3週間ほど前、
『アナーキスト』という映画を見て、
ここでも書きました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/01/blog-post_94.html
で、この映画の、
なんというか、問題意識の在り方が、
ちょっとそそられたわけです。
で、
同じ監督(脚本も)の、前作を見てみました。
Alyah (2012)
https://www.youtube.com/watch?v=mU5ucIgeOu0
この「アリーヤー」とは、ヘブライ語で、
「イスラエルの地への移民」
を意味しているそうです。
主人公のアレックスは、ユダヤ人。
麻薬のディーラーとして、
パリに生きていますが、
それでいいと思っているわけではありません。
(物語冒頭の売買は、シャトー・ドー駅のすぐ近く。)
また彼の兄は、いわば落伍者で、
アレックスのもとに現れては金の無心を繰り返し、
あげくは、商売物の麻薬を持ち逃げしたりもします。
そこでアレックスが考えたのが、
イスラエルへの移民です。
ユダヤ人である彼だからこそ可能なこの選択肢を、
今や具体的に考え始めるのです。
そんな時彼は、ユダヤ人ファミリーの集まりにおいて、
ジャンヌと出会い、恋に落ちます。
ジャンヌは訊きます、どうしてイスラエルへ?
「だって、誰もパリにいてって言わないから」
「……いてよ」
アレックスの心は揺れます。
テル・アヴィヴで心機一転を図るか、
パリで、麻薬を売りながら、
ジャンヌと付き合ってゆくか……
まず、いうまでもなく、「パリのユダヤ人」を描く映画です。
しかもその主人公が、犯罪者で、
それを清算するために、
イスラエル移民を考えるという、
今までにない展開です。
比較できるのは、これでしょう。
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/02/la-petie-jerusalem.html
でもこの場合は、
反ユダヤ的活動に嫌気がさして、
イスラエルに向かうのでしたから、
今回とは意味合いがだいぶ違います。
監督は、さまざまなジャンルの要素を入れたかったと語っていて、
なるほどここでは、
犯罪映画、家族映画、恋愛映画、宗教映画、などの要素が、
混然一体となっています。
「パリ映画」を語る上では、
素通りできない作品だと思いました。
(Amazon USA では、
ヴィデオ視聴が購入できます。)
ジャンヌを演じたのは、
『黒いスーツを着た男』で、
R. ペルソナの婚約者を演じたアデル・エネル。
今回の彼女は、よかったです。
また、『アナーキスト』にも出ていた、
ギヨーム・グイも出ています。
音楽は、シェーンベルクの「浄められた夜」。
無論、「アリーヤー」が持つ意味と、
繋がっているのでしょう。
(備忘録として、これも。
http://tomo-524.blogspot.jp/2014/03/dans-la-vie.html )
2018年3月6日火曜日
プチまとめ
先日、ガザ地区を舞台にした映画を見て、
そういえば、他にどんなガザの映画を見たっけ?
と思い、
このブログの過去記事を検索してみました。
目立つのはこの3本。
『ミラル』
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/08/miral.html
Le Cochon de Gaza (『ガザのブタ』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/le-cochon-de-gaza.html
Dégradé (『段カット』・『堕落した』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/09/degrade.html
ほかに、「ガザ」の名前が出てくる作品は多いですが、
この2本は目立ちます。
Dans la vie (『人生で』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/dans-la-vie.html
La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/la-folle-histoire-damour-de-simon.html
この2番目の作品のことは、
『パリ移民映画』でも取り上げました。
続けましょう。
舞台がテル・アヴィヴなら、
Jaffa (『ヤッフォ』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/jaffa.html
Mon fils
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/01/mon-fils.html
A 5 heures de Paris
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/5.html
日本でもよく知られたイスラエル映画は、
『迷子の警察音楽隊』
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/05/blog-post_14.html
エルサレムが舞台のこの映画は、とても印象に残っています。
Une jeunesse comme aucune autre (『特別な青春』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/une-jeunesse-comme-aucune-autre.html
今後の舞台はガラリア。
Héritage (『遺産』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/04/heritge.html
アトリットが舞台。
Rendez-vous à Atlit (『アトリットで会いましょう』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2016/10/rendez-vous-atlit.html
そして、パリ。
Alyah (『イスラエルの地への移民』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/01/3-httptomo-524.html
イスラエル関連映画、
意外とありました!
