DVD も出てなくて、
見られないなあ、
と思っている作品がいくつかあるのですが、
何の気なしに確認すると、
なんとYouTube にあがっていました!
去年の11月なんですね。
Le Thé à la menthe
https://www.youtube.com/watch?v=7J8cFkKd0cI
アルジェリア出身のハムーは、
もうパリに来て6 年になりますが、
いまだに定職もなく、
小さな悪事に関わってはなんとか生き延びる日々。
バルベスの部屋も、決してきれいとは言えません。
そこに、突然、
アルジェリアから母親が!
一人暮らしをしていた彼女は、
なんとか息子を連れ帰り、
結婚させるつもりです。
でももちろん、ハムーにその気はありません。
で、策を弄して何とか帰らせようとするのですが、
結局最後は、警察の厄介になった末、
母親と一緒にアルジェリアに帰ることになるのでした。
バルベス、というのが、魅力の1つ。
たとえば29分25秒あたりに、
スーパーで万引きしている場面があるのですが、
その袋――ついさっき買ったばかりの――には、
VANOPRIX の文字が(部分的に)見えています。
この店は、バルベス・ロシュシュアール駅の目の前にあります。
またハムーの部屋には、おなじみTATI の袋も転がっています。
それから小さなエピソードとしては、
ハムーがヨーロッパ系白人を好きになり、
彼女に振り向いてもらうため、
あやしい薬を調合してもらい、なんてのもあります。
(結局効き目はまったくないのですが。)
そしてこのハムーについて、
キャリー・ターはこう書いています。
Hamou was the first sympathetic representation of a streetwise but
vulnerable young immigrant looking to survive in Paris
without being seen as a victim.
(Reframing differnece, p.191)
ポイントは、「犠牲者」ではない、というところなんでしょう。
また監督は、アルジェリアで映画を撮れなくなり、
フランスに来たAbdelkrim Bahloul です。
つまり、フランス生まれのベンギギなんかとは経歴が違っていて、
そのへんも、映画に反映していると言えそうです。