で昨日の続きですが、
たとえばこの映画を、
「キューバ人」をテーマとしている作品だと考えてみると、
わりと視界が開けるようです。
というのも、主人公フアンは、
ふだんはキューバ人らしく(?)、わりとグータラしてるのですが、
ゾンビたちが出現した危機には、
とてもしぶといサヴァイヴァーとしての能力を発揮します。
そしてその方法は、基本的にローテクなんですが、
同時に、金儲けにもつなげてみせるあたり、
いい意味でしたたかだと言えるのでしょう。
彼は、キューバ人が持つとされる、
サヴァイヴする能力を体現しているようです。
一方ゾンビたち、彼らもまた、
キューバ人のアレゴリーであるようです。
というもの、いわばマンネリ状態に入った社会主義政権下において、
やや思考停止的な状態に入る部分が、
キューバ人にはないとは言えないからです。
しかもゾンビたちは、革命広場に集まったりします。
この場所は、政府が主導するデモが行われる場所なのです。
政府の言いなりに、デモに参加する人々は、
ゾンビ的だと言えるのかもしれません。
そしてそれもまた、キューバ人の一面であるわけです。
(学生情報によれば、
一般にゾンビたちは、ショッピングセンターに集まるそうです。
それはそこに人間たちがいるからであり、
また、人間だった時の習慣が残っているからだ、
と説明されます。)
B級映画なんですが、
キューバを足掛かりに、
スペイン、アメリカ、ロシア、アンゴラまで話が広がり、
とても面白い授業でした。