学生時代にお世話になった父路門フランソワ先生が、
帰天なされました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/obituaries/CK2014081102000037.html
わたしが、初めて作った教科書は、
『モナリザが行方不明』といい、
それは1911年に実際に起こったモナリザ盗難事件を題材にした、
ミステリー・タッチのものでした。
この教科書を、一応書き上げ、
そのフランス語をチェックしてくださったのも、
父路門先生でした。
夜の研究室で、父路門先生と、
共著者であった寺家村君(現在、拓大教授)と、
わたしと、
逐一フランス語を見ていったのでした。
指示代名詞の中に、たとえば、
celui-ci, celui-là という、差をつけて言う表現がありますが、
「これは、いらないでしょう?」
とおっしゃり、
そのときからわたしは、
授業でこの部分を説明するたびに、
父路門先生のことを思い出します。
吸い込まれそうなほどきれいだった先生の緑の瞳も、
忘れることはないでしょう。
先生、ありがとうございました。