そういう気になった中の一篇、朝日新聞の「論壇」で宮台信司さんが挙げていた「東京が、<生ぬるい>街になった理由」(磯崎新/中央公論8月号)を読みました。
これがねえ、なかなか面白い。都市の未来は廃墟だ、というのはかつての磯崎さんの言葉で、それに従えば、今の東京は「廃墟」だということになるわけです。磯崎さんが言うとおり、たしかに「理想都市」なんかになってはいません、東京は、今。
そして、やや図式的に言うなら、19世紀の都市・パリ、20世紀の都市・NY、に続いて、21世紀の都市・東京、になるはずだったのに…… と彼は言い、そうならなかった理由について検証しているのです。
21世紀は…… 上海! そしてやはり「情報」の扱いが、都市の性質を根底から、つまり21世紀的都市に生まれ変わらせるヒントになるだろう……
ちょっと分かりづらい箇所もありますが、とても刺激的な文章でした。
それにしても、この「現代詩手帖」の12月号、2600円とやや高めではありますが、読み応え抜群です。たくさんの詩人の、今年の代表作が(100ページ以上!)掲載されているので、十分モトとります。そして、さっきも触れた「今年の収穫」で面白そうな本をチェック! というわけです。年末のひと時、現代詩の最前線はいかがでしょうか?