この2作を見ました。
特に前者はよかったので、
第3作も期待しました。
これです。
『パリ、夜の医者』(2020)
(実はアマプラにもあります。有料ですけど。)
ミカエルは「夜の医者」、
つまり、夜、手当てを必要としている人を訪問診療する医者です。
人道的、と言っていいでしょう。
彼には妻と、とても可愛い幼い娘が二人います。
が、あまりに夜家にいないので、
妻とはギクシャクしています。
ユダヤ人であるミカエルには、
いとこのディミトリがいます。
彼は薬局を経営しながら、
裏では、ジャンキーのためにクスリを流しています。
で、このクスリに必要な処方箋を、
ミカエルに書かせています。
ディミトリの背後には、マフィアがいるようです。
また彼の薬局で働く女性ソフィアは、
ミカエルの愛人でありながら、
ディミトリのプロポーズを受けるのです……
ミカエルは善人で、行動力もある。
ただ、優柔不断で自己チューなせいで災いを招き、
それに苦しむわけです。
ただ、このミカエルに、
感情移入するのは難しかったです。
となると、映画自体に入り込むのが難しくなり……
ワジュマンの作品としては、
イマイチだったということになるでしょう。
ミカエル役のヴァンサン・マケーニュは、
もともとあまり好きな俳優じゃありません。
でも、今回はいいかな、と最初は思ったんですが、
やっぱり……
ただ、ソフィア役のサラ・ジロドーだけは印象的でした。
他の作品も見てみたいです。
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追記:
この映画のことを考えていて、
少し評価が変わりました。
さっきふと、
この主人公は「キリスト」がモデルなのかも、と気づきました。
彼の、善人としての側面が、です。
で、
彼の、きわめて俗な側面、
これが「人間」なのだとすると、
ミカエルは、「キリスト」であり「人間」であるという、
二重性を象る人物だということになります。
この解釈は、外れていないように感じます。
ここから、さまざまなシーンの意味づけもできるでしょう。
映画としておもしろいか、と言われるとビミョーですが、
なかなかチャレンジングな作品なのかもしれません。
ラストでは、聖と俗がぶつかり……