そういえば、他にどんなガザの映画を見たっけ?
と思い、
このブログの過去記事を検索してみました。
目立つのはこの3本。
『ミラル』
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/08/miral.html
Le Cochon de Gaza (『ガザのブタ』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/le-cochon-de-gaza.html
Dégradé (『段カット』・『堕落した』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/09/degrade.html
ほかに、「ガザ」の名前が出てくる作品は多いですが、
この2本は目立ちます。
Dans la vie (『人生で』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/dans-la-vie.html
La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/la-folle-histoire-damour-de-simon.html
この2番目の作品のことは、
『パリ移民映画』でも取り上げました。
続けましょう。
舞台がテル・アヴィヴなら、
Jaffa (『ヤッフォ』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/jaffa.html
Mon fils
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/01/mon-fils.html
A 5 heures de Paris
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/5.html
日本でもよく知られたイスラエル映画は、
『迷子の警察音楽隊』
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/05/blog-post_14.html
エルサレムが舞台のこの映画は、とても印象に残っています。
Une jeunesse comme aucune autre (『特別な青春』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/une-jeunesse-comme-aucune-autre.html
今後の舞台はガラリア。
Héritage (『遺産』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/04/heritge.html
アトリットが舞台。
Rendez-vous à Atlit (『アトリットで会いましょう』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2016/10/rendez-vous-atlit.html
そして、パリ。
Alyah (『イスラエルの地への移民』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/01/3-httptomo-524.html
イスラエル関連映画、
意外とありました!
2022年1月25日火曜日
『パリ、夜の医者』
エリ・ワジュマンと言えば、
この2作を見ました。
特に前者はよかったので、
第3作も期待しました。
これです。
『パリ、夜の医者』(2020)
(実はアマプラにもあります。有料ですけど。)
ミカエルは「夜の医者」、
つまり、夜、手当てを必要としている人を訪問診療する医者です。
人道的、と言っていいでしょう。
彼には妻と、とても可愛い幼い娘が二人います。
が、あまりに夜家にいないので、
妻とはギクシャクしています。
ユダヤ人であるミカエルには、
いとこのディミトリがいます。
彼は薬局を経営しながら、
裏では、ジャンキーのためにクスリを流しています。
で、このクスリに必要な処方箋を、
ミカエルに書かせています。
ディミトリの背後には、マフィアがいるようです。
また彼の薬局で働く女性ソフィアは、
ミカエルの愛人でありながら、
ディミトリのプロポーズを受けるのです……
ミカエルは善人で、行動力もある。
ただ、優柔不断で自己チューなせいで災いを招き、
それに苦しむわけです。
ただ、このミカエルに、
感情移入するのは難しかったです。
となると、映画自体に入り込むのが難しくなり……
ワジュマンの作品としては、
イマイチだったということになるでしょう。
ミカエル役のヴァンサン・マケーニュは、
もともとあまり好きな俳優じゃありません。
でも、今回はいいかな、と最初は思ったんですが、
やっぱり……
ただ、ソフィア役のサラ・ジロドーだけは印象的でした。
他の作品も見てみたいです。
****************
追記:
この映画のことを考えていて、
少し評価が変わりました。
さっきふと、
この主人公は「キリスト」がモデルなのかも、と気づきました。
彼の、善人としての側面が、です。
で、
彼の、きわめて俗な側面、
これが「人間」なのだとすると、
ミカエルは、「キリスト」であり「人間」であるという、
二重性を象る人物だということになります。
この解釈は、外れていないように感じます。
ここから、さまざまなシーンの意味づけもできるでしょう。
映画としておもしろいか、と言われるとビミョーですが、
なかなかチャレンジングな作品なのかもしれません。
ラストでは、聖と俗がぶつかり……
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