大虐殺の時代はすぎたか
飢餓の牙は消えたか
結核菌はジュースのように薄くなったか
権力者は君臨していないか
精神病者は完全に看護されているか
貧しき人びとは静かにねむっているか
「問題は何ひとつ……」
北村太郎のこの詩は、『冬の当直』(1972)に収められています。
1972年というと、戦後27年目。
その時から、もう40年以上経つわけです。
この詩は、こう続きます。
あったこと
あること
ありうべきことをすべて想像したか