

これは、1996年のアルジェリア、
つまり内戦真っただ中のアルジェリアの田舎を舞台としてたのですが、
今日見た映画、

À mon âge je me cache encore pour fumer(2017)

は、その1年前、
つまり 1995年の、首都アルジェを舞台にしていました。
もちろん人々は、内戦の大きな渦の中にいます。

https://www.youtube.com/watch?v=4j7MSbT7RY4 

この映画を見ることにしたのは、
まず、ヒアム・アッバスが主演であること。
(やっぱり、一番だ! と思う女優です。)
そして、あのビウーナも出ているということ。
さらに言えば、
『この齢になって、タバコはまだ隠れて吸ってる』
というタイトルに惹かれたこともあります。

原作が戯曲だったこの映画は、
ほとんど全編、女性用のハマム(公衆浴場)が舞台です。
とても要約しにくいのですが、
縦糸になるのは、
過激派の兄に殺されそうになり、
このハマムに逃げ込んできた臨月の女性が、
最後には、無事出産するまでの過程、
ということになるのでしょう。
ただここはハマムですから、
さまざまな階層の、思想の、経歴の、女性たちが、
さまざまに交錯します。
中で一番目立つのは、
やっと離婚できた! と叫びながら入ってきた女性。
(彼女はほとんどフランス語ではなします。)
彼女はかつて、スカートを穿いていたという理由で、
夫から体に酸をかけられた過去があるのでした。

戯曲の映画化は、
基本的は好きじゃないんですが、
この作品は、
たしかに作る価値があると思いました。