2024年6月29日土曜日

「おなまえ かいて」

ガザで戦争が始まってなもない頃、
こんなニュースがありました。


「現代詩手帖 5月号」の、

<特集・パレスチナ詩>から、詩を1つ引用します。

******************************:


おなまえ かいて    ゼイナ・アッザーム


あしに おなまえかいて、ママ

くろいゆせいの マーカーペンで

ぬれても にじまず

ねつでも とけない

インクでね


あしに おなまえかいて、ママ

ふといせんで はっきりね

ママおとくいの はなもじにして

そしたら ねるまえ

ママのじをみて おちつけるでしょ


あしに おなまえかいて、ママ

きょうだいたちの あしにもね

そしたらみんな いっしょでしょ

そしたらみんな あたしたち

ママのこだって わかってもらえる


あしに おなまえかいて、ママ

ママのあしにも

ママのとパパの おなまえかいて

そしたらみんな あたしたち

かぞくだって おもいだしてもらえる


あしに おなまえかいて、ママ

すうじはせったい かかないで

うまれたひや じゅうしょなんて いい

あたしはばんごうになりたくない

あたし かずじゃない おなまえあるの


あしに おなまえかいて、ママ

ばくだんが うちに おちてきて

たてものがくずれて からだじゅう ほねがくだけても

あたしたちのこと あしがひょうげんしてくれる

にげばなんて どこにもなかったって