さくっと見てみたのが、
『ブルゴーニュで会いましょう』(2015)
です。
ジェラール・ランヴァン、
ジャリル・レスペール、が出ています。
ブルゴーニュでワイン農家を営むフランソワは、
3年前に妻を亡くして以来やる気を失い、
今や農家は破綻寸前。
このままでは広大な畑が競売にかけられてしまいます。
そんなとき、
15年前に農業を嫌ってパリに出て、
今や有名テイスティング家となった長男が、
散々迷った末、
この農家を引き継ぐ決心をします。
これで、銀行からは、
1年の猶予が与えられるからです。
ただこの父子は、仲が悪い。
なのでワイン作りは簡単には進まず……というお話。
まあ、甘く言って、70点くらい?
ブルゴーニュの畑の景色は美しいですが、
あとは、ややムリのある、ベタな話です。
そしてこの映画を貫いている「思想」は、
伝統を重んじる「よきフランス人」にとって、
アメリカと日本は相容れない敵であり、
そうした文化に染まったフランス人もいるから、それにも注意すべき、
そして「フランス人」こそは、
ローマ以来の伝統を引き継ぐものなのだ、
というところでしょうか。
実はフランソワの畑の隣には、
ライヴァルである醸造家がやはり広い畑を持っており、
その家の娘は、いったんアメリカ人と結婚するのです。
でも、1年で離婚。
懐かしの畑に戻ってきます。
「フランス人」にとっての原風景である、
ブドウ畑の中に。
そして日本は、フランソワが息詰まったとき、
その畑を買い取ろうとしゃしゃり出てくる役目です。
そしてこの、フランスの魂とも言えるワインを扱う映画には、
アフリカ系も、アラブ系も、アジア系も、
影も形もありません。
見事に全員ヨーロッパ系白人です。
フランス映画が、一般にドメスティックに見えることに、
この映画も貢献しています。
主役であるジャリル・レスペールは、
この映画が印象に残っています。
彼が主演でした。
こんな作品もありました。
これはネトフリに、『ブラザー 若者たちの掟』
というタイトルで挙がっていました。
また、この映画ではバスの運転手でした。
それからジェラール・ランヴァンですが、
彼はやっぱり、
やさぐれ刑事かなんかの方が、
似合うと感じました。