ヴィルジニー・エフィラといえば、
今もっとも「いい女」がぴったりくる女優ではないかと感じています。
ただし「いい女」と言っても、
あくまで身近で、
飾らず、
あたたかく、
だから必ずしもエレガントというわけでもない「いい女」ではあります。
つまり、ドヌーヴのようなペルソナとは違います。
一方、ジャン・デュジャルダンと言えば、
コメディー的な、
にやけた雰囲気を発しながら、
顔立ち自体は完全に二枚目で、
おどけていて、
やはり身近で、
見ていてつい微笑んでしまう俳優です。
ただしもちろん、
二人とも、
スターのオーラはハンパナイです。
この二人が共演するなら、
とにかく(エンタメとしては)80点は固いだろうと思いますが、
今回のこの作品、
Un homme à la hauteur
も、
あくまでエンタメとしてですが、
80点はクリアしていたと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=_ZUCqTRXV7M
アレックスは、才能豊かな建築家。
バツイチで、もう成人した若い息子と暮らしています。
ただ彼の身長は、136cm なのです。
彼はある日、
ある美しい女性が忘れていったスマホをを手に、
<maison>と書かれた番号に電話します、
スマホ、落としませんでした?
そして持ち主の女性、
弁護士で、やはりバツイチのディアンヌは、
彼と近づいてゆきます……
ラブコメですから、
ラストはもちろん予想できるわけで、
そこまでの過程をどれだけ変化の富んだものにし、
同時に結末に説得力を与えるかが勝負です。
もちろん、主演の二人が魅力的に見えることが、
絶対条件です。
その点、この映画は、
まあうまくやったのではないでしょうか。
ジャン・デュジャルダンを小さく見せる特撮は、
どうやっているのかまったくわかりません。
(はめ込みなどを使ったようです。)
そして根本的に、
この主題に乗れるかどうかはビミョーですが、
つい最後まで見てしまうのは、
やはり俳優の魅力なんでしょうか。