2011年5月8日日曜日

アーティスト・ファイル2011


時折小雨の降る東京、
でも今日はちょっと張り切って、
六本木と池袋をハシゴしてきました。つまり、
新国立美術館での「アーティスト・ファイル」と「シュルレアリスム展」、
ジュンク堂でのトーク・イベントです。

まずは「アーティスト・ファイル」のことを言うなら……
さてみなさん、ここで問題です。
上に貼り付けた作品は、一体何でできているのでしょうか?
(部屋は、数十畳あります。)

ちょっと遠いですか? それなら


そうです、ストロー(!)なんです。
ウケます!
しかもストローは中が空洞なので、
こちらが見る位置を変えると、影のでき方も変わります。
オモシロ! そして第2問!
同じく、材料は?

近寄ると

これは、マイラーテープと呼ばれる、
ポリエステルの一種だそうです。
これが、美しいんです!
展示室にいた係の女性によると、
掌サイズの、さまざまな形のものを組み合わせて制作していたそうです。

この2作を作ったのは、Tara DONOVAN というNY在住の女性作家だそうです。
これはA voir ! 見る価値あり! だと思います。

それから、やはりとても美しいと思った作品は、松江泰治の写真群です。
たとえば、


実物ははるかに素晴らしいです。
また彼の出品作品の中には、こんなのもありました。


このタイプの作品は、最初スティルなものなのかと思うのです、が、
しばらく見ていると、お! クルマが!
なんてことになり、これが動画だったことに気づかされます。
そしてすぐに、この画面には「時間」が注入されているのね!
と思うわけです。
これもオモシロ!

これら以外にも、現代的に「シュールな」作品があります。
やっぱり「アーティスト・ファイル」は、毎年オモシロ!

http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/af2011/index.html

そして「シュール」の本家「シュルレアリスム展」、
こちらは力のこもった展示で、
マッソン、ピカビア、マッタ、ブローネルら、
いい意味で「マイナー」の画家の作品が多く見られました。


こうした画家たちの絵を1枚でも見ようと、
学生時代、色んなギャラリーに出かけていったのが思い出されます。
今の若い人たちは、こんなに簡単に1度に見られて、羨ましい!

ただこちらは「アーティスト・ファイル」と違い、
ほぼ、30年前わたしたちが見て回った作品マンマなんです。
個人的には、なにか不思議な感じ。
印象派はいつ見てもあの印象派です。
「シュール」も、今やクラシックの仲間入りを果たしたんでしょうか?
これからの時代の若者は、こんな時代もあったんだね、
なんて言いながら、優雅な死体を眺めたりするんでしょうか?
いやむしろ30年前にでも、そう思って見ていた人がいたのでしょうか?

現在進行形の「シュルレアリスト」もいるんだと、
鈴木雅之先生はおっしゃっていました。
そういう作品が見てみたいと思いました。
ただ若い人は、こんな貴重な機会です、ぜひ見るといいと思います。
会期はあと1週間です!

http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/surrealisme/index.html

(続く)