大学院のゼミは予定が合えばOKなので、
今日、集まりました。
で、
見たのは、
『She said』(2023)
です。
丁寧に作られていて、2時間あっという間でした。
作られるべき映画だと思いました。
キャリー・マリガンは、
いわゆるフェミニズム的な作品に多く出ています。
これも完全にそうでした;
彼女は『コラテラル』でも妊娠している役でした。
もう一人のゾーイ・カザン。
この時の演技には好感を持ちました。
DV夫から、子どもを連れて逃げる話ですから、
これも、女性映画だと言うことはもちろん可能です。
朝日新聞の映画評(だったと思います)にも書いてあったのですが、
この映画は、
いわゆる「告発もの」の作品では初めて、
性的暴力の現場の描写がありません。
「映画」として見るなら、
つまり、「映像で作るもの」、という面に力点を置くなら、
いわばポイントとなる場面をどう描くのかは、
きわめて重要なはずです。
でも、そもそもそういう場面を入れると、
そこだけが切り取られ、
いつかそこが「見所」となってしまい、
そもそもの意図とは違う方向で作品が流通してしまう危険があります。
(実際、そういう例は多かった。)
で今回は、
そういう具体的な描写はなしにしたようです。
この判断自体は、尊重すべきだと思います。
ただ院生からは、
映画と言うよりテキストを読んでいる感じ、
という感想もあり、
それもまた分かるのです。
映像作品を、肝になる映像なしで作ることも難しさ、
なのでしょうか。