2009年12月1日火曜日

あんた達



土曜日に、ティケン・ジャー・ファコリーのAfricain à Paris をご紹介しました。で、お気づきの方も多いと思いますが、これの原曲は Sting のEnglishman in NY です。

http://www.youtube.com/watch?v=JQQkI4W6_r8

そしてこの曲のサビは;

I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in NY

そしてもちろん、この曲のカバーと言えば、われらがBEP のUnionです。

http://www.youtube.com/watch?v=rT_-Ln7eWpw

この曲のサビは;

Let's start a union, calling every human
It's one for all and all for one
 
でここまで来たら、ファコリーももう1度。
 
http://www.youtube.com/watch?v=ATtFpc7N-js
 
サビは;
 
Ho ho un peu en exil, étranger dans votre ville
Je suis Africain à Paris
(ああ、少しばかり追放された気分さ、あんた達の街で、俺は他人
俺はパリのアフリカ人)
 
耳に残るのは、votre (あんた達の)という形容詞です。彼は歌います;
 
C'est pas l'enfer ni le paradis
d'être un Africain à Paris
(地獄でも天国でもないよ、
パリでアフリカ人であるということは)
 
そして唐突に、へんなことが思い出されます。疎開中の3年間、いやというほど田舎(東北)で疎外された詩人の岩田宏は、戦後逆に、東京に出てきて東北人の疎外を書いた黒田喜夫の詩を読み、こう書いたのです。
 
ざまあみろ! わたしたちはきみらのところで余計者だった。今度はきみがこの都会でよそ者になる番だ。
 
そう、この時東京は、黒田にとって「あんた達の街」以外ではなかったでしょう。
 
(ただし、岩田の名誉のために付け加えれば、彼はすぐ後でこう書きます。「……そして突然、都会と農村、労働者と農民という図式が雲散霧消した場所で、わたしはかれを兄弟のように感じる。」)
 
でも…… 都会育ちでも、都会から疎外されることって、珍しくないんですよねえ……